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栃木県足尾町│宇都野火薬庫
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 栃木県 宇都野火薬庫跡(国指定史跡)
足尾銅山に赴いた時にどうせなら周辺の関連施設跡も廻って撮影しようと幾つか下調べした、その時に特に行きたいなぁと思ったのがこの「宇津野火薬庫」だ。歴史的にもとても古くてその建造物達の持つ時間の経過が齎す雰囲気がとても素晴らしい場所だった。
簡単にこの宇都野火薬庫跡を説明したい、興味ない方は読み飛ばしておっけー。
この場所、足尾銅山からも程近い足尾町の山中に今も尚ひっそりと建っていて廃墟好きさんもアチコチから見に来る人気のスポットだったりもします。近くにはわたらせ渓谷線が走り、近い駅は原向駅。この辺の駅はどれも佇まいが都内などでは見る事が出来ないのんびりとした田舎の駅って感じで鉄道ファンも各駅に訪れたりしてるのだとか。
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平成20年3月に国史跡に指定された足尾銅山関連遺構「宇都野火薬庫」は全部で5つの建造物から成り、しかしながらその建設された時期は諸事情あってバラバラです。軍事利用されていた火薬類の払い下げ品を銅山業に転用する為に保管庫として使用され、5つの役割や成り立ちも地域の歴史を紐解くと面白いのですがちょっと長く成りそうなので今回はこの辺で。
最初の写真は宇都野火薬庫跡の一番奥に在る「第4号庫」、因みにこの場所には入り口側から「火薬加工作業所・導火線貯蔵庫」→「第1号庫(雷管倉庫)」→「第2号庫(火薬・導火線貯蔵庫)」→「第3号庫(ダイナマイト倉庫)」→「第4号庫(ダイナマイト・導火線貯蔵庫)」と山間部を抉る様に掘られた脇穴の中に建設されています。
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それぞれの入口にはこの様に山中で出会う事は稀な石垣と石造扉がお出迎えしてくれます、重いですコレ。扉から5メートル程歩けば中の火薬庫達とご対面、各通路には地面の様に思えて実は落ち葉のふかふかフロアだったりマディだったりと注意が必要、ヘビとかも居るので夏場はホントご注意を。
夏真っ盛りな時期だと熊さんとかオオスズメバチ親分とか色々賑やかな場所でも在ります、大自然の中で野生の生き物と戯れたい場合にもお薦めですね(すっとぼけ)。
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こちらは第3号庫(ダイナマイト倉庫)、連なる火薬庫の中で唯一保温装置が取り付けられた。なぜ保温装置が必要だったかはちょっと専門的な話に成るし巧く説明出来ないのでごめんなさいです、簡単に説明すると火薬類の中には温度に敏感なモノも在って温度調整をする必要とする火薬がこの火薬に収められていたって事は確かです。
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後程記述するれど屋根の傾斜、基礎のアーチ型通風孔など建設には色々な考慮を為して建造されている。同目的の建造物でタイルや石造りが多いのもシッカリと理由が在ります、珍しい物では洞窟や地下壕の様な火薬庫も存在します。
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冬季は少しばかり寂しい気がするけれどそれはそれで素敵な景観です、ムッシーが苦手な方は寒い時期がお薦め。周囲の山では継続的に土砂崩れ防止などの工事が続けられているので平日は避けた方が良いかもしれませんね。
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こちらは最初の写真と同じ建造物、第4号庫(ダイナマイト・導火線貯蔵庫)。この宇都野火薬庫の建造物はこうやって山中に掘られた穴の中に建設されている訳だけどそれには理由がやっぱり在るのですよ。
明治時代から大正時代に掛けての建設技術で爆風に対応する建設候補地、そして爆発した時の対処を考え、この場所に成った訳ですが穴の深さや広さも当時の技術者が計算して掘削したと言われ、またどの建物にも屋根が残っていないのは爆風を上に逃がす為に予め強度を落とした設計がされていたと参考資料には書かれています。
うーん、成るほどねぇ。
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初めて来たのがまだ春の気配がするかしないかの頃だった、どうしても盛緑の時期に来訪したかったので機材を変えてこの場所に再訪したのが約半年後でした。
因みにこの場所、国の史跡に指定はされたものの管理は全くされていません。地元のNPO団体が中心に成って産業遺構や軍需遺構を保存する団体が幾つか集まってこの場所を保護・管理していこうと動きが在るようですが具体的な案は纏まっていないと聞きます。
観光課や地元商店組合の方達もこの史跡の事はご存知でしたがメインの道路である国道122号線沿いの活性化が優先である事、草木ダム東側の道路整備を進めて登山客を見込んだ商業施設を建設したい事などが管理の行き届かない理由の一つに成っています。
付近には旧道・廃道・廃線がひしめき合っている銅山集落を地で行く地域、ただでさえ足尾銅山の諸問題が解決していない現在において関係なくとも「足尾と関係してそう」と思われる様な史跡に住民は気が向かないのも十分理解出来る理由でしょう。
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(((;゚Д゚))) ホゲェエエエエ
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整合性の無い話で余り信用出来ない内容だけれど足○銅山の元関係者が共同でこの史跡を買い取るとか何とか…又聞きで全く全容が掴めない話なのだけれど。そもそも国の指定を受けている史跡って個人所有出来ないのではなかろうか、しかしながらその様な気概が在る方達に管理して頂いた方が歴史的に貴重な場所だけに良い事なのかもしれませんね。
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ここで文化遺産オンラインの紹介文を引用しよう。
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足尾銅山跡は栃木県西部に位置する日光市足尾町に所在する。
採鉱・選鉱・製錬の一連の工程を示す施設のほか、生活・経営その他に関わる諸施設・遺構からなる。 天文19年(1550)に発見されたと伝えられるが、本格的な経営は慶長15年(1610)で、慶安元年(1648)からは幕府の御用銅山となった。
明治4年(1871)民間に払い下げられていたものを、同10年(1877)、古河市兵衛が買収し、経営に着手して以降大きな転機を迎える。明治16年に本山坑を整備、明治18年(1885)に小滝坑、翌19年(1886)には通洞坑を開口し(完工は29年)、銅山経営の基礎が固められた。
20世紀初頭には日本の銅産出量の4分の1を担うほどの大鉱山に成長した。一方、各工程での廃棄物及び製錬時の亜硫酸ガスにより環境への影響が深刻化していった。明治23年(1890)には渡良瀬川の大洪水により下流域の農作物に被害を与えたことが契機となって鉱害問題が顕在化し、明治29年(1896)には「鉱毒予防工事命令」が出され、浄水場等が建設された。昭和31年(1956)に自溶製錬法による製錬が開始されるが、昭和48年(1973)に閉山、輸入鉱石による製錬も昭和63年(1988)に事実上の操業を停止し、足尾銅山の銅生産の歴史は幕を閉じた。
足尾銅山跡は、近世・近代を通じて経営され、特に近代にあっては銅鉱山として国内最大の生産量を誇った鉱山であり、我が国の近代産業の発展及び鉱害とその対策についての歴史を知るうえで重要である。今回条件の整った基幹坑道である通洞坑と銅産出の拡大を支えた火薬類を貯蔵す。
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足尾銅山跡 - 通洞坑 宇都野火薬庫跡 - 文化遺産オンライン
http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=218469
文化庁の国指定文化財のデータベースにも勿論登録されている。
国指定文化財等データベース(史跡名勝天然記念物)- 文化庁
http://kunishitei.bunka.go.jp/bsys/maindetails.asp
現在周囲の足尾銅山関連遺構を含め、世界遺産に登録しようと言う動きが行政と民間双方で検討されている。しかし企業側は口には出せない諸問題を色々と抱えている為に協力的ではないのは如実に解る事だ。事実、この様な動きが活発化して数年の内に本山製錬所を含めた複数の施設跡が解体されている。
隠し通さなければ(周知されていても公表や認める事は避けたい問題)成らない沢山の事実が在るのだろう、この辺に関しては今回のエントリーから反れるので言及しないけれど興味が在ればグーグル先生にお伺いをたててみと良いだろう。
本日は以上です。
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※ 2013年11月26日:エントリーを3つ統合した上で再編集しました。
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アプローチ
わたらせ渓谷鉄道を併走する国道122号線、日光側からだと群馬方面へ左折。わたらせ鉄道で言えば通洞駅と原向駅の中間地点のT字路、国道で言えば遠下信号の先のT字路を右折。暫く山道、5分ほどで小さな橋の手前左側に山中へ続く道が見えます。
地図リンク
photograph - nee
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