埼玉県 │小鹿野町三山の廃吊橋
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 小鹿野町三山の廃吊橋
以前から気に成っていた廃橋が在った、それは小さくて高さも10メートル以下の割橋物件としては過去最小規模の吊橋。それでも何故か惹き付けられるその造形、そのロケーション。当日はついで物件として訪問したけど終わってみればメインに据えても良かったなぁと思える素敵な廃橋だった。
場所は埼玉県秩父郡小鹿野町三山、ティンと来た方も居るだろうか。「山行が」さんでも紹介された「橋梁レポート 小鹿野町三山の廃吊橋」、この物件だ。
○ 山さ行がねが - 小鹿野町三山の廃吊橋
http://yamaiga.com/bridge/tanokasira/main.html
興味が在る方は是非、詳細には触れられていないものの素晴らしい渡橋レポートと成っている。橋の種類など建築技術に触れる内容も在ります。
さて我々は、と言いますと。
独自の調査といつも通りのぶら下り健康法、そしてジャングルジムを楽しんで来たのでした。それではその模様を短いですがエントリーさせて頂きましょう。
国道299号線の旧道と成るこの場所、民家も無くて車も殆ど通る事が無い。当日も会ったのは釣人1人だけで地元の車が帰り際に1台通過したのみ、その間1時間以上だったが随分と閑散とした雰囲気だ。
車のデポ地から歩く事50メートル、赤平川に掛かる今回の物件「小鹿野町三山の廃吊橋」が見えて来た。第一印象は「ちいせぇな」、これ本当に割橋に成るのかなぁと。
ああ、やっぱりね。こう成りますよね。事前調査でもこの廃橋に関しての資料は乏しく、名称や竣工日などの詳細は解らず。行政にもお尋ねしたのだけどなんとこの橋に関する資料は保管されていないそうで。
ただ補足として教えて頂いたのはこの橋と上流に架かる類似吊橋(場所は以下URL参照)が同時期に建設された事、建設業者が同一で在る事の2点だった。
○ 上流に架かる類似吊橋(こちらの吊橋は廃橋ではない)
http://yahoo.jp/JfWmad
参考としてその類似吊橋を取上げているサイトも記載しておこう。
○ きまぐれ旅写真館 - 名称不明の橋
http://www.geocities.jp/fukadasoft/bridges/olds/ogano/index2.html
○ 埼玉発 おとなの小探険 - 埼玉県小鹿野町 あの廃吊橋再訪
http://blogs.yahoo.co.jp/takaratta1152/37604054.html
それではアプローチ開始。スタートして直ぐに高低差が出てくるので5メートルも進むと10メートルの落差が生じる、それでもやはり低く感じてしまうのは慣れの怖い所。
さて、最初に在る程度のタネ明かしをしておこう。
この吊橋も上記にて紹介した類似吊橋も同じ目的で作られている、それは旧林道を遮る赤平川のバイパスだ。実は両方とも橋の前後に現在では使用しなくなった(造成されて消滅した)林道が在った、竣工時期は1970年前後だと後の地元住民の聴き取り調査で判明したのだけど正確性には欠ける。
もう少し色々と調べたのだけど建築行政に係るルートから判明した事と地元住民から聴き取りした内容が合致しないので今回は掲載を見送った、機会が在ればその詳細をお知らせしたいとも考えています。
うん、確かにボロボロだけれども…。高所の岸壁ラペに比べたら幼戯同然か、それでも雰囲気は素晴らしく良いし撮影被写体としても十分美しい。もう少し進んでみよう。
トラス部分まで来た、コレは美しいな。紅く塗装された橋梁と自然の緑が何とも撮影意欲を掻き立てるでは在りませんか、一応安全帯を使用して安全確保には留意します。
橋床板が腐り落ちているのでトラスのアングル部分を歩きます、橋床板を支えるブレスは只のフラットバーなのでアングル歩行メイン。枠材には釘が連打されているので気を付けます。
ステップポイントがないのでリペに成る、んだども10メートルでリペかぁ。非常に詰まらんな、取り合えず主索にビレイを取って降下準備だけしてみようか。
相棒も高低差が少ないものだから詰らなそう、低いものねぇ…。希望としては、
を是非お願いしたいのだけれど。帰りにうどん奢るぜ?
「なあ、やれよ。うどん奢るって。」
「やっだぁ~☆(真顔)」
トラス部分に戻ってきた、この場所にはコノ「画」を撮りに来た様なもの。もう少し高さが在れば広角の魅力が引き出せたのになぁ、てっか蚊が多いよ。
飽きて来たので駄菓子の話を始めた。
「昔在ったじゃん、なんか練るお菓子」
「ああ、練れば練るほど色が変わって最悪の場合死に至るやつですね」
そんなだっけか?
トラス部分を降りてきた、下から見上げた「小鹿野町三山の廃吊橋」は中々の迫力だ。蛇足かもしれないけどこの赤平川に架かる橋の内、既に解体再建設された橋の中にこの廃橋と類似する物が3つ在った事が解った。現在は近代橋に生まれ変わったのだけど同時期に建設された吊橋はこの「小鹿野町三山の廃吊橋」と既述した類似橋の他にも存在していたのは余り知られていない事実だったりする。
人間が単体で渡橋する強度は残されているのだけど主索その他ワイヤー類がもう駄目、橋床板もその殆どが腐敗して中央部の板も時間の問題。訪問しても渡るのは控えて頂きたい…と大きな声では言えない立場の注意喚起、一応。
それではそろそろ帰りますか、着替えて帰り道のナビ設定をする。
ナビ「およそ、200km先、目的地周辺です。音声案内を終了します」
え?
アプローチ
国道299号線小鹿野町三山附近、旧道と新道が交差すして旧道の中間部分に。赤平川に類似した吊橋も在るがこの橋だけは立入禁止とされている。
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