栃木県│細尾第一発電所
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 栃木県 細尾第一発電所
足尾銅山遺構の関連廃墟では比較的管理が行き届いている物件、今回のエントリーは日光から程近い「細尾第一発電所跡」。最近に成ってハリボテの安全策が設置されたが本当に意味の無い形だけの物。有名物件だけに今後の改悪が心配されるけど元々内部には写真栄えしない廃材が並べられていてちょっと残念廃墟でも在ります、しかし作り自体はとても美しくて歴史的にも足尾銅山との関係も深くて興味深いってもお伝えしたい部分だったり。
歴史的には全国で3番目に古い発電所だった細尾第一発電所、付近のロケーションは結構良くて探し易い場所でも在るので日光方面に行く時にちょい撮りに如何でしょうか。
まずはいつもお世話に成っている「水力ドットコム」さんでスペック確認や。
水力ドットコム - 古河機械金属 細尾第一発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/tochigi/hosoo1/hosoo1.html
歴史
所有:古河鉱業 [ 運開 ] - 古河機械金属 [ 廃止 ]
運用:明治39(1906)年12月運用開始
方式
種別:廃止(一般水力)
形式:水路式
方式:調整池式
出力
出力:認可最大出力2000kW(運開当時)
河川
取水:大谷川
放水:大谷川支流(名称不明)
足尾銅山がピークを迎えて不足する電力を補う為に建設されたこの発電所、冒頭でも少々書いたけれどえらく古い。1906年建造(同年12月より運用開始)って事でもう100年以上前、現在では屋根などの崩落が進んで保存の為の補修工事も予定されているとか。
その為か数年前までは無かった周囲の防護柵が設置され、この土地に入れない様に手前に車止め用のチェーンまで設置されてしまった(2012年確認)。所有利権者の古河日光発電株式会社からの正式広報は無いので詳細は結局解らないのだけれど、まあ文化財的な位置になる物と予想されます。
当の古河日光発電株式会社のサイトではこの発電所の歴史にちょっとだけ触れられていました。
古河日光発電株式会社 - 当社水力発電の歴史
http://www.furukawanh.co.jp/techinfo/story1.htm
成る程、中禅寺湖を貯水池に見立てて取水してたのか。こりゃ効率的、高低差も自然の地形として利用出来るから工事自体は難しい物ではなかっただろうなぁ。
撮影時はまだ多少の見学が許されていたけれど2013年現在は完全に立入禁止と成りました、地元広報誌の取材で新聞社さんと同行した時も担当の方に色々とお話を聞かせて頂いた時も、
「備品の持出し(窃盗行為)や夏季にここで花火などを行って警察に来て頂いた事も在る、今後の保存計画も多方面から意見を聞いて検討中」
なのだとか。うーん、こりゃ保存より解体の方が検討案して強いのかもしれないなぁ。別の案件の仕事で土木学会の方にお話を聞いたけれど一時期は保存の方向で資料を提供した事も在るそう、今後の動きを正確に把握出来なかったのが残念だったけれど見ておきたい方は余裕が無いかもしれません。
件の土木学会のサイトにこの発電所の紹介ページを発見、一応リンク。
土木学会 - 日光街道 関東支部栃木会
http://www.jsce-tochigi.gotohp.jp/b/1010/2001_043.htm
前回の「通洞動力所・新梨子油力発電所」でも記載したけれど2003年(平成15年6月号)の「広報あしお」にこの発電所も幾つかの記述が在る、興味が在る方は是非確認してみてほしい。
広報あしお - 足尾の産業遺跡⑱
http://ashio.shokokai-tochigi.or.jp/dennouhakubutukan/sanngyou%20iseki/kouhouashio/h1506.pdf
栃木県の土木遺産をウェブ資料化している「栃木県の土木遺産」さんからこの発電所の説明箇所を引用して終るとしよう。
古河鉱業㈱(現在の古河機械金属㈱)は、足尾銅山の動力電化のため、明治23年(1890) 12月、足尾に間藤水力発電所(90kw)を建設しました。自家用発電所としては、宮城紡績(宮城県仙台市)、下野麻紡績(栃木県鹿沼市)に次ぐ全国三番目に古い歴史ある発電所です。
その後、銅山の急速な発展と日光電気精銅所の建設に伴って、急増する自家用電力の需要を満たすため、さらに有利で豊富な水利地点を求めて、明治39年(1906)日光町細尾に細尾第一発電所を建設し、次に、明治43年(1910)には細尾第二発電所を建設しました。後に、第一発電所を移転し、第二発電所と合併して、細尾発電所と名称を変更しました。以来、大谷川上流部に発電所を開発し、上流から順に馬道・背戸山・細尾・上の代の4発電所があります。
水源は中禅寺湖の水を華厳滝直下から取水し、さらに、年間流量の変わらない白雲滝・般若滝・方等滝からも取水していることから効率の良い安定した操業を行っています。
発生電力は、足尾地区の当社足尾工場で自家消費するほか、日光地区の古河電気工業㈱及び東京電力㈱に供給しています。
引用:栃木の土木遺産 - 細尾発電所 471686
参考文献
創業100年史 古河鉱業(株)・(財)日本経営史研究会
足尾銅山は2010年3月、その姿を完全に無くしました。日本国内では最大級の銅山で周囲には専業さん用住居地区が設けられたり関連施設も沢山建設されましたが1980年代に操業停止してからの廃墟歴史も終止符を打ち、あの素晴らしい遺構を見る機械も永遠に失われたのはとても残念で成りません。
現在では足尾銅山の跡地にはプレハブと工事業者が使用した駐車場、それと少々の遺構が残るだけです。付近の物件で良く撮影される山中の「赤い湖」は現存(現役運用)してますが企業の管理下に在り、また人の出入りが最近多くなってきた事から詳しい状況と把握し辛く成りした。
関連遺構もいつ解体されるか解りません、奨励される行為ではない廃墟見学や物件撮影ですが文化遺産や歴史的な遺構としてアプローチすると例えその姿を確認出来なくなったとしても次の世代に残して欲しい建造物だと思いますね。
本日は以上です。
知らない間に色々と状況の変化が在った様でして、足尾銅山関では余り語られる事の少ないこの細尾第
一発電所の追加エントリーで御座います。
と、言っても別に何かって訳でなくて車両が完全進入禁止に成ったのと銅山関連の保存対象遺構に候補物件として挙がったのと内部が綺麗に掃除されったって3点。
ほら、綺麗。
どうやら2013年の後半に色々と動きが在ったみたいだけれど全く存じ上げませんでした、解体じゃ
なくて保存対象(まだ候補ですが)ってのが良いですね。その内シッカリと整備されて観光地されるの
かもしれないです、その前に補強工事かなぁ。
photograph:koichiro
煉瓦の劣化は著しく、数年前と比べると随分と剥がれ落ちてました。
photograph:koichiro
周囲も綺麗さっぱりと整備されています、あらら…本気で観光地化するおつもり…?
実は2014年よりNPO団体も参加して足尾銅山の関連遺構の産業遺産見直し計画が実施されていま
す、これは県主導と言うより民間団体が率先して行っている様で観光地と言うより負の遺産である銅山
被害を忘れない為に遺構を残そうって動きの様です。
あ、そう言えば近年崩壊した「通洞動力所・新梨子油力発電所」の「通洞動力所」の方。何やら解t…
おい、やめろ何をすr
photograph:koichiro
アプローチ
細尾水力発電所のお隣さんです、直ぐ解ります。
地図リンク
photograph - nee
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