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栃木県│霧降の滝 滝壺
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 霧降の滝 滝壺(岩屋不動/大師の石造/名称不明の石仏)
霧降の滝と出会ったのは随分と前だ、世界放浪の旅から帰国して国内を廻っている最中に少しだけ奥日光で働いた事が在った。その時に日光や霧降、川俣の辺りをブラついたのがキッカケで魅せられたのが「霧降の滝」だったりする。
当時は1キロ近く離れた対岸の観瀑台から眺めていただけだったけれど2度ほど地元のマタギの方に滝壺付近や霧降の裏手の山に連れて行って貰った事が在った、その時に聞いた
・滝壺へ至る道が昔は3本程在った(1本は完全に崩落、2本は踏破可能)
・滝中段への旧作業道が今でも踏跡として残っている
・ずっと昔は滝口へ行く道も在ったが今は誰も知らないし危なくて行けない
この話がずっと頭から離れず、何時かは行ってやろうと思って焦がれて早十数年。幸い沢屋と岩屋が揃っている現在なら多少危なくても”ナントカなるっしょや”と積年の片思いに決着をつけるべく計画、約1年を掛けて周辺の地形や歴史を調査。やっとこさで新人さんも加わり行ってきました霧降高原、しかしコレが上手く行かないったらねぇですか。
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今回の目的は主に2つ。
・滝壺付近に残るとされる400年前に寄贈された史跡の石仏を発見する
・前人未踏の霧降上段の滝の滝口で全裸放尿する
滝壺へ至る道はマタギの方に連れて行って貰ったのとは別のルートを既に把握していたので計画的には無理も無かった、しかし問題は貴重な史跡とされている石仏の場所。日光観光協会も把握してない石仏で国立図書館に所蔵されている文献に更に古い伝記が記されている、この辺は話すと長くなるので詳しく知りたい方は各々調べてみて欲しい。
で。
この石仏に関してはやはり同様に興味を持った方が居てしかも行政プロジェクトとして調査を行ったチームが存在する、しかもチームリーダーは海外の名峰を軒並み踏破しているプロだ。幾ら沢屋だ岩屋だって言ったってオマンマ喰ってるプロには適わない、そんな強豪チームの史跡発掘プロジェクトは以下リンクよりどうぞ。
日光霧降高原 史跡発掘プロジェクト
http://fifabakutyouou.cocolog-nifty.com/nikkousannsou/2011/11/post-0ec9.html
oioi、先にやられとるやないか。2番煎じかいな…いやいや早まる事無かれ、彼らも肝心の石仏を探し出せておらんのですよ。そうとなりゃウチらが発掘してやらん事も無きにしろ非ずの心、ありがた迷惑千万な押し付け調査を慣行するので在りますのですわ。
まずは滝壺周辺の史跡に焦点を当てて
・岩屋不動
・大師の石造
・名称不明の石像(4体+1体)
このありがた~い石仏さんを拝みにレッツダンス。
※ 滝壺への道は現在封鎖中です、無許可での立ち入りは出来ません。
※ 滝壺からの岩壁登攀は熟練した登攀技術とクライミングギアが必須です。
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観光気分で霧降の滝の観瀑台へ向かう大勢の人の中に異質な者達が姿を現す、言うに及ばず我々の一団で御座います。フルギアの格好で一服していると周辺からは
「仕事ですか、何かの撮影ですか」
「今の派閥政治をどう思いますか」
「密輸入して飼っていたオウギタイランチョウが逃げた、一緒に探して欲しい」
など方々から声が掛かる、取り敢えず「声優の握手会が滝壺でありましてね…」。汚物を見る様な視線で蜘蛛の子を散らした様に人が離れたのを見計らい、滝壺への道へ入った。
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「霧降の滝レストハウス”山のレストラン”」の従業員の方に軽く挨拶して裏手の崩落した道へ、この道は現在封鎖されている滝壺への山道で一番新しい物だが閉鎖されて数十年が経過している。最初の内こそ石段が顔を覗かせているが直ぐに崩落地点を向かえ、道は消滅する。
回り込む様に九十九折れの轍が残るがそれも左岸からのガリー(※1)で消滅、仕方ないのでこのガリーを左右に振れながら降下する事にした。
※1 流水などで岩壁が浸食されてできたV字状の溝。
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傾斜がキツく成るにつれ、地面は浮きガレ(※2)と倒木ステージへ変化する。既に地図上に残る旧道(点線山道)は姿を完全に消し、GPSに表示された等高線と地形とは異なる表情に。
実は行政が砂防ダムの確認の為に定期的に倒木や通行に邪魔に成る木々を合法伐採している事は事前調査で知っていたのだけれどどうも最近はご無沙汰らしい、スッカリと伸びた枝がウェアやギア、バックパックに絡みついて非常に歩き辛い。
※2 不揃いの小さな石や岩が重なり、足元が安定しないガレ場の事。
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左右の絶壁に阻まれて大きな岩場をボルダーにクリアする場面が幾つか在る、と言ってもカチガバ+ステップも十分なので危なげなく降下する事が出来た。
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ガレの上に堆積したガリーの土砂と覆い被さる様に進路を邪魔する倒木とその枝、こりゃ思ったより面倒臭ぇなどと思っていると下方から水流の音が聞こえる。
顔を上げると目的の霧降の滝の滝壺が薄っすらと姿を現した、近くに見えるがもう少し降下しないと駄目の様だ。
この辺は両岸がナメで足元はガレ、時々大ガレ。難しい地形じゃないから滑落や転ぶ事はなくても非常に歩き辛い、兎に角歩き辛い。
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最後のガレ場に出た、ここからは視界が良好で眼前には霧降の滝の滝壺部分がハッキリと確認出来た。
因みにこの旧山道の他にも観瀑台への道の途中にガレを降下する旧観瀑処(明治時代には茶屋も存在したと言う)への旧道が存在する、此方は正直かなりボルダーチックな行程。滑ると死んじゃうですよ、ホント。
そして最後の1本(既に消滅している旧作業道)はその道筋も発見出来ていないけれど江戸時代には人が通行した記録が残っている、無名の絵師達が挙って滝壺へ下ったと書かれた文献も在る事から場所さえ解れば意外と道としてはハッキリしているのかも…と思ってはみたものの消滅済みと銘打たれているので探索はしない予定。
因みにこの消滅した道を通過した絵師で有名な方が1人いらっしゃる、その名も「葛飾北斎」その人でこの際に描かれた画(※3)も現存している。
※3 葛飾北斎「下野黒髪山きりふりの滝」
葛飾北斎 諸国滝廻り - 下野黒髪山きりふりの滝
https://www.adachi-hanga.com/ukiyo-e/items/hokusai083/
photograph:koichiro
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最後のガレを降りて滝壺の眼前から今きたガリーを見上げる、一見緩やかな斜面だが途中途中牙を向く油断なら無い行程だった。一先ずは滝壺を拝見させて頂き、本来の目的で在る史跡の探索に移ろう。
photograph:koichiro
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霧降の滝の下段の滝、写真で見える滝口は上段と下段の間に在る中段テラスでこのテラスに至る道も冒頭の通り存在する。こちらは既に道も知っているので次の機会にでも歩いてみようと思う、写真で見えているこの中段テラスから下段の滝壺までの高低差は26メートルと資料に在る。
それでは早速史跡の石仏さんを探すとしましょうか。
photograph:koichiro
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先人達と成る「日光霧降高原 史跡発掘プロジェクト」さんが発見した当初予定に無かった名称不明の石仏から探す事にする、何せ場所が解っているし実際に行った人が居れば僕らだって行けない事はない。
降ったり登ったりとウロウロする、簡易双眼鏡など持参していないのでカメラのズーム機能を利用して怪しい場所をライブビューから探し出そうと試みるが中々上手く行かない。また晴れ間だと太陽の光が強過ぎて新緑の木々達の明暗が散って余計解り辛い、そうこうしている内に一瞬太陽が雲に隠れた所でどうにか場所を発見した。
photograph:+10
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これからアタックしようとする場所、それがココだ。下段の滝で言えば丁度中間の辺りだろうか、高低差で言えば13~15メートル。完全に岸壁と変化していて400年前の道を辿る事は不可能だろう、ともすればやはり岸壁登攀によって石仏へ至るしかあるまいて。
これから拝見と試みる石仏は2011年に新たに発見された史跡で以前から4体ほどの石仏が在ると噂されていた物だ、この時の調査で更にもう1体非常に古い(400年以上前)の石仏も発見されている。つまりこれから向かう場所には合計5体の石仏が待っている事に成る、まあノーロープでまずは行ける所まで行ってみますか。
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「おい、どうする?結構高いし場所的に面倒臭くねぇ?」
「か~っぱかっぱ♪かっぱのまーくの、k」
ちょっとその歌やめて
「どうしたの突然」
「足元ナメてますね…気をつけないと」
「え、ああ。うん、そうね。…んんん?」
突発的な発作に驚いたがいつもの事だ、気を取り直して軽くルーファン。凡そ2ルートを設定、まずは最短距離だけれど結構危ない傾斜登攀を試してみましょうか。
photograph:koichiro
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カメラの望遠でまずは押さえの1枚、確かにいらっしゃいますねぇ。今から行きます、逢いに行きます。今すぐキスミー、その素敵なご尊顔を上右斜め45度で撮影致します。
photograph:+10
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無理をおっしゃる。
このナメをノボレと、ニイタカヤマじゃないんだからさー。しかし火蓋は切って落とされたんだ、開戦じゃーおりゃー。
あー、簡易アイゼン持ってくれば良かった…。
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つるツル鶴TSURUしやがって怒チクショウっ、滑るったらないなこの壁ぇ。経読みの頭かってーの、この生臭坊主がぁああ。
どうやらこのルート、晴れが何日か続いて地盤が乾燥していないと直登は難しい様だ。更に上に移動してみたが次の垂直壁がナメでビレイ無しでは危険と判断、ロープを取りに下まで戻るなら多少巻いてももう一つのルートでアタックした方が良さそうだ。
って事でずる~んと降下。
photograph:koichiro
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今度はロープを2本(各自1本づつ)持って手前のガリーから直登開始、ある程度の高さを稼いだらトラバースで岸壁の窪みをクリアしようと試みる。
写真では解り辛いけれど手前が若干下で奥の方が高度が高い。
photograph:koichiro
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10メートル程登って途中の横に伸びた樹木の上でインターバル、この間に最初の確保ポイントを設置してまずは自分のセーフティ。次にロープを直接ダブルエイトで結束、先行した相棒に渡してトラバース用の親綱を張る。
下の方には撮影担当の新人Koichiroさんが待機中。
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場所はこの辺、最初の直登ポイントからは距離が離れているがトラバースが容易なのと石仏が途中から確認出来るのでどうにか到達出来そうだ。しかしこのルート、上手くルーファンすればその間々中間テラスに出れそうだ。
まあ別途中間テラスに出る道は在るから無理しなくても良いのだけれど…面白そうなルート発見すると悪い虫が疼くのは宜しく無い癖で在ります。
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上手く撮れた写真が無いので先述のプロジェクトからお借りしたがこの様に3年前と変わらないお姿が、この石仏に関しては当ブログでも独自調査して先のプロジェクトに合流したいなぁとか考えておりまする。しかしこれだけの石仏が2011年まで発見されてなかったってのは驚きだ、寄贈時代も判明してないし更にもう1体に関しては全く解らないと来ている。
この地域に詳しい地域民俗学の教授さんでも探すしか手はないか…。
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さて、次は予定通りに
・岩屋不動
・大師の石造
だがこれが全くと見つからない、って事でこの滝壺の史跡物件は「継続調査物件」として年内に再度アタックする予定だ。6月を過ぎるとブッシュが酷く成るのでそれまでに行ければ良いけれどその6月には恒例の鍾乳洞アタックが控えているしなぁ、最悪草刈しながら薮漕ぎ覚悟で真夏に行くか。
石仏の正体を含め、その他の石仏も追加エントリーで明らかにする予定です。
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さて、滝壺の史跡確認はどうにか出来たので移動しますか。ええ、行きますよ…この一番上の場所に。次に目指すは近代史においては正確な記録が残っていない前人未踏(かもしれない)の霧降の滝上段の滝、その滝口なのです。
沢屋のレポートでもこの滝壺や中間テラスは良く見る(あくまで沢屋界隈での話)、しかし全くと道も無くて険しく危ない行程が予想される滝口のレポートや記録は本当に見当たらない(2014年05月現在)。正確な測量もしたい所だけれどまずは行けるかどうかが気に成るっつー事で行ってみようじゃありませんか、次回「霧降の滝 滝口から全裸で放尿編」でお逢いしましょう。
photograph:koichiro
アプローチルートは一般立入禁止な区域なので地図リンクは不掲載です。
アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
photograph - nee
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