長崎県 │ 池島 - 池島炭鉱居住区
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 池島 旧松島炭鉱 就労者居住区
廃墟好きが何故か神聖視する軍艦島、観光地化されて興味の欠片も無くなった身としては不自然な環境整備を行われた場所より時間の経過が作り上げた「滅び」の場所が良い。
今回は九州の産業遺構ではインパクトの大きい端島に隠れて余り脚光を浴びない「池島」を紹介したいと思う、九州には沢山の産業遺構が残されていてその中でも炭鉱産業の残骸廃墟は数多い。端島の様に島単位の産業遺構は有名所でも数箇所在って今回のエントリーで取り上げる池島もその一つだ。
池島(池島炭鉱)は、長崎県西彼杵半島にある外海町の西7キロの海上、角力灘に浮かぶ、東西1.5キロ・南北1キロ・周囲4キロ・面積が約0.9平方キロの小さな島。炭鉱としては実は九州地方で一番最後まで操業した炭鉱で1959年の操業開始から近年となる2001年まで池島の産業を支えたのでした。
本日と明日の2回に分けてエントリーする池島のレポート、端島の様な迫力は無いけど衰退する一産業を垣間見るキッカケに成れば幸いです。
池島にはフェリーで渡航する、出航する九州本土側の港でその航路や価格は異なるが一番の注意点は車を一緒に運んでくれるフェリーと運んでくれないフェリーが在ると言う事。殆どのフェリー会社は車も一緒に積んでくれるけど稀にそうではない会社も在るので注意しよう。
瀬戸港を出発すると間もなく左手に今まで居た九州本土(向島)、右手に松島が見える。ゆっくりと進むフェリーは1時間ほどで目的地の池島に人と車を落としてくれた、さて…車で1周するのに15分と言う小さな島。産業遺構としてどれだけのモノを見せてくれるのかぁ。
まず向ったのは島の東側に位置する炭鉱職員住居跡、池島に来た目的の一つがこの場所です。
捕ん鯨ぇぇえええ
平日の昼間に誰一人として居ないこの場所、実は他の区域にはまだ人が住んでたりするのだけどこの区域は全くの無人。
池島の人口は炭鉱産業によって爆発的に増加したのだけど元々は農業と漁業の小さな島の普通のあり方だった、1959年の炭鉱操業開始までは350人程の人口が1971年には7500人程までに増加した。
2001年の閉山後は産業関係者の人口が大量に流失し、現在では1000人に満たない数と成ってしまった。
どの廃墟でも言える事だけど人が介さない建造物は圧倒的な速さで朽ちる、この居住区も同じ様で建物自体はシッカリしてるようで鉄骨の痛みやコンクリートの崩壊が進んでいる様だ。
この居住区の集合住宅は8階建てでエレベーターは無し、8階建てでベーター無しはちょっと酷いなぁと思うかもしれないけど斜面下部のメイン道路からは1階から4回まで、斜面上部の区域内道路からは5階から8階にアクセス出来る様に成っている。
勿論集合住宅内で1階から8階まで行く事が出来る階段も用意されている。
多くが廃墟化している集合住宅だけど他の区域には市営住宅として現在も運営されている棟が結構在って実際に人も住んでたりする。
その多くが単身赴任の臨時住宅や海外から研修生住宅として使用されていて島民自体は住んで居ないとの事。
島民の話では2LDK~3LKの物件が家賃1万程度で貸し出されているとか、ビックリだなチクショウ。
早速居住区の廃墟に入ってみた、うーん…これはその…どうだろう。写真としては、いや「絵」としては全く面白いモノじゃないなぁ。
部屋の中も拝見したけど、他のフロアや棟にも行ったけど…写真としての面白いさは無い…様ですねぇ。
本来はもっと早い段階で取り壊しが在っても良かったのだけどこの廃墟群を解体する理由と資金が長崎市には無い様だ、企業が新しく再利用するなり国が新しく産業地として再整備するなら兎も角、だ。壊す為の資金を用意または工面するだけの理由と根拠が現在の池島には無い、よって廃墟が残っている様だ。
因みに重い腰を上げた長崎市が池島に補助金を出し始めた事によって少しずつ解体は開始されている、近くはないいずれの時に解体される事に成るだろう。
この区域には人が住んでいた、ちょっとビックリ。
閉山後、NEDO(技術開発機構)が計画を進め、三井松島リソーシズ石炭エネルギーセンターを設立。中国、インドネシア、ベトナムなど海外からの炭鉱技術者用に研修を行っています。
この様な方たちの為に現在でも稼動する棟が在ります、しかし店が無いのが本当に困る事だと思うのですよ。
軒並みシャッターが降りた商店、それも筈。長崎市に合併されると間もなく長崎中心部の都心部家賃と不公平を無くす為に島内家賃としては3倍にも成る長崎市のテナント家賃と同額に再設定されたのです。
当時の池島のテナント料金が格安だったのも在りますがそれは島事情を反映しての物、ただでさえ需要と供給のバランスがギリギリで成立している立地において島外の基準を採用した行政の無能を顕著に表すのが無商店化したこの区域なのです。
次の物件、「池島発電所」へ向う道すがら素敵な子猫に出会った。車を道のど真ん中に停めてカメラを急いで用意する。
うまそーである(娘的な意味で)。
「おいで。怖くない。怖くない。」
噛んでもいいよ。だからおいで、来いっつってんだろオラー。
あら、後ろにもうまそー(娘的な意味で)な子が。こりゃ名前はソドムとゴモラで決まりだな、神の光で一緒に人間を滅ぼそう。
少々時間を飛ばして帰りのフェリーを待つ車内にて、フェリーターミナルには沢山の猫が居る。その中でも一番人懐っこい子を見つけた、うまそーである(娘的な意味で)。
車を降りて匍匐前進で猫に近づき、ズームレンズの先が猫の鼻っ先に届くギリギリの距離まで行く事に成功。よし、しとめるぜ(シャッター的な意味で)。
フェリーの待合室から人が出て来た、猫にフォロー懇願の眼差しでうつ伏せにてカメラを向ける僕を見て氷点下の眼差し。
「きょ、今日は冷えますね…」
「…」
何も言わず人は去り、ふと視線を戻すと猫も去っていた。僕はあの猫ってばちゃんと息してたんだなーとか思いながら、ちょっと泣いた。
次回は池島訪問のメイン物件「池島発電所」のエントリーです、池島発電所は池島炭鉱閉山後の翌年に歴史の幕を落とすのですが実は現在でも稼動しているとの噂もチラホラ。廃墟にアリガチな噂話と池島の炭鉱産業を支えた遺構への期待を胸に、以下次回。
アプローチ
国道202号線から大瀬戸町の瀬戸港へ、瀬戸港から定期便のフェリーが運航しています。池島内は初めてでも迷い様が無い小さな島なので徒歩以外なら比較的楽に周る事が出来ると思います。
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