千葉県│房総某所 ナイトクライム+岩場斜面キャンプ
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 房総半島非公開岩場
山全体がミキプルーンの苗木だと言う、そんな噂を頼りに危険な暗闇登攀をしにやって来ました。人様にご迷惑に成らない安全安心ハートフルなクライミングを心掛ける「行ってみた」ご一行、本日は手元足元が闇夜で不明瞭なナイトクライムってなものに挑戦なのです。
この場所は以前も来た事が在りまして、ええ。
フックポイントやステップポイントが多種多様で初心者さんにはとっても優しい素敵な岩場、今回はレギュラーのアニキ様と新人のK田君を連れてやって参りました。何度来ても感動的な絶景ですわ、アタシってばムラムラしちゃいます。
房総半島には中々「うっ!(声に成らない)」っと思える岩場は少ないですがこの場所だけは安心して遊べてしかも素晴らしい風景と言う、かっぱ海老餅みたいなポイントなんですよね。ホントは鳥皮が立っちゃう様な難所や高所が気持ちええのですが新人教育を兼ねるとそうはイカのω玉なのです。
ㄘんㄘん(๑╹ω╹๑ )
…また今回「行ってみた」とは別に広告撮影のお仕事としての一面もあるので遊んでばかりでは在りません、それっぽく見える様なアングルとセッティングが求められるのです。
んじゃはじめますか、ね。
我々としては珍しい14時からの入山、そしてレポートは15時半と言う夕方一歩手前の現着後からスタートです。内容はレポートと言うかただの状況説明なので薄いコンテンツです、参加者の備忘録も兼ねているので生暖かくご覧頂ければ幸いです。
(・з・) You wish!
ここから見える全てがそう、信じられない事に全部ミキプルーンの苗木なんですよ。
本当だ>( ∵)(∵ )<だろ?
現地到着後、最初に行ったのは斜面の限られた場所にテントを設置する事。当然平地なんて無ぇですからどうにか体を横に出来る場所を探します、ズルっと行ったら勿論生きてはいませぬ。兎に角山間部は夜間真っ暗なので明るい内に野営やナイトクライム、撮影などの準備を終えなければ成りません。
※ この場所は山頂近い標高(とても低い山だけど)で部分的に岩肌が出ているクライムポイント、しかも目の前は海で下方には漁師町で夜景も期待出来そうです。
斜面でのテント設置に関する注意点
岩場での、しかも斜面でのテント泊は非常に危険です。テント内の荷物は全てまとめて一つのバッグにパッキングしておき、別ロープでフィクスします。勿論就寝時は人間はハーネスを着けた間々でこれまた別途ロープでセーフティを確保します。
斜面ではまず間違いなくテントはズリ落ちます、ゆっくりの時も在ればズルっと一気に落下する時も在ります。この時人と荷物がテントから離脱し易い様に位置を考え、落ちる方向や不意の落下時の衝撃を最小限に抑える工夫を色々と行います。
斜面や壁面専用のテントも在りますが対策と工夫で通常のテントでもこの様な難所での設置も可能に成ります…が、基本的にはオススメ出来ません。
今回一番危ない場所に陣取りましたワタクシ、平地が皆無で木の根の先は絶壁です。そして案の定2回のズリ落ちを体験して夜中に最上段まで移動したのは良い思い出に成りましたよ(K田君が手伝ってくれて助かりました、ありがとう)。
20メートル程下方では親子2代でクライマーのアニキ様が自力登攀中、相変わらず登るのが早い。今回のメンバーでは唯一本物のクライマーさんでして、現在はボルダリングジムが職場と言う生粋さんです。
写真のアングル的に解り辛いですが結構な急斜面でラぺ中です、前回はマッシャー有りで降下しましたが今回は通常のラぺ降下に挑戦中。彼、本当に覚えも早くて今後に期待出来ます。
ロープは20メートル×1本、30メートル×1本、50メートル×1本を用意。全てカーマントル、この他にテントや人体確保用のロープが数本。いつもより少し本数が多いですね。
※ ビギナーの場合は登り返し用にチェストハーネスも有った方が良いです、マッシャーはボディとフットテープ用にダブルで確保がより安全。より安全性を求めるならばガチャガチャ(登攀器)が有ると良いでしょう、しかしまずはロープワークに寄る登攀技術を身に着けるのが何より先決です。
降下開始地点から10メートル程下に斜面の緩いテラスが在ります、ここから地形は若干ハング(※1)して更に続きます。本当はここにテントを並べる筈だったけれど斜度が意外とキツくて止めました、エッジから先は絶壁だし。
※1:自力脱出の為にメンバーには何度も何度も「自力登攀」の重要性を説いています、この様なエッジの場合は登り詰まりを起こす事が多いので低いポイントで繰り返し練習が必要です。
夜間撮影用(広告の)にアングルと場所を確認します、撮影用のカメラもセッティング開始。いやぁココまで来るのに荷物が重くて本当に苦労したんだよなぁ。んだどもこんな特殊なロケーションで広告用の写真撮影なんて滅多にないしなぁ、真面目にやらんとな。アニキにもモデルちゃんとやって貰わないと…そろそろ打ち合わせでもしますか。
( ゚Д゚)「話は聞かせてもらったっ!」ドアバーン
(・ω・)「ドア何処から出てきたの?」
独り芝居が板に付いてきたアニキ様が下の方で叫んでるけど気にせずにちょっとだけ説明、「行ってみた」の活動とクラフトビールをメインに据えた音楽イベントとがちょっとだけコラボしてほにゃほにゃなのです。
この辺に関しては何れ機会を設けて、年内には他にもメディア関連でご報告が在ったりします。
太陽が落ちて周辺の雰囲気は一変します。
ガラガラガラ
( ・A・)「今何開けたの?」
(´・_ゝ・`)「いや、うがい」
独り芝居に熱を帯びて来たアニキ様ですが夜には大人しく成る筈です、「俺は光です、そう…人々の」最近覚えた倒置法での自己紹介、彼は光と共に生きています(目が悪くて暗い所では騒げない)。暗く成れば静かに成る道理、そう思っていた時期がありました。
ああ、なんてこった…今日はスーパームーンじゃねぇか…(めっちゃ明るい)。
駄目でした☆
誤動作したミスファイアリングシステムのごとく彼の言葉はまるでポロロッカ(※2)、落ち着かない様子なので「手のひらに”違法ダウンロード”って書いて飲み込むと気持ちが落ち着くよ」と教えてあげました。
※2:アマゾン川で大潮と満潮の重複時に発生する奇観、川の逆流現象の事。
眩しい位の月夜(※3)の中でナイトクライムがスタートします、クライムと言ってもその殆どはロープ降下に費やされます。スタートポイントへ戻る為に各々ロープ登攀だったりフリーで登り返したりとレベルに合ったナイトクライムの方法を選んで貰います。
※3:当日はスーパームーンでした、因みに18年に一度のエクストラ・スーパームーンは通常の満月より輝度が20%、面積が15%程多く成ると言われています。
ナイトクライムの注意点
夜間のクライミングは非常に危険です、これは支点確保に至るまでの不安要素が余りに多いからです。通常クライミングは経験則は補助的に働いてもメインは目からの情報です、その情報量が圧倒的に不足する状況下での岩場(しかも房総半島の岩場は砂岩質)は慣れている方でも判断を誤ると滑落事故に繋がります。
国内でのナイトクライム人口はとても少ないですが興味の在る方は山岳会やボルタリングジムの企画など熟練者が同伴する環境で行う事を強くオススメします。
また通常のクライムギアに加え、2000ルーメン以上のヘッドライトや4000ルーメン付近のハンドライトなど各種照明器具が必要不可欠です。不意のバイトミスなどで身体が振れる事を考慮するとエルボーパッドやニーパッドなども在ると良いでしょう。
降下途中の岩場で作業姿勢、からの周囲の撮影。ええ、解ってますよ…ラぺグローブ使えって仰りたいんですよね。フィールドグローブでロープなんてイケマセンよね、本当にすみません…
いいじゃん別に(半ギレ)、いいだろ別にぃ(全ギレ)。
下方のテラスからK田君の降下を補助、やはり暗いと何が起きるか解りませんですからねぇ。上からと下から、そして自分のライトで広範囲をカバーしてシッカリとステップポイントを探して貰います。
やっとこナイトクライムっぽく成ってきた。
一番緩い斜面で広告撮影のテスト、2秒位で流すと被写体がどうしてもブレっちゃうねぇ…。
広告撮影の最中の一幕、手に持ってるのはビールです。そう、今回の広告は「山×ビール」がコンセプトでして。その詳しい内容は今後明らかにして行こうと思っています、しかしキツイ斜面でそのポーズ、随分と身体にキてらっしゃるんじゃないかなー。
今回撮影で使用したビール
今回、広告で撮影に使用したビールは約10年間で爆発的な人気を獲得したIPA「ブリュードッグ」。2015年現在世界25箇所にオフィシャルバーを展開するまでに成長したスコットランドを代表するクラフトブルワリーです。国内でもメジャー路線のIPAだけれど飲んだ事が無い方、興味が在る方は是非六本木のオフィシャルバーへ。
BrewDog Roppongi
http://brewdogbar.jp
今後は沢山のクラフトブルワリーとアウトドアの企業さんを交えた広告制作を進めて行く予定です。
今回一番の頑張りを見せた1枚、しかし皆さんは直ぐに気付く筈です。
その場所にテントはねぇだろ、と。(結局ズルっと行きました☆)
因みにこれでも岩場の斜面としてはとても緩い方でして、しかもフックもステップも多くてクライマーさんなら何の不安も無くロープレスでも軽々登れます。んだどもロケーションは夜、万が一も考慮して+マッシャーで滑落防止対策の上でのナイトクライムでした。新人のK田君も何かと勉強出来た貴重な経験に成った様子です。
※ テントの設置は半分冗談でこの場所へ、結局寝れるわけも無くて移動しております。
真夜中2時過ぎの眼前風景、素敵やで。
あっと言う間に持参したウイスキーを飲み干して暗闇の山中で男3人がピーチクパーチク、そろそろ寝ましょうよ…明日辛いやで。
photograph:K田
因みに移動先のテント内でさえこの斜度です。
今回はナイトクライム、岩場の斜面キャンプ、そして広告撮影と何時もとは目的も時間帯も全く違う内容でした。そして解ってはいても現地で実際にその身を置かないと理解出来ない注意点など、勉強に成る事も実に多かったと思います。
今年は新人当たり年で3人が着実に育っています、しかし読まれている方に至っては新しい物件がレポートされない非常に退屈なエントリーが続いた1年だったのかもしれません。しかしそれは参加者の安全対策と経験・知識向上の為なので仕方ないと思っております、来年(2016年)は戦力を得た新しい布陣と取材スタイルで産業遺産から地域民族学的なアプローチで沢や山のレポートをザクザク量産しようと予定しています。
年内には今回の広告撮影などの顛末報告や新しいコンテンツなどをご紹介出来る予定です、それでは本日はこの辺で。
アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
写真撮影:nee
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