静岡県│松原マンション(鉄骨マンション)
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 松原マンション(鉄骨マンション)
割橋、それは危険だけど少年の頃の木登りにワクワクした童心を蘇らせる魅惑の遊戯。僕と山の相棒で遊んでいる割橋の候補地としても挙がっていた伊豆の大型廃墟が在る。長い間山中に鉄骨が剥き出しの間々放置されている事から「鉄骨マンション」と呼ばれ、廃墟としてはイマイチだけど割橋としては最高の物件が伊豆に在る事は以前より知ってはいた。
しかし廃墟の魅力を余り感じなかった事から随分と時間が経過し、残念な事に2007年には鉄骨部分が解体されてしまった。丁度伊豆方面に廃線歩行と他の物件の撮影で出掛ける予定が入ったのでついでに行くか…と撮影候補に追加、くねくねと細い住宅街を抜けて高低差の少ない峠に差し掛かった時、この廃墟は顔を見せた。
ウェブ上にもチラホラとレポートやら撮影された写真やらが散見出来るこの物件、皆さん通称で呼ばれているので正式名称をお伝えしましょう(※1)か。
※1:エントリー公開時点では行政問い合わせの記録も無く、初の名称公開でした。
松原リゾートマンション
静岡県内の不動産業者が1980年代前半に企画して建設を開始した山中に聳える高層リゾートマンション、建設当時既に分譲と賃貸の募集が行なわれていた様で開発中止後は購入者(契約者)とトラブルに成ったとの情報も在る。
残されているマンションの廃墟は2棟だが建設当初の計画書にはこの土地を含め、数棟の高層マンションの建設が予定されていた。結局道路側の駐車場を含む2棟が先行着手され、基礎部分・1階部分・2階部分が建築された。基礎部分から延びる鉄骨は計画当初14階が予定されていたが後に12階へ変更された様だ、現在残されているこの区域の建築資料が何分少なく、また別々のルートで探した混ざり混ざり情報で一体どれが正確な計画書なのかも正直良く解らないのであくまで参考程度に。
※ これらの情報も県内の不動産業者から得た物で恐らくは正しい内容と思われます
バブル期の構想だけ在って結構ずさんな建築計画がこの区域一体に広がっていたらしく、この他にも似通ったリゾートマンションが計画されていた様だ。
工事は1年弱で中止し、現在に到るまで30年間程を皆さんが知る状態で廃墟化して残されたのだけど2007年、急に鉄骨部分の解体が開始。あっとい言う間に2階部分までの状態へ、夏場に見る事が出来た山中にポツンと聳える鉄骨建造物は見る事が叶わない状態に成ってしまった。
解体業者は解ったのだけど建設時の業者とは全く関係なく、その依頼が何処から行なわれたかなどは興味が湧かず未調査の間々このレポートを書いています。
何分古く、資料が集まり辛い物件だったのでご勘弁下さいませ。
それでは現地で撮影した鉄骨マンションをどうぞ。
入口部分、施錠も無く完全ウェルカムでした。
おっとー、こりゃ思いがけず美しい。俄然撮影意欲が沸いて来た。
マンション内部はこの様にコンクリートの外壁と内部基礎を作った状態で放棄されている、階段の設置予定場所や電気設備の為の穴や構造がアチラコチラに見て取れる。ウッカリすると小さな窪み何かに足を奪われるので注意しながら進むとしよう。
ここに鉄骨が伸びていたのだけどなぁ…ハーネス着けてブラブラしたりラペリングしたりしたかったなぁ…。
階段部分が狭くて暗いのです、外部フラッシュを色々と設定変えて撮ってみるのだけど上手くいかんので途中で諦めたですよ。
ベランダ部分には苔が生えてふつくしきかな。
凝った趣向の建造物で建築が大変そう、デザイン先行だったのかぁ…。コンクリートは随分とヤレていて所々に顔を出す鉄骨は錆び錆びの状態だ、
仕事で建築関係のパンフレットの写真とか撮影した事が在るのだけどこの廃墟の方がよっぽど様に成る物件だった、予想外のアタリを引いたけど建造物の歴史にイマイチ興味が湧かずに机上調査は終了。
資料を見る限り付近の再開発の予定は無い様だけど全て解体されるのも遠くない日なのかも、ご馳走様でした。
アプローチ
国道135号線から伊東温泉で有名な伊東の駅を越え、細い道を岡住宅街へ。大きな丸山公園へ目指すと解り易く、公園出入口から少し登ると鉄骨マンションが見えます。
地図リンク
http://goo.gl/maps/QPirD
photograph - nee
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