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栃木県│霧降の滝 史跡調査 再訪
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 霧降の滝(岩屋不動/大師の石造/名称不明の石仏)
今年も行って参りました初夏の霧降史跡調査、昨年の初挑戦で滝口へのルート開拓(旧道や旧登山道ではなくて新しいアプローチルート)や史跡発掘プロジェクトさんの補完調査で訪れた霧降の滝へ再挑戦なのです。と、言ってもメインは新人研修を終えた新しい参加者さん達にビギナー物件よりちょっとだけ実践的なロープワークを体験して欲しいって言うのが正直なところで実際はそこまで深々と調査に力を入れた内容じゃ無かった事を予めお断りしておこう。
それでも今回は霧降の滝やアプローチルートの途中が崩落してしまった白雲瀧(コレは別途追加エントリー)の再挑戦など内容としては概ね楽しんで貰える内容で予定を汲んだので新人には良い経験に成った筈、今後はもう少しハードな場所へお連れしようと画策しております。
さて、それでは前回の模様を下記リンクから見て頂いた上で今回の行程のレポートを読み進めて貰うとしようか。それと継続されている史跡発掘プロジェクトさんの続編も丁度少し前にアップされていたので同様にリンクしておきます、まだまだ謎が深そうな霧降の滝…これからも楽しめそうです。
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続いて未だ発見されていない右壁の石仏を調査したレポートは「史跡発掘プロジェクト」さんのブログからどうぞ、うーん先に見付けたいなー。
日光霧降高原 史跡発掘プロジェクト②
http://fifabakutyouou.cocolog-nifty.com/nikkousannsou/2015/04/part-2-60ed.html
それではエントリーを開始します。
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今年は新人2名の現地実施物件として用意した霧降の滝の滝口までのアプローチ、旧道や旧登山道からのアクセスを使えばもっと楽に到着出来るのは百も承知の上で敢えて面倒な行程を選びます。と、言うのもその面倒ルートの途中には本当に素晴らしい自然が残されているからでして。
この夢のドリームと言える風景を是非新しいメンバーに見せたかったのです。
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車のデポ地で各々の装備を確認、点検。行程の簡単なレクチャーを済ませて昨年同様「霧降高原大山ハイキングコース」の途中から入山です、つつじヶ丘から丸太橋方面へ登山道を歩き、GPSのロガーでマーキングした昨年と同じ地点から地図には記載されていない涸沢を目指して谷を降下して行きます。
登山道付近は植林区画で整備もされていますがやはり原生林の様な美しさは皆無、折角手付かずの自然を楽しみに来てるので多少体力が削られようとも霧降本来の大自然へ身を投じたいと思うワケですよ。この時点で新人メンバーはこれから待っている絶景を想像するのはきっと困難だろうなぁ、クーソーは頭のコヤシなんだぞ(※1)。
※1:そんでもってクーソーしてから寝るんだ
photograph:saorigraph
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マディな斜面を暫く降下すると膝上位のブッシュを境に植林地帯と原生林地帯が分かれているのが確認出来る、ここから更に急斜面を降下すると昨年その美しさに目を奪われた原生林地帯の涸沢に出合う筈…それじゃー行きますか、ココからが本番でっせ。
距離:203メートル(滝口までの直線距離)
標高:722メートル
※ ロガーはこの境目付近から開始しました
photograph:mogi
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こ、これは自然界におけるスパゲッティコード…
相棒さんが写真を撮りながらブツブツ囁くのはいつもの事だ、「解りませんか?言うなればエリッヒ・フォン・シュトロハイムが映し出す音も説明も要らない…そう本能に訴えかk」
「ちくわでメロンフロート飲む様な奴に言われたくねぇよ」
距離:181メートル(滝口までの直線距離)
標高:723メートル
photograph:saorigraph
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これまた昨年と同じ場所同じ樹木から支点を取ってラペ開始、浮き土でずるんずるんなので慎重に。特にボルダーな場所も無いのでサクっと全員おります、新人にとっては初めてのラペですが緩い斜面なので恐怖感も無い事でしょう。
※ 新人研修ではロープワーク研修2回、ビギナー沢物件の現地遡行などを行なった上で参加して貰っています
※ 全員自力登攀出来るだけのロープワークを身に着けた上で現地に同行しています
距離:102メートル(滝口までの直線距離)
標高:745メートル
photograph:+10
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素晴らしい!古文書にあった通りだ!!と思わず掛けてもいないメガネをクイクイしたくなる美しさ、昨年と変わらず目を奪われる景色で御座います。付近にはヤマツツジ、ヤマサクラ(時期的にヤマツツジとヤマサクラが同時期に見れるのは珍しいってそば屋のじっちゃが言ってた)、アカヤシオが彩りを添える様に散色していました。
霧降川では岩魚が大きく育ち、山間部ではフキノトウ、ゼンマイ、コゴミ、アイコ、シドケ、ウドなど煮物や天ぷらで食べたい食材がアチコチに。因みに霧降の滝の滝壺付近には大きな岩魚が結構おりまして地元の釣人にも人気が在る場所だったりします、携帯用のペンロッドがポキっといっちゃうサイズがゴロゴロしてるんだよなぁ。
距離:48メートル(滝口までの直線距離)
標高:656メートル
photograph:saorigraph
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昨年はこの滝口で満足しちゃったけれど今年は上段の滝の右壁を調査したいのでロープをタップリ持って来ましたよ、カーンマントルはそれぞれ20メートル×2本、カーンマントル30メートル×1本、カーンマントル50メートル×1本、スリーストランド20メートル×1本(簡易アプローチ用)と取り敢えず滝壺までは降下可能な距離は確保して在ります。
新人の安全な降下と登り返し、またロープの回収を考慮すると途中までと成りそうですがまあ行ける所まで着いて来て貰いましょうか。
写真は既に滝口から少々降りて右壁に取り付いています、支点確保を行なって降下準備をしている最中ですね。
※ 電源節約の為ここからロガーをオフしています
photograph:U氏
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沢屋さんや岩屋さんが普通にクリア出来る場所でもビギナーさんには怖いものです、なのでどうしてもルート作りに時間を割いてしまう訳ですが支点を確保して通常出さないロープを使用すると結果的にアタック組(最初にアプローチする人)のロープの総距離が減る事に成ります。
今回もこの上段の滝のテラスに降下するまでに既に2本のロープを使用しました、そうするとクライムならフリーでクリア出来る場所でも降下と成ると話が別な訳でして。中段テラスまでのロープ量が怪しく成って来ましたねぇ、どうしましょ。
まずはいつもの相棒と自分との2人で降りてみますか、さくせんを「ガンガンいこうぜ」に変更してアプローチ開始です。
開国しろやぁぁあああっ(気合の叫び)
photograph:saorigraph
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上段の滝テラスに到着、しかし切り立ったエッジの壁の所為で右壁が良く見えないなぁ。更に降りる事も勿論出来るけれどココに新人を連れてくるのはちょっと不味い気がする…先行したアタック組2人で相談した上で今回は撤退して別ルートから中段テラスに向かおうとの結論に。
フリクションを使用してちんまりと登り返すワタシに対してフィジカルモンスターの相棒さんは腕2本でするすると登って来た、虫みたいで怖いよアンタ。
※ 垂直の壁を登攀する場合、ナイロンスリングで即席のフットテープを作ります。ノットは何でも良いですがまあ普通にダブルエイトが無難、ハーネスとは別々にマッシャーでフリクションを取って交互にグリップアップして登り返します。実はとても危険な方法で出来れば機械登攀が好ましいですが緊急時には役に立つ登攀方法でも在ります、いつロストテンションするか解らないので専用ギアの使用をお奨め致します。
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「ほーら写真撮るぞー(こいつら全く聞いてねぇ)!」
「…」
「素敵な笑顔が撮れるかなぁ?はい笑ってー…3・2・1…」
デストローイ
※ 誰もこっちを向きませんでしたʕ·ᴥ·ʔ
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推定初到達記録を伸ばし続ける弟子♀です、今迄も房総の間滝など女性で恐らく初めて来たんじゃないかって場所にも慣れっこの様でして。この霧降の滝の滝口も恐らくは女性初じゃなかろうか、ただ岩場のヘッピリはどうにも成らん様だな…もう少しボルダーな場所にも慣れてくれれば連れて行ける場所も増えるんだけれどねぇ。
まあしかし彼女は撮影がメインだしな、死なない程度に精進しなはれ。
さて、ここからは中段テラスへの道(レストハウスからのダイレクトルートではない山中ルート)を開拓するとしましょか。
そもそも今回は霧降の滝の上段の滝テラス、中段テラス、下段テラスとそれぞれ区分けにしてジックリと未発見の右壁に残されていると言う石仏調査をしたかったのです。上段テラスは降下でもシャワークライムでも恐らくは付近の調査は不可能、これは地形的な問題。そしてこの地形では石仏を掘ったり運搬するのも寄贈当時は不可能だったと思われます、そこで重点的な調査を中段テラス、下段テラスから見る事が可能(もしくは登攀可能)な右側の壁に絞って行なおうと現地で計画変更をしたのでした。
登山道への登り返しを嫌がり、どうしても山中ルートを開拓したかったと言う気持ちも強くて。時間的な余裕が在れば2日間位に分けて周囲をぐるっと歩くのだけれど新人さんのナビゲートも現地実施もあるしで多少の無茶(危険なルートは選択してないですよ)をした訳です、って事で最初の涸沢に戻ってルーファン開始です。
photograph:+10
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で、山中をにじり歩く事2時間程。2つのピークを超えて見ましたが中断テラスへの道は結局開けず。しかし前回大いに感動した件の涸沢を上回る絶景ポイントを発見、いや…余りに凄過ぎたんですわ。
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…凄いな、ここ。
尾根の一箇所にこの複雑に絡み合った枝を構成している樹木が集中している、いや周囲も十分とぐるぐるしているのだけれどココだけ尋常じゃない…でも、うん…綺麗です。
こりゃ機材揃えてコレをシッカリと取りに来るかね、来年は。
※ この時点で山中からの中段テラスルートは諦め、レストハウスからのダイレクトルートにて来年改めて探索する事を決定。一行は車のデポ地に戻って滝壺から下段の滝のテラスへ向かう事にしました。
photograph:+10
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どうも去年振りです、既にヒル(※2)にバーニングされた方が数人いらっしゃいますがご自分で対処して頂きましょう(自作忌避剤は用意してもらっています)。
さて、実は下段の滝のテラスは上下に分割されていて下段の滝下方テラスは滝を直登しても左壁からアクセスしても到達は容易。が、しかし行く意味はハッキリと言って皆無。
と、言うのも。
下段の滝下方テラスは登らなくても滝壺からその全貌が確認出来てしまう、という事は…だ。残るは下段の滝上方テラスと言う事に成る。これも下方テラス同様のアプローチが可能だが気に成るのは右壁からのアプローチルート、事前調査では殆どの沢屋さんが左からアタックしている。
これはアプローチルートが地形的に形成不可能なのか、それとも意味が無い(先へ進めない)のか…まあ折角現地に居るのだからやってみますかねぇ。
※2:以前まで霧降の滝にはヒルは居ませんでしたがここ数年で急激に増加、現在はヒル天国と化しています。
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無駄足に成らない様に新人には霧降川で遊んでいてもらい、まずは単独で急斜面から岩場に取り付く。予想通りバーチカルな岩場が連なっていてココからのアクセスは不可能…と思われたが一箇所だけ行けそうな場所を発見。ステップもフックもハング気味ながらなんとかフリーで直登出来そう、支点確保の為に先行して相棒に登ってもらおうと声を掛ける。
濡れる事(川を渡る)が嫌な様で独自の手話で「い・や・だ」とジェスチャー、大声で「いいから来い」と叫ぶ。
”川で服を濡らしてはいけない”
代々守られてきた彼の家の家訓だそうだ、いいから来い。そして登るんだ。
photograph:saorigraph
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駄目だこれ。
10メートル程の岩場を登り、更にそこから地形的な登攀を試みたが途中からナメの岩が抉り込む様に人の往来を拒んでいる。成る程、恐らくは試した人が居たのだろう…が、同じ様に撤退した筈だ。ココからは登れない、うん…これはアンカーやハーケン云々ではなくて地形的に無理ですわ。
それでも結構な高さまで来たんですよ。
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暇で不貞腐れている弟子♀が1ドットに見える位には登って来たってこってす、岸壁に茂っているブッシュで恐怖感は薄いですが結構怖い所に居たりします。
さて、これで最終的な調査箇所は下段上方テラスの更に上方右壁と中段テラスのみ。これ以上は新人さんには辛いので来年はメンバーを選考してシャワークライムからのアプローチかレストハウスから中断テラス~シャワーラペで下段テラス周辺の調査って感じにしましょうか、恐らく次回で完結出来ると思います。ヒルが少ない時期に再挑戦ですわ、また来年のこの時期に来たったるで。
※ 補足
日光霧降高原 史跡発掘プロジェクトさんが今年(2015年)の4月に再調査で中段テラスを見聞している様です、その模様は冒頭のリンクを参照。この人達でも見付けられてないのにウチで発見出来るかなぁ…、まあ”在れば”ですが。
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そんじゃ帰りますか。
これ、解り辛いですが急斜面脇の岩場で実はハングしてます。着地した途端にずるずるーってなもんです、しかも低く見えますが結構ね、高いって言うね。
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「今の戦争を知らない若い奴らに本物の戦士の姿を見せてやりますよ」
彼は徐に嘯くと垂直の岩肌とコンタクト、冷戦構造を長期間続けている「きのこたけのこ戦争」とは違う血で血を洗う本物の戦い「ブルボン内戦」や後の「ヱスビー紛争(※3)など…彼は生まれた時代が故、必然的に戦いの渦中に身を置く事を余儀なくされて来た過去が在るのだ。
そんな彼の過去など知りえないワタシ達一行は「ああ、そう」と言い残してその場を離れた、少し離れて彼も着いて来た。
※3:鈴木佐藤紛争とも、やおきん協定により停戦中。
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落石が怖くてアタックを控えた場所、もの凄い大きさの落石がゴロゴロ(東北地震の時に大崩落を起こして未だに崩れ続けています)。その為周囲も大規模な浮きガレが続いている、回り込んでラペで降下しても良いがそれ自体も結構な危険が予想されるので今回はスルー。
それでもこの美しさよ。
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今回も遊ばせて頂きました霧降の滝、実は近年の調査で全長は75メートルではなくて100メートル以上在るのではと言われている。確かに現場で降下したり登ったりしていると高低差が公表75メートル以上に感じるのは確かだ、その所為かアンカーレスでの登攀は危険と判断出来るし残置なしで登りきれるルート開発なんかも面白そうでは在ります。
まだまだ懐が深いこの場所ですが残すのは中間テラスのみ、この右壁調査を行なえば石仏の実質調査は終了なので次回こそは発見に至りたいと思うところ。しかし年々ヒルが増え続けているのが何ともねぇ…慣れている側からすれば別に足に何匹くっ付いていても気に成らないけれどビギナーさんや虫が苦手な人はどうもビックリする様でして、毒も痛みも無いし見た目も慣れれば可愛いもんだけれどなぁ。
最後は観瀑台から、紅葉の時期はこのアングルを求めて沢山の撮影者が訪れます。次はその紅葉時期か、もしくは来年か…機動力中心のメンバーで最後の調査を行う予定ですね。
本日は以上です。
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photograph - nee
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