埼玉県│矢納水力発電所
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 矢納水力発電所跡
埼玉県の山間部、都心からだと秩父よりも長瀞よりも遠い矢納と呼ばれる地区にその廃橋はある。付近には神流湖と下久保ダム、釣好きには人気の高い場所。また車で数分走ると以前紹介した「新井邸」が、群馬県と埼玉県の県境のちょっと素敵で歴史の在る発電所跡にお邪魔しようか。
場所が結構見付け辛い所に在る「矢納水力発電所」跡、クネクネと山道を走ると…ほほう。こいつぁネットでも見るより上玉だぁ、しかも大好物のレンガ造りとくりゃあゲップと屁を同時に出しちまうくらい興奮しちゃう。
自宅を出たのが丁度1週間前、途中道に迷ったりヤザン・ゲーブルと将棋を指したりしまむらにラー・カイラムで乗り付けてスニーカーソックスを買ったり廃部寸前の野球部を甲子園まで導いたりして時間が掛かってしまったのだ。
知らなかったけど地球連邦軍所属の機動戦艦だった筈のラー・カイラムでは在るが時代のニーズだろうか、人材派遣の会社として現在運営されているらしい。世も末か…。
アウトソーシングの株式会社 ラーカイラム
http://www.re-kailum.com/
MAJI☆イケメンっすー、ふつくしいー。
余り知られていないけど土木学会の近代土木遺産に選定されている、埼玉県としては最も古い水力発電所だった事や現在は希少と成ったレンガ造りの発電所跡ってのもその選定理由に挙げられているそうだ。
付近に駅などは無いから車で来る事に成るだろうけど…うんココは盛緑や紅葉の時期に是非来て欲しいなぁ。歴史的な建造物と自然の競演はやはり美しいですよ。
裏手の機材置き場だった所、稼動時はこの場所に沢山の発電制御機器が置かれていた。当時の水力発電としては中々の1100kWを出力、沢山の家庭や事業に貢献した事だろう。
機材置き場の2階部分、事務所跡だったと聞く。最初の写真はこの2階部分から撮影した物、廃墟全体がとても綺麗(廃的に)で随分と撮影枚数が増える。
隣接された木造の小屋、此方は何に使用されていたイマイチ調査でも解らなかった。コンクリート製のベースが在る事から野外モーターなどが設置されていた可能性も、ただの物置小屋ってワケじゃ無い様だ。
矢納水力発電所のエントリーは沢山のサイトで見る事が出来る、このアングルもネット上で結構見る…のだけど。この階段を登った方は今の所見つけられなかった、ならば登るしかないな。
もうギリギリの強度だったけど人間死ぬ気でやってもなかなか死なないもの、逝くぜ。
う…ん、そう…ね、うん。まあ綺麗だけど…何も…ない、の…ね…。
そして訪れた皆さんが気に成ったであろう地下の様子、入りましたよココも。ただこの地下空間、兎に角カビ臭い。
「少し肺に入った…」
って事に成るので入る場合はマスク必須、夏場は蟲天国なので入るなら冬場~初春限定ですよ。
で、やっぱり特に気に成るものは何も無し。
裏手の様子、水圧鉄管の取り入れ口が地面に見て取れる。写真で言えば左手の斜面から水圧鉄管が延びていた筈、落差を利用した水路式で発電圧力を得て水力発電はメジャーな流込み式で発電を行っていた。
取水、放流は共に神流川。
この近辺一体は本当に自然が豊かで道路沿いから見え隠れするガリーとかブッシュで隠れた枝道とか沢屋を惹きつける要素満点でした、山歩きでも行ってみたい所です。
それでは最後にこの発電所の歴史をペロっと浚ってみましょうか。
矢納水力発電所跡
1911年に着工、1914年に完成し武蔵水電が運用を開始。その後の管理は帝國電燈→東京電燈→東京配電と変化するものの帝國電燈以降は実質現在の東京電力と言う事に成る。
既に東京電力の管理下と成っていた1966年、神流川上流に下久保ダムが建設される事に伴い送電停止。同年12月22日に発電所を閉鎖、運用廃止と成った。
県内で初の水力発電所として運用を開始し、その歴史的な背景と建造物の希少性から土木学会の近代土木遺産に選定されている。敷地は現在も東京電力が管理していて定期的に東電の関係者が隣接する現行の送電機器のメンテナンスを兼ねて見廻っている。
最後に近接するこの発電所の閉鎖理由と成った下久保ダム、そのダムの面白いエピソードを見つけたのでリンクを置いて今回のレポートを〆ようと思う。
おしえて!ダムのこと - 下久保ダムQ&A
下久保ダムから水が流れているところを見たことがありません。
http://www.water.go.jp/kanto/simokubo/osiete/q05.html
へーなるへそ。
アプローチ
国道462号線沿いの道の駅「上州おにし」を神流湖方面へ少し走ると県道の分岐が在ります、その分岐が県道331号線の入口。暫く走ると神流川を渡る登仙橋が見えるのでその橋の下を除くと矢納水力発電所が見える筈です。
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