千葉県│ハンノ木湿原
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 馬来田 ハンノ木湿原(ハンノキ湿原)
房総最終章などと勝手に銘打ち、今迄行かなかった県下の景勝地や再訪レポートが何かと多い本年。考えもしなかった「房総半島に湿原が在る」と言う情報、この眉唾ごっくんちょな情報を元に行って来ましたよ…が、しかし。
こりゃーホントに「湿原」なんでっしゃろか…。
不安テラ盛りで歩くアバンな田園風景を越え、房総の湿原とやらに足を踏み入れた。
どうやらココが房総の湿原と呼ばれる「ハンノキ湿原」の様だ、早朝の来訪で空気も澄んで確かに気持ち良い…だがしかし、だがしかーし。
これを湿原と呼んで良いのだろうか…。
車のデポ地から歩く事20分、長閑な田園風景を越えるとこのハンノキ湿原の入口が見えてくる。田園地帯からは若干マディな小道を歩く、両側には行政が容易したであろう自然群生する植物のアナウンスボードも散見。
ツリフネソウ、ユウガギク、ミゾソバ、カラーなどが茂々しく群生している。この場所を湿原っぽく見る上で欠かせない植物がたった今出たばかりの「カラー」だったりする。
この「カラー」と言う植物、実は尾瀬などで有名な「ミズバショウ」にソックリな容姿をしておりまして。ウェブ上でもよくこのカラーをミズバショウとして勘違いで紹介している方がいますが実は別の植物です。
同じサトイモ科ですがミズバショウは「サトイモ科ミズバショウ属」、カラーは「サトイモ科オランダカイウ属」。群生地も異なるので撮影した写真を紹介する時はお気をつけて。
さて、そんなお誂えな植物が出迎えてくれるハンノキ湿原。地元の有志で木道も用意されていて普通に歩く分に不便は無い、非常に良く整備されている。
名前の由来の通り、この区画にはハンノキが群生している。通常の樹木と違い、湿地帯に好んで群生し、森林形成する特徴がある。また驚く事に薄い河川脇にはクレソンが自生していたりもする、規模としては小さくて湿原と呼称するのは憚るけれども確かに湿原っぽい一面は多岐に渡り見る事が出来る。
良く聞こえる声はウグイスとキジ、判別出来なかった数種類の小鳥。
10代の頃に尾瀬に数ヶ月篭った経験が在る身としてはちょっと物足りない房総の小さな湿原、お手軽ではあるけれどヤハリ霧ヶ峰とかに足を伸ばして八島ヶ原湿原とかを歩きたい気分に成ってしまうなぁ。
ああ、だけれども良い所もシッカリと在りますよ。房総の低地としては比較的水質が綺麗でこの先には湧水地としても知られる「イッセンボク」などの見所も在ります。
どちらかと言うと家族向けのライトなアウトドア、そんな場所でした。確かに存在した房総半島の湿原「ハンノキ湿原」、沢屋や山屋には不満が残る規模だけれど観光地化されていない穴場として見れば以外とオススメなのかもしれません。
本日は以上です。
アプローチ
馬来田駅前を通る県道165号線から県道168号線へ、馬来田中学校と馬来田小学校を過ぎて直ぐの小さなT字路を折れると細い農道を進んだ突き当りに成る。車での進入は難しく、また駐車場も無いので県道周囲のコインパーキングに駐車をお勧めします。
地図リンク
http://yahoo.jp/Bt2NiN
photograph - nee