千葉県│湊川水系支流高宕川 右俣第一支流
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 湊川水系支流 T秘境高宕川 右俣第一支流(右俣人工第一支流)
※ 2013年4月以降、アプローチルート(未舗装)最後の分岐に「車両進入禁止」の柵が設置されました。地元民への聞取り調査で不法侵入や手前空地での不法駐車は即通報との事です。
スッカリ飽きたT秘境、もう良いかな隠さなくても。地元の方と行政(水質調査で同行した担当員さん)に思慮して伏せて来たけどウェブ上では2008年位から場所の公開がわさわさ、どうしたものか。
と、扱いに困るこの場所ですがメインの本流遡行は沢山の方がレポートされている事はご存知かと思います。なので今回は同じT秘境でもまず人が入らない高宕川の支流に焦点を当てたいと思います、季節をズラして全3回のシリーズで支流や滝などをご紹介したいと考えてるので気を長くしてお楽しみ下さい。
予定しているレポート内容ですが、
第1夜「高宕川右俣第一支流」
第2夜「高宕川の滝」
最終夜「高宕山牧舎跡」
と3夜続いてエントリーして行こうかと。んでは今回の「高宕川右俣第一支流」遡行、レポート開始です。(今回はWG-1が大活躍)
※ 当時はWG-1がシリーズ最新モデルでした、2015年現在での使用モデルはWG-4と成っています。
っとその前に、過去の関連エントリーを。
いつもの入口、あの先に日常とちょっとだけサヨナラ出来る自然が待っている。難易度も低くて沢歩きのエントリーコースとしてもオススメ、本当に良い所ですよココ。
振り返るとこんな感じ、車両侵入禁止なのに未だに馬鹿が突っ込んでくる様で。
車のデポ地とは随道を挟んで直ぐの場所、実の多くのサイトでこの入口と成る素掘り随道の写真が掲載されている。
入口付近で気付かないかもしれないが直ぐ脇に川廻しが在る、本来はデポ地右側の緩やかな斜面したに旧河川が流れていて今でも薄っすらとその道筋は残っている。
もう何年も同じ表情、しかし流石に見慣れてしまいました。さて、具体的な地図が出せないのが口惜しいですがこの場所は高宕川の途中に存在しています。高宕川は湊川水系の支流で水量は以前と比べ年々減少しています、雨季であれば点在する滝もそれなりに迫力があるのですが今年は夏季も重なってホント水が少ないです。
高宕川には沢山の支流が在りますが今回はこのT秘境と呼ばれる一帯から延びる支流に焦点を当てました、その支流の中でも一番長くて踏破甲斐が在る「右俣第一支流」を歩きます。
右俣と言うのはT秘境では有名な滝の代表格「黒滝」を支点に左俣、右俣と沢が分かれるので区別の為に呼称しています、まあ一般的な沢でも本流が分かれる場所では左俣、右俣と呼称します。
「黒滝」は次回に再度ご紹介しますが以前の関連エントリーで数点写真を掲載しています、下記リンクからどうぞ。
この黒滝から左右に本流が分かれます。
長年の本流と支流の分岐流れ込みによって侵食された結果、分岐隆丘は少しづつ抉られてT字水路はRを大きくしていった。増水時の黒滝は勿論迫力が在るのだけど水路が年々広がってしまった為、増水時でも明治後期の様な勢いある滝は姿を消してしまった。
黒滝の滝上部の分岐隆丘には見事な複合根を見る事が出来ます。
ここが高宕川右俣の第一支流入口と成ります、T秘境に何度も足を運んでいる方は何となく場所が解るかもしれません。
この先には名も無き小さな滝が数箇所あり、ポットホール群もあり、倒木によって出来た天然ダムもあり…いやぁ、辛いですよ。
行っては駄目です、辛いだけ。辛いだけなんです。
地図だとこの様な位置関係に、このT秘境造成の為に直接関係する支流ではない筈。なのだけど結構な長さと規模なのが右俣の第一支流の魅力、水量調節かと思ったけど本流に向かって流れているのが気に成る。
そもそも以前のエントリーでも書いた通りこの場所は牧場の為の川廻し、その下流に位置する場所で重要度の低い位置関係。何故これだけの支流を作ったのか、今後調査を続けて事実確認をしたい。
はい、初っ端からコレもんですよ先輩。
倒木の状態から推測、上流から流れて来た物ではなくて両斜面からの土砂崩れでこの様な状態に。こんな感じの天然のダムが幾つか在りまして、規模の大きい物も2箇所程。
倒木ゾーン、登ったり潜ったり。スパイダートラップが鬼の様にセッティングされているので破邪の剣(拾った枝)で払い除けながら進みます、そう言えば何でこんな事(支流遡行)してるんだろう…。
忘れた、そんな昔の事は忘れたよ。
photograph:+10
可愛い滝も幾つか、しかし気温と湿度が可愛くない。
あ、だけど可愛いヤマカガシは沢山居ます。ヘビ大好き、可愛い。
ちょっとだけ房総ヘビ談義
この場所に限らず房総にはヤマカガシ、シマヘビ、アオダイショウ、マムシ、その他ちょいちょいと生息しています。
シマヘビやアオダイショウは無毒、噛まれても痛い位で何時も持ち歩いているポイズンリムーバー(本来は蜂用で血行性のヘビ毒には無意味、雑菌吸引にも使用出来るので水中や泥の中で噛まれた場合に使用)とエタノール消毒でOK。しかしマムシは言うに及ばず意外と厄介なのがヤマカガシだ。
マムシは怖がられるけど意外と人体に対する毒性は注入量が少ない為に重大ではないとされている(毒性の強さはハブより上です)、そして先程のヤマカガシ。
ヤマカガシは大変大人しく、また噛むまでのプロセスも国内のヘビでは一番長い部類だ。そして噛まれても牙の位置関係で毒が注入されない事が多い、僕もその辺を知ってる為に甘く考えがちで素手で良く捕まえていた。
勘違いされがちだけどヤマカガシは毒牙は在りません、奥歯付近に毒を分泌する器官が在って噛まれる事で傷口からその毒が流れ込むって寸法です。なので「噛まれても牙の位置関係で毒が注入されない事が多い」と既述しました。
ただ毒の強さだけはピカイチでマムシの比では在りません、毒の方向性が対処し易いので結局噛まれても血清さえ在れば大事に至らない。
血清さえ在れば、だけど。
山屋や沢屋は知っている、ヘビの血清ってね…どこの病院にでも有るわけでは無いんだ…。
パっと見で似てるジムグリ、滅多に見る事は無いけど房総にも住んでるヒバカリには勿論毒は在りません。と言うか国内(本州)ではマムシとヤマカガシだけしか毒が無いのです、ハブは島限定なので割合。
激しいブッシュ、相棒に先行させる策士である。実際腰が痛くて屈むのがもう嫌、そう言えば何でこんな事(支流遡行)してるんだろう…。
さっきも書いた気がするけど、うん気の所為だな。
どうやらココまでの様だ、土積物が大量に支流を塞いでいる。一応登ってみたがこの先にも土積物が、丁度この場所が大きくRを描いている為に天然ダムが出来易い様だ。
場所はこの辺に成る、キツイ折れの水路が幾つか重なった結果先細りの場所で天然のダムに進路を塞がれた。
考察するにこの場所、以前はもっと水量が在ってダムに成る様な自然の残留物が堰き止められる事は無かった筈。人の手が入った跡がこの先にも見え隠れしている事から本当の行き止まりはもう少し後の様だ。
右斜面が抉れ、樹木の根が露出している。流れが強い時も在るのだろう、小さな支流だが雨季や台風なので水量が増えた時に是非再訪したいものだ。
因みに右俣にはこの外にも人が歩けそうな支流が5本ほど確認出来る、第一支流の先は「急駟滝」の分岐で最後の支流と高宕川上流(本流)とで別れる。
急駟滝の写真は以前の関連エントリーに。(先程と同じリンクです)
左俣には細い支流が数本伸びるが特筆するべき流れは無し、遡行の後「宮内滝」の上流には支流の支流湧水地で終点と成る。
右俣支流の内、今回紹介した物以外で歩いたのは2本。その両方が途中で土積物に阻まれ終了と成っている、歩いていない残りの2本は歩くまでもなく先細りの支流だと解った。
綺麗なナミハンミョウがアチコチで乱舞している、昔から言われる「道教え」の通り、近づけば遠のき、また振り向いてこちらをじっと注視する仕草に誘われ、僕らは帰路についた。
高宕川右俣第一支流
湊川水系支流、高宕川のT秘境付近に点在する支流の一つ。黒滝から右俣最初の支流なので第一支流と命名、先細りの上流湧水地で終点と思われる。
高宕川には実に多くの支流が存在し、人口河川も含めて川廻しと自然の支流の流れ込みが実に多い。
付近において高宕川は生活用水としても使用され、行政の管理区画も在る。人工河川なので入水路も用意されていて地下には配管が通っている場所も、また年に何回かは担当員の水質調査が行われている。
車両侵入禁止。
誰も歩かないだろうと思うT秘境の隠れた遡行ポイントと歴史の遡行、どうせこの場所で沢歩きを楽しむなら是非沢山のポイントを攻め、そして何故この様な場所が人工的に作られたのか。それを知る事によって新しい発見が必ず在る筈です、意外と語られる事の少ないこの場所の真実、3夜連続で少しづつ紐解いて行きましょう。
何度も言いますが良い所ですホント。
飽きたけど。
さて、第2夜の明日。明日はこのT秘境に存在する素晴らしい滝を幾つかご紹介したいと思います、人工滝を始め名も無き小さな自然の滝などについてエントリー予定です。
アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
※ T秘境内の滝の名前を公開しました。
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