山梨県│折八地区 御弟子集落跡
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 折門八坂地区 廃村 御弟子集落跡
※ 折門八坂地区の連続エントリーの関連レポートです
・富士山の麓の孤立した集落
35.505446,138.588215
この集落の取材の為に富士山麓まで足を伸ばした当日、最初に伺ったのは上暮地の石碑なる物件。
残念ながら準備不足の為に最後まで到達出来ず、此方は現在も調査中物件として今後追加レポートを投下したいと考えている。
んで本来の取材対象だったのは此方。
コッチの物件は無事取材を終える事が出来、また再訪して更なる追跡調査を行う予定。
そして今回の物件は言えば。
折八地区 御弟子集落跡
正式には折門八坂地区御弟子集落跡、廃村なのだけど無人化してからはまだ数年の新しい廃村だ。三ツ沢集落の取材の前に時間が空いたので後から訪問しようとしていた折門集落を先に周る事にした、それでは廃村「御弟子」のレポート始めましょう。
三ツ沢集落へ向う途中、沢集落の中程に「林道折八古関線」の支線が現れる。この舗装林道へ入るとお目当ての廃村御弟子へ向う事が出来る…のだけど。
実は2011年05月に発生した土砂崩れの所為で車の通行が非常に困難な状態と成った、取材当日は6月だったけどその時でさえ上部斜面から転がり落ちて来た岩が路上にゴロゴロしていた。
例え車だとしてもボーリングの玉より遥かに大きな岩が落ちて来たら無事では済まない、済まないのだけど…ここWR450辺りですっ飛ばしたいです。
車を走らせる事15分程、目的地の御弟子集落の入口に到着。その少し先に近年まで廃校好きにも愛された「古関小学校校折八分校」が校舎ごと残っていたのだけど2007年に取り壊されてしまいました。
三ツ沢のレポートでも書いたけどこの小学校の簡単な略歴を。
1877年 折門分教場設立
1889年 下九一色尋常小学校折門分教場と改称
1941年 下九一色国民学校折門分教場と改称
1947年 下九一色小学校折門分校と改称
1951年 下九一色小学校折八分校と改称
1954年 古関小学校校折八分校と改称
1973年 廃校
御弟子の道祖神、この地域の道祖神の石像には癖と言うかフォーマットが存在する様でどれも形が似ているのです。
道祖神の移動の看板が在りました。
そう、この御弟子集落。無人化して廃村に成ったのは2009年(※1)と最近の事、建造物が綺麗に残っている集落なんですがそれはこの様な理由から。
※1:取材当時としては「最近」でしたが現在では幾分その表現が正しくないかもしれません
集落入口、舗装林道の支線から更に下る細い道。
これ、結構有名ですよね。山深い集落跡に何故か大量の布切れの乱舞、この布の事を地元の方に聞くのをスッカリ忘れてしまって。
( ゚∀゚)アハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \
なパース。
ここから集落のスタートと成る、御弟子の集落は道路上に2軒、道路下に6軒の合計8軒が立ち並んでいた。総軒数はもう少し多く、倉庫や別棟なども含めると結構な家屋数(※2)だった。
※2:この集落は幾度かの衰退と繁栄を繰り返しており、ピークの総軒数が正確に記録されていません
同地区の方がたまに来て管理されているそうです、だから集落内はとても綺麗で人の気配がするんですよね。
この御弟子、地名に成っている”弟子”と言う言葉に焦点を当てるとちょっと面白い歴史を垣間見れる。
三ツ沢、八坂で製炭とは別の移住者によって始まった新たな産業「刀鍛冶」。この刀鍛冶のお弟子さんがこの地の開祖だと言う説が在りまして、似たり寄ったりの諸説仮説が沢山在るのだけど調べてみようかなぁ。
集落の最後尾、奥に向う程に自然に飲み込まれそうな雰囲気だった。
縦長の集落開始部分に戻り、下へ向う細い道へ降りてみた。
綺麗な竹林が姿を現す。この地域一体では製炭の山岳産業は確認されているけれど竹炭は記録に残っていない、これだけ立派な竹林が残っているのだから過去に産業しての記録が有っても良いと思うのだけれど…。
因みにこの竹林の斜面には幾つかの古道が残されていて現在では失われてしまった製炭釜場や加工小屋などに続いていたと聞く。
凄い斜面に作られた集落だった事が解る。
三ツ沢、八坂、そしてこの御弟子の集落。兎に角滋賀県の霊仙廃村群の集落跡と酷似している。同じ山岳集落で斜面にへばり付く様に形成され、主な産業や生活形態が似通う…場所も違うし形成時期も気候も違う。だけでもとても似ているのです、不思議。
御弟子集落、身延町の町歴にも沢山の事柄や資料が掲載されていて少し調べただけでも複雑な経緯を辿ったのだと解る。今回は三ツ沢がメインだったが次回はこの御弟子を含んだ上折門や下折門を同様に調査しても面白そうだ。
さて、この集落を後にして僕ら取材陣は三ツ沢へと向うのだけれども。
そのお話は既にエントリーした通りだ、夏に再訪する時にもう少し調査を進めて新たな発見に努めたい。
今回は以上です。
アプローチ
県道416号線から御弟子方面への支線に入ります、途中下方へ延びる細い道が見えますがその道が御弟子集落への入口です。
地図リンク
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