長崎県│片島魚雷発射試験場跡 - 魚雷収蔵施設
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 片島魚雷発射試験場跡 - 魚雷収蔵施設
画像を追加しました、何度か訪問しているこの施設跡だけれど日中の写真を今回は掲載。「片島魚雷発射試験場跡」は見所が多くて毎回訪問が楽しみです。最後尾に画像とテキストを追加エントリーしているので是非。
どうしても来て見たかった九州の物件の一つ、それがこの片島に今でも大きな存在感と共に残る魚雷発射試験場跡。うーん、軍事遺構としても歴史的にとても貴重な存在だったと言えます。
九州への仕事なんて滅多に無い、だから見ておきたい物件に関しては大幅な時間をさいておいた。その結果この魚雷発射試験場跡には3時間程撮影で滞在する事に、それでも足りない位見所が多くて周れない場所も随分と残った事が悔やまれる良物件でしたよ。
この場所は釣りの人気スポットで連日天候を問わず釣り○チさんが訪れます、しかも県外や九州以外からも来る様でこの日沢山の釣り○チさんが。事情を話してモデルに成ってもらったり荷物ごと移動してもらったりと協力的な方たちで3時間退屈せずに撮影出来た事も幸運でした、いやぁ北海道でのツーリングを思い出すなぁ。
廃墟系のサイトではこの片島をまとめて紹介する事が多いですがそれぞれ役目が違い、その内容も記載しておこうと思います。
最初に撮影を始めたのがこの魚雷収蔵施設。
川棚町教育委員会による案内板には、
佐世保湾北岸の海軍工廠で製造された魚雷を試験するために、大正7年、ここ片島に魚雷発射試験場を設置。そして昭和17年に川棚に海軍工廠が設置されたことに伴い施設を拡張。その際に片島は海峡が埋められ陸続きになった。
と歴史が要約されていて訪れる方達にその片鱗を感じさせてくれます。「片島」なのに陸続き、その由来は軍事設備の為に埋め立てられた事による人口半島だったと言う訳ですね。
正面から、この施設では名前の通り魚雷収蔵を主として時には発射実験の魚雷の整備調整が行われた様です。まず面白いのは建物の上部と下部で石の積み方、そして素材が違う事。
下部に関しては良く解らないのだけど石垣っぽい装飾、切込接(きりこみはぎ)と言うお城の石垣の積み方に似てるなぁ。石垣に関しては全く興味が無かったのだけど廃村を巡る内に野面積(のづらづみ)から入り、今では随分と積み方の種類が解る様に成りました。
そして上部、これレンガなんですが九州の軍事遺構や炭鉱遺構ってイギリス式が多い。一段筒縦と横を交互に組み合わせる積み方なのだけど今回の九州の遺構でレンガの積み方が全てイギリス式だったのは興味深い事の一つでした。
日本にもちょっと似た様な積み方で整層積ってのが在ります。
入口から内部を除く、うーん美しいです。モニター越しに見た風景が今眼前に、日差しも良い感じに傾いてきた…いや、実は待ってたのだけど1時間位。
外壁の作りはシッカリしていて直ぐに崩壊する様な事は無さそう、機会が在ればまた訪れたい場所だけに下手な再開発の的に成らない事を切に願う。
そう言えばGWに行って来た足尾銅山関連遺構の宇津野火薬庫跡に似てるなぁと思った。
ぎゃーす。
うんまそー、こりゃ大好物の類ですわ。屋根が無いのも素敵、結婚して下さい。ツタの絡まり具合もエロくて大変お宜しい、けしからん程お宜しいですー。
見れば見るほど足尾の宇津野火薬庫跡の作りに似てる、そして朽ち方もソックリ。屋根から朽ちるのはまあ解る、理由は沢山在るのだけどこの時代の建築方法やある種の施設に関して言えば調べれば直ぐに解る答えが在ります、興味が在りましたらグーグル先生に聞いてみよう。
施設内の部屋は2分割されており、恐らくは魚雷収蔵と魚雷調整の目的別に使い分けられていたのだろう。
自然に侵食された廃墟は本当に美しくて北海道で飽きる程見た炭坑遺構に通じるものが在る、紅葉の季節の炭坑遺構なんて正に眼球破裂覚悟の美しさ。
綺麗だなー、実に綺麗だ。月明かりなんかに照らされたらもっと綺麗なんだろうなぁ。F値爆光で広角のレンズって幾ら位するんだろうなー、高いんだろうなー、持病のヘルニアが爆発する位高いんだろうなー。
さて、撮影してる時に少々気がついた。写真を見てもらうと解るのだけど時代的にどうなの?ってタイルが敷かれて居る。他にも気に成った廃の人が居る様で僕も調べてみたのだけどこの施設の建設資料は見つける事が出来なかった、追って調査したい。
ってか、違和感仕事しろ。
総じて素晴らしかった、満足のいく物件だった。この後にこの片島魚雷発射試験場跡のシンボル、発射台と監視塔の撮影に移ります。
因みに今回は時間の問題で行く事が出来なかったが(と、言うか帰り際までスッカリ忘れていた)裏手の丘の上にも小さな廃墟が残っている、この施設とセットで良く紹介されているけど使用用途が余り知られていない。
この魚雷収蔵施設から内湾に延びるトロッコレールは勿論この魚雷収蔵施設から魚雷を運ぶ為に在ったもの、そして次回ご紹介する発射台から魚雷が試験発射されるのだけど発射台脇の監視塔と同様に丘の上から試射された魚雷の軌道を観測、監視する役目を負ったのがその小さな廃墟という訳だ。
夏場は茂ってしまって見つけ辛いかも。
さて、片島魚雷発射試験場跡その2な次回は先程も書いた様に発射台と監視塔の紹介です。此方も大変お宜しい物件でして撮影中はずっとオシリから血が止まりませんでした。
追加調査+追加写真│追加レポート 2012.02.25
九州遠征物件の中で良物件だった「片島魚雷発射試験場跡」、先に追加写真を公開した「監視所」と共に此方もご紹介しておこう。
片島魚雷発射試験場跡関連施設は3つのブロックに別ける事が出来、それぞれ「魚雷収蔵施設」、「監視所」、「発射台と監視塔」と区分される。
前回の追加分では「監視所」を、今回は「魚雷収蔵施設」の写真を追加掲載した。
どうしても冬季より映える絵と成るのは盛緑の成せる業だろうか、青空の下生い茂る緑が実に廃墟と似合うではありませぬか。
因みにこの「片島魚雷発射試験場跡関連施設」には後方の山中にも関連施設が御座いまして、斜面途中や頂上部には現存する遺構が発見出来る筈です。
そして更にはまだ廃墟サイトなどで取上げられる事がない関連施設が片島には在ります、それも追々ご紹介出来れば…そう考えております。
アプローチ
長崎自動車道東そのぎICをおりて国道205号線を川棚町方面へ向います、時間に関係なく日中は結構渋滞が激しい主要道路なので時間には注意しましょう。片島へ続く道路には県道指定も無いので地図を確認しながら大きなT字路を曲がって下さい、片島半島内は意外と広く、また路地が多いので此方も注意しましょう。
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