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千葉県 │ 旧房総自然博物館 - 旧台倉宇藤原道
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 旧房総自然博物館 - 旧台倉宇藤原道
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2012.12.16 - この旧道(廃道)に関する詳細を現地聞取調査しました
2年前にエントリーしたこの廃道「旧台倉宇藤原道」ですがその後の現地の聞き取り調査と数少ない当時資料、それと提供された写真から人々が往来していた頃の様子が判明しました。写真に関してはその場で返却したので公開出来ませんが興味深いお話を聞く事が出来たのは大収穫です。最後尾にて追加エントリー、興味の在る方は最初からお読み下さい。
昨日のエントリーの続きに成ります。廃道探索は前回のラスト、台倉集落・河野邸から。この場所から関東ふれあいの道に出る事に成ります、廃屋からは20メートル程。それでは早速…の前に前回のエントリーをおさらいしましょうか。
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房総の本当に山深い場所に廃屋が在ってそれは千葉県では珍しい廃集落らしい、そんな話を聞いて探索に出掛けたレポートを前回のエントリーでご紹介した。そのエントリーでも記載したのあけど色々と不完全燃焼で追跡調査が必要と判断、卓上調査と再度訪問した上で現地調査を充実させたいと考えている。
さて。
房総には廃村はない、それは恵まれた気候的な問題や地形、産業などに因るところが大きい。それでも小さな規模で近代化の波に飲み込まれて千葉県内の離村した集落を過去にエントリーした。
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そして前回の台倉集落、実はもう少し幾つかの廃集落が存在するのだけど既に殆どが建物も残骸物も残っていなくてレポートする内容が少ない。
計画中の房総の地域文化に関する物件がストックされているので時間をおいて紹介したいと思っている。
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今回の内容は廃道探し、だ。廃道といっても今回の廃道は一山越えた宇藤原と言う集落からこの台倉を結んでいた旧道で実は現在も宇藤原の方が極稀に歩く事が在るらしい。初期の調査段階ではもう数十年誰も歩いてないだろうと思っていただけに探索後の卓上調査で判明したこの事実は実に残念なものだった。
しかし。
なぜこの道が廃道と成ったか、それは宇藤原に到着する事で判明する。正に衝撃のラストを迎えるのだけどそれは最後に。
この道に興味を持った事から話そう。実は2006年頃まではこの道が地図やヤフーマップなどに記載されていた、しかし2008年には削除され、出版されている地図にも既にその道を見る事は出来ない。
そもそも地図に記載されている当時から一般的な山歩きの方のレポートに「道が無い」、「仲間内でもその道を知っている者が居ない」、「その道を歩いたという方の話も聞かない」などなかなか謎めいた不思議道だった様だ。
台倉の廃屋を調査する過程で知り、大いに興味を持った身としては行かずにはいられない。って事で少なくとも近年では誰も通っていない(筈だった)廃道「旧台倉宇藤原道」をご紹介したい。
現在位置と到達予定位置はココだ。
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この何も道路が描かれていない2つの点の間に廃道と旧道が存在する筈。
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この辺りは関東ふれあいの道「ニホンザルと出会うみちコース」と「九十九谷をたどるみちコース」が混在する、「九十九谷をたどるみちコース」でならこの台倉までは比較的楽に来る事が出来る。
等高線が描かれた地図を事前に良く見ていた、現地に到着してからその地図と現地の地形を照らし合わせていく。うーん、どうやらピークから下る様に道として通せそうな場所は幾つか在るけど…
「道が無い」、「仲間内でもその道を知っている者が居ない」、「その道を歩いたという方の話も聞かない」
…なんて噂の旧道だ、入口さえもう判別不可能な位に埋没したか崩落したのか。この日、実はもう一つメインのご馳走物件を残していたので早めに踏破しなければ時間的にマズイ。
こりゃ参ったな…と、その時。
!!!
photograph:ohwashi
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ふと関東ふれあいの道から少しそれた場所に薄い轍を見つけた、入り込んで直ぐに木の板が転がっていたので起こしてみると…
「この先通行不可」
うわあ嘘っぽい! けど全力で騙されたままで居たい! ふしぎ!!
場所は枝から直ぐだ、大体この辺かな。
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これか…これなのか?時間的余裕もない、うむ。これ見よがしなこの看板に掛けよう。実は関東ふれあいの道上には宇藤原に向いそうな枝を数本発見した、それは崩落場所から少々離れて道筋が出来ていたり地元の集落の方の山菜取りと予想される物も含めて3本程。
その内の1本にコレ、よし…騙されてみるか。(写真・ohwashi)
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あ、予想以上に道っぽい。てか道、これだけシッカリとしてれば普通に地図に載せても良いだろうに。何故地図から削除したのだろう?
っと思っていた。
photograph:ohwashi
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あっるぇー?
道どこいった?やりやがったな、房総の低身長の山の癖に。しかも進むと更に轍は薄く成るわ崖っぺりだわ、うん危ないなこりゃ。
在るのは鹿の足跡位、途中で鹿の糞を見つけたので木の枝でつついてみる。まだ柔らかくて裂いて中身を確認すると特に特別な物は食べていない様だった、流石常緑種の多い房総半島だ、食う物には困らないのね。(写真・ohwashi)
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行程差も出てくる、落葉で滑りやすい。風景同じ、うーん面倒スメル。しかし宇藤原に近づくと轍の力強さが増してくるではないか、明らかに人が踏み締めている。距離的にはとても短い廃道だ、山中で発見した古いお墓が関係しているのだろうか。
多分この辺、距離はとても短いのだから。
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宇藤原からのアクセスは確実に在るのだ、お墓参りや山菜取りなど理由はハッキリしないけどゴール間近な筈だ。
photograph:ohwashi
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え。
深い山中どうから川を越え、一気に道が開けた。そしてコレが出口を塞いでいた、コレは沢屋さんならショッチュウ見る対害獣用のビリビリバリアじゃないですか。
しかもご丁寧に廃道出口から左右に向こう側の畑を囲む様に隙間無く設置されている、全力で行くか…。
びりびりびりびりびり
正に衝撃のラスト、ですよねー。通電してますよねー、電通怖いですよねー。過去、電通の仕事内容にも衝撃を受けたが通電した防護柵にも衝撃を受ける事に成るとは…。
通過した柵を前に、「ワクワクさん…あんた何て物を作ったんだ…」。
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無事?宇藤原に着いた、柵を前に呆けていると先程必死の柵越えをした旧道方面の柵内におばあちゃんが歩いていた。その姿に2度目の衝撃が全身を疾走する、失禁はしない。
photograph:ohwashi
「解せぬ…」
このおばあちゃんは宇藤原の最端にお住まいの方でした、しかも自宅の裏から旧道側に入れるのだとか。
ここからはおばあちゃんに聞いた話を幾つかご紹介。まず旧道について聞いてみた、色々と解った事がある。
・今は一般の通行はない
・昔は台倉を通り、親戚の家が在る平田までよく歩いた(※重要)
・ずっと昔は台倉以外にも小さな集落が山中にあった
・お墓は誰のか解らない
・平田以外に抜ける道が数本在るけど忘れた(※重要)
・30年位前は房総自然博物館で働いていた(!!!)
なにーっ!房総自然博物館で働いていた…だと…?
なんとこのおばあちゃんの家の隣が移設先の房総自然博物館だった、びりびり柵から歩いて1分。宇藤原に引越した房総自然博物館がそこには在った。ここ最近は殆ど人が来ないし責任者の方は木更津に居ると教えてくれた、台倉からこの場所に引っ越してきた理由は良く解らない、時期も30年位前って事位しか思い出せないとの事。
それと気に成った事、台倉を通って平田まで~の話。どうやら良く聞くと作業道路としても使用されていたけどそのずっと以前から人の通行が在った様だ、川廻しの歴史から考えてもその方が辻褄が合う。
次に確認したかった点、「平田以外に抜ける道が数本在るけど忘れた」。これ、だ。この旧台倉宇藤原道を探索するはじめに見つけた幾つかの枝の確信に変わる証言が取れた事に成る、危ない枝も在ったけど何れ歩いてみたい。
話をまとめよう。
この道、旧台倉宇藤原道は過去沢山の人が通行した。しかし宇藤原側の山道入口は個人所有の敷地内で問題も在った、歩く人が少なくなって道が荒れた為にお年寄りは通行しなくなった。
この道をメインに使っていたのはお年寄りだったので現在は全くの荒れ放題でもう歩けないとの事だった、しかも国道が整備され、県道も便利に敷かれた現在ではこの旧道を使う者は皆無で廃道化した様だ。
現在でも宇藤原からは地元の方が山中に入る事が在り、理由は色々だけども山菜取りなどで外部の人間が来る事も珍しくないらしい。しかしこの道を台倉宇藤原間として考えると意外と近年まで人の出入りが在った訳で現在も地元の方が短距離間で使用すると成ると廃道?とは言えないのかもしれない。
だけども今回のこのおばあちゃんの証言でこの廃道は台倉~宇藤原を繋いだ道ではなくて「宇藤原~平田」を繋いだ道だと判明した。その中間を関東ふれあいの道が交差する様に伸び、それぞれが人の出入りが今でも在る事が解った。
個々では現役、一本では廃道。なんとも面白い物件に当たった物だ、こうして噂されていた道を見つけて地元の方の話も聞けた。うん、満足。
解説マップを製作しようとも思いました、だけど宇藤原側が私有敷地内だしと途中途中の道が結構危ないので今回は見送ります。
これでこの廃道レポートは終了です。
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2012.12.15 - 追加 「旧台倉宇藤原道」に関する追加エントリーを掲載
公開済みだったこのエントリーの中で幾つか疑問点が残っていた、と言うか全体的に謎の多い道だったので行政にも協力をお願いしたのだけど往来当時の資料は残されておらず。語り部と成る当時を知る人も今では70歳後半~90歳台と記憶も曖昧、そもそも現地のこの道を歩いた事が在るという方が数人しか居ない。それも30年以上昔の事でその時でさえ既に廃道の様相だったと言う。
国立図書館にも関連資料が無いか房総の歴史を扱った書籍を幾つか目を通してみた、しかしそれでも目ぼしい記録などを見つける事は出来なかった。が、在るお宅で往来当時のこの道で写真を撮っている方宇藤原に居て色々とお話も聞く事が出来た。しかも70歳代のその方が更に両親から受け継いだと言う古い文献にこの道(と言うか、一体の山道)に関する記録が残されていた。問答形式で判明した内容を公開したいと思う、恐らくこの内容は行政どころか房総の歴史学者さんも知らない話かもしれない。
「まず、この道を往来していたのは何時頃でしょうか」
「最後に通ったのは30年以上前、台倉には3軒の家が在って近くに作業小屋みたいな物もあった。行き先は平田ではなく、高宕の方」
!!!
ちょっと待った、初っ端から驚いた、この道は宇藤原と平田を台倉集落を経由して繋いだ道だった筈。それなのに方向としては随分南東よりの高宕(怒田沢)に抜けていたと言うのか…いや、取り合えず話を進めて後程この事を質問しなおそう。
「それまでは山菜取りや行商で平田に抜ける為に夜歩いた事も在った、子供でも2~3時間で平田には着いた。若い時(聞くのを忘れたけど恐らく30歳代位の時)は結構な人が歩いていた。製炭の釜も道の途中に沢山在った筈」
うん、これは何となく解る。そもそもこの道が出来たの何時なのか正直解らない、随分と昔から在ったに違いないけど元々は生活道路と言うよりは商道として山を切り開いた可能性も在る。その証拠に山中では無く、山道沿いに炭窯が在ったと言う証言、道の高低差を考えると寧ろ釜の傍に道を作ったのかもしれない。
「何時頃から道が在ったか解りますか」
「子供の頃には既に在った、いまは柵で通れなくしてるが昔は山道への入口が3つ位在って別々の所に行けた。その内の二つは途中台倉に出た」
やはり…。実は台倉には道を思しき筋跡がガリーの様に数本残っていた、アレはガリーではなくてやはり道の名残だったと考えられる。そしてこの”旧台倉宇藤原道”の他にも幾つもの道が山中を走って居た事に成る、これ…もしかしたら誰からも忘れられた集落跡とか無縁仏と化した墓石なんてのも山中に残されている可能性が出てきた。
「台倉の他にも集落って在りましたか、例えば先程出て来た高宕への道中などで」
「ああ、定住ではないけれど小屋は何件も在った。作業小屋だったり製炭の間だけ泊まるような家も覚えている、井戸なんかも在ったし戦争が終わってから自転車で走った事もある」
!!!!!
ちょっと待ってくれ、自転車?あの廃道と成った道で?自転車が走ったのか?そうそう、実はこの時点でこの家の残されている紐で綴られた古い文献を見せて頂いていた。山中での製炭に関する文献でその中には細い沢を馬で荷を運んだなどの記述が残されていた、しかし幾ら昭和中期とはいえ自転車で走ったとは驚きだ。
「その小屋などは今でも残されていますか、行く事は可能でしょうか」
「小さな小屋は幾つかバラバラにして釜で燃やした、同じ場所で長い事製炭すると質が落ちるって聞かされていて数年毎に別の場所で小屋を立てて仕事をしていた。今でも残ってる小屋も在るとは思うが場所までは解らない」
ああ、成る程。同じ場所云々に関しては別の資料で見た事が在る、炭の質では無くて元を辿れば山岳信仰の言い伝えの一つに木と火を題材にした物で似た様な一節を思い出した。まあこの話は掘下げる必要は無いか、今は”道”に関する事とその歴史が重要だ。
「先程聞いた幾つかの入口からその場所へ行けますか」
「恐らく行けない、小屋が在った場所は道から少し逸れていて当時も解る人しか見つけられない状態だった」
コレも思い当たる節が在る、実は房総の製炭はどの地域も規模が小さい。しかも製炭を行っていたのは古くから定住する生粋の上総の人々、移住組みは製炭を生業として居なかった歴史が在る(全てじゃないのだけれど)。これは今後見つけるのは難しそうだ、話題を変えよう。
「途中お墓が在りましたがあれは誰の物でしょうか」
「お墓は沢山在るからどれの事か解らない、宇藤原の人間の墓ではない」
え?
沢山在るの?もう…次から次へと新事実ばかりで頭が上手く回らんですよ。
「以前この宇藤原の方で房総自然博物館で働いていたという方に合いました、丁度入口付近に畑の柵を作られている土地の方で」
「ああ、○○さんとこ」
「そう、その○○さんの柵の所が旧台倉宇藤原道の入口で良いんですよね」
「ああ、あれじゃない。もう少し先(畑の)に昔は開けた場所が在って直ぐ下の川に降りれた、その川を渡った所が本来の道の入口。馬もそこから入ったと聞いた事が在る」
ええぇぇええっ?違うのぉぉおお?
あれ、ちょっと待って。僕の話している道と今聞いている道ってホントに同じ道の事なのか、いやいや途中まで話が共通点で合致してたから大丈夫な筈、いや…しかし。
「実は廃道で写真を撮ってきたのですが何処か解りますか」
「ああ、何番目かの坂登った所。昔はもっと歩きやすかった、小さな砂利だった」
ああ、やっぱり解ってるんだ。それにしても凄い記憶力だ、よくこの写真で解るなぁってえ?何ですか、今何て言いました?
「うちにも写真在るよ」
なんですと?
「ええ…っと、見せて頂けますか(今すぐ見せろ、今直ぐにだ!)」
「これ、これしかないけど」
うわわあああああっ
道だ、ちゃんとした道だこれー!凄い、この写真凄いよ。白黒かぁ、年代的に仕方ないかぁ…っと待てよ。家にはカラポジ用(仕事でたまに使用します)にフィルムスキャナーが在った筈。ネガからデータ越せば補正も色々と楽だ。
「ネガって残ってますか」
「ないねぇ」
ですよね↓
さて、こんなやり取りが数時間続きました。この「旧台倉宇藤原道」に関してまとめましょうか。この道の成り立ちはどうやらとても古く、また山岳信仰の言い伝えによって幾つかの枝(支線)が生まれては消え生まれては消えと繰り返した様です。本道は現在解っているだけで3本、その内の1本がこの「旧台倉宇藤原道」だと判明。
製炭などで使用していた商道を中心とした半生活道路で使用したのは宇藤原、平田、怒田沢の人々。山中に見つけた墓地は宇藤原の人の物ではなくて別の地域の人達の物だと言う事。30年前には辛うじて通常往来出来る状態だった事、台倉から更に分岐する支線が存在する事などが解った。
他にも興味深い話は聞けたのだけれど要所を纏めると以上の事がハッキリと判明した位で逆に謎と言うか未確認なポイントが逆に増えてしまった。不明点の再調査は予定に無いけど付近の沢を歩く事はきっと在るだろう、そのついでに何か発見したら追加で更に何かお伝え出来ればと考えています。
追加エントリーは以上と成ります。
アプローチ
旧台倉集落より関東ふれあいの道へ、芹集落へ向い数十メートルで枝が発見出来る筈。枝を少し進むと倒れた看板が朽ちる寸前で発見出来るのでその間々ピーク伝いに歩くと踏破出きる道が在る筈。
photograph - nee
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