千葉県│小糸川水系三間川 奥米の滝(開墾場の滝)
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 小糸川水系三間川 奥米の滝(開墾場の滝)
何度も紹介した房総半島の素敵スポット、今回は同じ県内の割橋企画で付近を通過する事も在ってこの滝もプランに詰め込んだ、しかもただ写真を写すだけじゃ物足りない…んじゃ昇降しましょうかって具合に滝とその付近の斜面を登ったり降りたりして遊んできたんですよ。
一応有名な場所ですがオススメです。房総半島の川廻し遺構ですが今までエントリーしたものとちょっと種類が違います、今までの川廻し関連のエントリーは以下。
沢やシャワーラペの練習にも丁度良い物件(超初心者地形)なので気軽に遊べます、ロープワークだけも十分な場所だけど折角なのでハーネスも使用して安全に。それでは早速レポートを始めましょう。
道路から沢へ降りる枝(作業要路)を見つけて降り始めた、滑るってレベルじゃねーぞココ。ズルんズルんだ、やっとこ獣道っぽくなって楽出来るなーと思ったのも束の間…左側の斜面は10メートル程の崖でした。外道がぁっ(字面的な意味で)
以前来た時は沢の下流から攻めて辿り着いたのだけど今回は上流の川廻しで出来た隧道直下に出るルート、全く濡れる事が無いので装備は普段着でOKです。
途中に大小の切り株や倒木が在るので気を付けてくださいませ、あー因みに時期が時期だとヤマビル天国(※1)でスネーク天国です。
※1 沢歩きでヒルに気を取られない様に、あんなモン慣れです。見た目がアレなだけで別に毒が在る訳でもないのである程度ひっ付いたらエタノールやハッカ油で落せば良いでしょう。
ハラショー!
そう、コレが見たかった。この場所って実は滝に成っていて隧道の向こうは落差8メートルの滝壺、以前はこの滝の下に出るルートだったのでこの風景が見れてとっても嬉しい。
今回は水量が少なくて歩き易い、夏場も水量が少ないですが前日の天候次第で結構荒れます。川廻しの隧道としては結構大きい方、ココから下へ簡単に降りる事が出来ますが自信の無い方は絶対にやったら駄目ですよ。
明治後期に整河された新しい川廻しで雨量が多い時は古川(旧河川)も流れが在る、流石に下記は枯渇していて草木が生い茂っていた。
滝自体(河川も含め)の水流は極僅かで滝としての迫力は無かったけど人口の山岳整地としては一級の美しさ、県内でも珍しい「林業型川廻し」で古川の両岸は植林地として過去に使われていた様だ。
ダイナミック大工さん、頑張り過ぎぃ。
この場所へのアプローチ、本来なら下流側から沢を登って滝を見上げるルートが個人的にはオススメ、ですが沢歩きは知識も経験も必要とするので今回のルートを最後に記載します。
ですが注意して下さい、今回のルートも滑って転ぼうものなら崖から落ちる事に成る意外と油断ならない山道です。進入路初っ端から滑落の危険が在るので現地で駄目そうだなぁと思ったら無理をせずに。
滝はこんな感じ、上からの写真なんで伝わり辛いですなー。この場所をとても詳しく説明されているサイトが在ります、勉強に成りますので興味がありましたら是非一読して下さい。
http://chibataki.poo.gs/takicard/koitogawa/sangengawa/kaikonbaf.htm
最初に言いましたが数ある川廻しの中でもこの場所が他と種類が違う理由が在ります、川廻しは基本的に水田の水の引き込みや田畑の水源確保などに利用されます。しかしこの開墾場の滝に関する造成理由は農業でなく林業。
植林の植林地確保とその水源の為に作られた川廻し、それが他と違う最も大きい違いです。滅多に人も来ないので夏場なら新緑を、秋なら紅葉をユックリと楽しめます、ホントにオススメ。
※ 滝壺は3メートルほど在ります、泳ぎに自信が在れば大丈夫ですが滝壺の水流は海や川、ましてやプールなんかとは比べ物に成らない程複雑です。水遊びには十分注意して下さい。
それでは早速ラペの練習を兼ねて降りるとしましょうか、相棒が先に滝を、僕が脇の急斜面をそれぞれ降り始めます。
今回は9mmロープとカラビナ、ハーネスでディッセン・アッセンは無し。正直腕力だけで昇降出来るレベルですが一応それなりに高さも在るので保険として使用しました。
インとバックアップのダブルロープ、しかし1本で十分。
ただ滝の斜面が若干ナメなので踏ん張らないと滑るって点だけは注意したい、10メートルそこそこの高さで怪我とか馬鹿らしいですし。
そうだ、僕も早く降りないと。
滝の途中で相棒を待たせました、写真の右側がブッシュと樹木の急斜面で降りるのに手間取りましたがその間ずっとこの体勢で待機してくれた様で。
辛かった様で嗚咽の様な「ぎぎぎ」
ぎぎぎやめぇいっ
後でフェリックスガムのアタリ紙あげよう。
パーフェクトだブラザー
無事降りて来たな、良くやった。後でモロッコヨーグルのアタリ蓋をあげよう。
地理的に上流方面と思われるが行程差の関係で下流方面、三島湖へ続く。小さなポットホールが点在しているけど比較的歩き易い、流れも通年穏やかなので沢歩きの入門コースとしては最適だ。
沢の道中は山間部からのアクセスポイントが数多く在るので挑戦してみるのも楽しみの一つ。
朝っぱらから元気に遊んでしまった開墾場の滝、これから三島湖まで移動して廃橋の割橋です。この日は総物件数7件と相手が自然のわりには随分と無茶をした1日でした、この時点で既に3件目。深夜1時から起きっ放しのトレッキング、登山、沢歩き、滝登りのフルコース。加えて廃道と廃橋×割橋と帰宅時はクタクタ、若さがどうにも足りません。
さて、帰路は相棒と僕が逆のコースで復帰。ロープを回収して次の物件に向いました、時間はまだ午前9時…しかし行動を始めてからは既に8時間が経過していて眠い眠い…。
小糸川水系三間川 奥米の滝(開墾場の滝)
既に記載した通りこの滝は人口の滝、房総半島特有の農耕方「川廻し」の一環で作られた典型的な川廻しの隧道滝。発見は近年ですが詳細はハッキリしていません、メディアに紹介されたのは1978年の東京新聞8月14日号。
エントリーの途中でもご紹介したサイトがとても解り易く解説されています。
滝を観る
http://chibataki.poo.gs/takicard/koitogawa/sangengawa/kaikonbaf.htm
見頃は6月~8月の盛緑期、11月後半~12月前半の紅葉期。春先は落葉が多く、また葉の付きが遅いので冬場と大して変わりません、しかし房総では珍しい雪化粧をしたこの場所は大変美しく、僕も一度で良いので撮影したいと考えています。
※ 2014年02月23日:エントリーを2つ統合した上で再編集しました。
アプローチ
国道410号線から三島ダムへの小道に入ります、その後三島湖の湖上を抜ける道を南下、短いトンネルが2本、その後長いトンネルを抜けた最初のカーブに沢へ降りる枝(作業要路)が在ります。非常に見つけ辛いです、事前に情報を収集するか知っている方に伴われて行かれる事をオススメします。
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