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滋賀県│男鬼廃集落
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 霊仙廃集落群 - 男鬼集落跡
霊仙廃集落群と一緒にされる事も多いが地域的にも神社の信仰性的にもハッキリと地域差が出る男鬼(おおり)地区、この男鬼集落はとても綺麗でしかも山奥なのに人の気配がアチらコチらに…な不思議廃村だ。
因みにこの地域ではダントツで古い歴史が在るのがこの男鬼地区、この地域に人が集まりだして集落としたのが西暦700年頃。
712年建立された霊仙山7ヶ寺の中に男鬼寺(おおりじ/おおりでら→×、正しくは「だんきじ」と言って現在の村名と読みが違う)と言う名が記録として残されている、この読みが違う点が地域民俗学の関係者を困らせていてこの場所に立てられた寺なのか別の場所なのかがハッキリしないそうだ。
中納言秀次(豊臣秀次)が近江一円氏に命じ作らせた1588年発刊の「絵地図」には武奈、男鬼の村名が記載されているのでこの時点では確かに男鬼集落は存在していたのだろう。
近年の歴史では製炭や養蚕などで得ていた収益も1960年代後半から減退し、遂には1971年に廃村に。無人に成ってからも林間学校や行政の自然学習、地元民の方の集まりなどで度々家屋などの改修は行われていた。
現在では夏季に家屋の手入れなどで元住民の方が不定期に在村されているが定住者はやはり一人も居ない、訪れた時も茅葺屋根の葺きなおし作業が途中だったので最近も人が入っているのは確かだった。これが人の気配を感じさせる要因だと知ったのはその後の調査での事ですが。
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この男鬼集落にも寺と神社が隣接する、と言うか隣接して存在してた…と言うのが正しいだろうか。写真は日枝神社、とても立派でこの様な山深い場所に何故…と思わせる程の物。山の神様(大山咋命/おおやまくいのみこと)が今も尚、ゆっくりとした時間を過ごす場所。
ところで先に書いた様に寺はちょっと複雑な経緯が在る。
この地域は何故か寺と神社が隣接している事が多いのだけど地図を確認すると日枝神社と場所を隣り合う様に寺の印が在る、訪れると実際に寺は在るのだけどどうやら最近に成って廃寺と成ってしまったそう。人が居なくなり、維持と意味が薄れた結果だろう。名を誓玄寺と言うのだけど調べてみると寺はもう一つ在った、此方の名は無量寺。
元々は誓玄寺と無量寺の双寺体制だったが無量寺を明治初年に売却、その後この無量寺が在った場所に誓玄寺を移動。しかしその誓玄寺も2000年代に入って廃寺と成った、という事は本来の誓玄寺の場所を正しく記憶している方はもう居ない事に成る。
それと山岳集落には独自の自然信仰(土着信仰とは別に風土の文化的信仰)が在りまして、この男鬼集落では「水」が挙げられます。残る家屋には屋根部分に「水」と大きく彫られています、これ良く解らずに帰宅後に調べたのですがどうやら火事などの火災から守る為のまじないの様なモノの様でして。
山岳集落における火事は村の消滅と同意義(直ぐに火が回る)なのでこの様な土着信仰が広まったのだと思います、これは他の地域では余り見ない様式ですね。
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で、この集落の山岳産業がちょっと面白い。
主な産業は林業でそのメインは勿論製炭だ、村の規模のわりには膨大な山岳地帯の土地を有していたこの集落、その広さは凡そ300町歩を越えていたとか。って、300町歩だって?
1町=10反
1反=300坪
て事は、だ。1町=3000坪だからえーと、900000坪?ちょっと何言ってるか解りませんね、ええ。ディズニーランド+ディズニーシー×3分位…、この小さな集落が、ですよ?
まあこれだけの広さです、豊富な木材を求めて他の村からも多くの杣人(杣夫)が山に入ったと記録に在ります。それまで人の手で彦根までの山道を炭俵担いで売りに行ったようですが1935年にリアカーが押して通れる道が開通、その後は今迄の10倍程の量を売って村内も潤った様です…が。
やはり戦後の燃料革命には及ばず、周辺の集落と同様近代化の波に飲まれる形で廃村への道を歩みます。しかしこれは考え方によっては自然災害からこの村を残す手立てを唯一残す結果と成る、製炭産業で地面が露出した山の斜面では到底大雨の水を吸収出来ずに年々増える水害に震えていた。火を恐れる山岳集落の土着信仰だった「水」に悩まされた時期が確かに在ったのだ。
現在では男鬼集落内を流れる小川は流れも穏やかだが山の神の怒りに触れた産業優先の反映に自然は「川の氾濫」と「山からの鉄砲水」で罰を与えた様だったと地元の方が語ってくれた。
またこの集落も桃原同様、村内は平地の為に畑が作れた、よってこれまた同様にゴボウ栽培もそれなりに収益と成って村の反映に貢献したそうだ。唯一他の集落と違うのは「養蚕」に特化した事、これはこの集落を語る上で重要なキーワードに成るのだけれど長くなるので割愛させて欲しい。
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この美しい男鬼集落が長い時間を待たずして本当の意味での廃村に成る日は近い、国が率先して景勝地の様に保護プログラムを作ってくれれば今後の地域研究や文化研究に役立つ筈だ。実際この地域には近年になって城跡が発見されている、しかも謎が多い城跡だ。近江高取山城(男鬼城)跡がそれだ、城主が日光の東照宮を建てた大棟梁の一族かもしれないとの説もあり、今後の調査結果次第ではこの地域に多くの視線が注がれる事に成るかもしれません。
アプローチ
霊仙廃集落群と同じくして訪れる場合は彦根ICより国道306号へ彦根市外方面へ、途中県道17号との分岐から霊仙地区へ。幾つかの分岐が在るので地図上で確認し、落合集落跡を抜けて男鬼地区へ。
photograph - nee
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