千葉県 │ 小櫃川水系猪ノ川 黒滝
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 小櫃川水系猪ノ川 黒滝
何となくですが今年中に房総の主だった沢関係は全部行き尽そう、そう思ってアチコチ行ってるのだけれど今回は地質学的にも有名な滝をご紹介したいと思います。
場所は東京大学千葉演習林内を流れる小櫃川水系猪ノ川の「黒滝」、林道からも見る事は出来るけど夏場に成ると茂々しい樹木達に遮られてその全容を見る事は難しい。かと行って通常は進入禁止の場所なのでこれまた近くで見る事も出来ない、と言うより一般公開期間でも沢に降りる事は許可されてないから通常は間近で見るのは無理と言える。
まあ許可(広報や調査、報道でない一般利用の許可は取れません)を取っても良いけど合法的なアプローチも在るので今回はその方法でお邪魔しましょうか、と言ってもこの時期(6月)はヒル天国なので覚悟して下さいませ。
※ 滝上部の私設歩道橋より先は演習林敷地内です、その先へは別途許可が必要となります。
危険な場所も在るので詳細は書かないけれども猪ノ川下流から沢沿いを遡行するルートが在ります、房総の沢屋ならご存知かと思いますがこの辺のガレが結構面倒な場所が多くてオススメ致しません。車のデポ地から20~30分で黒滝直下まで来る事が出来ます、ウェブ上にも似た様なルートを歩いている方が散見出来るので興味の在る方はグーグル先生にでも。
さて、僕らは滝の撮影に入るとしますか。
初っ端からこの美しさである。
緩急複合滝の副滝(3段目)を下流から見ている状態だ、流れは弱くて岩肌が露出している場所は非常にナメていて歩き辛い。右側の山間部は少し手前から巻く事が可能なので滝上部へアクセスする事も可能。
だけれどこの場所、ヒルがアチコチでウニョってるので自作忌避剤が必須でありんす。
※ 房総では追原集落と同程度のヒルの出現率です、恐ろしい位にうにょってます。
綺麗…な写真、なのだけれどなぁ…。
滝の右側面の山を巻いてみた、この高さまで登ると急斜面の滝を見下ろせる事が出来た。そしてこの時点でブーツにはヒルがニョロりと数匹、って事でいつもの自作忌避剤のレシピを貼っておこう。
自家製のヒル忌避剤ですが羽虫、蚊、アブ、蜂(種類により効果に相違有り)などにも効果が在ります。忌避剤なので寄って来ない(刺され難い)為の物ですが刺されたあとの消毒にも効果的です。
用意するのは「ハッカ油」、「エタノール」、まあ他にも色々とレシピは在るのですが基本形はこの2種類の薬品。
総量の10%をハッカ油として調合して下さい、ブーツやタイツ、靴下などに事前にスプレーすれば忌避剤として15分~30分程度の効果が在ります。また登ってきたヒルに一吹きすれば脅威の効果でポロっと落ちます、血を吸われている最中でもポロリするのでホント便利。
因みにエタノールには通常「無水エタノール」、「消毒用エタノール」、「消毒用エタノールIP」と3種類が売り場に並びますが買うのは後者の2種のどちらか。
無水エタノールは純度100%ですが消毒効果などに後者2種と違いはなく、税金の問題で価格も高いです。含有成分の話を始めると実はもっと細かく再分化されるのでこの辺で、あ…粘膜にはスプレーしちゃ駄目ですよ。
緩斜面の滝上部(2段目)へ移動、シャワーラペをやろうかとベースのスリングを巻ける樹木を探したけどロープの張り角度が悪い。フルテンションで大きく振られそうなので今回はパスした、いや元々高低差がそんなに無いのでヤル気も無かったのだけれども。
撮影を終えて林道まで戻って来た、やはり林道上から滝を一望する事は叶わなかった。東大千葉演習林の中には色々と紹介した沢関係の物件や昔の研究施設が残されている、それらの撮影もしたかったけど今回敷地内への入林許可は申請していないので次の機会としよう。
それでは最後にこの黒滝について少しだけ。
小櫃川水系猪ノ川 黒滝 - 滝について
軟泥質な岩が多い房総の河川、しかしこの黒滝は珍しく硬岩質の岩肌で流水による侵食速度は他の房総の滝に比べてみると遅い部類だ。傾斜が非常に緩く、大凡3段の滝に分かれていて合計すると約10メートルと低い。が幅が広く、最後の滝に関してはそれなりの落差が在る為に迫力は損なわれていない。上段の滝2段がそれぞれ約1メートル~1メートル半、最後の3段目の滝で残りの落差を流れ落ちる。
全体を通してナメ場が多くて歩くには沢シューズか注意が必要、水質は余り良くないです。
地質調査や地質学では有名な場所で「黒滝不整合」と呼ばれています、黒滝不整合(上総層群黒滝層/安房層群安野層)とは房総半島と三浦半島にかけて広く追跡できる傾斜不整合で同分野では随分と以前より研究や調査対象として知られています。
小櫃川水系猪ノ川 黒滝 - アプローチについて
黒滝は東京大学千葉演習林内に在ります、林道から眺める事は可能ですが直接滝にアクセスする為には演習林内からアプローチする事に成ります。ですが演習林は基本的には関係者以外立入禁止と成っており、一般公開は春季(規定数日間)と秋季(規定数日間)の2回。毎年その公開日は異なるので直接下記事務所までお問合せ下さい。
東京大学大学院農業学生命科学研究科付属演習林 - 千葉演習林
http://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/chiba/index.html
冒頭でも書いたのだけれど大学関係者、行政イベントや報道、広報を除いて一般利用での入林許可は行っていないそうです。一般利用で入林したい場合は年2回の一般公開期間を利用すると良いでしょう、ただその期間でも沢へのアプローチは禁止されているので黒滝に通常より近くまで寄る事が出来る程度とお考え下さい。
イレギュラーなアプローチルートとして猪ノ川を遡行する事も出来ますが山屋や沢屋ではない方へはとてもオススメ出来ない行程なので経験者同行など事前の準備を行った上、自己責任にてお願いします。
アプローチ
亀山湖を横断する国道465号線、折木沢地区の亀山湖オートキャンプ場入口から林道に折れる。その間々直進すると車両通行止め先200メートル先右側に滝が見えます。
photograph - nee
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