群馬県│甘楽郡南牧村立 尾沢中学校(森の学校)
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 甘楽郡南牧村立 尾澤小中学校
最近はスッカリと山ブログ化して廃墟に行ってない、と言っても元々廃墟ブログじゃないし撮影対象として「美しい」と思えば何処へでも足を伸ばしてはいるのだけれど。
で。
実は4月後半に長野県や群馬県の廃墟や廃校を回ろうとGW中の廃墟遠征を企画していた、メイン物件は小串鉱山。赤道儀に準拠したGPS機器を利用して夜景とか色々考えていたのだけれどやっぱり長野さんは格が違った、右を見ても左を見ても
雪、雪、雪。
またもや東亜プランな雪攻めに国道でさえ区間封鎖、これによって大きく予定を崩されて結局行けたのが本日の物件「尾沢中学校」のみって言うね。その後はちょっと前にエントリーした渋峠の雪山アタックに続くのだけど数件予定したいただけに長野さんと群馬さんには近々リベンジする予定でおりまする。
ほいでは今回の物件「尾沢中学校」のレポートを開始したいと思います。
群馬県の山奥にひっそり、そりゃーもうホントにひっそりと残る廃校が在る。夜間は電灯もまばらで真っ暗な集落を抜ける道、その県道を登っていくと見えて来たのが今回お邪魔した「尾沢中学校」跡だ。今回も撮影許可を得ての公式訪問なので管理者さんには色々とお聞きする事が出来た、転用されている現在のお話も聞く事が出来たので少しづつ説明していこう。
尾沢中学校の校舎が残る群馬県甘楽郡南牧村、この区域は高齢化日本一(限界自治体)として有名で村民人口の半分以上が65歳以上で占められています。過疎化が進んだ理由も沢山在りますが全国的な少子化の煽りをモロに受けた事も相まっており、幼少人口割合は4%とダントツで日本1位と言う不名誉な記録を更新し続けています。
南牧村 (群馬県) - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%8d%97%e7%89%a7%e6%9d%91_%28%e7%be%a4%e9%a6%ac%e7%9c%8c%29
因みにこの学校の正式名称は以下の通り。
「甘楽郡南牧村立尾澤小中学校」
そう、実は中学校だけじゃなくて小中学校として機能していたのでした。
周囲は古い建造物が多く、付近には診療所や一般家屋の廃墟も残っている。左側は裏路地の一般家屋で右側は旧体育館だ。現在は行政が管理しており、屋内イベントなどが開催される折に使用されている。
この学校には小中学校から中学校へ編成移行した際に校舎が2つ残されていた、そこで行政は学校の運営上2つの校舎を「普通教室棟」と「特別教室棟」に分けた。一般的な教育内容は普通教室棟にて、実験や音楽などの実習教育は特別教室棟での実施と成った様だ。
写真は校内奥の木造校舎「普通教室棟」、現在絶賛改築工事中で工事担当者さんも朝からお仕事中だった。まだ1階部分しか改築が済んでいないとの事だったが許可を得て2階も撮影させて頂いた。
実は1988年の廃校以降、特定非営利活動法人森の学校が運営する「森の学校」の1つに指定されており、自然体験、野外教育、環境教育、食育などに関する企画が数々と行われて来た歴史が在る。
森の学校 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%a3%ae%e3%81%ae%e5%ad%a6%e6%a0%a1
1995年よりこの旧尾沢中学校普通教室棟を活動拠点として活動を開始、2009年に栃木県鹿沼市と栃木県那須郡那珂川町の2箇所に拠点を移すまで実に多くの子供達に自然学習の素晴らしさを体験させてきた。
しかし拠点が移ってからは主だった転用はされておらず、暫くは手付かずの状態が続く事に成る。2012年後半から転用の議題が行政でも持ち上がり、本格的な転用計画は2013年から動き出す事に成る。
1階廊下部分、改築と言うよりは改修作業だった様だ。そして現在、どの様な転用がなされているか。ご存知の方も居るかもしれないが先程の森の学校とは別のNPO団体「特定非営利活動法人 中山間地域フォーラム」が中心と成って自然体験基地「山森自然楽校南牧校」が発足、テレビでも報道された様だ。
特定非営利活動法人 中山間地域フォーラム
http://www.chusankan-f.net/
開校予定は2013年4月、僕らが伺ったのがGW初頭だったのでもう開校しているかと思いきやまだ準備段階だった。まあ、そのお陰で撮影出来たのだけれど。
4月15日に完成したばかりだと言う手作りのピザ窯にも火が入っていた、3月20日にプレオープンイベントが開催されたのだけど校舎内に設置された体験型農村レストラン潺(せせらぎ)も改修工事が終わらない間々4月27日にオープンを迎えた。先程記載した「窯」はこのレストランで使用される物だ、写真はその窯脇に用意された座席と成る。
全面改修はもう少し掛かるとの事でオープンから暫くは1階のみの運用と成るそうです。
こちらは2階の中央教室、こざっぱりと片付けされているけれど当時の物も散見出来る。2階も何れは客席や実習場所に成る予定で今後改修工事が進められます。
体験型農村レストラン潺 - フェイスブック
https://ja-jp.facebook.com/NanmokuSeseragi
因みに地元新聞でも取上げられています。
自然体験のメッカに 南牧で廃校活用 - 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/1013669882192926/news.html
2階廊下、やはりまだ手が着けられていない分「廃度」は高い。近年窓枠がサッシに換えられてしまったのでその分木造校舎の美しさは削がれてしまってはいるけれど。
学校としては1949年から歴史がスタートし、1988年に終焉を迎える39年間。そして以降NPO団体に使用され現在に至るまでの合計64年間の歴史を刻む校舎、出来ればこの風合いを残した間々今後も運営してもらいたいと考えてしまう。
良く手入れされた階段部分、廃校で必ず撮影する場所の一つだ。廃校に限らず廃墟でも、何故か階段と便所は執拗に撮影し続けている。何かの病気か。
階段下の下駄箱、こちらも改修工事済みでとても綺麗。と、ここで一通り撮影を終えて普通教室棟を出たのだけれど工事のおっちゃんが何やら話したそうに此方を見ている。
→話す
小足見てから昇龍余裕
私の目、見る?
取り合えず話す事にしてみた、が。話が長い、とても長い。出来れば石垣の上に建つ「特別教室棟」を撮影したかったのでタイミングを見計らって、
「ええっと、それではコッチの校舎も撮影させて下さ「ああ、鍵がな」」
あ、はい。
そうですよね、鍵掛かってるから開けて欲しいのですが。そう口に出る前に、
「親方しか鍵持ってなくてね、(親方が)来るまでは1時間以上掛かるよ」
ああ、そうですか。それじゃあピザでも食べて待つか持ち帰りさせて貰いましょうかねぇ、店内で開店準備を進めている方に早速と「ピザは焼いて頂けますかコラ」と。
若干強い口調に成ってしまった、失敗、失敗~☆
「ああ、生地がまだ届いてなくてですね」
本日は以上です。
アプローチ
上信越自動車道下仁田ICから県道45号線を南下、県道93号線との分岐で93号線を更に南下します目印として南牧簡易郵便局を通り過ぎ、最初の大きなY字分岐が到着地点。県道93号線と県道201号線の分岐地点に廃校へ上る路地が見えます、現在は廃校ではなくNPO団体が管理しているので撮影許可などは別途行政かNPO団体へお問合せ下さい。
地図リンク
http://yahoo.jp/Dj31rG
photograph - nee