千葉県 │ 乾坤山 鋸山採石場
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 乾坤山 鋸山採石場跡(鋸山石切場跡)
千葉県に住んでる方なら絶対知っている山が在る、その名を「鋸山」。標高は329.4m、建築などの資材として適している凝灰岩を江戸時代から採石し、房州石と呼ばれ一時代を築く。採石当時は今とは別の名前(正式名称である乾坤山)で呼ばれていたが盛んに採石された結果、露出した山肌の岩が鋸の歯状に見える事からこの名で呼ばれる様に成ったと言う。
僕の大好きだった東京湾要塞「第二海堡」建築にもこの房州石が使用されている、有名どころでは靖国神社にも使用されていて全国的にもかなり有名な様だ。
で、今回。
何度も登っているし回数を忘れるほど訪れているこの鋸山において余り知られていない場所をご紹介したいと思う、その場所はこの鋸山を語る上では絶対に避けては通れない「石切り場」そのものなのだから。
鋸山の石切り場跡として紹介される場所は「地獄のぞき」で有名な百尺観音付近だ、千葉県民ではなくともアチコチのブログなどで紹介されている。
しかし。
そう、しかし。ここじゃないんだ、本当の石切り場跡はもっと下の方に存在する。余り人が通らない場所にひっそりと、だけれども今だシッカリとその場所は残っている。夏場に行く馬鹿は滅多に居ないその場所へ、夏場なのに行く馬鹿がそこに居た。
日本寺の拝観料600円を払って境内敷地内へ、山頂部一帯はこの日本寺が擁している。地獄のぞきや百尺観音、千五百羅漢など見所が沢山有るのだが今回は石切り場へ直接向う。
採石は1986年まで続いていたがピークは大正中期まで、現在は全く手が付けられて居ないので秋~冬に「鋸山アドベンチャーコース」を歩く登山客が通り掛かる程度。
途中二手に別れ、上部へは地獄のぞき。こちらの下部には百尺観音が聳えている。
こちらが百尺観音、デカイ。石丸電気より雰囲気的にデカイ。
さあ、もう後戻りは出来ない。一度だけ後を振り向く、やっぱり帰ろうかなぁ…。薮漕ぎ嫌だよう。
無人の管理棟を抜け、いざ登山コースへ。この登山コース、一般的に知られている道でさえ適当な整備状況なのですが知る人ぞ知る採石当時の職人道なる物が数本存在します。もう獣道どころか道筋さえ残っていない状況ですが機会が在ればご紹介したいと思います、今回は取り敢えず石切り場へ直接向いましょう。
正規の登山コースから石切り場へ向う獣道へ、通常この場所へ夏場は行かない。その理由は後々解るのだけど…この場所は旧道で切り通しに成っている。鋸山には何箇所かこの様な切り通しが存在している、しかしやはり夏場は蒸し蒸ししてます。
更に進むと薮漕ぎ+急斜面の獣道が顔を出します、山屋さんにはちょろい道だけどブッシュが酷くて進むのが面倒な場所です。そして良く滑る。
そろそろ道が解らなく成ってきます、蜘蛛とヒルのエンカウント率は急上昇。ビール呑みたい。
湿度が。湿度が。
コマメに拭かないと直ぐ曇る。湿度が。
お久し振りです。
やっとこ着いた、冬場なら楽勝なコースなのに茂ると難易度上がるなチクショウ。
縦構図。
うーん、ブッシュもじゃもじゃの時期に来たのは初めてだけどこりゃ迫力有るわ。こういう遺構は盛緑の時期に限るなぁ、写真映えも随分と良いや。
口を開けて見上げます、心のゲージが揺れますな。
帰路面倒:□□■■■│■■□□□:風景素敵
降りてみます、まあ何度も来た場所なので特に撮る物もないのだけど。
見上げると随分と陽が昇った事に気付く、時計の針は9時過ぎを指す。
1時間前に通った切り通しを再度通過して本来の登山コースに戻ります、久し振りに来たけどなんか草茫々具合が随分と進みましたねぇ。
今度からはW90(※1)が活躍しそうですわ、バッテリーグリップ着けたデジ一(※2)じゃ気に成って歩き辛いです。
※1:当時のOptioシリーズ最新機種、2014年現在では後継機を経てWG-3に成りました。GoProシリーズも素敵。
※2:当時と言うか今もですが基本へタレの為現場にはD300などの壊れても良い散歩カメラで挑んでおります、仕事用のデジ一はおっかなくて無理。でもバッテリーグリップは着けるんですの、うふふ。
さて今回紹介した場所は実はトレッキングコースとして名が残る登山道です、俗に言う鋸山下山コースですね。行程はちょろいです、特別な靴や服装は要らない素人さん大歓迎な道ですが夏場はブッシュに阻まれてルート選択を誤ると若干面倒な事に。
なので初めて行く方は道順を知っている方と同行するか事前にシッカリと調査してから行かれる事をオススメします、メジャーな観光地ではないですがオフシーズンにご年配の方がトレッキングを楽しまれる事も有るので興味の有る方は是非訪問してみて下さい。
10年振りの石切り場、やっぱり素敵でした。
アプローチ
ロープウェイと自動車専用道(鋸山登山自動車道)、裏手中腹部駐車場から徒歩にて向う3つのアプローチルートが在ります。一般的には自動車専用道が楽、他にもオススメ出来ない登山道や獣道からのルートも在りますの。この場所までは国道127号線にて、入口は上記の様に数箇所在りますので各自お好きなルートを選択して下さい。
地図リンク
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