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栃木県足尾町│通洞動力所・新梨子油力発電所
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 栃木県 通洞動力所・新梨子油力発電所
※ 2011年夏季に通洞動力所左側が半壊し、内部は現在大変危険です。
ちょりーっす。
約1年振りに来ましたよ、足尾銅山系の遺構としては素晴らしい物件と言える通洞動力所・新梨子油力発電所の再訪(初回訪問と再訪双方のエントリーを再構築して掲載しております、本文中に幾分かの時間軸の前後が在る事をご了承下さい)です。2つの廃墟が混同されてますがコンクリート製の建造物が新梨子油力発電所跡、レンガ造りの建造物が通洞動力所跡です。
日光市教育委員会事務局の文化財課「世界遺産登録推進室」から頂いた資料によると、
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動力所では、さく岩機の動力源である圧縮空気がコンプレッサーによって作られていました。
また、そのための電気は、間藤発電所(後に細尾発電所)から送られた高圧電力を併設の変電設備で変圧し、供給されていました。明治45年には、通洞動力所に大型コンプレッサー「インガーソルランドPE-2」が導入されました。このコンプレッサーは、当時の国内の鉱山では最大となる320馬力の出力を誇りました。大正3年には、本山動力所にも同型の大型コンプレッサーが導入されました。
本山動力所には現在もコンプレッサーが保管されています。
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との事、この辺は少しづつ掘り下げていくと致しましょう。あ、余談ですが「本山動力所」が木造なのに対して、この「通洞動力所」は赤煉瓦造りです。理由は、うーん…なんだろ(机上調査では判明しませんでした)。
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通洞動力所正面入口、地震の影響か2011年の夏に左側が崩落してしまった。311の影響は足尾銅山関連の遺構に影響は在った様で管理物件とはいえ形のみの放置されている建造物は軒並み部分損壊などの報告がなされている。
いやいや、そんな硬い話は抜きにして。
ここの何が好きって足尾銅山系の遺構が集中する地区に在ってそれがしかも2つも一度に楽しめる、でもって物件内容も美しいとくりゃねぇ奥さん。
まずはぐるっと周り込んでレンガの外装が素敵な通洞動力所へお邪魔しましょう、早朝のお邪魔ですが陽の高さを計算して内部へ入ったので光量は十分。よーし撮りまくるゾーウ…って…ん…?
おかしい、何かがおかしい…言うなれば気配。視線を感じるんだ、事故で傷めた左足も疼く様に「警戒しろっ」と僕のゴーストに囁く。
ふっ、見切ったぁあー。そこかー。
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(´・ω・`)?
え…っと…唯さん…です…よ…ね?
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すっかり忘れてた、廃墟に来てたんだ。初っ端でイキナリやられたからな、うん…ここは通洞動力所だった筈。あー綺麗だなー、偶然が作り出す滅美って唯一だよなぁ…唯…。
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廃墟を撮影しているとですね、なんと言うか、人が介した歴史を一度凍結して僕らの様な廃墟好きがその歴史を解凍してると言うか。凍結と解凍、言うなればP-MODEL。P-MODELと言えば平沢進…平沢…。
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こいつぁやべー、素敵な内部。壁の変色具合とかご飯3杯はいけらぁ、差し込む光なんか最高の塩加減でうっかりカロリーオーバー。
そう言えば2010年に訪問した時にはシッカリとこの場所に変圧器が残されていた、ギリギリとは言えその形を残した屋根が残る状態だったので特に気にはしていなかったのだけれど。
そして約1年後の訪問。
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うん、無いでしょ変圧器。で、コイツは何処に行ったかと言うと正面入口付近に移動されていた。相当重い筈なのだけどどうやって…什器用コロ使ったって土の地面じゃ上手く動かせないし人力でやったのか…。
当初はこの移動に関して色々と憶測が飛んでいたのだけれど関係者が屋根の崩落を見越して入口付近に移したとの情報を入手、地震発生から1ヶ月以内の出来事らしいので崩落した夏まで少ししか猶予が無かった事に成る。
どちらにせよその予見能力は素晴らしいの一言だ。
写真は311の地震から1ヶ月半を経過した4月中旬、既に変圧器は移動されいて屋根の崩落は1年前とは随分変わって崩壊が進んでいる事が解る。
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日光市教育委員会事務局生涯学習課世界遺産登録推進室発行パンフレット「足尾銅山近代化産業遺構群」には、
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明治45年には通洞動力所に大型コンプレッサー「インガーソルランドPE-2」が導入されました。このコンプレッサーは当時の国内の鉱山では最大となる320馬力の出力を誇りました。対象3年には、本山動力所にも同型の大型コンプレッサーが導入されました。本山動力所には現在もコンプレッサーが保管されています。
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と在る。当時国内のコンプレッサーの出力が軒並み100馬力前後だったのに対し、凡そ3倍と成る大出力の320馬力。関連資料にはその出力を発揮して多いに事業に貢献した記されている。この「貢献」とは具体的にどういう事か、ほんのサワリだけ記載しよう。
本山動力所で大型コンプレッサーがまだ稼動してなかった時期、この通洞動力所で作られた圧縮空気を利用して銅山でのさく岩機の動力源としていた。電力は以前ご紹介した細尾発電所から送られていた電力を使用(初期においては間藤発電所)、送られて来た高圧電力は併されている通洞変電所で変圧し供給されていた。因みに通洞変電所は現在も稼動中の現役銅山施設だ。
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この動力所は2度の増築を重ねており、当初の木造建築から無理やりレンガ補強とコンクリートでの外装補強がされています。それぞれが独立した建築法を確立している為に複数の建材が重複すると建築物としては逆に脆く成る事も在るのだとか、今後崩壊は更に進んで行くと予想されるだろう。
銅山の掘削において中枢を担ったこの動力所、広い内部には幾重にも機材が置かれた痕跡が見て取れるのもこの廃墟の見所。完全崩落と成る前に来訪出来て本当に良かった。
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数年前まではこの動力所の保存を推進するNOP団体が在ったそう、しかし311の地震以降の大規模な崩落を経てその声は現在殆ど聞こえないのだと言う。しかも2011年の崩落を受けてお隣の新梨子油力発電所跡を含めた解体更地化の計画が予定されているのだとか、これは地元の住民からの聞き取り調査で得た情報なのでその真偽を確認する為に行政へ。
「現在予定は在りません」
うーん、現在は…ですか。行政内部も一枚岩ではなくて観光課、世界遺産登録を推進する関係部署とは随分と温度差の在る回答内容だった。行政上層部として面倒な問題を抱える「足尾銅山の関連遺構」は観光足りえる物を残して解体してしまいたいってのが本音だろう。
この辺を取材した地元新聞社の記者さんから提供された情報(ちょっとハッキリは書けないけれど)だと、近年中に幾つかの関連遺構が解体される事が既に決定しているとの事。
やはり地元感情や過去の就労被害者などとの世論を慮ると仕方ない事なのかもねぇ。
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稼動開始時期はハッキリしないものの明治、大正、昭和と3つの時代を駆けた動力所は1959年(昭和34年)にその使命を終えて稼動停止と成った。それからは向う1年間で停止された関連施設の移管作業が続けられた事で行政の記録には「昭和34年頃に廃止」と残されている。
直接は関係ないけれど銅山関係の発電所や動力所は過去に沢山存在していて「通洞」と名の付く水力発電所も一時期稼動していた、1901年(明治34年)に開設した「通洞水力発電所」だ、1934年(昭和9年)に廃止されるまでこの通洞動力所とは切っても切れない関係に在ったのは言うまでもないだろう。
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びっくらこいたでーな崩落状態の木造左側部分、こりゃ右側も時間の問題ですなぁ。解体計画もある様なので気に成る方は早めに写真に残した方が良いかもしれませんです。
それではお隣の新梨子油力発電所へ移動します、バイバイ唯。
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こちらは新梨子油力発電所、隣接する臨時発電を担う銅山発電所です。と、言っても元々は工場として建造された建物でその時期も発電所の稼動が確認される1929年(昭和4年)より数年前の事。成る程、関連資料に目を通せば付近の発電所との稼動時期など「何故この時期に臨時発電所を?」と思い当たる節は沢山在った。
内部の作りも凡そ発電所としての作りでは無いし、工場だと解れば納得の構造と言える。しかしゴミが凄ぇな、こりゃあ。
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工場としての役割は掘削機械の整備と木工製作で木工に至っては関係者の居住区の住居資材の加工まで行っていたと資料(行政から提供された非公開資料)に在る、そして1929年からは更に臨時発電所としての役目も加わって一見広く感じる内部は随分と手狭だった様だ。
発電所としての役目は1954年で終了、一部の発電機器はお隣の通洞動力所と他の動力関係施設に移された。発電所の稼動途中から場内クレーンと手動ホイスト(恐らくチェーンブロック的な使用だと予想)が設置され2階部分を増築、事務所と倉庫などとして運用された。
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この新梨子油力発電所は呼び名が3つ在り、ご存知「新梨子油力発電所」、旧名の「新梨子火力発電所」、そして日光市教育委員会事務局の文化財課の保管資料にも記載されている「通洞工場」。歴史的にも行政に「工場」だったと認識されている様で今後製作される一般向けの遺構群パンフレットにも”工場”のキャプションが併記される事に成りそうだ。
工場工場と連呼してはいるけれどこの臨時発電所、当時の国内では最大規模の1000キロワットを出力。勿論銅山関係の発電所の中でも最大でメインより予備稼動施設の発電所の方が出力が大きいと話題に挙がった事も在ったと言う。
まあ、そりゃそーか。
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相変わらずのゴミの山すなぁ、もうずっとこんな感じだけど内部は現役で利用されている様だ。関係者の出入りは比較的頻繁で倉庫や廃材置き場としてなのか来る度に物が減ったり増えたり移動してたり。
外壁はコンクリート製、戦時中は外壁全体に迷彩塗装が施されていたが今ではその殆どが退色してしまい、その配色を確認する事は難しい。
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新梨子油力発電所も通洞動力所と同じく、日光市教育委員会事務局が公表している資料から抜粋しながら簡単な歴史を説明致しましょう。
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足尾銅山系発電所としては珍しい重油燃料による発電を行ったのが新梨子油力発電所、足尾地区には日光地区と重複しながら足尾銅山関連の発電所は大小設置されていて本山にさえ予備発電施設が在ったほど。
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説明を読む限りでこの発電所は何をしていたかと言えば更に不足の事態に備えた非常用電力供給発電の為の施設だったってのが答え。公表で出力1000kwは当時としては最大規模と謳われているけどそれはあくまでピーク出力で在って非常用電力としてその全てを利用する物では在りませんでした、大正4年に建設され昭和29年に廃止。
内容はレポートで調査したものと殆ど一致、まあ整備工場や木工加工工場としての説明は流石に掲載してはいなかったですけれどね。
最後に2003年(平成15年6月号)の「広報あしお」に掲載されたこの動力所と発電所、付近の関連施設を取り上げた部分をPDFで見つけたのでリンクしておこう。
広報あしお - 足尾の産業遺跡⑱
http://ashio.shokokai-tochigi.or.jp/dennouhakubutukan/sanngyou%20iseki/kouhouashio/h1506.pdf
本日は以上です。
※ 2013年11月29日:2つのエントリーを統合した上で再編集しました。
photograph - nee
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