千葉県│トビ岩山 山頂トビ岩
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - トビ岩
FUTTSU(富津)のレジェンド伝説として語られる以前より気に成っていた場所がある、と言っても対象と成るポイント周辺に連なる山々は既に10年以上前に踏破しており、更には近年「エコー牧場」の調査や沢歩きの新人教育の場として欠かせない「七ツ釜渓谷」の梨沢大滝来訪などでお世話に成っている地域だ。
そう、「行ってみた」ではお馴染みのFUTTSU市は梨沢地区である。その梨沢地区からちょいと歩いた山中に爆発エクスプロージョンな絶景が存在すると言うではないか、新緑のライムグリーンともなれば何ともKAWASAKIの血(?)が騒ぐ。
歴史的な興味も尽きない地ではあるけれどやはり山間部とくれば盛緑の絶景さん、梨沢の沢歩き道程においては房総イチの美しさと以前ご紹介したけれどこの地区には今回の来訪地と成る素晴らしい景観が望める場所が在る事は知ってはいました。
それが今回のエントリー、トビ岩さんです。
地元相川地区~梨沢地区の方は皆さんには勿論ご存知の景勝地ですが現在は諸事情あって気軽に行ける場所では無いんですよね。その理由の一つはこの地域における平均年齢、現在この地域には定住者として子供がおらず、その殆どが高齢の方達(※1)。
※1:妙蔵時住職の聞き取りから
トビ岩はアプローチを含めて難しいルートや登山技術は必要としないものの、やはり高齢には少々辛いコースと成る。地元の方の話では「昔は行ったけど今は、ねぇ…」と言う状態だ。
それに加え、直接的なアプローチルートだった相川からの開発道が「エコー牧場」閉鎖に伴って立入禁止に成った事にも起因する。そうは言っても勿論許可を得て入山する事は可能だ、相川地区・梨沢地区共々この地域の方々はとても優しい、「行ってみた」でも毎度お世話(休憩や準備、駐車場)に成る妙蔵寺の住職さんとその奥さんや開発道入口のご家族(昔の話を色々としてくれました)、特に妙蔵寺さんは土産を持って行くと逆にそれ以上のお返しを頂く事もあって今後も新人含めてお付き合いして行く事に成る素敵な地元民。
※ 開発道(エコー牧場入口)は現在立入禁止です、実質的な土地の所有権は都内の土地開発業者が保持しています。現地管理は相川地区の方が委任されて行っております、入山許可は相川地区の方に申し出た方が良いでしょう。入山には事前に許可を申請する必要があります、当日は恐らく無理かと思われますが連絡先は記載致しません。連絡先や連絡方法は各々で調べて頂くよう、宜しくお願い致します。
と、この様な理由によって現在のトビ岩は地元付き合いがあるか利権者に許可を取るなどのプロセスを介するか別途残されている登山道を利用して迂回来訪する事に成るワケです。
事前連絡とか面倒じゃオラァな体力自慢の皆様におかれましてはやはり登山道ルートもご紹介せねばなりますまい、って事で呼吸は寝起きのそれぞれ1回づつと言うマックスパワーなブラザー達は秘めたる力を開放しつつ以下参照。
一般的なアプローチルートは北側の旧別荘地からの東電の作業道(巡視路)経て枝尾根から主尾根を経由するルート、
南側の物見塚山から入山して稜線沿いに北上するルート、
https://goo.gl/maps/M6BRsEtiaBP2
西側から旧登山道の入口、上白狐登山口から北上するこれら3つのルートだ。どれもそれぞれが起伏に富んだライトな登山が楽しめる、ロープレスだし基本体にピーク沿いを歩くので踏破技術を特別必要としないのが嬉しい所。
ただ、ツマラナイのは覚悟。これらの一般ルートはウェブ上に沢山のレポートが散見出来るしヤマレコなんかはGPXファイル付でエントリーが公開されているのでモバイルや手持ちのGPS機器と組み合わせてみて欲しい。
そして今回自分も被害にあったのだけれど5月~9月は非常に毛虫が多い点は留意願いたい、中でもチャドクガの幼虫(黄色い毛虫)の毒毛…正に諸行無常。「チャドクガ 虫刺され」なんて感じでグーグル先生にお伺いを立てると
うっ。
※ 数日経っても広範囲で刺痕と強い痒みが残ります
まあ山やってればヒルだの毛虫だのには多少耐性(気に成らなくなる)が付くので大丈夫な方は盛緑期に是非挑戦して下さい、また自ら刺されに行くと言う希有なプレイスタイルも有りでしょう。敬虔な虫信者でなくとも新緑~盛緑の時期の山ってのは本当に美しいのです。
対応策としてはピンチ缶の中にエタノール、抗ヒスタミン剤、ハッカ油なんかを忍ばせておく位。服(タイツなど)上からでも関係なく刺されます、と言うか毛虫自体が居なくても葉に付着している毛や空中に舞っている毛でも同様の症状が。
チャドクガの症状と画像と刺された際の応急処置や市販薬について
http://rarara-ran.com/790.html
上記リンクは参考程度にどうぞ、山屋さんはまた別の対応策などを持っているので興味の在る方は色々と検索してみて下さい。
既に全体のテキストの30%を消費してしまいましたがトビ岩のレポート、開始です。
殆どの方は一般的な入山ルートに成るのでその分岐点からスタート、現在地はこの辺です。
https://goo.gl/maps/MnQxZ6fsP5H2
古くは製炭の作業道として何本も枝が伸びる旧山道の一つ、その殆ど自然に還ってしまったけれどピークに出る道はハッキリと辿る事が可能だ。
並行する様に獣道と薄いガリーがあるので間違えない様に、と言っても何処でも直登出来るレベルなので問題は特に無いですよ。因みに直進すると風早山に、風早山から更に南北に旧登山道と西側に細く薄い枝が延びる。
※ 東側には牧場跡の管理道が在りますが通常の登山ルートから入山した場合は進入禁止です、そして意外と敷地内が広くてブッシュで迷う事もありますよ(以前GPS持ってるのに迷った経験あり)。
風早山からの分岐でピークに登る場所だ、下方には馬頭観音と壁龕石碑が残されている。この道を下ってトラバース気味に延びる登山道からトビ岩へ直登も可能、ただ登った感じだと多少ボルダーなムーブを必要とされるので岩経験が無い方は避けた方が良いだろう、この辺りで怪我したら単独の場合一大事になり兼ねないです。
無難に行くならピークを選択、楽ちんですよ。
今回はこの岩根に延びる下方の道を歩いてみよう。
地盤が岩の為に傾斜にしろ地面にしろ樹木の根が広がる様に伸びている、この様に植物と地形を観察する事でこの場所の地質やある程度の地形的な歴史を想像する事が可能だ。整合性は机上調査に、現地では現場の状況から判断を迫られる場面が多々発生する事も肝に銘じておこう。
※ どのルートを選択しても特殊なムーブやロープは必要ありません。
こちらが件の馬頭観音と壁龕石碑。有名なので詳細は割愛、馬頭観音に関しては以下参照。
馬頭観音 - ウィキペディア
因みにこの付近では他にも「磨崖仏」などをはじめ殆どウェブ上に挙がる事のないマイナーな石仏(※2)などが残されています、それぞれ設置時代が違っていてその文化的重要度も多岐に渡るのですがそれはまた別の機会に。
※2:物見塚山からのアプローチで幾つかの枝が薄っすらと発見出来る筈です、その中には行政が把握していない石仏が残されておりこの地域の歴史においても大変古いと思われる磨崖仏などもあります。現在写真を専門機関(と言っても知り合いの大学研究室だけれど)に提出、周辺地域の地域民俗学の書籍などとも照らし合わせて調査中です。判明次第追加エントリーで記載したいと思います。
製炭の歴史検証を行った時に行政から頂いた資料、そして独自に調査した内容を加味するとこの相川・梨沢地区は非常に面白い歴史を内包した地域と言えます。
愛宕神社と清遵法師入定塚、相川を挟んで対丘には巨岩群や城址(※3)、梨沢大滝不動など山岳信仰と土着の神の信仰が折り重なった宗教的な重要地域だった歴史も見て取れます。この辺に関しては上記の馬頭観音などを交えて何れご紹介しようと思っています。
※3:巨岩群(石田村)に関しては別途調査の上単独エントリーを予定、この巨岩と関連する山中の常代城跡も同様にその時に記載したいと思う。常代城の「トコシロ」は房総半島において古い城に命名される事が多かったと富津の郷土資料にも記載があり、(梨沢字常代越・相川字古屋敷)に在るとされるが現地にその面影は一切ない。その城址と巨岩群の関連性を示す資料も発見されていて非常に興味深い地域でもある、また特殊な地形な為に学術的にも今後調査が待たれる地域で在る事も記載しておこう。
カッとなって直登した場所、後悔どころか意外と両足片手でも登れるもんだと人間の凄さを実感。
今後ウチのボルダー担当にはバイノーラルマイク+360°アクションカム装着で色々やらそうと画策中、今回はそのテストも兼ねて音声の入り具合なんてのもチェックしてました。
おっさんボディを気遣いつつ登りきるとそこには…うん、成程。
( ˘•ω•˘ ) こりゃすげぇなぁ。
さんざんと周辺を歩いて来たけどトビ岩に来たのはHAJIMETEでして、こんなにも絶景さんならもっと早くに来るんだったですよ。
リコーのシータアップロードサイトへ移動(ブランク)します、PCからならマウスのジェスチャーコントロールでグリグリして下さい。モバイルの方も同様ですがVR系アプリがインストールされている場合はジャイロが良い働きをしてくれます、通常モードでグリグリ、360°ビュー(一眼/二眼)でなら更にうひゃひゃな感じです。VRガジェットで立体視も面白いですよ、ハコスコさんとか安いので是非お試しを。
いいじゃんココ。
アタシ、ココが気に入りました。房総の某岩場も中々の素敵ロックだったけれども此処も中々どうしてウットリロックじゃねぇですかぁ。
眼前に広がるブロッコリーも彩鮮やかって言うね、やはり虫と藪漕ぎさえ我慢出来ればこの時期の山は最高ですわ。
周囲はこんな感じ、兎に角ブロッコリー。見た感じこの場所が一番高く感じるけれど良く見れば北東側の風早山が標高192メートル、トビ岩は152メートルなのでやや低い。南側には228メートルの物見塚山が、それでもその眺望は素晴らしい。
[ THETA動画 ] ※ 不具合の為、一旦削除中です(後程再アップします)。
360°動画です、モバイルならジャイロが捗ります。PCならマウスでグリグリして雰囲気を少しでも感じて頂ければ。動画はモバイルやウェアブルなどの機材を組み合わせて色々と試行錯誤中です、動画の手振れ酔いにはお気をつけてご覧下さい。
折角来たので色々と周辺の地形調査とラぺ可能ポイントを探してみます、今回の同行人のU田川君を少々離れた場所に移動させて簡易セーフティ後にフィクス出出来そうな場所を確認。
向こう側は足場が悪いので結局トビ岩の裏斜面からロープを取る事にしました、今回は20メートルの簡易ロープ(アプローチロープ)なので無茶はせずに撮影アングルを確保するだけとします。因みに左側の窪地は此処から60メートル程の高低差、このトビ岩自体は下方地面まで15メートル位で意外と大した高さはありません。
※ 安全対策を行った上での壁面行動を行っています、ハーネスの装着と最低限のロープワークの知識が無い場合は類似する行為はオススメ出来ませんので御注意下さい。
チェストハーネスを持参してないので即席でナイロンスリングで代用、左腕が麻痺しているので上部でガルダーヒッチを利用した簡易倍力システムを応用したロープワークで降下。
まあ親ロープにマッシャーで確保してるので落ちる事は無いですが。
左手に関しては殆ど握力の無い状態ですがちょっとだけトラバース、こりゃ気持ちがいいや。
すっかりとお気に入りと成ったこのトビ岩、折角なのでこれだけでは勿体ないと思いまして別途来訪日を設ける事に。その時には色々と用意して皆さんに楽しんで頂こうかなぁって企画も用意している最中です、恐らく秋頃ですが追加エントリーなどでご報告させて頂こうと思います。
暫く千葉から離れたエントリーもボチボチと、廃村なんかもストックしているので調査が終わり次第エントリーしようと思っています。
本日は以上です。
アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。(と、言いながらも本文参照)
地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。(と、言いながらも本文参照)
写真撮影:6Frogs Design Works
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