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REPORT - 0108│保台清澄連絡道路

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6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


千葉県鴨川市保台ダム│保台清澄連絡道路


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 保台清澄連絡道路


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 連載更新


2015.02.24 - 再訪に伴う追加エントリーを行いました


2015年(確認は2014年)現在この旧道の整備が進められています、夏季の段階で全長の2/5程が簡単に歩ける状態まで整備されました。整備と言っても倒木の伐採と移動、ブッシュの除草作業がメインです。今後は連続隧道を越えて関東ふれあいの道までトレッキングコースとして整備作業が進めらる予定です。


御久し振りの更新ですが気にせず本題へ、今回は房総のガンダーラへ向かいましたよ。人気サイト「山さ行がねが」でも人気だった「保台清澄連絡道路」、この廃道へ本気写真を撮りに行くんだったらもう。


この「保台清澄連絡道路」は地元の方では意外と知られていて山菜や写真好きがちょくちょく入っている道です、「廃道本」でも紹介されてますがそれよりずっと以前より沢登り、林道好きのお気に入りの場所としてヒッソリと存在してました。それでは早速ご紹介。


この物件に関しての詳細は丸投げしちゃうぞぅ、以下リンクより。


山さ行がねが - 保台清澄連絡道路

http://yamaiga.com/road/bodai/main.html


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


スタートは保台ダムの進入禁止柵より、ココから徒歩でのアタック開始です。車両は進入禁止ですが徒歩ならばOKです、因みにオフ乗り林道好きにはちょっとしたダートも別に在りますがそれはまた別のお話。


photograph:+106frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川
今回の廃道、便宜上「保台清澄連絡道路」とか「遠沢新道」とか呼ばれているけれどどうやら本当の名称は違う様だ。測量会社さんの協力で昔の資料が入手出来そうなんで本当の正式名称が確定したらご報告したいと思う。


で、この廃道。待崎川水系から分岐した川の一つに沿う様に造成されている、上の地図を見て頂ければ解るだろうか。沢屋には有名でそれぞれ上待崎川鳴子川、そして今回の主役と成る遠沢川、この「遠沢川」は他の2本と違い旧来から地元生活道路として山中を切り開いた道が存在していた。また製炭産業の釜場が数十箇所在ってその場所へのアクセスルートとしても活躍した様だ。
6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川

さて、詰めなくてはならないこの「遠沢川」だけれど総長は意外と短くて2キロちょい。んだども測量会社さんから頂いた資料(ウェブ公開不可資料の為不掲載)を見るとこの廃道から更に2本の旧々道が描かれているでは在りませぬか、この道は江戸時代から続く古い道でこの保台清澄連絡道路(最終造成は昭和20年代)が出来る前の物だと言う。つまりはこの道の起源は早くて江戸後期から明治初頭、もしくは明治中期頃だと推測される。


房総半島の製炭産業は極々小規模で山岳産業としては個人レベルの物が大多数を占めていた、その為に大きなアプローチルートが開拓されない間々明治時代に突入。近代化の為に造成されたのがこの「保台清澄連絡道路」の正体と言えないだろうか、まあ推測の域を出ないけれどねぇ。


ほいじゃお邪魔しましょうか。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


50年程前までは使用されていた道ですが通常使用されていた道では在りません、経験則ですが到る所に房総特有の川廻しの痕跡が見られました。と言うか明らかに川廻しが施された場所が幾つか見て取れます。この区域での川廻しの記録はハッキリと確認は出来ていないけれど農業以外にも使用されていた事が解っている現在、メインでどの様に使用されたかは解りませんがそのお陰かスタートから10分程でこの風景とご対面出来るのは素晴らしいこってす。


ある程度調査した限りではやはり川廻しでの作業用道で使用された事も憶測の域を出ないけれど確率的に高い、と成るとやはり随分古い道なのが解る。その後は別用途で昭和初期まで使用された様だ。


行政に確認を取ると市歴、町歴共にこの道路に関する詳細な資料は既に存在してはいない様でして。同地域の住民や清澄寺への聞取りでは馬車道として部分整備されていた(簡易整備:馬車→未整備:背負子→簡易整備:馬車)としての産業道、製炭の釜場までの作業道、そして山岳農耕で利用する為の川廻しに関連する迂回路などの情報を得る事が出来のだけれど整合性がねぇ、その辺は機会が在れば再度調査はしてみたいと思うですよ。


山岳道路としての整備は明治時代まで遡るのだけれど結局、その詳細を明らかにする迄には至らなかったのがとても残念。ただ地図の測量の為に本格的な測量士が入ったのが1930年、これは関連文献の記録に残っておりまして。地図に記載されたのが翌年の1931年、それまでは地元民が知るだけの生活道路としての役目が大部分を占めていたのでしょうね。


一番目を引く石垣、これには正直参りました。と言うのも石垣には石の加工方法と石の積み方で大きく分類し、そこから石の種類や石垣の用途によって積み方を変えたりします。勿論時代背景も反映されるのでその積み込む技術で年代の特定も出来たりするんです、が。


見る限り野面積と算木積が混ざっている感じ、これってば時代が結構違ってくるしそのそもこの道路の工事が何時行われたのかって言う原点の重要なヒントになる筈なのですよ。この件については後程再度語ると致しましよ。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


到る所に足跡が。多少時間が経過しているモノや最近のモノも、山や沢をやっていると何時位の痕跡かは大体解る。マディな場所に残跡した足跡は少なくとも1週間以内のモノだった。


トレッキングコースとしては結構面白い地形、起伏に富んでいて歩いていてとても楽しい。何より絶景、個人的には林道好きが房総でよく秘境として語るT秘境より秘境らしい風景です。


全体を通して考えるとソック系のフラットソールよりトレッキングシューズやソフトブーツの方が歩きやすいです、トレーニング系やマラソン系のシューズは滑るので避けた方が。


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さて、写真には在りませんがこの手前で小さな石垣で高台を作った家屋跡が在りました。とても不思議思って教育委員会経由でこの地域の製炭産業を知る地元のSさんをご紹介頂いた、この方のお父様が製炭をしていたと言う事で面白い話を聞く事が出来たので少しだけご紹介したい。


「この道路を利用して何度も父の製炭釜や作業小屋に通った、当時は幾つも釜が在って1人で複数の釜を管理していた」


「川の水はもっと高くて(水位が高くて)その為に作業小屋を作る人は増水を恐れて斜面に建設した、新しい人は既に水位が水が低く成っていたから川沿いに高台を作って小屋を建てた」


「ここ(資料として持参した昔の地図を指して)、ここで道が3つに分かれていた。それとこっち、こっちは寺に行く道だった」


この他にも馬車や木製の荷台車の話、当時の風景などをお聞きしましたが気に成るのは記載した3点。やはりこの道は製炭の産業道路、生活道路して機能していたって事が解る。房総半島の製炭は1970年代で終焉を迎えている、野面積みの石垣の所為で時代の推測が難しいけれど製炭産業は1700年代後半には始まっており、より多くの貨物を運ぶ為に成岸工事を行う際に石垣を作ったと見るべきだろう。すると江戸時代後期にはこの形が出来上がっている事に成る、何故ならば房総半島で川廻しが農業以外の活用方法として利用され始めた年代と重なるからだ。


そして水位、これはちょっと専門的な地質学の話に成るから割愛するのだけれど簡単に言えばこの水位の変化が江戸後期にこの区域と言うか房総半島全体で確認されている。旧道途中の石垣の積まれた高台は恐らく明治時代の作業小屋ではないかと推測出来る。


そして最後に道の分岐、これは推測の域を出ないのだけれど方向的に清澄寺が在る現在の清澄山、そして元清澄山の方向を指していた事から山中参道としても利用されていたのかもしれないと考えられる。この辺は更に調査すれば関連資料が出て来るのでその内追記したいと思う。


photograph:+10


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登ります。


山行が」さんとは随分と違うルート選択、と言うか途中間違えちゃって無理矢理登ります。ルーファンを誤ると房総とはいえ随分面倒な事に成ります、この道は所々にルンゼなりガリーなりが顔を見せるので初めてのアタックでは避けた方が、正規ルートがシッカリ存在するので要下調べ。この辺は山や沢やってる人間の強みと言うか、傾斜が75度以下ならザイルなしで登るので今回は特に問題なし。


photograph:+10


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掘割に到着、この地点で全行程の半分位。早ければ40分程度でココまで来れます、何故か掘割内部に「清水」と大きく書かれていて「山行が」さんでも紹介されてました。


photograph:+10


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隧道群スタート、これより8つの隧道と掘削途中で中止した成り掛け1つ、用途の解らない掘削穴数個が。途中幾つか滑落注意ポイントが在ります、行かれる方はお気をつけ下さいませ。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


隧道内部はこんな感じです。実はこの写真の隧道の上に出れるルートが在りますが藪漕ぎが必要、見つけるのは難しいですが道は在ります。


またこの隧道の下方には枯れ沢が在ってそこから別のルートが見て取れます、若干古い踏み跡が在ったので知っている方は知っている道なのでしょう。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


髄道内から外を望む。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


最後の片洞門、見所の多いこの「保台清澄連絡道路」も終了です。登り詰めれば関東ふれあい道に出ます、清澄寺から4キロ位地点です。


これより車を停めた保台ダムまで引き返します、この様な道に慣れていれば1時間半弱で戻れる筈です。道の難易度としてはかなり低いので一部の滑落危険場所を注意すれば楽に走破出来ます、また植林された木々も多いので適当な場所で峰に向かって登ればビバークする様な迷子道は無い筈ですよ。


photograph:+10


因みにオンシーズンにはじっちゃばっちゃ大挙して押し寄せるトレッキングコースとしても近年使用されています、お散歩気分ではちょっと辛いですが体力に自信が在れば困る様な道ではないので挑戦するのも良いでしょう。ただヒルには注意、山道に慣れてない方は滑落する場所が多いので経験者と一緒に自己責任で。


ああ、そうそう。今後県内のNPO団体がこの旧道を整備して本格的にコース化しようと動いていると市関係者からお聞きしました、確かに楽ちんな行程だけれど運動に不慣れな方にはキツイ場所が数箇所在ります。美しくて旧家屋跡などの史跡も残る素敵な道だけれどヒッソリと残して欲しいと思うは我侭なのかなぁ、って感じで本日は以上と成ります。


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久し振りの保台清澄連絡道路、実に5年振りの再訪です。滅多にメンバーが増えない我々にも久々

と成る新人が入荷致しまして。柔道3段、現役で審判なんかもこなす20代中盤のピチピチっ子

す。どう言う訳か男性人は全員格闘経験者って変な集まりですがこれかも何卒宜しくお願い致しま

す、今回はそのニューフェイスの新人研修の場として軽いトレッキングを体験して貰う為にこの場

所に来たのです。


実はこの保台清澄連絡道路、数年前からトレッキングコースとして整備が進められておりまして。

現在ではまだ全体の20%程ですが大分歩き易く成っています、魅力溢れる連続隧道の後半部分は

逆に崩落が進んで以前のルートが踏破出来なく成ったりもしてますが楽しい沢歩き体験には持って

来いなコースだったりします。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道


5年前衝撃を受けたこの廃道の入口部分、2015年1月の来訪時にもシッカリと残っていました

。何せ近年に成ってメジャー化した廃道でして踏み後は正月後だと言うのに結構確認出来ます、廃

道旧道好きならずとも普通の山歩きが好きな方が結構歩いているのでしょう。


行政もトレッキングコースの整備に伴い看板などを設置、この廃道の簡易説明やコースマップなど

も描かれていました。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道


しかし整備区間を抜けると一気に沢歩き色が濃厚に、狭い踏み場と浅い沢内を行き来しながら進ん

でいきます。


行政主導のトレッキングコース化に伴って実は面白い事実が判明しています、以前のレポートでも

少々触れていますがこの廃道、色々と役割の多かった道でした。中でも房総の山間部産業の一つで

あった製炭、その作業道が幾つか確認出来る資料なんて物が出て来ているのです。しかも地元民の

証言も複数出て来ており、その確証は高まるばかり。


と、言っても廃道の更に廃道って事で余程山歩きに慣れている人でないとその存在は見過ごしてし

まう程の状態。県内NPO団体より提供された資料で確認するだけでも10本以上の枝(脇道)が

描かれています、途中途中バイパス出来る道が無くて突然姿を現す物も在って今後更なる究明が待

たれる大変興味深い道でも在ります。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


2014年の記録的な積雪によって沢全体が大打撃を受けています、この写真の様に側壁の土砂が

ごっそりと崩落して樹木の根の部分が顕に成っている箇所を何度も目にしたりも。


またコース自体が自然の力で改変されてしまっている場所も在ったりと5年振りの保台清澄連絡道

路は何かと楽しませてくれます、そして当然の事ながら倒木も凄い事に。


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沢が完全に埋没…はしていません、川の流れは下方2メートル弱の所で確認出来ます。倒木が重な

りあって踏破出来る部分がこの倒木の上しかないのですよ、場所によっては結構な高さの場所を迂

回する事に成ります。


新人の彼はさぞ後悔した事でしょう、しかしもう遅い…もう逃がさんよ。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


時にはこの様に遥か上方壁面よりの倒木を回避しなければ成らない場所も、段々と苦行の体を成し

て来ました。この日はこの廃道の他にも来訪地を設定しており、有名な清水の掘割手前でUターン

。この後に彼は更に酷い目に合う事に成りますがそれは又別のお話、今回の追加エントリーは現在

の保台清澄連絡道の様子をお伝えして終るとしましょうか。


4月を過ぎればヒル天国に、もし来訪を予定している方は早めの山歩きをオススメします。


アプローチ

まずは保台ダムへ、駐車場から最初の写真の場所が見えます。


地図リンク

http://goo.gl/maps/J0TNu


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photograph - nee


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