Quantcast
Channel: 行ってみたら凄かった。アーカイブ
Viewing all 455 articles
Browse latest View live

REPORT - 0824│湊川水系本村川源流 - 後編

$
0
0

6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


千葉県 │ 湊川水系本村川源流 - 後編


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 湊川水系本村川源流


ベータで録画した川口探検隊の水スペ映像で驚く時のリアクションはインプットナウ、足りないのは田中信夫の声と演出SEだがコレばかりはご勘弁願いたい。さて、前編は以下よりどうぞ。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


( ゚д゚)


正直驚いた、この風景が房総だと言う事に。


しかし長かった、時計は12時半を過ぎた辺り。4時間近く経過してやっと出会えたこの狭い谷間だがその怒涛の美しさは留まる事を知らなかった、いや本当に凄いぞこの場所は。


無駄に挙がる変なテンションで、


あの倒木、渡ろう


よろしくない持病が発病した。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


地上に居る僕からは見えていなかったが空中散歩を楽しむ彼には見えていた、深く切り落とされたゴルジュを裂くその川筋が、これから目の当たりにする絶景が。そして今回の目的地が直ぐそこに迫っている事を。


「行きますか」
そうね


慢性化した疲労が眼前の絶景さえ凌駕していくのを如実に感じながら、それでもやはり押さえられない期待感を辛うじて維持しながら。


ほんの少し、歩を進めてまた立ち止まる


photograph:+10


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


こりゃ凄ぇえっ!


こ、ここは一体何処なんだ。


今回の湊川水系本村川源流において目的地として設定していた連続瀑布帯にとうとう到着。しかしこの異様な地形は何だ、濁流に抉られた様なカーブを描く涸沢に圧倒されながら更にその先はどうなっているのか興味が尽きない。


この地形を形作っている要因は幾つか考えられるけれどそれは時代の移り変わりと共に変化した水量と水位だったり、それに伴う侵食だったり。例に良く出す同じ房総半島の「間滝」でも似た風景を見たがこの圧倒する迫力と規模はその非では無い。


そして急激な水圧の上昇と下降を繰り返す内にこんな特殊な地形を形成したのだろう、写真では解り辛いけれどあのブラインドの先ってば…うん、確実に落ち込んでいる。


しかしグングンと高度を下げてくな(※11)、ちょっと怖いわ。


※11:見える範囲だけで10メートル以上は高度を下げています
6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流

簡易的な図では説明出来ない地形、単純にこんな感じではない事だけは伝えておこうか。


しかし図でも言葉でも、うん…実際に見ないと解らない複雑なこの地形は確実に房総半島の最終兵器と言える。狭さと足場の悪さ、そして急激に落ち込んでいるこの連続瀑布帯。


求めていたモノが確かに在った。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


中央に突出した苔生した岩、これ実は人工物だ。こんな場所にどうやって…と思うかもしれないけれど実は1970年代に整備された上流の砂防ダムが破砕して一部分がここまで流れて来たのだ、つまり涸沢に成る前にここまで濁流に運ばれた事に成る。


先端に乗るとグラグラと揺れた、いや揺れているのは視線かも。


だって震える様な絶景がね、もうね。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


こいつぁやべぇって。


あれ?ここ房総半島だよねぇ?


後の机上調査で正確な測量が行われていない場所だと知った、その理由は沢が生きていた当時(水が流れていた頃)はその立地により高精度な測量が不可能だった事、そして涸沢に成ってからは荒廃して近づけなく成った事に起因している。


そりゃそうだ、頻繁に地形が変化するしその変化を起こしているのは自然自らっていうね。GPSと現在位置が合致しない、等高線が描かれた国土地理院の地図と現場の地形が違う…これら多くの原因はこの場所が抱える多くの要因に対応出来ないからだったんだ。


しかしこの落ち込みは凄いな、チムニーとチョックストン、それに様々な倒木が最後の抵抗を僕らに試みる。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


人一人が辛うじて通過出来るかって程の狭い瀑布帯、それぞれのテラスも2人がギリギリ足を下ろせる広さだ。まずは10メートル少々の最大落ち込みが予想される第2瀑布を確認する為にフリーで降下してみようか。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


場所はこの辺だと思う、GPSが完全に沈黙して電波を拾ってくれないからあくまで予想。いや、だけどもさぁ…地図とこの現状じゃ違いすぎるだろうよ。


[ GPSの感度の位置補足の精度を記載しています ]


電波感度:圏外
位置補足:圏外
6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流

現在この場所を降下中、やはり図では解り辛いけれどかなり危険な場所です。この数段のチムニーを含めると20メートル近くの行程差だ、壁面や足場が崩落すれば命の保障は勿論無い。


目視で第3瀑布を確認してラペリングが可能な事と着地点が問題無い事を把握、上り返してチョックストンからロープを延ばす事で連続瀑布帯+第3瀑布を降下する事に決めた。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


ラペの準備を進めていると右側壁面に珍しい昆虫を発見、頭上の樹木から落下してしまった様だ。山中では珍しくないけれどこの種類は余り見ない、トビナナフシだ。


通常山の中で出会うのは普通のナナフシエダナナフシが殆ど、トゲナナフシに至ってはまだ見た事もない。トビナナフシも相当見る機会が少ない種類、まさかこんな秘境でお逢いするとは。


枝に擬態する事で有名なナナフシ、その中でも異端児としてこのトビナナフシは有名だ。と、言うのもその名の通りにこのナナフシは”飛ぶ”のである。


「枝が空を飛ぶ」


なんとシュールな事か、ボディサイズと造形特徴からこの固体はトビナナフシのメスと判断。僕らの遊びに巻き込まれない様に撮影後は壁面を登り切るのを待つ、丁度良い休憩時間に成ったですよ。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


カーンマントルを上流のチョックストンから延ばした、流石に本物のロープを使いますよ。


情報以上に高く感じる第2瀑布最後の滝口のテラスでサブビレイ、相棒がスラスラと降下して行く。まずは特攻(ブッコミ)担当が更に下流を確認しに、いてらー


どうやらブラインドの先30メートル程で最後の第4瀑布が顔を覗かせている様だ、地形も問題無さそうだし返しの登攀も大丈夫そう。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


次にステップラダー×2本、ナイロンスリング×2本、カメラを降ろす。これで準備は整った、本当はビレイ担当で降りるべきじゃないのだけれどね。


photograph:+10
6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流 6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


この景色を見る為にやって来た、感無量で御座います。


房総半島にこんな素敵な、そして厳しい自然が残っていた事に感動しましたですよ。そして更なる興味も出て来ました、この本村川とはどんな歴史を辿った川なのか…と。


既に翌年の再訪に向けて現地では動画撮影のアングルや更に簡単にアクセスする為のルート探索も行ってある、次回は今回の半分以下の時間と労力でこの場所まで来れる事だろう。


それらの事前調査も含めて帰宅後の机上調査を冒頭の件(前編参照)と合わせて最後に語ろう。


photograph:+10


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


GPS精度が下がっているが現在地はこの辺を指している、地形を見る限り恐らくはもう少し下方の回り込んだ場所ではないかと予想。


[ GPSの感度の位置補足の精度を記載しています ]


電波感度:||||||||||
位置補足:誤差10m


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


事実、第3瀑布を降下して直ぐに左側へ緩やかにカーブを描いている。滝の高低差を考えるとやはり現在地は更に下方であると思われる、沢沿いに歩くと直ぐに最後の第4瀑布が姿を現した。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


ロープが尽きて降下出来ないのが残念だがこれが滝口から見下ろす形と成る第4瀑布、高さは先程の第2瀑布よりちょっとだけ低い様に見えるけれど10メートル位だろうか。この本村川の滝は全て90℃の直角に近い落ち込み地形だ、大型の滝では珍しくないけれど小型と言える10メートルそこそこの滝でこれだけ垂直に落ちる滝は珍しいとも言える。


因みに下流側からこの直下に行き着く事が出来るのでその内歩いても良いだろう、まずはこの上流域で再度カメラセットの内容を見直して別機材と撮影機材を揃え、記録用写真(+動画)の撮影に再訪したいと思う。


以上が現地での模様だ、房総半島の最終兵器はお楽しみ頂けただろうか。まだまだ語り尽くせないし実際に見ていないエリアも在る、再訪時に合わせてお伝え出来ればと考えている…が。今回は帰宅後の机上調査内容をまずは見て頂こう、辿れたのは戦後間もない1948年から。


それでは引き続きレポートを続けるとしよう。


photograph:+10


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


本村川源流及び上流の連続瀑布帯


この本村川、元は神野寺を要する低い山を源流に持つ川だ、冒頭でも説明したけれど湧水地は複数在るけれど本源流と成るのは山頂付近。道路整備によってその流れは隔たれて以降は道路下方の別の湧水地と山中の雨水とが複合的に流れを作り出していた。


1940年代には別の流れが形成されている事が確認出来る、それ以前の記録や写真が無い事で詳細は不明なのだけれど残されている情報からこの沢を解明してみようか。


※ オンマウス(ロールオーバーで画像が切り替わります)


1948年撮影の航空写真、撮影は何と米空軍。戦後の日本国土を調査撮影していてその中の1枚だ、オンマウスで現在のグーグルマップの航空写真とリンクしている。多少の誤差は勘弁願いたいけれど約70年でどの様に周辺とこの沢が変化したかを参考にして欲しい。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


源流は間違いなく神野寺後方の山頂付近(※12)、しかし道路がその流れを隔ててしまい新たな支流が生まれる。偶然にもこの支流が出来る沢の形状が絶壁だった為に滝と成った、これがレポート内で言う「第1瀑布」だ。


※12:神野寺を記録した風土記に記載アリとの情報、未確認です。周囲の聞き取りでも昔は寺の脇から川が流れていたとの話を聞きました、本源流はかなり細い川だった様です。


写真の時点ではその新たな流れを正確には確認出来ない、その代わり西側の斜面には製炭時代に作られた旧道を利用して畑が作られている。自然林が残る事からまだ植林事業も本腰を入れて進められていない時代と推測出来る、この時ならば旧道からこの本村川には簡単にアクセス出来た筈だ。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


1961年撮影の航空写真、1948年からの間に東側にはゴルフ場が建設されている。実はこの航空写真撮影の前年と成る1960年に完成、運営開始までは造成に数年掛かった様だ。この建設に関連して土壌開発が行われ、本村川東側の山中に含有されていた雨水はその大部分を失ってしまう。これによってこの区画では小規模ながら水害が発生し始める(※13)、一方西側は順調に農耕開発が進んで大分山を切り開いている。


※13:行政記録に基く


畑の維持の為、用水路を整備した為に土壌には潤沢な水分が残されていた事だろう、しかし大雨などで余分な水を沢へ流し込む用水路とキャパオーバーした山中の土壌水分。これらが二股地点の大きなガリー形成に一役買って現在と近しい形状を作り出す結果と成った。


上流部分では植林が完了して沢を両側から覆っている、この為沢自体には余計な植物が育成出来なくなってゴルジュから少しづつ水分の含有量を減らして行く事に結果に。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


1966年撮影の航空写真、道路開発が行われて本来の源流からは完全に水の流れが消失。その後の流れから少量の水が流れるナメ沢を形成していたがこの時代辺りから農耕での開発を地域住民が諦め始める、高度成長期を前にして日本の産業が大きく変化する黎明期にこの地域も差し掛かり始めていた。


沢はまだその姿を明確に残し、砂場のテラスを所々に残す美しいゴルジュが見て取れた筈。既に二股西側からガリーが発生しているので周辺の複合的な開発の余波は山中に確実にダメージを残していた事だろう。


瀕死間近のこの場所に水害対策で本源流に2箇所、次点の本流に3箇所の砂防ダムを行政が設置。更に本村川上流には2箇所の砂防ダムを設置して水害対策としている、しかし行政が本格的に動いたのはこの時だけで以降は放置される事と成る。


現在ではその崩壊した砂防ダムチョックストンとして沢のあちらこちらに残されている。


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


1975年撮影の航空写真、約10年で周辺は大きく変化している。まず畑が消滅して自然に帰りつつ在る、そして新たな植林計画で西側が大きく削り取られている。結果、これがこの沢を涸沢にしてしまう原因を作った。


源流付近では道路開発の影で下水整備が整って水害は格段に減少、砂防ダムはその役割を終えるが時折見舞われる大雨で氾濫するとコンクリート片を破砕しながら下流へ運んだ。これが更に微弱な水の流れを殺してしまう、そしてゴルフ場では地盤を整備し易くする為に地盤凝固材を使用。植林事業も相まって北側東側からは壊滅的なダメージを追う、本来湧水の無い西側からの自然水が唯一の流れの源流だったが畑が無くなった事で用水路は破棄。


これら複数の要因によってこの沢は枯渇し、涸沢と成った。


現在の地形と開発の所為で今後、この沢が恒常的な流れを取り戻す事は完全に無くなった。たまの大雨や集中豪雨で土砂崩れが起きれば更に荒れ、倒木や落石が増えて行く事だろう。本来この本村川上流は実に面白い地形だ、流れが残っていれば人気の沢スポットに成ったに違いない。


現在の涸沢でも魅力は十分だしテクニカルで踏破し甲斐の在るルーファンを求められるから謳い文句の「房総半島の最終兵器」で間違いは無いだろう、机上調査を終えて尚更そう思った。


これにてこの本村川の源流とその連続瀑布帯のレポートは終了です。そして最後にこのレポートでも幾度も目にした車のデポ地「神野寺駐車場」、その「神野寺」に少しだけ焦点を当てて終わりにしよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


神野寺と有名なエピソード


この神野寺、1979年に全国区に名を馳せる事件を起こした。世に言う「神野寺の虎騒動」だ、当時飼育許可などの申請が不要だった猛獣飼育をこの寺の住職さんが行っていた。飼育動物は「トラ」、飼育していた12匹の内2匹が脱走して約1ヶ月間周辺を恐怖に陥れた事件だ。


神野寺トラ騒動余波 - インジエア
http://www.geocities.jp/kkktkh/joyrepo/joyrepo02.htm


6frogs 廃村 廃道 秘境 本村川 源流


写真引用:東風庵│http://v-violin.blog.so-net.ne.jp


これは神野寺に今でも残されている当時トラを飼育していたゲージ、よくよく調べるとトラを飼育していたってよりも小規模な動物園を運営していたって事みたい。


鹿野山神野寺公式ホームページ
http://www.geocities.jp/jinyaji_598/


本日は以上です、やっぱり房総は面白いですわー。


アプローチ
エントリーを参照して下さい。


地図リンク
エントリーを参照して下さい。


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録08

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい


REPORT - 0901│黒部峡谷 下ノ廊下

$
0
0

6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


富山県│下ノ廊下


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 下ノ廊下(黒部峡谷/旧日電歩道)


長野県と富山県に跨る黒部峡谷、その厳しい立地から長い間”秘境”とされて来た。その後近年に成ってダム整備の為に垂直に切り立った絶壁にへばり付く様に人道が整備される、至る所にヘツリが散見出来る事でこの道の開拓の厳しさが解るだろう。


今回は調査でも地域民俗学でも無いけれど純粋に登山を楽しみにこの遠方の地、黒部峡谷までやって来た。知ってる方は参考に、知らなかった方は「こんな場所が在るんだ」程度に読み進めて頂ければ幸いです。それでは念願叶ってやっとこさで歩けた”下ノ廊下”、このエントリーを開始致しましょうか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


まずはこの黒部峡谷を説明しましょうか、色々と語るよりも外部リンクでより簡潔に。


黒部峡谷 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E9%83%A8%E5%B3%A1%E8%B0%B7


立地は上記リンクの様に大変な僻地で険しい場所に在る、日本三大渓谷日本の秘境百選にも選ばれている。登山としての難易度はかなり高く設定されているけれどこれは技術的な問題ではなくて実は登山道の高度、ダムを過ぎて標高自体は下がるものの登山道は上昇を続けて水平歩道では河川から300メートルもの高さの絶壁を僅かな道幅で歩く事に。


これらが「黒部に怪我人無し」の伝説要因とも成っている、つまりは落ちれば絶命確実で怪我どころでは済まないって事。確かに通年に及ぶ残雪や崩落、落石など高さ以外にも危険な場所は多くて途中の滝越えやガレ場も山歩きに不慣れな方は恐怖を覚えるかもしれない。岩屋や沢屋はこれが大好物で今回、短距離ではあったが「下ノ廊下でトレイルラン」をやらかして脚が爆発した事は内緒にしておく。


扇沢からトロリーバスに乗り、黒部ダムからスタートする登山道。この道は本来登山客の為の物では無い、その実は発電所とダム関係者が使用する人道だった物(正式には現在も)。これらには幾つかの呼称名が在って、


日電歩道(旧日電道) - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E9%9B%BB%E6%AD%A9%E9%81%93


水平歩道 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E5%B9%B3%E6%AD%A9%E9%81%93


などとも呼ばれている。今回はこの中で「下ノ廊下」と呼ばれる区間を歩いたりクライミングしたりトレイルしたりと2日間掛けて遊ぶ事に、いやぁシビれましたわー。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


黒部ダムから少々歩き、登山道入口。時間は朝の8時を過ぎた辺りだ、ここから約20キロ程先の阿曽原温泉小屋まで延々と歩く事に成る。普通の生活でこの距離を歩く事自体少ないけれど山と成ると更にその頻度は稀、縦断系の山屋ならまだしもアタシらアタック系(短距離日帰り)ですからねぇ。


お、山ガール()じゃん?
「えー、アタシ僻地系女子目指してるんでー」


ああ、そうですか。なんすかそれ。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


標高:1365メートル
気温:9℃
時間:08時21分


現在地はここ、トロリーバス黒部ダム駅から少し歩くと先人が築いた登山道が。北海道や四国でのチャリツーの感覚だと「20キロ、へー余裕過ぎ。竹馬でも行けるわ」とか馬鹿な事考えててもう本当に御免なさい、その行程がどの位長いかと言うと、


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


ね…?長いでしょ。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


登山道に入ると鬱蒼と茂る山間部を縫う様に見慣れた山の風景が出迎えてくれた、いつもの感じや。間滝石舟沢鍾乳洞でも思ったが””と言うのは根本的に強く、フザケタ話だが今回一番余裕を持って行程を制したのがこの僻地系女子の弟子で在りました。


翌日、帰りの車中では


「足の裏の水脹れが痛い、あと腰も痛い」
「膝がやばい」
「膝と脚が痛い」


と、か弱きかな男性陣。しかし…


「えー、ちょっと疲れたかなって☆」


姉さんっパねぇです。


photograph:+10


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


この森林区間を過ぎると少々の平地を歩いて再度山道へ、そこで最初の注意地点「内蔵助谷の出合い」が在ります。黒部峡谷はその名の通り「黒部川」を辿る、がこの「内蔵助谷の出合い」で間違えて「内蔵助谷」へ向ってしまう方が少なからず居るのだ。


と、言うのも。


この黒部峡谷は毎年残雪が殆ど無くなって登山道整備が開始される9月の中旬から紅葉が見頃を終える10月中旬で閉山される1ヶ月間しか歩けない場所だったりする、毎年山小屋(阿曽原温泉小屋)の方が登山道を整備するがやはり毎年自然の力(積雪や土砂崩れ)に因って崩壊してしまう。整備が終った頃に閉山と成って翌年また…の繰り返し、なので実は毎年ルートが微妙に変化する面白い登山道でも在る。


で、先程の話。自然が相手なので残雪状況や雨によって開山時期も異なるし豪雨や土砂崩れで一般登山者にはルートを閉鎖する時が在る。その為、「内蔵助谷の出合い」で黒部川側に閉鎖ロープが張られたり、一見して進行方向からズレる(本来の黒部川ルート)のを無意識に嫌って勘違いする方が結構な数で毎年現れる。


兎に角気をつけて欲しい場所だ。


※ 詳細はネット上のヤマレコなどを参考にして下さい


photograph:+10


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


登山道は一旦河川へ出て棒ノ木平を過ぎると高度はゼロに近く成る、周囲は絶景なりて歩を止める。


他のサイトやヤマレコを見て頂くと解るけれど一般的にこのルート、コースレコードは通常で9時間~10時間。健脚な方で8時間~9時間、山岳救助隊の方で3時間(ほぼトレイル)だと聞いた。僕らは途中クライミングをする予定なので少々早く歩かなければ成らない、なのでココからは撮影班岩沢班(岩屋+沢屋)で2組に分班して行動。


って事で写真が若干時間やコースと前後するけれどご了承願いたい、岩沢(岩屋+沢屋)は遊んだ時間を除外すれば5時間半~6時間と非常に早いペースで歩いた事に成る。これは途中ランが入った事でのレコードで非常に危険、行けば解ると思いますが”アノ場所で走るなど自棄に等しき行為”なのでご注意を。


因みに4人中女1人と言う状況だがジョージ朝倉的な設定はこのパーティには存在しない、そういうの期待しない様に。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


大ガレを越える、この辺りには残雪で有名な「スノーブリッジ」が毎年姿を残していてる。そうそう、言い忘れてたけれどこの渓谷、普通に(ツキノワグマ)居ます。2009年に歩いた方のブログでは丁度そのスノーブリッジ付近で熊の死体を発見されているエントリーが、まあこの辺は斜面が緩いから熊でも降りて来れる地形では在ります。


山スキーと山歩き みやぶろぐ
http://miyabu.blog.ocn.ne.jp/blog/2013/10/924_d3f0.html


因みに運が良いとこんな風景を見る事も出来ます。


下ノ廊下 - 快便堂
http://yamade.cocolog-nifty.com/yamade/2010/10/post-fc00.html


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


鳴沢を越えた辺りからヘツリが、やっとこ「黒部峡谷」の醍醐味だった「下ノ廊下」っぽく成って参りました。ただ、高度は河川から然程無くて高所興奮症の症状はまだ出ない。


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


丸太梯子の高捲き、度重なる崩落で以前のルートが大規模に崩落する恐れが在る為に近年ではこの高捲きが恒常ルート化されている。勿論自己責任で以前のルートも歩く事は可能、パっと見では普通に歩けるし実際問題なさそうだがオススメは出来ない。


因みに色が真新しい丸太梯子は昨年の物が崩落して作り直したばかりの物、この資材も下ノ廊下を歩いて運ばれているってのが驚き。製作は阿曽原温泉小屋の従業員さんだ、この山小屋の従業員は全て山関係者か過去にその手の職業に就いていたプロの方達。本物の山男なので少々荒っぽい物腰だけれど毎年こうやって登山客の為に道を整備してくれている、尋常ではない労力で御座いまする。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


非常に美しいと聞いていた「黒部別山谷」の出合い、噂通りの絶景だ。時間が許すなら是非この三千世界なガリーを登り詰めたい所だ、テント泊で時間的余裕が在るなら軽装アタックをしてみたい場所。


傾斜は45度強、見える範囲でルンゼ級のVは見当たらないから多分ギアもロープもそこまで必要としない筈。


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


標高:1050メートル
気温:12℃
時間:11時07分


地図上の直線距離では半分位に見える位置、がしかし。登山道的にはまだ3分の1程度、しかもこれから本気出すぞってな下の廊下さんでして。油断せずに行きましょう、んで懸垂降下出来る場所を探しましょうです。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


白竜峡核心部、歩く場所が無ぇ。


河川からの高度は徐々に上がり始めていて標高自体は下がっているのに自分自身は登ってくって言うな変な感じの場所です、まあガレなんで足元さえ気を付けてれば何とも無いレベル。


そろそろ時間を稼ぐ為に走りましょうか、まあ落ちたら諦めるって事で下の廊下でのトレイルラン開始


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


そろそろ白竜峡も終る、この後に十字峡の吊橋を渡って半月沢のヘツリが姿を現すといよいよ”下の廊下”と言う絶景に次ぐ絶景が姿を現す。


その為かアチコチで遊んだ所為でトレイルした分でも時間的余裕は少ない、2時間程しか遊べない計算だが丁度良いブロックウォールを相棒さんが発見。よし、ココでやりますか。


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


標高:949メートル
気温:16℃
時間:13時12分


場所はココ、十字峡を過ぎてS字峡までの中間地点で在る半月沢だ。ここ、撮影がし易いポイントで他の登山客さんも頻繁に記念撮影をされている様でして。普通の写真だけれど同じ構図の物がネット上にワンサカ出てくるですよ、まあ来訪当日は開山して直ぐの紅葉前でしかも平日。


しかも見通しが悪くない場所だから少々遊ばせて頂きましょう。


※ 山岳救助の方から「登山道からの直登をしなければ(降下なら)」とOKを貰っております


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


高低差30メートル弱の場所でしかもブロック、鬼ビレイの超安全マージンを確保した上でスタートしたボルダーアタック。普段はインドアクライムの相棒さんですが生岩でもその類稀なフィジカルを遺憾無く発揮、自衛隊の様なお手本通りのラペで小さなテラスまで降下して行きます。


まあ降りたら登るワケでして。


一応ビレイを確保してフリーで直登しますが少々不満気、簡単過ぎてツマラナイ様だ。まあこんな僻地で怪我でもしたら大変っす、慎重に遊びましょうや。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


飛んでる写真が撮りたい、そう思って何回か挑戦している内に「今度は動画撮りたい」、「讃岐うどん茹でたい(食べたいではない)」、「カリッコリーを自宅栽培したい」など各々の我侭が噴出。結果優先順位を儲け、首脳会議を開催した結果、


「話し合いの時間が無駄ではないか」


との至極真っ当な意見で一致、保留案件であった「猫は可愛いか?」の議題に対し「猫は可愛い」との合意も得た事で会議は無事終了した。


猫は可愛い。


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


途中、半月沢が綺麗に一望出来る場所を発見。小休憩挟んで更に歩を進めます、下の廊下では特に景観が美しいこの半月沢。後半のヘツリが特に絶景でその姿は阿曽原温泉小屋から先の水平歩道にも引けを取らないと言われています、高度はグイグイと上って河川までは100メートル程の高低差。


ココからはS字峡を越えて東谷吊橋を渡るまで結構危険な行程だったりします。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


伝わらない、この緊張感。


この辺りでシッカリとビレイが確保出来るなら是非降下したいポイント、がベースと成る樹木もアンカーも無いし時間的な余裕もそろそろ無く成って来た。


どうやら遊び過ぎた様だ、先を急ごう。


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


標高:896メートル
気温:12℃
時間:15時48分


現在の場所はココ、じんわりと歩を進めて東谷吊橋を渡り”仙人谷ダム”の手前だ。


仙人谷ダム - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E4%BA%BA%E8%B0%B7%E3%83%80%E3%83%A0


こんな場所に、本当の本当にハンパ無い山奥で突如発電用ダムが姿を現す。しかも人が常駐してるだと…、こりゃ一体どう言うアレだおい。ねえ?どんなアレですか。


色々な疑問が沸々と湧き上がるこのダム、やはり沢山の方が疑問に思っておりまして。付近には廃道や廃墟、廃車なんかも放置されていてダムマニアの方にも知れる存在と成っています、概要はこんな感じ。


林道・ダム・鉱山の勝手な記録
http://netishim.seesaa.net/article/274326622.html


この方は「きっとコンクリートプラント跡だ」と書かれていますが実は正解だったりします、富山県が公開している「ダム建設過程」の報告書を見ると


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ダムを造るためには多量の骨材が必要ですので近くの山を削って原石を採取します。

採取したばかりの骨材は大きくてダンプで運べないので、それを細かく砕くための一次破砕設備を設置します。さらにコンクリート製造のための骨材プラント、およびコンクリートを製造するためのバッチャープラントを建設します。最後にコンクリートを建設現場に運ぶためのケーブルクレーンやタワークレーンなどの運搬施設を建設します。


コンクリートの運搬方法によりプラントの建設地点も決まります。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


と、在ります。


長い山歩きで全くと人にも合わずにココまできた訳ですが突然眼前に現れる黒部川第四発電所の送電線設備や仙人谷ダムなどの人工物で少しホッとします、このダムから本日の宿泊地「阿曽原温泉小屋」までは直線距離では1キロを切っています。


黒部川第四発電所 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BB%92%E9%83%A8%E5%B7%9D%E7%AC%AC%E5%9B%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80


いやぁ、意外とチョロかったじゃん。


はい、やられました。チョロいとかホントもう。ここからが本当の地獄でした、そして曲がりくねったその道は、高低差が旧日電歩道で最高の高捲きが嗚呼、「こんなん道じゃねぇ」と思える急降下な山小屋へのアクセス道が嗚呼。


夢を見た、歩きながらに夢を見たんだ。「ああ、こんな山奥なのにオートスロープかぁ…便利だなぁ、僕ぁ今しやあせだ…セブンの冷凍ラーメン(味噌味)マジ旨ぇ…」ふらふらと意思の無い身体が経験に任せて登ってゆく、薄れ行く自我を強制覚醒させたのは高捲きを終えた登山道に出た直後の身体中の”痛み”だった。


そして僕らの脚は爆発四散するのです。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


まだ知らない、このスノーシェードを抜けてダムを渡った先の生き地獄を。


蓄積疲労まったなし


photograph:+10


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


この後に仙人谷ダム内部を抜けて再度登山道に出ます、その模様は以下の超有名サイトより。


命がけの紅葉狩り③ - デイリーポータル
http://portal.nifty.com/kiji/121113158335_3.htm


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


さあ、始めよう。筋肉が削げ落ち様とも山小屋には辿り着くんだ、だって死んじゃうもの。こんな山奥で夜を迎えたら死んじゃうよー、ひー。


さて、ここからの行程は先程のユメウツツな表現の通り。後に「クロベペイン」と呼ばれる傷跡を身体と心に刻んだ恐ろしい場所のスタート地点です、あーでもでもでも。


これ、僕らだけの症状です。


途中でボルダーな遊びやらトレイル(しかも重装備で走るとかもう…ね)したのが原因、普通に歩けば問題なく全行程を健康的に歩く事が出来ます。反面教師として決して真似をしない様に、ゆっくりと安全に留意して歩けばきっと楽しい山歩きに成る筈です。


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


着いたーっ(木星じゃない)


限界だー、早く温泉入りたいー。ビール呑みたいー、タコわさ持ってこーい。足の裏が酷い事に成っていたが乳首に絆創膏でも貼っとけば明日には治るだろう、取り敢えずは部屋に荷物を下ろして温泉だ。


阿曽原温泉小屋
http://azohara.niikawa.com


既述だけれどこの山小屋の方達、ちょっと常人とは掛け離れた身体能力を生かしたお仕事をしております。以下のページは必見でおます、これが本物の山男なんだろうなぁ。


山のお仕事! - 阿曽原温泉小屋 Web アルバム
http://azohara.niikawa.com/album/index.php?q_dir=.%2Fimg%2Fworks


photograph:saorigraph


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


さて、少々と大袈裟な通称「日本一危険な温泉」と呼ばれている「阿曽原温泉」に参りましょうか。本当に日本一危険なのは立地やアクセス、周囲の野生動物などの問題から北海道のとある温泉だけれど現在は猟師しか入れない区域に指定されたから明言は避けよう。


阿曽原温泉 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%98%BF%E6%9B%BD%E5%8E%9F%E6%B8%A9%E6%B3%89


詳細は上記リンクより、まあ結構凄い処に在るのは確か。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


夜は更けて深夜に星を見に起きだすと傾いた天の川がハッキリと見えた、インターバル撮影すればさぞ綺麗な映像が撮れた事だろう。光が全く無い場所での満天の夜空、最近は全く見てなかった気がする。


直ぐに寝床に戻り、起床は翌朝の5時。本来なら欅平に向けて水平歩道を歩くのだけれど車のデポ地が生憎の扇沢、昨日とは真逆の行程で帰路に着かなければ成らない…って、


冗談じゃないんだよ。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


おお、カマキリモドキじゃん。


カマキリモドキ - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%AA%E3%83%A2%E3%83%89%E3%82%AD


カゲロウの仲間だけどカマキリの双方に擬態している事で有名だ、最近トビナナフシ見付けたりカマキリモドキ見付けたり素敵虫に良くお逢いします。来年の目標は久し振りにオオムラサキヒナカマキリ辺りを是非、虫好きなんですよ。


photograph:koichiro


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ただの登山レポートを大袈裟にエントリーしましたが少しは「下ノ廊下」を楽しんで貰えたら幸いです、更に「水平歩道」と言う超絶景が控えていますがそのエントリーはまたの機会に。


全体を通した行程でとても解り易かったデイリーポータルさんの記事を改めてリンクしておきます、読み易いし位置関係なども理解し易いと思います。


命がけの紅葉狩り - デイリーポータル
http://portal.nifty.com/kiji/121113158335_1.htm


映像も編集して掲載しようと思ったけれど素晴らしい踏破動画を見付けたので其方をリンク掲載します、凄く臨場感が在って見ていて惹き込まれますよ。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ずっと行きたかった下の廊下、シモが老化する前に行けて良かったー。残尿感バリバリで歩くのは勘弁だしな、クラシ○ンだってこんな山奥には来てくれまい。尿漏れは自己責任、山登りとおんなじやで。


今回のエントリーは以上と成ります、最後にメンバーでアメブロさんをやってる人のリンクを。


サオタビ(僻地系女子saorigaraph
http://ameblo.jp/sao-tabi-saorigraph/


KOICHIRO'S PHOTOGRAPH GALLERY(Koichiro
http://ameblo.jp/koichiro-m


件の弟子である僻地系女子だが今回の旅に何故か紙とペンを用意していた。僕らが丁度ラペっている最中に合流したのだけれど無言で「私を撮れ」と解りもしない自家製手話で訴える、此方がカメラを構えるとパンツから直に何やら紙を取り出した。


6frogs 登山 秘境 下ノ廊下 水平歩道


彼女はいたく満足そうだったが僕らは意味が解らなかった、記者会見でも開くつもりだったのか。シッカリと顎紐を締めた赤いヘルメット、それが宛らパトランプに見えた山中奥深い地での午後だった。


photograph:+10


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


下ノ廊下・水平歩道での注意点


僕らが歩いた約1週間後(2014年10月03日)、作廊谷出合付近で落下事故が発生しました。言い方は良くないですがこの黒部峡谷での落下事故は少なくありません、登山道が標高100メートル近い垂直の崖に面している事を考えれば滑落は即ち死を意味します。


過去にも多くの死亡例(事故)が在り、それでもこの道を歩きたいと思う方は沢山います。それだけ魅力が在る登山道と言う事でしょう、その絶景はやはり僕らも納得の美しさでした。


今後このルートを計画されている方は十分な危険予知と装備で行かれる事を切にお願い致します。


アプローチ
東京方面からだと中央道経由で長野道安曇野ICで降りる、そこから国道147号線を北上。県道45号線に入り終点地点の扇沢まで、大型駐車場アリだが空車状況要確認。扇沢から関電トロリーバスで黒部ダムに、登山道入口までは凡そ5分。


地図リンク
http://goo.gl/maps/xRBPT


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録09

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

REPORT - 0902│嶺崎医院(怪獣病院/龍の砦)

$
0
0

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


静岡県│嶺崎医院① 嶺崎医院 / 再調査編


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 嶺崎医院(怪獣病院/龍の砦)


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート- 調査終わりました


2013年にウェブ上で初めて公開した怪獣病院の内部写真、それから約1年後の2014年夏。この物件を取り巻く事情は一転して大きく動き出した、全編(全5エントリー)を通してテキストリッチな内容だけれど興味が在れば最後までお付き合い願いたい。初めてこのエントリーを読む方にも解る様に再編集前の導入部を多少加筆した内容と共に、新事実を絡めて説明していく。


怪獣病院と呼ばれたこの廃墟の真実、そしてこれからをご紹介しよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


静岡県の伊東市、そこに建築デザインの関係者からはとても有名で最近(2013年当時)に成って廃墟好きがチラホラと取り上げ始めた廃病院の物件が残されている。特徴ある概観造形から幾つかの呼称を持ちながらその実体を詳細にまとめたサイトは皆無、情報源も殆ど見付ける事が出来ない不思議な廃墟。


新宿の軍艦マンションに代表される建築家の渡邊洋治氏が手掛け、「怪獣病院」や「龍の砦」と呼ばれる謎多き廃墟、改めて撮影した内部写真と関係者からの証言、そして現所有者への取材で判明した新事実をお伝えしたいと思う。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


廃墟が好きな方には「怪獣病院」と呼ばれているこの物件、廃墟年齢は凡そ20年程。しかし建造物としての歴史は更に数十年遡る事に成る、建築を手掛けたのは日本建築家としても異端児と評された渡邊洋治氏。故に建築関係者や建築デザインなどの学科を有する大学の教授、学生などは稀に訪れる事があるそうだ。しかし資料書籍やウェブサイトに至っても内部の写真が全く無い、これは何故なんだろうか。


2013年の取材当時、この廃墟の管理人さんに直接取材を申し込んで内部を撮影した。その時は十分な撮影機材を用意していないばかりか登山物件のついでに寄った状態だったのでその取材内容も正確な物と言えなかった、しかし2014年。


現所有者と成るYさん本人から直接メールを頂く事に成る、このYさんによってこの廃墟はその意味も姿も、そして忘れ去られた事実を含め大きく変動してしまう。それだけの変化を齎した今回の取材、内部写真は元より概観やそのデザインの意味も少しづつ掘り下げていくのでこのエントリー、ちょっと長いです。


写真解説:入口(道路側)から見上げた建物上部


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


旭日旗が掲げられているがコレには意味がある、この嶺崎医院をデザインした建築家の渡邊洋治氏。その前職は陸軍船舶兵、旭日旗は正式には「大日本帝国海軍旗」だけれども軍艦旗として海軍以外が管理する軍艦にも掲揚されていました。


この嶺崎医院は「」と「軍艦」と言う2つのモチーフを元にデザインされているので一番高い場所に現所有者自らの手で旭日旗が設置されたのです、デザインなどに関しては後程詳しく説明するとしてまずはこの意匠、その生みの親を紐解きたい。


渡邊洋治 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%b8%a1%e9%82%8a%e6%b4%8b%e6%b2%bb


陸軍船舶兵出身と言う珍しい経歴の持ち主で建築デザインのその影響が散見出来る事で有名と成った、冒頭でも書いた様に軍艦マンション(第3スカイビル)のデザインを主導した事は建築デザインの世界では知らない者が居ない程のインパクト。


戦後ではまだ珍しかったRC技法をメインに陸軍船舶兵時代の影響で戦艦などをモチーフしたデザインが多く、また龍などをアレンジした造形も好んだ様だ。


写真解説:寄画だと軍艦の様にも見えるが離れると龍にも見える不思議なデザイン


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


トグロを巻く蛇や龍の様に螺旋状に設計された建造物、「」と言う概念が少々曖昧な部屋の設計とその複雑な造形を生かした生活する人間への配慮。この建物は異形な概観からは予想出来ない程考えつくされた構造に成っている、この件に関しても後のエントリーで詳しく語ろう。


写真解説:2度と灯るとは思わなかった怪獣病院に久し振りの明りが


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:正面入口


2013年当時の取材は管理人さんからお聞きした内容を纏めた物だった、しかしその方が2014年春に亡くなってしまう。追跡取材を予定していた所にこの物件を購入された方からの連絡、話はとんとん拍子に進み、そして整合性の確保に時間は掛かったけれどもこうやって公開出来た事はとても幸運だったと思う。


そして検証していく内に管理人さんの証言残された資料現所有者Yさんの調査とで食い違いが多々発見される。当ブログの保持している情報とYさんの資料、そして双方の調査から新たな事実や食い違いが次々に検証されていった。


歴史検証は後のエントリーで既述の疑問点と一緒に語る予定なのでまずはこの建造物、何より画像資料が少ない内部の状況をご紹介しよう。


写真解説:2014年怪獣病院概観、やはり異質な造形が目を引く。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


入口部分から見上げた状態、どうみても病院ではないし住宅にも見えない。が、それが何より異端児と呼ばれた渡邊洋治氏の真骨頂とも言える所以。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:敷地内スロープ


入口から回り込む様にスロープを登る、建設当時(1968年)の車両規格で作られている為に現在このスロープを行き来出来るのは新規格の軽自動車が限界、5枠ナンバー車両ではかなりキツイ車道幅と成る。


写真解説:スロープ外枠には雨水の排水溝が、始点は庭の池の排水。(※1


※1:この排水溝、雨水が一番下まで放水されると終地点に設置された小さな池に溜まる様に成っている。近年までこの下方の穴が池だと気付く者がおらず、Yさんによって判明した事実だ。


さて、ココからは本格的にこの嶺崎医院の設計図を見ながら説明していくとしよう。そう、実はこの嶺崎医院の当時の設計図が残っていたのだ。オリジナルにして複製品なし、今回その貴重な設計図をスキャンしてウェブ上でも初公開する。


※ 大変貴重で資料性が高く、全てを公開出来る段階に無いので各部分を抜粋して掲載します。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:ターンテーブル


スロープを登りきると病院入口ドア(左側)と住居入口ドア(右側)、更に左手には車両の方向を変える為のターンテーブル(※2)が。通電してみると驚く事にシッカリと可動、狭い車道幅を登りきってどうやってUターンするかと思ってみれば当時では本当に珍しかった車両ターンテーブル。如何に時代をを先取りした建築物だったかが解る一端だろう。


※2:ターンテーブル周囲のコンクリートにはスリット加工がされている、これはターンテーブルが鉄製の為にタイヤに水分が残り易い事を考慮しての事。このスリットで付着水分を落とし、坂道をより安全に通行出来る様にした。


写真解説:更にターンテーブルの整備用に設置されたフックなども現役に耐える状態でした


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


スロープからターンテーブルを越えると庭先に、写真正面のシャッターに見える部分木製の引き戸で中は倉庫に成っている。この中にも当時の物が幾つか残されており、最後の所有者だった鏑木氏から現所有者のYさんにその処分は一任されている。


写真解説:庭先の樹木は建造物整備の為に数本伐採されて概観は少々異なっています


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:建造物入口


入口、今見えている沢山の部位意匠もそれぞれに意味が。これらも後程。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


左側の病院入口ドア、消えかかってはいるけれど「嶺崎医院」とシッカリ確認出来る。この廃墟は「怪獣病院」、「嶺崎医院」、「龍の砦」などと沢山の名称が存在する事知られているのだけれど正式には「嶺崎医院」が正解。渡邉建築事務所の設計図にも物件名称「嶺崎医院」と記載されている、作品としては「龍の砦」と紹介されているが当時の建築関係誌では「反角円派の砦」などのキャプションも確認出来る、して通名はいつ頃付けられたかと言えば渡邉洋治氏本人が1970年の時点でそう呼称している(渡邊洋治作品全集参照)。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:玄関+ホール


右側の住居入口ドアを開けると広い玄関、正面は「看護婦室※2)」。左側の白いドアは病院側のホールと繋がっている。手前は下駄箱、右側は上階への階段入口と成っている。


※2:病院運営時に常駐看護婦や医師の休憩室と使用され、夜間の宿直室としても使用された。住宅専用に成ってからは客室にも使用されたが後期は物置と成ってしまった様だ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


左側ドア(病院側)、2013年最初の取材時はこちらから屋内に入った。床が何処も腐っており、一歩一歩確認しながら撮影をする事に成る。


写真解説:木製ながら非常に重いドア


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:ホール


住宅側と比べるとやや狭い病院側のホール、受付の対面には先程の住宅側と繋ぐ白いドアが。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


※ オンマウス(ロールオーバーで画像が切り替わります)


嶺崎医院:診察室


雨戸が十数年振りに開かれ、自然光が室内を照らす。前回は真っ暗だったが今回は開ける事が出来る窓や戸は全て開けて撮影に挑んだ、これによって前回は解らなかったディティールが確認し易く成りより細かなデザインに気づく事が出来た。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:診察室


先程のアングルの反対面からの撮影、本来ならば左側にと正面奥にベッドが設置されていた。部屋中央に受診者用のイスが在り、背面(写真では右側)には相談室レントゲン室(現像室)が。レントゲン室上部の赤ライトはレントゲン撮影時に点灯していた注意灯、運営当時はカバーが在ったと推測される。


写真解説:左側のスポットライトが丁度ベッドの頭の方向に向いて設置されていた


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


部屋にはいまだ沢山の残留物が、これらから当時を計り知る事も出来る。実際残留物の内幾つかの納品メーカーや製薬メーカーは現存しており、その歴史を辿る事が出来たのだけれど今回は割愛しよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:相談室


本来は左側にソファー、右側にマットレスソファーが用意されていたが現在は右側のマットレスソファーのみが残る。この場所では診察後の詳細な病状などを患者やその家族に伝えたり、治療を行う上での家庭内での療法などを説明する為に使用された。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:レントゲン室


この建造物には数箇所200V電源が散見出来て不思議に思っていたのだけれど成る程、設計図を見ると「レントゲン室」と記載が在る。車用のターンテーブルやこのレントゲン関連機器に使用する電力が必要だった事に恐らくは起因する、一般家庭をベースにした病院だとしてもやはりそれなりの医療機器を揃えていたこの嶺崎医院。この辺の基礎設備も当時の一般住宅とは全く違う物だった様だ。因みに部屋の左側にベッド、中央右側にレントゲン機器が設置されていた。


※ 右側手前のドアが小さな倉庫、奥のドアが現像の為の暗室に成る。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

嶺崎医院:現像室(暗室)


暗室、レントゲン撮影の後直ぐに現像が可能だった。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:受付+調剤室


病院側のホール(玄関)から見えていた受付の室内、ここでは診察後に診断書に則った処方、調薬なども行われていた。


※ 会計もココから行われていたました


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎病院:待合室


玄関から真っ直ぐ行くと待合室だ、右手奥にトイレ、左側が待合室と成っている。左側にドアが在って先程の診察室へ繋がっている。正面に見えるのは本棚、文庫本や漫画、雑誌が各段に纏められて置かれていた。


※ お願い


この本棚に当時(1968年~1978年)発刊されていた文庫本や雑誌を復元したいと考えております、当時の雑誌(特にジャンルは設けませんが病院に当時在ったであろう本)をお持ちの方。どうか寄贈して頂けないでしょうか、宜しくお願い致します。


ご連絡は左メニュー「連絡はコチラから」よりお願い致します。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


待合室正面はベランダに成っている、この場所が入口から一番遠い事から災時には避難経路としても用意されていた。しかしコレがまた素晴らしいアイディアで設計されている、場所的にはスロープ中程真上に位置している関係で庭側の陸地とは若干隙間が在って年配者には越えるのに苦労しそうな幅。しかも高さが2メートル以上ある、しかしこれを渡邊洋治氏がデザインすると…。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院:避難経路


写真は庭側から先程説明したベランダを写した物、奥の明りは待合室の物だ。


当初コレが何なのか全くと解らなかった、が…設計図を確認して再度可動部分を見るとコレが成る程と頷ける非難経路に。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


鉄部が腐食して錆だらけの為に現在身体を預ける気には成れないが立派な通路として当時は役割を持っていた事が解る、スロープを登る過程で下から「この鉄部は何だろう?」と疑問に思っていたけれど可動式の避難経路とは驚きましたですよ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


車を駐車して最初に目に入ったのが実はコレでした、下方からは一体「」なのかは解りません。稼動するとも思えず、全くの謎だった訳なのです。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦

細部までに拘りを見せる病院内の意匠、しかしこれはまだほんの序章に過ぎませんでした。住宅部分には更なる居住者への配慮、そして元陸軍船舶兵として養われたアイディア、建造物全体への総合的なバランス感覚、その何れもが合理化を優先させた現代建築物は一線を画する造形美で溢れていたのです。


次回のエントリーでは住宅部分(嶺崎邸)を中心にこの建造物の更なる核心へ皆さんをご招待しましょう、ホントにこの怪獣病院は面白いです。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


現在(2014年8月~2014年5月頃までの予定)この怪獣病院(嶺崎医院)保存の為の改修工事を行っております、今後のこの建造物については近日公開予定のウェブサイト(怪獣病院保存プロジェクト仮)で公開予定です。詳細が決まり次第、当ブログでもアナウンス致します。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


※ 不法侵入が頻発した為に敷地内警備を強化致しました、無許可の撮影や進入はご遠慮下さい。
※ 取材(報道及び大学関係者)・撮影の申請などは今後公開予定のプロジェクトサイトをご覧下さい。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


※ 2014年12月20日:前回の来訪エントリーと情報を検証した上で統合し、再編集しました。


アプローチ
国道135号線から県道108号線を伊東線宇佐美駅方面へ。そこから私道を2本経由して川を越えた住宅地に在ります。


地図リンク
http://goo.gl/maps/Wx1I2


photograph - koichiro(FUJIOKAPIX)/ 6FROGS DESIGN WORKS


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録09

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい


REPORT - 0903│嶺崎医院(怪獣病院/龍の砦)

$
0
0

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


静岡県│嶺崎医院② 嶺崎邸 / 再調査編


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 嶺崎医院(怪獣病院/龍の砦/龍の籠)


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート- 調査終わりました


2013年の初来訪から激動した翌年の2014年、鏑木氏から現所有者のYさんに所有者が移った事でこの廃墟もその姿を大きく変えようとしている。そんな中、最後の歴史的な記録写真(資料写真)の撮影を行うに至りました。


前回のエントリーでは嶺崎医院の病院部分をレポート、今回は住宅部分と成る「嶺崎邸」をご紹介したいと思う。こちらも2013年の段階では外装を目張りされた状態で内部は真っ暗、鍾乳洞探索で使用する高照度のライト1本を頼りに部分的に撮影は行ったもののやはりその時点で”再来訪”の3文字は頭に浮かんでいた。


今回は目張りも全て撤去し、外せる雨戸も取り除いて出来る限り自然光を室内に。そして物撮り用の照明を用意して病院部分と住宅部分の撮影に挑んでいる、全てを伝える事は出来ないけれど未見の方は導入エントリーと成る「嶺崎医院① 嶺崎医院 / 再調査編」をまず読んで貰えると幸いだ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


入口から玄関、病院部分をレポートした前回。一枚のドアを介して隔たるは住宅部分の「嶺崎邸」、本日はこの廃墟の核心とも言える素晴らしい意匠の数々をご覧頂くとしよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸玄関右手には直ぐに螺旋状に続く邸内階段が見える、この階段を中心に外側に各部屋が配置されている。何より驚くのが各部屋にはそれぞれ”その部屋専用の意匠”が施されており、にも関わらず全体的なデザインバランスは保たれていると言う点。まるで小説の章構成の様な建築デザインで住人は元より来客者をさぞ驚かせた事だろう、下から順番に紹介するけれど前回の冒頭でも書いたとおり、


”階と言う概念は存在しない”


って所を念頭に。それぞれの部屋が少しずつ上方へズレて設計されているので””が表記出来ない事を忘れないで欲しい、まずは「台所+食堂」からご紹介。


写真解説:階段入口の両壁面には電気操作盤(100Vと200V・病院と住宅部分での各ブレーカーなどが設置)、左側のドアは食堂に続いている。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:食堂


階段側から食堂(カウンター外側)と台所(カウンター中側)と別の入口が用意されている、中階ベランダ(※1)を介して隣の部屋へ移動する事も可能。座席は全部で6席、ちょっとした居酒屋の店内の様にも見える。吊式の食器棚も当時はまず見なかったデザイン、国内の一般家庭で見れる様に成ったのは高度成長期以降の集合住宅が乱建設された時期からだから10年以上先のアイディアを取り入れていた事に成る。


据付家具にはデコラの様なパネルではなくて純粋にプラスティックパーツも多く使用されている、これも当時の一般住宅では余り見られなかった点。壁面クロスは廊下(玄関~階段)部分と同じ物、床のパンチカーペット(パンチクロス)も病院と同じ物が使用されている。


※1:接続ベランダが各部屋の隣に配置(円形の配置に角の部屋が設計されている)されているのは設計上の隙間を解消する為のアイディアとして採用されている、このベランダのお陰で建造物全体が円形に見える結果を作り出している。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:台所


カウンター内側と成る台所側から、カウンター内にシンクが設置されていて奥はガステーブル台。本当に店舗の様な設計だ、手前には2ドアの冷蔵庫が在ったと思われる。写真でも解る様に狭い、が…必要な物は新たに家具を用意しなくても十分事足りる設計に成っている。


この限られたスペースで最大限の収納を可能にしているは棚を”置く”のではなくて予め設置している点、ここにも渡邉氏の設計に対する考えが散見出来る見所の一つ。


食器類は残されていないが細かな備品などの残留物はちらほら。棚類の可動もスムーズで大規模な清掃をすれば現役で使える状態にするのもそう難しくは無い、ただ電気配線が何箇所か断線している様で明りが灯らない場所が在った。


写真解説:設計当初から和洋(洋強め)の組み合わせが設計のポイントとされていた


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:老人室


建設当時の嶺崎氏の家族構成、その構成内容を考慮した各部屋の配置と配慮。それらは当時の関係書類から明らかに成っているのだけれどここでその詳細を記載するのはどうしてもプライベートな部分でもあるから留める事にする、ただ設計図に「老人室」と記載された部屋が在って純和室の造りから住人の中に年配者が居たと推測するのは皆さんの自由…としておこうか。


この「老人室」と呼ばれる和室、この1枚の写真から想像がつかない実に沢山のアイディアが施されている。


実は雨戸や各部屋に至っても同様の意匠は見て取れるのだけれどまず驚くのは窓、この窓枠には合計4枚内戸が設置されておりまして。


・簾戸
・ガラス窓
・障子戸
・射光板戸


とそれぞれを自由に組み合わせて季節、気候、気温、雰囲気や気分に合わせた調光や風通しが可能と成っている。文章では伝え辛く、そして写真でも恐らくその素晴らしさは伝えられないのだけれど…うん、兎に角素晴らしい。


中央の暖炉は掘り炬燵としても使用出来、部屋は畳が敷き詰められている。天井の蛍光灯カバーには障子が使用されていて和風の雰囲気を壊さずにデザインを凝らした設計を実現している、また出入口とは別に各部屋を繋いでいる接続ベランダへの上記4枚にが用意されていた。


一見暗く見えるが全ての光取り入れ口を開くととても明るい部屋に、これ開放時の写真を完全に撮り忘れていました。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:浴室


水場が集中する浴室部分、ここには脱衣場洗濯室浴室が配置されている。室内左側からは他の部屋と同じ様に接続ベランダに出る事が可能で実質この隣接する接続ベランダが洗濯物を干す場所にも成っている(最上階ベランダと屋上にも干し竿あり)、位置関係としては北側なのでメインは最上階ベランダ(東側)が干し場として利用された筈だ。


浴室の大きな窓からは北東方向を眺める事が出来て建設当時は季節毎の自然を楽しむ事も可能だった筈、残念ながら現在は住宅地が整備されて眺望は望めない。


位置関係の設計上の配慮としてはこの部分に水場を集中する事で配水管の取り回しを極力少なくした点だ、屋上の貯水タンクからも直下上の位置関係でしかもメインの排水経路までの距離が短い。水に因る侵食を避ける為のアイディアとも言える、この排水に関する設計は立地が斜面である事と道路が坂道である事の両方を考慮して考えられているのだけれどその点は長く成りそうなので割愛させてほしい。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:脱衣場+洗面所


浴室右側から隣接ベランダには出れないがこれは設計上の妥協ではなくて”風呂場”としてのプライベートを保守する為に敢えて出入り口を作らなかった様だ。脱衣場からは別途用意されたドアを使用して接続ベランダに出る事は可能、洗面所としても利用出来る様に設計されていて給湯器も別途設置されている。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


1960年代、一体どれだけの過程にシャワーが設置されていただろうか。それだけでも珍しいのにシャワーヘッドのデザインが当時高価だったイギリスデザインに見える…と言うのも。


一般的なシャワーは家庭用ボイラーが開発されてからの普及と考えれば1920年以降、イギリスが発祥とされている。勿論シャワーヘッドのみに代表される固定シャワーは14世紀辺りまで遡る事が出来るけれどそれは割愛、簡単に纏めると19世紀に現在の形が完成して20世紀初頭にヨーロッパで拡大した様だ。


日本国内においては1970年代後半~1980年代に成って一般化、そんな中で1960年代にシャワーなんて物をどれだけの人が日常的に使用していた事だろう。イギリスデザインのシャワーの造形も上記の事を踏まえれば納得、国内に在ってやっとその機構を取り入れる機会に恵まれた渡邉氏も日本では扱いが殆ど無いが故に本場の英国から取り寄せたと推測したのだけれど実際はどうだったのだろうか。


写真解説:このシャワーヘッドのメーカー、現在調査中です。ご存知の方、連絡求む。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:寝室


階段(廊下)から入る最後の部屋、ここが寝室と成る。写真を見て解る様に光の取り入れ口が少ない…と言うか小さい。これも寝室と言う事を踏まえてだ、窓に関する意匠のアイディアは既に老人室の項で記載したが小さな窓も全てそのデザインが施されている。


因みにここでも網戸の代わりに簾戸が設置されている、各部屋には無かったエアコンも夏や冬の寝苦しさ、寒さ対策として設計当初から予定されてた。


左側に見える二つの小窓、そして電源には理由が在ってこの2箇所にベッドが置かれていた様だ。朝は自然光を取り入れて夜間は照明用に電源が直ぐ手元付近に設置されていた。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


螺旋階段による”廊下”もいよいよ終焉を向え残すは最上階のみと成った、実はこの廃墟においてどうしても再現したい写真が在った。建設当初に取られた貴重な”現役当時”の屋内写真だ、最上階は居間八畳間と成っているがこの建造物の中では特別な部屋(邸内で一番趣を凝らした)なのだ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:居間+八畳間1972年撮影


1972年4月に発行された建築関連誌「室内」208号(※2)に掲載された1枚、「龍の砦」として紹介され本当に貴重な現役時代の室内の様子を見る事が出来る。概観は関連誌や業界誌で資料写真を見る事が出来るが現オーナーのYさん持参の資料に何度も驚かされた、そしてこのアングルをどうにか現在の状況の間々再現出来ないか…現地でその気持ちが沸々と。


※2:1955年創刊のインテリア専門誌「木工界」が1961年に「室内」と誌名を変更。その中で建築家”渡邊洋治”氏を特集、「龍の砦」としてこの嶺崎医院を撮影した。残念ながら2006年に休刊(実質廃刊)し、50年の歴史に幕を降ろした。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:居間+八畳間2014年撮影


使用したレンズが判明せず、撮影当時色々と持参した中ではこの1枚が一番当時の掲載写真に近しい物と成った。天井や障子、各部位が痛んでいるが現役当時を偲ぶ事が辛うじて出来ると思う。


この最上階が何より素晴らしいのはこのベランダから見える眺望、伊豆は宇佐美の湾を通して望む美しい相模湾の一言に尽きる。ベランダの向きには当初からこの眺望を視野に入れた設計が施されており、「龍の砦」において一番リラックス出来る居間に最高の視覚意匠を具現化した形だ。


夏には花火大会の打ち上げ花火が最高のロケーションで楽しめる事も確認済み、そしてそう遠くない内にその模様を写真に収めたいとも考えています。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:屋上


最上階から屋上に移動、屋上にはBBQなどを楽しめる様に現役当時には野外シンクやガステーブル台が設置されていた。今でも照明用電源、安全灯、ガスの元栓、野外用水道管などが確認出来る。


特徴的な出入り口の意匠は舟のオールがモチーフ、引き戸は木製だけれども結構重い。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


屋上もこの様に螺旋状にデザインされている、因みに写真は2013年当時の初来訪の時の物で防水処理がされてない状態だ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


屋上内に設置された据付のテーブル、当時は木製のイスが並べられていたが現在は撤去されている。左奥で光るのは安全灯で全ての段差下方に設置されている。


床の色が綺麗なのは現所有者のYさんが防水ウレタン加工を施した為、この怪獣病院購入当初から雨漏りが酷く、それは2013年の来訪当時にも管理人さんから指摘されていた。


これで屋内の腐りも進行が鈍化する事だろう。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


出入り口脇の他にも水場が用意されていた、排水は床下を通り排水溝へ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


一定間隔で設置されている半円状のフックマウント、正確な使用用途は判明していないがメンテナンス時に利用された物だと推測される。


壁面の鉄骨部分の一部かとも思われたがどうやら別途単品で埋め込まれている様だ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


戦艦ならば司令部が置かれるブリッジ部分、設計当初の図面には描かれていなかったが貯水タンクの設置場所を思案した結果この位置に。結果戦艦としてのデザインの一部として機能し、貯水タンクとしても建造物最上部と言う絶好の場所を確保出来た訳だ。


左側に見えるのは「龍の角」、頭部に見立てた屋上差上部の左右に設置されている。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


先程の頂上部分から降りて丁度最上階の真上に、前回のエントリーでも冒頭で紹介した旭日旗が掲げられている。アレ的な意味は全く無いので邪推しないように、いやホントに。


さて、実はこの貯水タンクを後から設置するに至り少々困った事が発生した。


このタンクの設置の為にマウントを増設してタンクをコンクリートで覆ったまでは良かったのだけれど最上部の床の排水が堰き止められる形に成り、排水が不可能に成ってしまったのだ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


そこで急遽この排水溝が作られ、問題を解決。建造物の見聞当初、この穴が何か全く解らずで謎残しと成る所だったが設計図や周囲の造形から現オーナーのYさんが推測。結果、用途が判明したのでした。


さて、一応はこれにて病院部分「嶺崎医院」と住宅部分「嶺崎邸」を一通りご紹介した。設計図と照らし合わせながら説明すればもっと事細かな意匠とその理由をお伝え出来るのだけれど余りに膨大なテキスト量と成るのでご勘弁願いたい、何れ別の場でお伝え出来ればと思う。


それではほんの少しだけれど細部の意匠とその意味を紐解いてご紹介しよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


玄関前のエントランスから見上げるととぐろを巻く中心部に居る事が解る、そして目に入る特異な光の取り入れ口の数々。そして幾重にも並べられた板の様な模様、これらにはそれぞれに意味が存在する。


龍の砦」と表される事で第1モチーフは勿論「」で在る事は間違いないのだけれどもう一つ忘れては成らないのが建築家「渡邊洋治氏」の前職”陸軍船舶兵”としての造詣、そして戦艦への拘りだろう。


建造物全体の並べられた板模様は「龍の鱗」を現し、また木造船の曲面造形にも影響されている。大きな光の取り入れ口(窓)は舟の排水口とされ、進行方向とは逆に窓が設置されている。結果東側の光を多く取り込む形に成っている(※3)。


※3:窓の位置は病院、住宅共に東北側、東側に集中している(大きな窓は東側に集中)。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


散見出来るもう一つの小窓、このデザインも注目して欲しい部分だ。良く見ると全ての小窓(窓枠)が下へ向いている、これの意味する所は。


戦時下において車もバイクも夜間の走行はライトフードをレンズに装着し、遠方の敵から光が判別されない様に工夫していた。つまりは足元だけを照らす様にしていた訳だ、戦艦は海に浮いている訳で例え光を下方に向けても反射でばれてしまう…では何故窓枠がこの様なデザインに成っているのだろうか。


答えはここから銃身を出して敵船や小型の接近する船舶を掃討する為に戦艦ではこの様な銃身口が在ったから、これは「」よりも「軍艦」としての意匠を優先させた結果だが渡邊洋治氏らしいと言えばらしい表現だろう。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


意外と知られていないがこの怪獣病院、実は庭が広い。目に見える庭の他にも池を挟んで山の斜面上部までその敷地が広がっている、池にはししおどし※4)、灯篭まで在る。


斜面には野面積みで築かれた石垣、斜面には階段も用意されている。本当にこの驚かされる事ばかりの嶺崎医院、まさか庭先に池まで在るとは。これは薮を払った結果姿を現したもので2013年の放置期間が長かった来訪時(しかも夏)の時点では気付きもしなかった事。


※4:”ししおとし”と発音されたり色々と勘違いの多い”ししおどし”、漢字では「鹿威し」と書きます。もうお解りの方やご存知の方も居るかと思いますが一応リンクを貼っておきましょう。


ししおどし - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%97%E3%81%97%E3%81%8A%E3%81%A9%E3%81%97


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎邸:外壁面意匠


さて、二転三転と調査が難航したこの嶺崎医院の基本構造について簡潔に答えを出すとしましょう。この作品(龍の砦)が一般的に公表された当時、関連誌では”RC構造”と表記しました。RC構造とは”Reinforced Concrete(補強されたコンクリート)構造”の略でつまりは鉄筋コンクリート建築を意味します。


しかし2013年、この廃墟に来訪した際に対応して頂いた管理人さん曰く「実は木造、外壁を良く見れば木目が見えるだろう」との事でその話を検証する事なくブログでも掲載してしまった。


はい、やっぱりRC構造でした。


写真を良く見て欲しい、確かに木目が見て取れる。角材、板材…それぞれが位置する場所に適切に配置された木材の様に確かに見える、が。


これ、事実を知ってホントに驚きました。全部ですね、


模様


なんです。その場所場所に適合した木材をコンクリートが硬化する前に型枠成型、完全硬化後に剥がして洗浄…それを家一軒丸ごとやってのけているのがこの「龍の砦」なのです。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


スロープ天井面、これも昔の学校の教室の床を思い出させる模様です。一枚一枚全て違う板模様が貼られ、それぞれが別の模様を描いています。わざと隙間を作り、木目っぽく見せている所も注目すべきポイント。この基本的な構造に気が付いたのはオリジナルの設計図を見て整合性が取れて初めての事でして、調査内容といえファーストアナウンスで検証不足の情報を掲載した事をお詫び致します。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


実は実際に裏も取れていまして、人目に付かない壁に剥がし忘れの装飾用に使用された型枠を発見したのです。写真の木材は建設当時の物でその後誰にも気付かれずに残っていました、これは今更剥がすのは野暮って物です。


その間々にしておきたい当時を偲ぶ証人に成って頂きましょう、と現所有者さんにはお願いしておきます。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


一番驚いた木調装飾はこれ、ホントに1960年代の日本人がデザインしたのかと。


これ、駐車場の主柱なのだけれど見えませんかねぇ、釘の様な物が。もうお解りでしょう…化粧用の木材に釘を逆打ちしてめり込ませ、先端が外を向いた状態で枠成型。結果主柱コンクリートには木目と釘を打った(様な)模様が残されいる訳です、凄過ぎぃ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


排水口です、船のそれと同様にデザインされ役目も同義。各ベランダ、屋上から数本が一周する様に設置されていました。


何もかもが驚きの連続で撮影も当初の予定を5時間程オーバー、終った頃にはすっかりと夕方で他にも予定していた取材が若干押したのはまた別の機会にでも。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


以上で建造物に関するレポートは終了です、前回今回とちょいちょい出て来たこの建造物の歴史、そして沢山の検証すべき事象。これらは次回纏めてお伝えするとしましょう、次のエントリーでは建築家の渡邊洋治氏、最初の所有者嶺崎氏、2番目の所有者鏑木氏、そして現在と今後のこの「龍の砦」について詳細を語る予定です。


ただの廃墟探訪から建造物とその所有者の歴史をこんなにも長く追い続ける事に成るとは全くと予想していませんでした、が…興味が在ればですがもう少しお付き合い頂ければと思います。


更にこの物件の深い場所へお連れ出来る筈ですよ。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


現在この怪獣病院(嶺崎医院)保存の為の改修工事を行っております、今後のこの建造物については近日公開予定のウェブサイト(怪獣病院保存プロジェクト仮)で公開予定です。詳細が決まり次第、当ブログでもアナウンス致します。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


※ 不法侵入が頻発した為に敷地内警備を強化致しました、無許可の撮影や進入はご遠慮下さい。
※ 取材(報道及び大学関係者)・撮影の申請などは今後公開予定のプロジェクトサイトをご覧下さい。


アプローチ
国道135号線から県道108号線を伊東線宇佐美駅方面へ。そこから私道を2本経由して川を越えた住宅地に在ります。


地図リンク
http://goo.gl/maps/Wx1I2


photograph - koichiro(FUJIOKAPIX)/ 6FROGS DESIGN WORKS


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録09

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

REPORT - 0904│嶺崎医院(怪獣病院/龍の砦/龍の籠)

$
0
0

6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


静岡県│嶺崎医院③ 歴史検証 / 解説編


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 嶺崎医院(怪獣病院/龍の砦/龍の籠)


怪獣病院の通称で知られ、日本建築界では龍の砦として歴史的価値の高い建造物の一つに数えられるこの嶺崎医院。当ブログでは2013年の内部初公開から更に詳細を追い続け、今回の追跡調査でやっとこさで全貌を見る事が出来た。


その一片をシリーズでエントリーして今回で3回目、レポートは核心と成る「歴史検証」とこれまでの調査内容から公開出来る新事実の「解説」へ移ろうと思う。今までのエントリーを未見の方は是非以下のバナーから順を追ってご覧頂きたい。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


これまでに嶺崎医院、嶺崎邸とこの建築物の造形と内部意匠の素晴らしさをお伝えしたと思うのだけれど本日の内容は冒頭の通りこの嶺崎医院そのものの歴史だ。複雑な経緯で現在に至るこの建造物を重要な部分を抜粋して解り易く説明出来れば…と思うのだけどちょっと難しいかもしれない。


それだけ歴史が刻まれた価値の在る、そして意味の深い建物なのだと了承して欲しい。それでは早速とレポートを進めていこう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


さて、まずはこの建造物の成り立ちのエピソードを絡めながら建築に至った経緯や何故渡邉洋治氏がデザインするに事に成ったのかなどを説明していこう。その中で中心人物と成る嶺崎氏、鏑木氏、そして関係する人達の歴史を垣間見るとしましょうか。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


この地へ訪れた事がある者なら知っている筈、入口脇に設置された銘板に「鏑木 1968」と刻まれている事を。しかし待って欲しい、近所の方からは通称「怪獣病院」と呼ばれ、建築界では「龍の砦」と知られてはいるけれど物件名称は「嶺崎医院」で間違いない(※1)。


※1:三一書房 現代日本建築家全集参照


写真解説:2013年の夏に撮影した銘板


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


2014年に再訪した際の銘板を再度見て頂こう、こちらの方が解り易いと思うけれど刻まれているのは、


鏑木
1968
設計 渡邉建築事務所
施行 石井肇建設株式会社(※2


この4行だ。嶺崎医院(嶺崎邸)なのに何故「鏑木」の名が刻まれているのか、まあ順を追って記載はしていくので一先ずこの銘板から読み取れる情報を説明していこうか。


鏑木」とは実は2代目の所有者名で嶺崎家から住宅として譲り受けている、年号はこの嶺崎邸が竣工した年で建築自体は前年の1967年から行われていた様だ。設計は勿論の事「渡邉洋治」氏、施工を行ったのは「石井肇建設株式会社」だと読み取れるが今は現存しない建設業者の様で詳細な情報が得られなかった。


それではこの嶺崎邸が建設に至るまでのエピソードを書いていこう。


※2:本来「施工」と在るべき表記を誤字で「施行」と刻まれている


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


1967年 渡邉洋治氏に設計を依頼


戦後復興から20余年、嶺崎氏の両親は静岡県伊東市に居を構えていた。海を一望出来る高台の土地を購入、現在の嶺崎邸からやや高い場所に旧邸宅が建設されていた(現在は別の所有者だけれど当初は庭の一部だった)、そこへ嶺崎氏が新しい病院権兼住宅(両親との同居の為2世帯住宅)を建設しようとしたのだ(※3)。家長であった嶺崎は戦中軍医だった事もあって元陸軍船舶兵だった同じく軍出身だった渡邉洋治氏に設計を依頼、既に国内では一定の知名度が在った事も踏まえて設計の全てを任せた。


※3:嶺崎邸完成後はご両親と同居されています


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


1968年 嶺崎医院「龍の砦」竣工


起工は1967年と見られているが資料が発見出来なかった、登記を見るとそれまで森林区域扱いだったこの土地(旧邸宅の庭部分)が1961年に宅地として造成。その後嶺崎氏が邸宅建設を予定して1969年4月に登記を完了(※4)している、この間1年(1968年の完成から)の開きが在るが不動産登記法では「新築した建物又は区分建物以外の表題登記がない建物の所有権を取得した者は、その所有権の取得の日から一月以内に、表題登記を申請しなければならない。」とあります。


これは推測の域を出ないのだけれど「設計依頼が1968年で完成が1969年」の可能性も在るかも知れないと言う事。


※4:登記には1969年2月15日新築と記載されている



※ オンマウス(ロールオーバーで画像が切り替わります)


登記内容では1969年に「医院兼住宅」と種別されていて登記で見ればやはり調査内容の1967年→1968年が1年ズレて1968年→1969年の可能性も出てくる、しかし建築関連資料では「龍の砦1968年竣工」とも在る。


まだまだ大らかな時代だったので登記を1年遅れで行った可能性も否定出来ないが当ブログでは今までの通り1967年→1968年(同年完成)を正史としたい、資料の記録や銘板などの現存物の表記を優先させた結果と思って頂ければ…と。


因みに構造項ではシッカリと「鉄筋コンクリート(RC)」と記載されている、面白いのは便宜上「二階」とされている点。しかし実際の内部を見た物にとって「二階」とは果たしてどの部分なのか…法律が当時の建築デザインに追いついていなかった事を物語る資料でも在る。


1978年 所有権が鏑木氏に


さあ、ここで歴史検証上最大の誤解を生んでしまった「鏑木 1968」と刻まれた銘板を製作した2代目の所有者「鏑木」氏が登場する。


嶺崎家の家長だった嶺崎氏が死去し、転居するにあたって鏑木氏にこの「龍の砦」を移権。登記では1978年11月から翌月12月までに売買契約が成立し晴れて鏑木氏がこの建造物の所有者と成る、この「龍の砦」をいたく気に入った事もあって竣工年を記載した銘板を製作。そこに新たな所有者と成った自らの名を刻んだ…が。


これが後の調査や関係者を惑わす結果と成った。


この「龍の砦」が1968年に竣工した事は事実だ、しかし本来ならば「嶺崎 1968」と在れば誰も勘違いはしなかった。この銘板を製作したのが2代目所有者の鏑木氏だった為、建造物竣工(1968年)と所有権獲得(1978年)で10年の開きを生んでしまう。


すると建築関係者達は1968年に鏑木氏がこの「龍の砦」を建築したのだと思ってしまう事も頷ける、しかし作品名には「嶺崎邸」とあるから周辺事情に詳しい者が約10年間「嶺崎医院」を開業していた事を把握しており、結果竣工がマイナス10年の1958年で1968年に移権。その時に銘板を製作して設置したと認知されてしまったが故に架空の10年間を生み出してしまったのだ。2013年来訪時の管理人さんもこの勘違いをしており、当ブログでも検証せずに掲載した事で建築関係者さんから幾つか問い合わせが在った事を記しておこう。


尊敬の念を掲げた鏑木氏の心意気が多くの誤解を生んでしまったが事実を知れば成る程、エピソードに添う形で偽りの無い表記だった事が解る。


移権後、嶺崎氏とは住宅のみと言うスタイルでは在ったが周辺の住民はそのデザインと以前の医院時代の名残から「怪獣病院」と呼び続けていた、とは言っても当時軽蔑される様な事は全くなくて地元密着の内科として親しまれていた。


その後1990年代初頭まで鏑木家はこの地に、転居後は別の地でご家族が現在でも別の病院を運営されています。長い廃墟時代を経過して時は流れて2014年、現所有者と成るYさんがこの物件を購入。現在に至る、と言う流れだ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


紆余曲折あって最終的に住友不動産販売(熱海営業センター)が委託管理を任された時点でこの「龍の砦」はゆっくりとその腐食を進めていった無人に成ってから約20年の月日が経過していたのでは仕方がない事だろう。不動産関係者が「この家を人が住める様に改修するにはもう一つの家が建ってしまう」と証言する程の痛み様、それだけの時間人が離れていたのだから仕方ない。

当時最先端の建築技術を詰め込んだこの嶺崎医院も2014年(調査時)においてはその当時を知るだけの姿をギリギリ保っている様な状態だった、しかし建築史に在ってその価値は知られるところであり、現所有者Yさんの理解もあってこの建造物の保存が決まる。


そう、この怪獣病院こと「嶺崎医院」はまだ終らないのだ。現在改修工事中だが2015年の春の完成を目途にその作業が進められている、そう遠くない時期に改修後の姿を皆さんにお届け出来る事に成るだろう。


と、まずは簡単に所有者と建造物の歴史を辿ってみたのだけれど…どうも複雑でしかも文章下手な所為も拍車掛け、内容を把握出来たか若干心配でもあります。


って、事で次に建築家「渡邉洋治」氏の詳細と当時の「龍の砦」の扱いについて話を進めていくとしましょうか。


写真説明:初期設計図「嶺崎医院」の概観、貯水タンクはまだ描かれていない。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


既に氏の略歴をリンクで記載しているけれど再度。


渡邉洋治 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B8%A1%E9%82%8A%E6%B4%8B%E6%B2%BB


この記載でも解る通り渡邉洋治氏は1958年に自らの建築事務所「渡邉建築事務所」を東京都千代田区に開所している、代表作に「新潟労災病院(1958年)」や「糸魚川善導寺(1961年)」などが並べられているけれどこの「龍の砦(1968年)」もその代表作の一つに数えられている。


しかし「龍の砦」を見る限り、その本流は自らの事務所である「渡邉建築事務所ビル(1962年)」に見て取れるだろう。このビルの造形は紛れも無く「龍の砦」その物で実物を見れば必ず納得頂ける筈だ、2009年頃までは親族が管理していたが現在は不動産業者の手に渡ってしまい、外壁も塗装されてしまった。


現在の渡邉建築事務所ビル(グーグルマップ2014年04月撮影)
http://goo.gl/maps/nSzvv


管理会社は有限会社カスタマーエージェンシー(東京都知事(3)第79309号)と言う不動産業者だがウェブサイトが無い様なので参考リンクは割愛。


一貫したデザインを貫き通した渡邉節はこの時点で開花しており、「龍の砦」にも大きく反映されている。ほんの少しだがオリジナルの設計図をご覧に入れよう。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


その後の氏の動向は皆さんの知る所だ、有名な軍艦マンション(旧第3スカイビル)などの作品(※5)は今でも見る事が出来る。


※5:2011年に渡邉洋治の設計美を全く理解出来ていない形でリノベーションされました、現住マンションですが中身はただの集合住宅に成りました。


日本を代表する建築家「吉阪隆正※6)」氏に師事し、久米建築事務所で腕を磨いた渡邉洋治氏。自らの建築事務所でも師同様に日本の建築史に名を残す作品を数多く残した、1980年に師が亡くなりってから3年後の1983年。日本大学駿河台病院にて死去、享年61年とまだ若かった。当時の訃報は東京文化財研究所の項を参照し、転載する。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


渡辺洋治(没年月日:1983年11月02日)


渡辺建築事務所所長の建築家渡辺洋治は、11月2日午前9時18分、クモ膜下出血のため、東京都千代田区の日大駿河台病院で死去した。享年60。大正13(1924)年6月14日、新潟県直江津市に生れる。昭和16年同県立高田工業学校を卒業し、22年まで日本ステンレス株式会社に勤務、同19年より船舶兵として従軍する。同22年久米建築事務所へ移り、同30年より33年まで早稲田大学理工学部建築学科吉阪(隆正)研究室助手を務め、同33年渡辺建築事務所を開設する。この間同27年、一級建築士の資格を取得。同34年より没年まで早稲田大学講師を務めた。代表作には糸魚川市善導寺をはじめ常識破りの鉄の造形で国際的にも注目された東京新宿の第3スカイビル、龍の砦などがあり、最高裁判所庁舎設計コンペで第2位(優秀賞)、万国博覧会本部ビル設計コンペで第2位、北海道百年記念塔競技設計で佳作を受賞している。「反乱を試みる異色の建築家」と呼ばれた。


出典:日本美術年鑑昭和59年版(318頁)
転載:http://www.tobunken.go.jp/materials/bukko/9901.html


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


※6:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E9%98%AA%E9%9A%86%E6%AD%A3


1971年11月発行の「室内」203号に渡邉洋治氏の自説が掲載されていた、これも当時の氏を知り理解する上で貴重な資料と成ると思うので掲載する。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


自説によって「軍艦」への拘りのその後のモチーフとして多用された執着点が垣間見れると思う、幾つか当時の関連誌で渡邉洋治氏のインタビューを散見出来るけれどこの「室内」の自説が一番解り易く、そして面白いと感じた。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


この建築家にしてこの作品あり、そう数々の自出の建築物を表されて来た渡邉洋治氏だけれど「龍の砦」は当時でもやはり建築美とは別の「特異」な表現として脚光を浴びた様だ。現代でも突出した意匠の塊に見える作品群、勿論当時にしてみれば意外性も意外性だったに違いない。

建造物と所有者の歴史、建築家の歴史と辿ってきたが今度はこの建造物が当時どの様な評価を得て世間に公開されたかを少しだけ覗いてみよう。


写真解説:完成間もない頃の嶺崎邸正面、樹木がない所為か随分とその姿が大きく見える。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


業界誌ではその概観ばかりが取り上げられていたが同業者の建築士はやはり屋内の設計に注目していた様でして、その中で上田秋男著のムックで取り上げられた内容を見てみよう。


南山堂から1973年に発刊された建築業界でも珍しい病院の設計に関する本「これからの医院建築」と言うかなりニッチなタイトルが付けられた紙面に「嶺崎医院」として紹介されている(※7)、着目点が”合理性を理解した「見た目だけでない」設計”で在る事を伝える内容と言える。


※7:渡邉洋治建築設計事務所と記載されているが正しくは「渡邉建築事務所」


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


近代建築社から1969年に発刊された「近代建築23号(3月号)」では建設後間もない「嶺崎医院」が”反角円派の砦”とのキャプションで掲載されている、この時点で既に「龍の砦」の名称が作品名として付けられていたので編集者独自の視点から付け加えられた副称と思われる。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


構造に関する説明もされているが当時の業界誌ではこの手の検証を数多く行った形跡が見られ、「室内」、「近代建築」、「建築界」などでは度々この「」を解剖する様な特集が組まれていた。


因みにだがこれだけ手の込んだ設計だ、一体どれだけの金額が掛かったのか興味は無いだろうか。近縁者からの聞き取り調査で判明したその価格は、


¥15000000(1968年当時)


消費者物価指数から換算すると現在の5倍以上の金額と成ります。つまり現代においては「¥7500万~¥8000万」と言う事に…そりゃアレだけの建造物が建つ訳です。ただ金銭の時代別による換算方法は幾つか基準が在りまして、元の指数算出を経済成長率初任給換算で行うと別の金額が見えてきます。まあ参考程度に、と言う事で。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


最後に現所有者のYさんと2代目所有者「鏑木」家と親しかった地元の方との対談風景を少しだけ書こう、Yさんは2014年7月の購入後に自らの手で保存に向けた改修工事を行っている。取材の時点(2014年9月下旬)で薮は掃われ、水道電気は通るまでに成っていた。

概観だけでなく、この「龍の砦」の歴史的魅力にスッカリと取り込まれ独自の調査も行われている。保存が決まっただけで今後の運営方針はまだ未定だがきっと日本の建築業界にとっては貴重な財産と成る事だろう。


そんな独自の調査の中で現地の聞き取りから”鏑木家時代に親しかった方が直ぐ近くに住まわれている”との情報を得て撮影後に向う、これがその時の一幕だ。


内容は検証が済んでいないので対談内容は何れ近い内に追加エントリーで掲載したいと思う、掘り返せばまだまだ新しい事実が出て来そうな期待を擁する不思議な廃墟だった「怪獣病院」。今は既に廃墟では無くなったが概観や設計理念に魅入られた人々にとってはまだまだ追求する事象が多い事だろう。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


嶺崎医院には一台のカメラが残されていた、「コニカオートS※8)」だ。カメラを元の持ち主で在った鏑木氏は当時何を思って残していったのだろうか。


沢山の物語を秘めていた「嶺崎医院」の最後の住人を家族の下へ、実現出来ればその時こそ全ての”歴史”が引き継がれた事に成るなぁと思いながら今回のレポートを終えるとしよう。


分割エントリーで長い上にテキストリッチ、いやぁ最後までお付き合い頂いて有難う御座いました。新しい情報などは既述の通り追加エントリーでアナウンス予定です、それではまた。


※8:コニカの高級写真レンズに用いられた名称、オートSはF1.9と大変明るいレンズだった。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


現在この怪獣病院(嶺崎医院)保存の為の改修工事を行っております、保存プロジェクトでは今後の継続的な維持と円滑な保存の為に様々な広報や実質活動を予定しています。詳細は是非「嶺崎医院¦保存プロジェクト」の公式ウェブサイトよりご確認下さい。


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


6frogs 廃墟 嶺崎医院 怪獣病院 龍の砦


※ 不法侵入が頻発した為に敷地内警備を強化致しました、無許可の撮影や進入はご遠慮下さい。
※ 取材(報道及び大学関係者)・撮影の申請などは今後公開予定のプロジェクトサイトをご覧下さい。


協力

現所有者様
嶺崎家近縁者様一同
一般社団法人日本建築学会
静岡県伊東市
株式会社近代建築社


アプローチ
国道135号線から県道108号線を伊東線宇佐美駅方面へ。そこから私道を2本経由して川を越えた住宅地に在ります。


地図リンク
http://goo.gl/maps/Wx1I2


photograph - koichiro(FUJIOKAPIX)/ 6FROGS DESIGN WORKS


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録09

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

REPORT - 0108│保台清澄連絡道路

$
0
0

6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


千葉県鴨川市保台ダム│保台清澄連絡道路


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 保台清澄連絡道路


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 連載更新


2015.02.24 - 再訪に伴う追加エントリーを行いました


2015年(確認は2014年)現在この旧道の整備が進められています、夏季の段階で全長の2/5程が簡単に歩ける状態まで整備されました。整備と言っても倒木の伐採と移動、ブッシュの除草作業がメインです。今後は連続隧道を越えて関東ふれあいの道までトレッキングコースとして整備作業が進めらる予定です。


御久し振りの更新ですが気にせず本題へ、今回は房総のガンダーラへ向かいましたよ。人気サイト「山さ行がねが」でも人気だった「保台清澄連絡道路」、この廃道へ本気写真を撮りに行くんだったらもう。


この「保台清澄連絡道路」は地元の方では意外と知られていて山菜や写真好きがちょくちょく入っている道です、「廃道本」でも紹介されてますがそれよりずっと以前より沢登り、林道好きのお気に入りの場所としてヒッソリと存在してました。それでは早速ご紹介。


この物件に関しての詳細は丸投げしちゃうぞぅ、以下リンクより。


山さ行がねが - 保台清澄連絡道路

http://yamaiga.com/road/bodai/main.html


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


スタートは保台ダムの進入禁止柵より、ココから徒歩でのアタック開始です。車両は進入禁止ですが徒歩ならばOKです、因みにオフ乗り林道好きにはちょっとしたダートも別に在りますがそれはまた別のお話。


photograph:+106frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川
今回の廃道、便宜上「保台清澄連絡道路」とか「遠沢新道」とか呼ばれているけれどどうやら本当の名称は違う様だ。測量会社さんの協力で昔の資料が入手出来そうなんで本当の正式名称が確定したらご報告したいと思う。


で、この廃道。待崎川水系から分岐した川の一つに沿う様に造成されている、上の地図を見て頂ければ解るだろうか。沢屋には有名でそれぞれ上待崎川鳴子川、そして今回の主役と成る遠沢川、この「遠沢川」は他の2本と違い旧来から地元生活道路として山中を切り開いた道が存在していた。また製炭産業の釜場が数十箇所在ってその場所へのアクセスルートとしても活躍した様だ。
6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川

さて、詰めなくてはならないこの「遠沢川」だけれど総長は意外と短くて2キロちょい。んだども測量会社さんから頂いた資料(ウェブ公開不可資料の為不掲載)を見るとこの廃道から更に2本の旧々道が描かれているでは在りませぬか、この道は江戸時代から続く古い道でこの保台清澄連絡道路(最終造成は昭和20年代)が出来る前の物だと言う。つまりはこの道の起源は早くて江戸後期から明治初頭、もしくは明治中期頃だと推測される。


房総半島の製炭産業は極々小規模で山岳産業としては個人レベルの物が大多数を占めていた、その為に大きなアプローチルートが開拓されない間々明治時代に突入。近代化の為に造成されたのがこの「保台清澄連絡道路」の正体と言えないだろうか、まあ推測の域を出ないけれどねぇ。


ほいじゃお邪魔しましょうか。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


50年程前までは使用されていた道ですが通常使用されていた道では在りません、経験則ですが到る所に房総特有の川廻しの痕跡が見られました。と言うか明らかに川廻しが施された場所が幾つか見て取れます。この区域での川廻しの記録はハッキリと確認は出来ていないけれど農業以外にも使用されていた事が解っている現在、メインでどの様に使用されたかは解りませんがそのお陰かスタートから10分程でこの風景とご対面出来るのは素晴らしいこってす。


ある程度調査した限りではやはり川廻しでの作業用道で使用された事も憶測の域を出ないけれど確率的に高い、と成るとやはり随分古い道なのが解る。その後は別用途で昭和初期まで使用された様だ。


行政に確認を取ると市歴、町歴共にこの道路に関する詳細な資料は既に存在してはいない様でして。同地域の住民や清澄寺への聞取りでは馬車道として部分整備されていた(簡易整備:馬車→未整備:背負子→簡易整備:馬車)としての産業道、製炭の釜場までの作業道、そして山岳農耕で利用する為の川廻しに関連する迂回路などの情報を得る事が出来のだけれど整合性がねぇ、その辺は機会が在れば再度調査はしてみたいと思うですよ。


山岳道路としての整備は明治時代まで遡るのだけれど結局、その詳細を明らかにする迄には至らなかったのがとても残念。ただ地図の測量の為に本格的な測量士が入ったのが1930年、これは関連文献の記録に残っておりまして。地図に記載されたのが翌年の1931年、それまでは地元民が知るだけの生活道路としての役目が大部分を占めていたのでしょうね。


一番目を引く石垣、これには正直参りました。と言うのも石垣には石の加工方法と石の積み方で大きく分類し、そこから石の種類や石垣の用途によって積み方を変えたりします。勿論時代背景も反映されるのでその積み込む技術で年代の特定も出来たりするんです、が。


見る限り野面積と算木積が混ざっている感じ、これってば時代が結構違ってくるしそのそもこの道路の工事が何時行われたのかって言う原点の重要なヒントになる筈なのですよ。この件については後程再度語ると致しましよ。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


到る所に足跡が。多少時間が経過しているモノや最近のモノも、山や沢をやっていると何時位の痕跡かは大体解る。マディな場所に残跡した足跡は少なくとも1週間以内のモノだった。


トレッキングコースとしては結構面白い地形、起伏に富んでいて歩いていてとても楽しい。何より絶景、個人的には林道好きが房総でよく秘境として語るT秘境より秘境らしい風景です。


全体を通して考えるとソック系のフラットソールよりトレッキングシューズやソフトブーツの方が歩きやすいです、トレーニング系やマラソン系のシューズは滑るので避けた方が。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


さて、写真には在りませんがこの手前で小さな石垣で高台を作った家屋跡が在りました。とても不思議思って教育委員会経由でこの地域の製炭産業を知る地元のSさんをご紹介頂いた、この方のお父様が製炭をしていたと言う事で面白い話を聞く事が出来たので少しだけご紹介したい。


「この道路を利用して何度も父の製炭釜や作業小屋に通った、当時は幾つも釜が在って1人で複数の釜を管理していた」


「川の水はもっと高くて(水位が高くて)その為に作業小屋を作る人は増水を恐れて斜面に建設した、新しい人は既に水位が水が低く成っていたから川沿いに高台を作って小屋を建てた」


「ここ(資料として持参した昔の地図を指して)、ここで道が3つに分かれていた。それとこっち、こっちは寺に行く道だった」


この他にも馬車や木製の荷台車の話、当時の風景などをお聞きしましたが気に成るのは記載した3点。やはりこの道は製炭の産業道路、生活道路して機能していたって事が解る。房総半島の製炭は1970年代で終焉を迎えている、野面積みの石垣の所為で時代の推測が難しいけれど製炭産業は1700年代後半には始まっており、より多くの貨物を運ぶ為に成岸工事を行う際に石垣を作ったと見るべきだろう。すると江戸時代後期にはこの形が出来上がっている事に成る、何故ならば房総半島で川廻しが農業以外の活用方法として利用され始めた年代と重なるからだ。


そして水位、これはちょっと専門的な地質学の話に成るから割愛するのだけれど簡単に言えばこの水位の変化が江戸後期にこの区域と言うか房総半島全体で確認されている。旧道途中の石垣の積まれた高台は恐らく明治時代の作業小屋ではないかと推測出来る。


そして最後に道の分岐、これは推測の域を出ないのだけれど方向的に清澄寺が在る現在の清澄山、そして元清澄山の方向を指していた事から山中参道としても利用されていたのかもしれないと考えられる。この辺は更に調査すれば関連資料が出て来るのでその内追記したいと思う。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


登ります。


山行が」さんとは随分と違うルート選択、と言うか途中間違えちゃって無理矢理登ります。ルーファンを誤ると房総とはいえ随分面倒な事に成ります、この道は所々にルンゼなりガリーなりが顔を見せるので初めてのアタックでは避けた方が、正規ルートがシッカリ存在するので要下調べ。この辺は山や沢やってる人間の強みと言うか、傾斜が75度以下ならザイルなしで登るので今回は特に問題なし。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


掘割に到着、この地点で全行程の半分位。早ければ40分程度でココまで来れます、何故か掘割内部に「清水」と大きく書かれていて「山行が」さんでも紹介されてました。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


隧道群スタート、これより8つの隧道と掘削途中で中止した成り掛け1つ、用途の解らない掘削穴数個が。途中幾つか滑落注意ポイントが在ります、行かれる方はお気をつけ下さいませ。


photograph:+10


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


隧道内部はこんな感じです。実はこの写真の隧道の上に出れるルートが在りますが藪漕ぎが必要、見つけるのは難しいですが道は在ります。


またこの隧道の下方には枯れ沢が在ってそこから別のルートが見て取れます、若干古い踏み跡が在ったので知っている方は知っている道なのでしょう。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


髄道内から外を望む。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


最後の片洞門、見所の多いこの「保台清澄連絡道路」も終了です。登り詰めれば関東ふれあい道に出ます、清澄寺から4キロ位地点です。


これより車を停めた保台ダムまで引き返します、この様な道に慣れていれば1時間半弱で戻れる筈です。道の難易度としてはかなり低いので一部の滑落危険場所を注意すれば楽に走破出来ます、また植林された木々も多いので適当な場所で峰に向かって登ればビバークする様な迷子道は無い筈ですよ。


photograph:+10


因みにオンシーズンにはじっちゃばっちゃ大挙して押し寄せるトレッキングコースとしても近年使用されています、お散歩気分ではちょっと辛いですが体力に自信が在れば困る様な道ではないので挑戦するのも良いでしょう。ただヒルには注意、山道に慣れてない方は滑落する場所が多いので経験者と一緒に自己責任で。


ああ、そうそう。今後県内のNPO団体がこの旧道を整備して本格的にコース化しようと動いていると市関係者からお聞きしました、確かに楽ちんな行程だけれど運動に不慣れな方にはキツイ場所が数箇所在ります。美しくて旧家屋跡などの史跡も残る素敵な道だけれどヒッソリと残して欲しいと思うは我侭なのかなぁ、って感じで本日は以上と成ります。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 連載更新


久し振りの保台清澄連絡道路、実に5年振りの再訪です。滅多にメンバーが増えない我々にも久々

と成る新人が入荷致しまして。柔道3段、現役で審判なんかもこなす20代中盤のピチピチっ子

す。どう言う訳か男性人は全員格闘経験者って変な集まりですがこれかも何卒宜しくお願い致しま

す、今回はそのニューフェイスの新人研修の場として軽いトレッキングを体験して貰う為にこの場

所に来たのです。


実はこの保台清澄連絡道路、数年前からトレッキングコースとして整備が進められておりまして。

現在ではまだ全体の20%程ですが大分歩き易く成っています、魅力溢れる連続隧道の後半部分は

逆に崩落が進んで以前のルートが踏破出来なく成ったりもしてますが楽しい沢歩き体験には持って

来いなコースだったりします。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道


5年前衝撃を受けたこの廃道の入口部分、2015年1月の来訪時にもシッカリと残っていました

。何せ近年に成ってメジャー化した廃道でして踏み後は正月後だと言うのに結構確認出来ます、廃

道旧道好きならずとも普通の山歩きが好きな方が結構歩いているのでしょう。


行政もトレッキングコースの整備に伴い看板などを設置、この廃道の簡易説明やコースマップなど

も描かれていました。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道


しかし整備区間を抜けると一気に沢歩き色が濃厚に、狭い踏み場と浅い沢内を行き来しながら進ん

でいきます。


行政主導のトレッキングコース化に伴って実は面白い事実が判明しています、以前のレポートでも

少々触れていますがこの廃道、色々と役割の多かった道でした。中でも房総の山間部産業の一つで

あった製炭、その作業道が幾つか確認出来る資料なんて物が出て来ているのです。しかも地元民の

証言も複数出て来ており、その確証は高まるばかり。


と、言っても廃道の更に廃道って事で余程山歩きに慣れている人でないとその存在は見過ごしてし

まう程の状態。県内NPO団体より提供された資料で確認するだけでも10本以上の枝(脇道)が

描かれています、途中途中バイパス出来る道が無くて突然姿を現す物も在って今後更なる究明が待

たれる大変興味深い道でも在ります。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


2014年の記録的な積雪によって沢全体が大打撃を受けています、この写真の様に側壁の土砂が

ごっそりと崩落して樹木の根の部分が顕に成っている箇所を何度も目にしたりも。


またコース自体が自然の力で改変されてしまっている場所も在ったりと5年振りの保台清澄連絡道

路は何かと楽しませてくれます、そして当然の事ながら倒木も凄い事に。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


沢が完全に埋没…はしていません、川の流れは下方2メートル弱の所で確認出来ます。倒木が重な

りあって踏破出来る部分がこの倒木の上しかないのですよ、場所によっては結構な高さの場所を迂

回する事に成ります。


新人の彼はさぞ後悔した事でしょう、しかしもう遅い…もう逃がさんよ。


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


時にはこの様に遥か上方壁面よりの倒木を回避しなければ成らない場所も、段々と苦行の体を成し

て来ました。この日はこの廃道の他にも来訪地を設定しており、有名な清水の掘割手前でUターン

。この後に彼は更に酷い目に合う事に成りますがそれは又別のお話、今回の追加エントリーは現在

の保台清澄連絡道の様子をお伝えして終るとしましょうか。


4月を過ぎればヒル天国に、もし来訪を予定している方は早めの山歩きをオススメします。


アプローチ

まずは保台ダムへ、駐車場から最初の写真の場所が見えます。


地図リンク

http://goo.gl/maps/J0TNu


6frogs 保台清澄連絡道路 遠沢新道 待崎川 鳴子川 遠沢川


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい



通販サイトオープン!


いいものがなんでもそろう!通販ならよろずーへ!

REPORT - 0705│秩父鉱山雁掛沢

$
0
0

6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


秩父鉱山雁掛沢


埼玉県 │ 秩父鉱山雁掛沢(雁掛第五坑道口/処理鉱水坑口)


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 秩父鉱山雁掛沢


沢屋では有名なニッチツの敷地内(放置区域)を含む六助沢、適度なガレと川の流れ、そして険しい大小様々な滝。廃虚好きの沢屋なんて見た事もないからこの両方を楽しめる場所って言ったら随分前からツバを垂らす、いや付けておいてもオカシクない。


散々遊ばせて頂いたニッチツだけど沢でアタックは今回が初めて、そして残念な結末を迎えるこの物件へのアプローチ。色々と来るのが遅過ぎた感は在るけれどその美しい自然は健在でして。


一粒で2度3度も美味しいこの物件のレポートを始めようか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


沢屋で有名な六助沢だけれどグルッと回ると雁掛沢と合流して下る事に成る、今回はその降りルートを遡上する形で幾つかの鉱山遺構を撮影しようと現地にやって来た。中津川水系の沢には散々と苦労させられてきたけどこの雁掛沢は緩い、本当に緩過ぎて軽いトレッキングの様な感じ。沢屋さんなら困るポイントは一切無し、六助沢は危険な場所が結構在るけれどこの秩父鉱山遺構を狙うルートは恐らく運動不足の方でも歩ける位だと感じた。


が、勿論オススメはしない。それなりタイトな場所や滑落の危険性は在るルート、あくまでガレ好きの沢屋の所見だと思って下さい。それではまず今回のルートをご説明しましょう。
6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口

地図の雁掛トンネル先1キロ程の場所に車をデポ、そこから閉鎖された鉱山道を登り「工具保管小屋」を最初のポイントとして雁掛沢を遡上する。遺構を全て見ると半日は消費するので撮影意欲が沸いた物だけ選択、沢も途中まで登って撮影した後に多少の迂回は在ったけど来たルートをなぞって帰路とした。


6Frogs6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


旧鉱山道を登り始めると直ぐに「工具保管小屋」が姿を現した、勿論現在では使用されていない。この道自体殆ど使用されていないのだけれど運が悪いと鉱山関係者と鉢合わせする事に成る、それはこのニッチツが抱える鉱水の処理施設の補修や新規建設に伴う工事の時。


実は今回もその工事の直ぐ後に来た所為で一番楽しみにしていた風景を拝む事が出来なかった、と言うか恐らくに二度と見る事が出来ないかもしれない。


その辺に関してはまた後程。
6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口
6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


工具保管小屋」の場所はココ、9月中旬だと言うのに紅葉が始まっていたのには驚いた。地元の千葉県では連日30度越えの残暑がココでは嘘の様。
6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口 秩父鉱山の雁掛第一坑道口が在る「第二沈殿池」、他にも「第二沈砂池」や「第二堆積場」などの呼び名が在るが鉱山としての正式名称は「秩父鉱山第二沈殿池」。排鉱水の処理を保留(鉱水処理と埋立処理の分割)する為に作られた池、現在新たに検査と処理の為の縦口戸を製作中で鉱山施設内に在るシックナーまで伸びた排水管も新しく(2012年新規設置)された。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


秩父鉱山に関する社歴と周辺地域の問題を纏めた冊子が行政に保存されているので詳細を知りたい方は各々調べてみて欲しい、また足尾銅山同様に自然汚染の問題を多数抱えていてコノ場所もその一つ。一見自然に帰りつつ在る様に見えるけど実の所は重度汚染区域だったりします。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


この場所、定期検査では群生植物の汚染濃度、掘られた側溝に沁み込んだ土壌汚染度、各気象下においての空気汚染度を年に数度計測している。全然使われて居ない様に見えて以外と頻繁に鉱山関係者の車両が「第二沈殿池」へやって来ます。


車両はこの先の「雁掛第一堰堤」まで乗り入れされていて勿論当日も新しい轍を発見しました、こりゃ中々来れないのかなぁ。六助沢からの帰路として便利なんだけどなぁ。
6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口 幾つかの砂防堰堤鉱水処理堰堤を巻いてやって来ました「雁掛精錬所」、と言っても簡易精錬所として使用されていて鉱脈に沿って幾つかの関連施設が今でも残されている。建設に併用された空中索道と鉱山軌道が崩壊した現在、この施設群を解体する術が少ない状況だ。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


精錬関連施設の中で現存する最大規模の遺構「圧機室」へ到着、中には1957年に日立製作所が製作した大型コンプレッサーが鎮座していた。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


「こ、これは…圧機室…」
知っているのか、雷電!


「と、書いてある。」
どすこい喫茶かよ…。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


どうにもホコリっぽくて宜しくない。


埃「吸いたいんだろ?体は掃除機だな」


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


周囲には崩壊した小屋3軒、辛うじて建っている検査小屋1軒が見て取れる。また今回の最大の目的だった大捷坑の鉱水の排水現場の撮影、赤岩鉱床六助鉱床からの砕石を繋いだ空中索道跡、六助鉱床へと続く通洞坑など見所が集中しているので期待が膨らむ。


さて、それでは見せ場と成る大捷坑ちゃんを拝みに行きますか。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口

え?あれ?排水してない…だと?


やる気は?
「ZERO[zíːroʊ]」


スゲーな、ネガティブみたいな発音な
「ネイティブですよ」


神奈子か
「諏訪子ですね」


ちょっと待ってくれ、僕らはな。「遺構調査機構」さんの素晴らしい1枚の写真の風景を目指してやって来たんだよ、それなのに…そりゃ無いよセニョール。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


相変わらず美しい写真、そのロケーション。この1枚に惚れて糞ツマラナイ鉱山道と難易度の低過ぎる雁掛沢を遡上したのに、なんで枯渇してるんだよ。ちゃんと前日まで雨も降っていたし実際沢の水量も多いし…それなのに何故…。


ガックリ来た、撮影意欲が削げた。もう駄目だ、帰りたい


余談だが「遺構調査機構」さんのレポートはどれもが詳細で特に鉱山内の写真が大変美しい、廃虚や鉱山などに興味が無くてもその素晴らしい画像に息を呑む筈。


遺構調査機構
http://www.geocities.jp/shyu0530/


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


しかし有名な六助沢じゃなくてマイナーな雁掛沢まで来たんだ、少し位登って行こうじゃないか。この沢の上流へのアプローチはロープも要らないしな、沢シューズじゃなくてブーツだけど行けそうだ。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


「こりゃ簡単そうですね、全裸でも行けるでしょう」


そう呟いて服を脱ぎ出した相棒に叱咤する。


てめぇ山ナメるんじゃねぇぞ、そうやって油断するから滑落したり道に迷ったりお湯捨てる前にソース入れちゃったり米澤円の凄さに気付かなかったり尖閣諸島は日本の


省略されました
6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口 さて、ココからは沢屋の本領発揮。スイスイと登っていく訳ですが全く同じ風景が続きますので1枚だけ貼って終わりにしましょう。


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


6Frogs 秩父鉱山雁掛沢 雁掛第五坑道口 処理鉱水坑口


緩い傾斜に見えますがこの先に進むに連れてどんどんと急斜面に成ります、途中巻いたりトラバースしたりして六助沢に回り込むのが沢屋のルートですが今回はこの辺で引き返します。それもこれも全部はヤル気をゴッソリと削いでくれた大捷坑何で排水してないんだーっと。


いや、実は現地調査でその答えを知る事が出来ました。


雁掛沢に残る秩父鉱山の関連遺構ですが実際には鉱水(鉱毒)の処理に伴う為に色々と工事が行われています、2012年も結構な工事が在りまして岩壁造成、鉱水配管の補修と新規設置など。その中にこの大捷坑の鉱水を排水用パイプに直結させて処理施設まで流し込む工事が行われておりました、つまりは大捷坑の坑内はカラカラで侵入も出来ますし内部を高出力ライトで照らして撮影する事も可能です。


坑内を撮影したい方にはウッテツケと成りましたが排水の現場を楽しみにしていた者としては非常に残念なこの工事、配管の設置は幾つか予定されている様で今後も増設される様です。よっぽどの大雨ならまだ排水を拝めますがそれも排水管が増設されるまでの間であって何時まで見れるか解りません。


第二沈殿池の大規模造成の話も出ている様で噂の段階ですが今後あの場所がどの様に変化するのか大変興味が在ります、が…もう行く事は無いだろうなぁ…。


以上、本命「大捷坑排水」の時期を逃した「秩父鉱山雁掛沢」レポートを終わりたいと思います。ガッデム


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


最後にコノ場所から少々離れてはいるけど奥秩父の山々の怖さを知る災害事故が数年前に在った、埼玉の沢を歩いている人には非常に有名なお話。この事故の内容を紹介して終わりたい。


1次被害として最初の犠牲者は「東京都連盟2010年沢教室」の「沢登り登山教室のプログラム」中に滑落した女性、この女性に関する「沢登り登山教室のプログラム」に対する様々な初心者的な行動が取上げられたのだけどここでは割愛しよう。


そしてこの女性を救助に向った「埼玉県防災救助隊」の防災ヘリコプターが墜落、救助の為に乗り合わせた5人が全員亡くなっている。この事故が2次災害と成る。


次にこの事故現場の撮影に向った一般の方(と言っても極一部の人には有名な存在だったけれども)が事故現場から100メートル手前で滑落、防災ヘリコプター墜落現場の現場検証に向う途中の埼玉県警秩父署の署員が発見。しかし発見時こそ意識は在ったもののその後病院で死亡が確認された。驚く事にこの3次災害までが7月25日同日に起きている、ホント驚き。


月を挟んで8月1日、今度はこの事故現場を取材しようとした日本テレビのクルー2人が取材規定を無視し、ガイドの警告さえも気に掛けず強行登山。その結果遭難して2人とも亡くなっている、最初の滑落事故から合計9名の死者を出した場所は奥秩父の滝川と言う所。


沢屋には有名な滝川ブドウ沢、生粋の沢屋なら実はそれ程の難所が無いルートの筈なんだけどなぁ。って油断が一番危ない事を既述の連鎖災害が指し示している、ホームとしてる房総の山々も実は危ない地形が溢れている。


一見して緩いルートにいい加減なルーファン、そして知識と装備の不足。事故や災害を引起す要因としては上位に入るだろう、後は経験豊富が故の油断とか。沢歩きやクライミングはとっても楽しいけれども危険とも隣り合わせって事を留意して楽しんで欲しい、これから沢を楽しみたい方には特に気に留めて欲しい連続遭難事故をご紹介しました。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


アプローチ
ニッチツで有名な小倉沢地区、県道210号線上の秩父鉱山簡易郵便局の先の枝(旧鉱山道)から第二沈殿池へ。そこからは願掛沢を遡上して大捷坑へ。


地図リンク
http://goo.gl/maps/tRwGQ


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

PR: 都道府県型JPドメイン名、登録受付中!

$
0
0
地域向けの情報発信に。サイトやメールアドレスのドメインに都道府県名が使えます。

REPORT - 0704│日窒鉱山 解体済み関連施設

$
0
0

6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


埼玉県│秩父鉱山(ニッチツ/日窒)関連遺構


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 解体済み関連施設


今までもこの「行ってみたレポート」で数回、ニッチツこと秩父鉱山の関連施設を紹介してきた。中には余りに有名で現在セキュリティが厳重化された遺構も在る程。過去のエントリーは以下よりどうぞ。


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


さて、今回は別件で秩父鉱山を通過した時に気に成った物件に寄ってみた。と、言ってもグーグルさんの航空地図写真で以前から調査したいなぁとは思っていた場所。


が。


行ってみたら見事に全部解体済み、辛うじて少し離れた場所に一棟だけ重機の設置跡が残る廃屋が在るだけだった。帰宅後の机上調査で2009年頃には既に解体されていた事が判明したのだけどその詳細は解らなかった、特に再調査する様な物件でも無さそうだったので写真のみのレポートだけれど尺稼ぎのエントリーとして。てへ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟 航空写真ではシッカリと写ってるのよねぇ、んだから期待してたんです。ところがどっこい撮影予定だった建造物の殆どがログアウトしてるんだもの、航空写真から前情報なしで突っ込むと偶にあるんですよ。まあ折角来たんだし見るだけ見てましょうか。

それじゃデポ地から一番近いのにグルッと大回りした最後の廃屋さんにお邪魔しましょう。


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


おおう、カットした鼻毛が急に伸びちまう雰囲気じゃねーですか。


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


中はがらーんとしてて残留物少なめ、場所的に鉱山のメイン地区から随分と離れているから加工や巻上とか重要な拠点では無いと思うのだけれど…解らんです。


既に解体された遺構さんと関連が在るならば結構な規模かもしれないけど机上調査でも判明せず、興味も沸かず追加調査なしでフィニッシュです。


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


少ない残留物も住宅区画から持ち込まれたゴミの様でここに在った物は見当たらない、基礎部分と残されたコードなどから発電施設が在ったのかなぁとも。撮影意欲が沸いたのは辛うじてこの朽ちたヴィンテージのアーロンチェア、デスクワークには必須です。


因みに人里離れた山間部での木造建徳や木材家具には極力釘を使わないそうな、昔の話ではあるのだけれど。例えばこの椅子ひとつとっても脚が折れて釘が剥き出しに成ると二次被害が出ますよね、病院が山間部には少ないので治療が間に合わない事もあったそう。鉄部での傷って意外と危ないんですよ、今ではそんな事はありませんが。


って旧建築の歴史の本に書いてありました。


へぇ。


6Frogs 秩父 日窒鉱山 廃校 廃墟


関連施設ではあったけれど詳細は残留物から推測するのは難しそう、と言っても今後それを調べるのはちょっと…何と言うか余り興味が、ねぇ。


この有名なニッチツですが実は一般的に知られている施設の他にも山中の奥の方にまだ関連施設が残ってたりします、それは地下だったり既に道が無かったり元より空中索道を使用する場所だったり。社内資料には以外と残されています、以前ちょっとした伝手で見せて貰えましたが地図上で確認すると実に広大な敷地と施設規模だった事が解ります。


ざっくりと言うと表面的に見えている施設は全体の半分にも満たない感じです、見込みは薄いですが許可が降りる日が来れば是非皆様にもお見せしたいと思います。


今回は以上です。


アプローチ
県道210号線、ニッチツを要する秩父鉱山から更に北上。ニッチツ社宅跡から400メートル程進むと1棟だけ廃屋が確認出来る、上部の関連施設は全て解体済み。


地図リンク
http://goo.gl/maps/jLWth


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

PR: ボルボ 50万円クーポンキャンペーン

REPORT - 0703│小鹿野町三山 廃吊橋

$
0
0

6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


埼玉県 │小鹿野町三山の廃吊橋


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 小鹿野町三山の廃吊橋


以前から気に成っていた廃橋が在った、それは小さくて高さも10メートル以下の割橋物件としては過去最小規模の吊橋。それでも何故か惹き付けられるその造形、そのロケーション。当日はついで物件として訪問したけど終わってみればメインに据えても良かったなぁと思える素敵な廃橋だった。


場所は埼玉県秩父郡小鹿野町三山、ティンと来た方も居るだろうか。「山行が」さんでも紹介された「橋梁レポート 小鹿野町三山の廃吊橋」、この物件だ。


○ 山さ行がねが - 小鹿野町三山の廃吊橋
http://yamaiga.com/bridge/tanokasira/main.html


興味が在る方は是非、詳細には触れられていないものの素晴らしい渡橋レポートと成っている。橋の種類など建築技術に触れる内容も在ります。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


さて我々は、と言いますと。


独自の調査といつも通りのぶら下り健康法、そしてジャングルジムを楽しんで来たのでした。それではその模様を短いですがエントリーさせて頂きましょう。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


国道299号線の旧道と成るこの場所、民家も無くて車も殆ど通る事が無い。当日も会ったのは釣人1人だけで地元の車が帰り際に1台通過したのみ、その間1時間以上だったが随分と閑散とした雰囲気だ。


車のデポ地から歩く事50メートル、赤平川に掛かる今回の物件「小鹿野町三山の廃吊橋」が見えて来た。第一印象は「ちいせぇな」、これ本当に割橋に成るのかなぁと。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


ああ、やっぱりねこう成りますよね。事前調査でもこの廃橋に関しての資料は乏しく、名称や竣工日などの詳細は解らず。行政にもお尋ねしたのだけどなんとこの橋に関する資料は保管されていないそうで。


ただ補足として教えて頂いたのはこの橋と上流に架かる類似吊橋(場所は以下URL参照)が同時期に建設された事、建設業者が同一で在る事の2点だった。


○ 上流に架かる類似吊橋(こちらの吊橋は廃橋ではない)
http://yahoo.jp/JfWmad


参考としてその類似吊橋を取上げているサイトも記載しておこう。


○ きまぐれ旅写真館 - 名称不明の橋
http://www.geocities.jp/fukadasoft/bridges/olds/ogano/index2.html


○ 埼玉発 おとなの小探険 - 埼玉県小鹿野町 あの廃吊橋再訪
http://blogs.yahoo.co.jp/takaratta1152/37604054.html


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


それではアプローチ開始。スタートして直ぐに高低差が出てくるので5メートルも進むと10メートルの落差が生じる、それでもやはり低く感じてしまうのは慣れの怖い所。


さて、最初に在る程度のタネ明かしをしておこう。


この吊橋も上記にて紹介した類似吊橋も同じ目的で作られている、それは旧林道を遮る赤平川のバイパスだ。実は両方とも橋の前後に現在では使用しなくなった(造成されて消滅した)林道が在った、竣工時期は1970年前後だと後の地元住民の聴き取り調査で判明したのだけど正確性には欠ける。


もう少し色々と調べたのだけど建築行政に係るルートから判明した事と地元住民から聴き取りした内容が合致しないので今回は掲載を見送った、機会が在ればその詳細をお知らせしたいとも考えています。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


うん、確かにボロボロだけれども…。高所の岸壁ラペに比べたら幼戯同然か、それでも雰囲気は素晴らしく良いし撮影被写体としても十分美しい。もう少し進んでみよう。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


トラス部分まで来た、コレは美しいな。紅く塗装された橋梁と自然の緑が何とも撮影意欲を掻き立てるでは在りませんか、一応安全帯を使用して安全確保には留意します。


橋床板が腐り落ちているのでトラスのアングル部分を歩きます、橋床板を支えるブレスは只のフラットバーなのでアングル歩行メイン。枠材には釘が連打されているので気を付けます。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


ステップポイントがないのでリペに成る、んだども10メートルでリペかぁ。非常に詰まらんな、取り合えず主索にビレイを取って降下準備だけしてみようか。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


相棒も高低差が少ないものだから詰らなそう、低いものねぇ…。希望としては、
6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋

を是非お願いしたいのだけれど。帰りにうどん奢るぜ?


なあ、やれよ。うどん奢るって。
「やっだぁ~☆(真顔)」


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


トラス部分に戻ってきた、この場所にはコノ「」を撮りに来た様なもの。もう少し高さが在れば広角の魅力が引き出せたのになぁ、てっか蚊が多いよ。


飽きて来たので駄菓子の話を始めた。


昔在ったじゃん、なんか練るお菓子
「ああ、練れば練るほど色が変わって最悪の場合死に至るやつですね」


そんなだっけか?


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


トラス部分を降りてきた、下から見上げた「小鹿野町三山の廃吊橋」は中々の迫力だ。蛇足かもしれないけどこの赤平川に架かる橋の内、既に解体再建設された橋の中にこの廃橋と類似する物が3つ在った事が解った。現在は近代橋に生まれ変わったのだけど同時期に建設された吊橋はこの「小鹿野町三山の廃吊橋」と既述した類似橋の他にも存在していたのは余り知られていない事実だったりする。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


人間が単体で渡橋する強度は残されているのだけど主索その他ワイヤー類がもう駄目、橋床板もその殆どが腐敗して中央部の板も時間の問題。訪問しても渡るのは控えて頂きたい…と大きな声では言えない立場の注意喚起、一応。


6Frogs 小鹿野町三山 廃吊橋 廃橋


それではそろそろ帰りますか、着替えて帰り道のナビ設定をする。


ナビ「およそ、200km先、目的地周辺です。音声案内を終了します」


え?


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


アプローチ
国道299号線小鹿野町三山附近、旧道と新道が交差すして旧道の中間部分に。赤平川に類似した吊橋も在るがこの橋だけは立入禁止とされている。


地図リンク
http://goo.gl/maps/QeyWe


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート

$
0
0

6Frogs 川南工業浦之崎造船所 伊万里


・工事名称:平成23年度山代町浦ノ崎地区建物等解体整備工事

・工事場所:伊万里市山代町地内

・工事期間:平成23年11月15日~平成24年03月16日

・請負金額:55099880円(内消費税2623800)

・工事概要:伐採工20000㎡ / 建物解体工13215㎡ / 土工一式 / 副産物処理一式

・発注者名:伊万里市役所教育委員会教育総務課(連絡先0995-23-2125)

・施工業者:株式会社 相生(連絡先0995-23-9060)


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 追加更新


※ 最新記事は上記の更新バナーをクリックするか更新箇所までスクロールして下さい


解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


佐賀県│川南工業浦之崎造船所跡(伊万里川南造船所/伊万里造船所) 


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 川南工業浦之崎造船所跡(伊万里川南造船所/伊万里造船所)


川南工業浦之崎造船所 伊万里


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


このレポートは2011年12月28日より開始し、解体が終了するまでの期間一定の間隔で更新されます。レポート内容は解体前の様子から解体が開始される直前、そして解体作業の様子、完全解体まで続く予定です。


現地で撮影された写真、ニュースサイトから引用した写真(引用元・コピーライト等のキャプション付)、個人でウェブ上にアップロードされた写真(引用元・コピーライト等のキャプション付)を掲載していきます。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


2010年からこの物件の保護活動に参加し、2011年に地元で行われた川南同盟主催の写真展にも作品を提供、その後地元新聞社と仕事でお付き合いのある出版社などとこの廃墟の保護活動を行ってきた。


しかし行政側が下した答えは一環して「解体」のみ、そして2011年11月後半期。とうとう業者が解体に伴う作業用のテントを設置12月から除草作業が始まり現在も解体作業が進められている。


もう直ぐ完全に姿を消すこの素晴らしい廃墟美を魅せてくれた「川南工業浦之崎造船所跡」を再度レポートしたいと思う、写真は解体が決定した2011年の夏季、解体が開始された同年年末~このレポートを公開するまでの数ヶ月に及ぶ最後の周辺風景だ。


それでは少しづつこの「美式・川南工業浦之崎造船所跡」を追い掛けてみようか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


解体前最後の夏、この美しい廃墟が緑に最も覆われる夏季だ。どうしても「自然に侵食された川南工業浦之崎造船所跡」の姿を沢山の方に知って欲しいと考えていた、いや…僕らがそんな事をしなくともウェブ上には素晴らしい作品が掲載されている事は承知の上。


それに加え屋上部分など余り取上げられないアングルも残したいと思い、撮影部隊が伺ったのが8月の後半。その茂りは最盛期とばかり建造物の形を伸しながらも殆どが緑に覆われていた。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


内部は早朝と言う事もあって薄暗い。それにしても美しいな、この廃墟は。爆発だ、これは芸術でいう爆発レベルの美しさ…いや、爆発はまずいか。爆発はしませんよね、じゃあるまいし


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


さて、早速の2階部分に登ります。2011年8月に確認しましたが上に上がる為のアブミが設置されていました、そんな物なくとも簡単に登れるになぁ。


まあこの階までは皆さん普通に撮影に登ってきます、この上と成ると中々登る方は居ませんよね。いや、多少はウェブ上で確認出来るのだけど頻繁には登ってないみたい。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-引用写真差換


3階部分をすっ飛ばして4階部分、ここが最上階と成る。これ以上は出入口跡の突起部分をよじ登っての最屋上しか残っていない。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-引用写真差換


こいつの上に立てば最屋上だ。この上に登るのは比較的簡単、だけれど危ないので絶対に真似しないで…ってもう無理な話でしたね。


「よろしい、ならば屋上だ」


は是非ここで実践したかったのですが。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-引用写真差換


屋上から海側を望む、過去にはこの桁部分を歩いた猛者も居たとか。割橋ストですね、解ります。え?こんな場所を歩くなんて危ない?馬鹿げてる?


イエス、イグザクトリー


仰る事は概ね理解できます。


しかしですね、馬鹿(高所興奮症)に馬鹿(高所興奮症)と申されましても。馬鹿(高所興奮症)ですから。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-引用写真差換


このアングルは何度か他の廃墟サイトで見た事が在ります。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-引用写真差換


いやぁ茂ってるなぁ、モッサモサやなぁ。解体されたらこのモッサモサも見れなくなると寂しい気持ちに成る…かもなぁ。


でも大丈夫、そんな時はパンツを少し広げて覗いてご覧なさい。特殊な性癖じゃなければモッサモサの筈です、多分


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-引用写真差換


川南工業浦之崎造船所跡の写真でここまで屋上をウロウロしてるは少ないでしょう、少なかったらいいなぁ(弱気)。


ここまで来られた方ならきっと理解出来るはず、見上げても美しかったこの廃墟を見下ろせる場所に居るその現実に興奮する事を。心が乱れてしまう事も。


額にダイヤって書いて乱れてたら駅員に怒られた…的なこの高ぶりシャス感情


すげぇ!考え方が360度変わっちまったよ!な。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


季節は移り、2011年11月中盤。川南工業浦之崎造船所跡の一角に明らかに「解体臭」が漂う物が設置された。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


マジで!?チョーやべぇじゃん


除草業者の物と思われるテントが設置されてしまった、とうとう終わりの始まりがやって来たと言うところか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


除草作業が開始された、「解体」と言う2文字が現実味を帯びてきた。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


この日までに周囲の簡易除草や柵の設置なども行われていた様だ、一応作業期間は工期として2011年11月15日から2012年3月16日までと公示されている。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


2011年12月15日更新の朝日新聞系ニュースサイトで掲載された内容によると除草作業が終わり、一般レベルでの最後の公開が行われた様だ。除草作業が終了した造船所跡は毛を刈り取られた羊の様な姿で久し振りに本来の造形を世に晒した事に。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


地元と大学の関係者も訪れ、歴史的に重要な部分の選定に当たった様だ。選定された部分は部位保存されて一般公開される予定。


同日、行政サイトには市長の関連手記が掲載されている。


○ 市長雑感(第307号)- 川南造船所への思い
http://www.city.imari.saga.jp/icity/browser?ActionCode=content&ContentID=1324024325920&SiteID=0000000000000&FP=whatsnew


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


数日後の写真では本格的に解体が始まった事を告げました、あの美しかった廃墟と自然の融合した廃墟美はスッカリ失ってしまい、見る影も在りません。


ああ。ついに…この時がきたなんたらかんたら


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


2011年12月21日更新の読売新聞系ニュースサイトで掲載された内容によると地元大学関係者が最後の調査に訪れ、構造調査や解体後の土地利用に関する計測、部位選定などを行った様だ。この最後の調査をもっていよいよ本格的な解体作業が始まった事に成る、ガワしか残っていない廃墟で在る事から以外と早い段階で建造物の撤去は終わるだろう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南 造船所 解体


行政から公示で2011年12月22日から本格的な解体を開始する旨の告知がなされた、この日を境に造船所跡は随分と早いペースで解体が進む。


解体ペースは設定された工期に比べ随分と早く進んでいる様だけど何か理由が在るのだろうか。


さてさて、これにて最初の更新は終了と成ります。解体がもう少し進んだ時期にまたお会いしましょう、その時には現地に赴いた「現場の写真」を是非お見せ出来ればと思います。


更新 111230 - 解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える-追加調査110110


2012年1月、正月の連休中の川南工業浦之崎造船所跡の様子をお伝えしたい。本格的な解体が2011年12月22日より開始されてまだ日は浅い、それでもこれだけ解体が進められている事に驚く。


行政の事業なので土日が休みかと言えばそうでも無いらしく、曜日などを無視した解体が現在も進められている。それでは早速はじめよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南工業浦之崎造船所 解体


除草後の解体速度は実に早い、12月の初旬に除草が終了して中旬に最終的な調査が終了。そして1週間でこの有様だ、基礎部分は掘り返され、破砕作業も大分進んでいる。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南工業浦之崎造船所 解体


整地されている部分、丁度奥側に向山炭鉱跡が残る方向へカメラを向けている。手前の足場が組まれるとあっという間に石柱が崩されてしまうだろう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南工業浦之崎造船所 解体


内部には標語が書かれた主柱から解体が始まっていた、歴史的価値が在るとされた標語の書かれた柱は別の場所で綺麗に裁断されるそうだ。先行して抜いた場所にはこの様に倒壊防止の仮説柱が設置されている。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南工業浦之崎造船所 解体


海側を向くと敷地内の基礎が剥がされ粉砕作業がされている最中だった、あれだけ鬱蒼としていたこの場所が丸裸にされているのはどうにも忍びない気分。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南工業浦之崎造船所 解体


既に数箇所は窓枠が外されていた、驚いた事に比較的綺麗に残っていた窓枠資料として残すそうだ。


解体作業は順調に進められています、本当にもう直ぐ。残り僅かな時間でこの美しかった造船所跡が無くなってしまう、今はただ出来るだけ多くの写真を残そうと思っています。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ASAHI.COM 2012年01月10日更新


戦時中「人間魚雷」造った造船所跡の解体始まる 佐賀

http://www.asahi.com/national/update/0110/SEB201201100031.html


動画データを落としたい方の為に。(ローカル+多少画面大きく標示)

http://cache3.peevee.tv/moviecache/h.264sd/48464597/48464597peevee443739.m4v


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 解体


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 解体


次回は来週辺りにでも。


更新 120110 - 解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南造船所 解体


川南工業浦之崎造船所跡の解体レポート、以外と見て頂いてる方が多い様で詳細を知りたいなどのメールも貰う様に成りました。一番多いのが、


現在も内部の写真などを撮影する事が出来ますか?


と、言うもの。


ええ、難しいでしょうねぇ正直。工事関係者は朝の8時には現地に待機しています、それが夕方17時まで絶える事無く居るわけなので明るい時間帯での撮影は難しいでしょう。地元の方で無い限り時間の融通を利かせての撮影が出来る状況ではないってのが現状です、遠くから来て作業員に、


ちょっと撮らせて欲しい


は完全アウトかと思われます、早朝か運良く工事が休みの日に当たれば…。前回の更新でも書きましたが土日祝日が休みとは限りません、実際日曜日に工事関係者が居たりします。


遠巻きか、関係者繋がりでないと遠方の方は難しいかと。


さて、それでは今回の解体作業の進行具合をお伝えしましょうか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南造船所 解体


あああっ。


こいつぁやべぇ、海側の上部壁が無くなってる。ってか裏側に廻ると解るけど随分と壁の解体が進んでるじゃないですかー。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南造船所 解体


も、もう…駄目か…。


機械室も取り壊され、内部も…。まだだまだ終わらんかと思ったけどやっぱりもう駄目コリャ


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南造船所 解体


廃屋、関連施設の解体。どうやら北側と西側の解体は早々に終了しそうだ、それにしても急ピッチ過ぎないか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-廃墟 川南造船所 解体


国内屈指の軍需遺構、そして美しさを誇ったこの廃墟。行政主導で行われている解体作業は順調そのもの、撮影も難しく成ってきた。


地元では興味も薄い様で特に騒がれる事もなく、この間々記憶からも薄れていってしまうのかなぁ。


おっちゃん寂しいで。


次回はもう少し解体が進んでからに。


更新 120118 - 解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


川南 解体」などの検索ワードで当ブログを知って頂いた方が最近多い様だ、それだけこの廃墟の知名度や関心が高かったのだろう。定期的に更新してきた「解体レポート」も終わりに近付いて来ている、お気付きの通り既に大部分が解体されてしまったからだ。


本日は現在の解体進行具合今後の予定などをお知らせしたいと思う。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


海側から撮影、ご覧通りハコモノは半分が解体されてしまった。いや違うか、ハコモノが半分残るだけと成ってしまった。つまり、他には何も無い。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


解体どころか整地も進められていてる、全部で5階層有った建造物は2階層のみ。周辺関連施設の解体は既に終了してしまった、知らない方も居ると思うがブッシュに紛れて実に多くの関連遺構が残されていたのだけど…。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


実質1ヶ月でこの有様、どうやら解体は今月終了の様だ。公示されている解体期間3月16日までと成っているので整地を含む工事期間だったのだろう、有名な標語が記載された柱もバラバラにされている所をみると全てを保存するのでは無かったんだなぁ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


ブロック分けされ、コンクリートの破砕材と鉄筋類、その他と分類されている。解体の断面をみると強度的にはまだ大丈夫だった事が解る、しかし半世紀を生きたこの廃墟も終焉を迎える事に。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


そう言えば解体中の廃墟の写真って初めてだ、ってか全国的にも珍しい状態だものなぁ今の川南って。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


んん?レンガ?あれ…?レンガなんて在ったっけ?ああっそうか、隣接してた関連遺構の廃材だコレ。うん、レンガ在った在った。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


数段あった足場も崩され、道板も外されていました。解体もそろそろ終了です、本当に見納め。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-川南造船所 廃墟 解体 川南工業浦之崎造船所


だれが立てたか鯉幟、風に煽られて力強く靡いていた。


かっけぇえ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-川南工業浦之崎造船所 鯉のぼり


2012年の1月にグーグルカーが撮影した解体中の造船所跡、ここにもバッチリと写されていましたですよアノ「鯉のぼり」。目撃談によると解体中暫くは設置された間々に成っていたそうで、工事関係者の中々と粋な計らいをしよってからに。


さて、繰り返しと成りますが。今月中ハコモノは解体終了、以降は基礎解体土壌浄化作業整地作業が来月に行われていきます。3月に入る頃には実質的な作業はほぼ終了してそう、川南は諦めるとして向山炭鉱跡も行き辛く成るので興味が在る方はお早めに。


次回は整地している殺風景な場面でもと思っています、あれだけ素敵臭を放っていた廃墟が姿を消すのは何ともなぁ。


やっぱりおっちゃん寂しいで。


更新 120128 - 解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 追加更新


気に成っている方も多かったと思います、九州ばかりか全国の廃カーさんを魅了した戦争遺構の雄「川南工業浦之崎造船所跡」が解体終了しました。年末の解体開始からこの廃墟を追い続け、半世紀に及ぶその歴史に幕を閉じた造船所跡の最後をお届けします。

今回の更新を以って「解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート」は終了です、短期間の連載エントリーでしたが随分と沢山の方にご覧頂いた様で嬉しい限りです。それでは早速始めましょう、綺麗サッパリなこの物件のレポートを。


今回は試験的にカメラのアングルナビを一緒に掲載、余りに何も無くなっていたので少しでも解り易くと思いまして。


6Frogs - 毎日をデザインで考える > 別館-廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


ハラハラどっきんこでこんにちわ、思えばこの入口も初めて来た時は草木に覆われたブッシュトンネルだったのになぁ…これもんよ。なんか向こう側が随分と開けてますが…(´・ω・`)


じゃあ気持ち作ってね、いいです


6Frogs - 毎日をデザインで考える > 別館-廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


!!!お、お…おい…。

ほら、だから言ったでしょ。綺麗…サッパリだって…ああ…。折角ユニクロの新品パンツ(3P/1000円)履いて来たのに…、脱ぐしかないのか。ここで…。


6Frogs - 毎日をデザインで考える > 別館-廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


さて、これでこの場所の作業終了ではない。ご存知の方もいると思うのだけれど行政主導で緑地公園化される事が解体計画時に決定している、解体工事は当初の公示されていた工期通り2012年03月16日で終了。そこから年度初を挟んで緑地公園が造成される、年内には終わる予定だとか。


6Frogs 廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


2月まではまだ形が残っていた造船所跡、残骸どころか整地作業が終了。前方に見える森の向こう側には向山炭鉱がシッカリと残っていた、やはり今回解体計画には向山炭鉱含まれていなかった様だ。


今回の訪問は丁度干潮時だった事もあり、向山炭鉱の珍しい写真も撮影出来たので近々お見せしたいと思う。


6Frogs 廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


この高台からの写真、まだ解体途中の物を過去に一度掲載した。


まだまだ九州には魅力溢れる廃墟や廃村、歴史的な遺構が残されている。勿論の事だけれど端島(軍艦島)もその一つ、幾つか再訪したい物件も在るので年内にまた行こうと思います。それまで解体されない事を祈りつつ、今回の解体企画レポートを終えると致しましょう。


更新 120311 - 解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 追加更新


行政主導の解体から今日で丸っと3年、当初の予定通り跡地には緑地公園は完成したのだろうか。その後のこの地を訪れた方のエントリーが少なく、また有力な情報もない事からどうなったものかと気に掛かってはいた。


そんな中でやっとここの地の近況を知らせるブログを見つける事が出来た。


川南造船所跡は公園になるはずでは(2015.03.09更新)

http://koikoi2011.blog.fc2.com/blog-entry-552.html


このエントリーを読む限り、やはりと言うか”緑地公園化”は果たされていなかった。解体時に次年度(2013年分)行政経費で緑地化の予算は計上されている筈なのだけれど…。


偶然にも近日中にこの地の行政関係者とお会いする機会が在るので今後の計画や現状などを詳しく聞いてこようと思います、何か進展やアナウンス出来る情報が出てくれば追ってエントリー致します。


本日はこの辺で。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 川南工業浦之崎造船所 解体


最終更新 150316 - 解体企画│川南工業浦之崎造船所跡 解体レポート


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

REPORT - 0706│怒田線水路隧道 怒田の滝

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


千葉県│怒田線 怒田の滝


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 怒田線 怒田の滝(水路隧道/怒田線川廻しの滝)


廃道 林道 怒田の滝 怒田線川廻し


房総半島は隧道天国だ、それも天然の岩を素掘りで掘削した農業用バイパス「川廻し」と言う特殊な隧道達。一部の林道ライダーさんを始め僕らの様な山屋(沢屋や岩屋も含む)にはとても馴染み深い美しく、そして心揺さぶるこの川回しによって作られた造形美を今回も拝見しに行くとしましょうか。


過去に房総半島で言えば下記リンクの2箇所、


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


を取り上げた、何れも房総半島と言うパっとしない低い山間部の沢だけれども大変美しい景観を見せてくれる、特に「七ツ釜渓谷」は山梨県の本家「西沢渓谷/七ツ釜渓谷」に見劣りしない個人的にも大好きな場所だ。そして今回、やっぱり房総は侮れないの最もたるを実感させてくれる「林道怒田線・怒田の滝」をご紹介したい。


この場所、バイクで行けない事はないけど一応徒歩林道として認識してもらいたい。それには幾つかの理由が在るのだけれど何れも自己責任を伴う(危険立地の為の怪我・車両走行禁止区域)が理由から、出来れば自分の足でこの怒田の景観を楽しんで欲しい。あ、同行者はいつもの如く割橋Pの相棒さんです。


それでは今回のレポートを開始しよう。
6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道 この怒田と言う場所、恐ろしく厄介さんな場所に存在する。まずアプローチルートのスタート地点に行く時点で既に苦行だ、県道から農道に入ると普通車がギリギリ走れる道幅に成る。そこから更に山間部を無理矢理切り開いた様なマディ+小ガレのオフロードコース、走れるのは軽トラかジムニー位。今回は普通車で進入して引くに引けない状態で走行したけれど2度と普通車のサイズでは行きたくない、それと天候も暫く晴れが続いた状態じゃないと急勾配での坂でスタックする事に成るので注意して欲しい。
6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道

地図はこの激しい車での走行を追えて林道の始点(車のデポ地)から目的の怒田の滝までの行程、幾つかの点線(林道)上に隧道表示が在る。点線林道3つ目の直ぐ脇に河川隧道(川廻し)が描かれているのが解るだろう、そこが怒田の滝と成る。


4つ目の隧道の脇にはちょっと珍しい風景が見れるのだけれど時期的には盛緑の頃がオススメなので何れ撮影してお見せしたい。(但しヒル地獄)6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道
この滝、実は正式名称が存在しない。通称で「怒田線(怒田林道)の滝」とか「怒田の川廻し」などと呼ばれているけれどそもそもこの場所がマイナーな所でして、文献を確認してもやはりこの滝の名称は判明しなかったのでこのエントリー内では「怒田の滝」と記載させて頂きます。
6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道
それではアプローチ開始、デポ地から緩やかなマディの下り坂を歩くと「第一隧道」が姿を見せた、これは川廻しとは関係なく農業用地確保の為に山間部への連絡路を製作する過程で掘られている。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


怒田線第一隧道、直線貫通で距離も短い崩落が所々在るけれど問題なく通過出来る。この辺までは流石に余裕で相棒も、


「むーすーんでひーらーいーて、しーぼりだーす、きみの内臓(もつ)ー」


と、懐かしい歌を歌っている位。


photograph:+106Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道 数分歩くと第二隧道だ、この第一隧道と第二隧道の間隔は短い。しかし後の第三隧道までが非常に長く、また途中ブッシュで覆われた平地草原を歩くので迷う方も居ると聞く。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


怒田線第二隧道、少々傾斜がついていて隧道内の床もガレっている。歩く時は注意して欲しい、また多少だけれど折れているので日光の遮光角度によっては暗い時も在る筈。ハミィに飽きたのか、


「笑止っ!」


と、突然大声で叫んでる相棒。彼の中で何かが目覚めようとしているのか、それともただ疲れているだけなのか。


photograph:+106Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道
問題のブッシュ、本当に歩き辛い。30分~40分程のルートなのだけれどココで道を見失って滝まで2時間以上掛かったと言う話も聞いた。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


とてもじゃないけど真夏に山歩き素人さんが来ると突破出来ないブッシュ、盛緑の時期には人の背より高く茂ります。蜘蛛スズメバチヒル。ホントに素敵な体験が出来る筈です。


このブッシュ地帯で沢から距離が出ますが直ぐにまた合流します、暫く沢沿いに歩くと沢と林道の高低差が出て来ますが気にせずに。


歩き出して15分程、だがこのブッシュ地帯には僕もウンザリ。もう帰ろうぜ、ベータで録画した寺内ヘンドリックス見てぇんだよ。何で音効さんDVD化しねぇんだよっ!


音効さんと寺ヘンのDVD、生きてる内に出るかなぁ。


photograph:+10


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


薄っすらと残る林道痕、倒木を潜りガレを越えるとやっとこさで目的地の川廻し「怒田の滝」裏側に到着します。


photograph:+10


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


うっうー、漲ってきましたー。丁度川廻し掘削の頂上部、滝の上って感じの場所からちょっとだけ引いた画を撮影しようと相棒がカメラを向けている所。この後に下から登ってまたココに来る事に成るとは、な。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


滝頂上部からこの景観、美しいぜ怒田さんよー。房総の沢って本当の本当に馬鹿に出来ないよなぁ、寧ろ沢屋には起伏に富んだ楽しめる多くの表情を魅せてくれる素晴らしい地域だ。


さて、僕らはと言うとグルっと巻いて滝の下に向います。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


もげるで、しかし!


何がもげるのかはご想像にお任せするとしてまずはこの眼前に映し出された美しき怒田の滝、ここか…ここがリインカーネーションの輪から解き放たれる地なのか。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


は、裸エプソン…


相棒がおかしい、ボソリと吐き出される言葉がおかしい。既に手遅れなのか…。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


おっぴろげーしょん


何をおっぴろげるのかはご想像にお任せするとしてまずは周囲の立地と撮影出来そうなポイント、アングルなどを確認する。出来ればこの滝もアタックしたいのでその時の画を押さえる場所も確保したい所だ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


沢に降りて撮影開始、いやぁ来て良かった。ココは来て良かったわ、ホント。しかしどうしても滝を見ると…ねぇ。低いか高いかじゃなくて複雑な形状してたらどうしても登りたくなるじゃーありませぬか、うん…登ろう。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


滝とは対面のガレを登り、足場を確保。今日はハーネスとロープが無いから2人ともフリーの状態だ、しかも撮影用のカメラ持ち。慎重に登る、相棒は滝の方のフックとステップポイントの確認をしに降りる。この人指先程のポイントが在れば何処でも登る、岩屋なのに最近はボルタリングばかりで自然に飢えているのかも。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


シャワークライム開始、写真を見て貰うと解るとおり複雑な形状だがとても低い。つまりは滑落が心配と言うより本人的には水に余り濡れたくなくて慎重に登っていると言う贅沢な状態。


難易度も低く、1分も掛からず登れる。しかしアオリの画が欲しいからソコに居ろと言う号令に素直に従う彼は「寒い寒い寒いさ…」と繰り返していた。


帰りも在るし早めに撮影しようか。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-怒田線 怒田 川廻しの滝 廃道


こっちが中間地点の時点で早々に頂上付近最後のステップ、流石に普段からボルタリングで鍛えている人は早い。上達の秘訣を相棒に聞いてみた。


「ああ、俺の背後霊って元素記号ですから」


???


最後の最後でまた解らん事を…その後2人で良からぬ計画を立てる。この滝の更に上、掘削された地形の頂上部からラペで降下しようと言う物。帰りに少し沢を遡上して巻きルートとして利用出来そうなガリーも発見、恐らく冬季から来年(2013年)の春頃に挑戦したいと思っております。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


怒田の滝(怒田の川廻し滝)


怒田地区は山深く細々ながら製炭産業と山菜の出荷で山間部産業を展開していた古い土地だ、房総の他の川廻し同様に山間部での農業に必要な土地や水を用立てる為に水路隧道が幾つか掘削されるのだけれどその一つとして生まれた滝がこの通称「怒田の滝」。しかしこの滝の落差が低く、また本来の沢からの水量が枯渇気味だった為に本来のバイパスとしての役目は長く務める事が出来なかった資料に在る、林道も古くて現在は狩猟解禁期間の狩猟道、害獣駆除の連絡路がメイン。たまに生粋の林道ライダーがアタックに来る様だけれど地域の人は勿論歓迎していない、今後は地元の方が中心と成って車両進入区域(怒田線の一部区間)での走行を発見次第写真を撮影し、ナンバーを控えて警察に届けるそうだ。


沢の遡上に特別な入林許可などは必要ない、歩く分には問題ないので狩猟解禁期間の服装には注して楽しい沢歩きと美しい「怒田の滝」を堪能して欲しい。


と、言う事で今回のエントリーは以上です。


アプローチ
亀山湖付近国道465号線、上総亀山近くの亀山郵便局先交差点から坂畑地区に入る。この細い道路から地元の農業道として使われている生活道路なので大きな車両は進入出来ない、途中からマディ+ガレ+急勾配とオフロードコースの体。軽トラかジムニー推奨、せめて軽自動車で来訪して下さい。


地図リンク
http://goo.gl/maps/IEtzi


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート- 廃虚 廃道 随道 秘境 廃橋 高画質


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

PR: ボルボR-DESIGNに、329psの興奮を。

REPORT - 0707│西沢渓谷 七ッ釜五段の滝

$
0
0

6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


山梨県│西沢渓谷 七ッ釜五段の滝


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 西沢渓谷 七ッ釜五段の滝


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝 コンデジ撮影画質


ひゃっほう七ツ釜、余りの美しさに皆殺しアワー。紅葉を最近撮って無いし素敵な沢を堪能したくて紅色真っ盛りの11月後半、歩きなれた埼玉の奥秩父から程近い隣県山梨は西沢渓谷へ行ってきました。以前より房総の七ツ釜は正義だとお伝えしてきましたがホンマもんはやっぱり違いますわ、房総ラヴな千葉県民も全米がアメリカン。


もうね、ホントね。


それでは最初に簡単な西沢渓谷の説明を致しましょうか。


日本の滝100選に選ばれる「七ッ釜五段の滝」、何と言ってもこの滝が人々を魅了する西沢渓谷。盛緑の頃の猛々しい迫力と紅く染めた憂いの染美で年間を通して数度訪れる方も居るとか、山梨県も観光でこの渓谷を推している様で行政サイトには以下の様な説明が丁寧に書かれている。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


西沢渓谷の魅力


西沢渓谷は、秩父多摩甲斐国立公園内に位置し国内屈指の渓谷美を誇る景勝地です。巨大な花崗岩を清流が浸食してできた天然の芸術のごとく、原生林を流れる渓流がいくつもの滝を作り、神秘的な魅力に満ちあふれています。


三重の滝、魚止の滝、竜神の滝、恋糸の滝などの名をもつ滝が続き、圧巻は七ツ釜五段の滝です。渓谷内はハイキングコースが設けられ、渓谷ならではの四季の変化が楽しめ、特に初夏のシャクナゲや秋の紅葉がおすすめです。


また、「森林セラピー基地」「21世紀に残したい日本の自然100選」「平成の名水百選」「森林浴の森100選」「水源の森100選」「新日本観光地100選」「日本の滝100選」などに選定されています。


西沢渓谷の歴史


西沢渓谷は、昭和37年に西沢と東沢の接点である「ナレイ沢」から開発が始まりました。当時ここからは道がなかったので、ノミで岩に穴を掘り、鉄棒を差込み、木を渡し、橋をかけていきました。大型の工作機械が入らない渓谷内の作業はすべて、人力によるもので、完成までには大変な苦労がありました。


現在では、遊歩道も整備され散策も容易になりましたが、渓谷であるが故の危険もあります。十分に注意しながら西沢の自然を楽しんでください。


山梨県 - 西沢渓谷
http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/sight/climb/ravine/nishizawa.html


上記サイトより一部抜粋


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


一応ウィキペディアのリンクも貼っておこう。


ウィキペディア - 西沢渓谷と東沢渓谷
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e8%a5%bf%e6%b2%a2%e6%b8%93%e8%b0%b7%e3%81%a8%e6%9d%b1%e6%b2%a2%e6%b8%93%e8%b0%b7


何よりも今後アタック予定の東沢渓谷の予備知識として西沢渓谷の地形造形を知っておきたかったってのも在る、チョロ沢こと西沢渓谷と相対し危険極まりない東沢。何れ勝負を挑むが今回はユックリと西沢渓谷を楽しむとしよう。


それでは今回のレポートを始めるとしようか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝

山梨県の観光協会が用意しているガイドマップ、以下リンクから大きなサイズのPDFがダウンロード出来るので興味の在る方は確認してみてほしい。


山梨県観光協会 - 西沢渓谷ガイドマップ
http://www.yamanashishi-kankou.com/sozai/asobu/nature/img004.pdf


目的地の七ツ釜五段の滝までは色々なウェブサイト、ガイドマップなどを見る限り凡そ120分掛かると記載されている。120分、我慢するのが大嫌いな僕らにとってはとても長い時間だ。って事でいつもの割橋の相棒とどの位早く行けるかやってみた、結果「五段の滝」まで40分弱だったが一般の方は絶対に真似しない様に。殆どマラソンだもの。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


最初は二俣吊橋を越えてから見る事が出来る「三重の滝」、うーん中々素敵だけど手前の岩が邪魔で景観的には面白みが欠けるなぁ。人が居なけりゃ入渓して遊ぶのだけれど…なんて言ってて結局入渓する事になる。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


暫く歩くと有名な「フグ岩」が見えて来た、と言うかこの辺まで来るとカラーチャートかって位沢山の色彩美が広がる。時期の選択が丁度良かったのかも知れない、保安員の方には「程々にね」って言われていたので余り無茶はしない(岩屋と沢屋だと伝えて在ります)。


んじゃやるか
「やりますかね」


倒木を登りフグ岩をナメ登するが以外とツマラナイ、どうしようか。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


フグ岩の後に見える斜面、結構急勾配だな。コッチの方が面白そうだ、今日はハーネスレスだしロープも無いからフリーで登れる所までな。


「これだったらロープ無しでも行けるっぽいですね」
いや、安全に行く為にはロープ…それにコルトパイソンが在れば完璧だろう。


やはり初期のロイヤルブルーフィニッシュがさぁ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


ナビエ-ストークス方程式の解の存在と滑らかさあぁぁっと思わず叫びたくなる遠近感無視の迫力在る「貞泉の滝」、僕らが下って撮影していると上の展望台からBBA様の「仕事ですかー?」。


いいえ、ただの趣味です。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


こちらは展望台脇から斜面を降りて撮影、危ないから同じアングル探さないで下さいね。


おっちゃんとの約束だ。


しかし自然の美しい事、一時期廃墟の「衰退美」とか「廃虚美」と言う滅びの美学に心奪われたけど本来「沢屋」としてこういう場所に来るとなぁ。うん、やっぱり自然が一番やで。ドライスーツ持って来て滝壺から撮影したいなぁ、カメラのハウジング欲しいなぁ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


整備された木道ではなく、やはり沢屋は沢を歩かなくては成らない。きっと明日は筋肉痛だ、それでも…あれ?寒いな水冷たいよ。駄目駄目、木道に戻ろう風邪ひいちゃうよ


フレキシブルな対応と思って頂きたい、私は大人だ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


水流が美しい「母体渕」、この辺は斜面がナメなので降りる際は気を付けて。西沢渓谷は全体的にナメが多いけれど沢シューズなら何処でも問題なく歩けるレベル、ただガレ場はトレッキングブーツの方が足の負担には成らない筈だ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


更に沢を遡上する、途中途中で大きな岩を見つけては登って撮影。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


うっ!


これは…チャーハンとカーちゃんを思わず勘違いしちゃいそうな程の景観だな。目的地の「七つ釜五段の滝」へ到着して少しばかり撮影していると森林パトロールの方が来て声掛け、まだ一般の登山客が来るには早い時間だから僕らの事が不思議だったのだろう。


森林パトロールの方と話しこんでいると一般の登山客には行けない撮影ポイントを色々と教えて貰えた、「ほら、あの樹に登ってこうあそこから」とか「ここから降りて滝壺を見上げる感じの…」とか。そんなん言っちゃ駄目でしょや、と言いたく成る素敵なポイントの数々。


まあ内緒だけどな。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 西沢渓谷 七ッ釜 五段の滝


滝壺には降りてみた、素敵だ。しかし僕が見たいのはやはり盛緑の頃よ、東沢は装備的に現状では難しいが来年にはナントカ成っている筈。こりゃ次のアタックは盛緑の五段の滝と東沢を一片にほにゃほにゃしてやんよ、…多分。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


観光で西沢渓谷へ訪れる方へ山梨県から注意喚起が幾つか在ります、現地の冊子とウェブサイトで公開されていますがココでも抜粋掲載しておきましょう。


・動物を伴っての登山はご遠慮下さい。


ペットと一緒に西沢渓谷を訪れ、連れてきたペットが滝つぼに落ちたり、そのペットを助けようとした飼い主自身が滝つぼに落ちたりする事故が発生しています。また、動物嫌いの子どもがおびえて足を滑らせ、滑落しそうになったという苦情が寄せられています。西沢渓谷の登山道は、狭い場所が多くあり、ペット同伴での登山は大変危険です。登山者みんなのため、ペットのためにも、ペット同伴の入山は控えていただきますようご理解、ご協力をお願いします。


・登山は登りの方が優先です。


登山は緊急時をのぞいて登りの方が優先です。西沢渓谷も同様ですれ違いが困難な細い道や階段などは登りの方を先行させて下さい。団体客の場合は案内人が相互通行の指示を出して下さい。


・河川内での飲食はご遠慮下さい。


団体客の登山者が中心に河川の水位が低い場所や砂利場などで飲食している方が大勢いらっしゃいます、天候の変化で水位が上昇する事も御座いますので河川内での飲食は行わないようお願いします。また飲食の際に出たゴミは必ず持ち帰って下さい。


山梨県観光協会及び西沢渓谷森林パトロールのウェブサイトと配布冊子より抜粋


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


さて、エントリー内でも明言してますが次の盛緑の時期にカメラ機材を入れ替えて本格撮影してきます。ついでに登山道具も持参して出来れば東沢渓谷のアタックもやりたいと思っておりますが結構危ない沢なので慎重に計画を立てたいなぁと、まあ何れにしても再訪エントリーをするつもりですので興味の在る方はまた見て下さいませ。


今回のレポートは以上と成ります。


アプローチ
国道140号線から西沢渓谷入口へ折れる、折れた先にT字路が在るので現地の案内板に従って有料駐車場か無料駐車場を選択。無料駐車場は約50台が停められる。


地図リンク
http://goo.gl/maps/lAUH7


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい


REPORT - 0708│震洋隊守谷特攻基地所属 鵜原火薬庫

$
0
0

6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


震洋隊守谷特攻基地所属 鵜原火薬庫


千葉県│鵜原火薬庫(日本冶金工業興津工場)


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 震洋隊守谷特攻基地所属 鵜原火薬庫


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート- コンデジ撮影画質


房総が大好きな千葉県民、知らずと地元県のレポートが多く成ります。今回は随分と昔から知られているけれど近年まで何故かレポートが少なかった勝浦の火薬庫跡へ撮影に向いました、行政さんにも協力してもらって詳細を知る事が出来て大満足ですが個人的に「」は薄いかなぁ。


すっかり沢屋全開のエントリーが増えましたがたまには廃虚でも、実は戦争遺構が多い房総半島の歴史を紐解いてみましょうか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


この物件は知ったのは廃虚を撮影素材として意識して直ぐの2010年位、ウェブ上では地元の青年数人が2006年に釣り人から得た情報を元に来訪したレポートが現在見る事が出来る初見の情報なのかな。まあ釣り関係のサイトやブログを探すと随分と以前から知られるポイントの様でして、その後2011年辺りから急に沢山のサイトで取上げられる事に成るのだけれど何かメディアに取り上げられたのだろうか。


詳細は少しづつ語るとして。


それではこの素晴らしい火薬庫のお姿を拝みに行きましょうか、と言っても2012年に大規模な倒壊が在った棟も在るし2006年に一番大きかった工場跡が企業買い上げで更地化、既に現在では別の建造物も建設されてしまっているので残っているのは本来の30%と言った所。


詳細な地図は掲載を控えるけど部分的にこの物件地形を交えてご紹介していこう。6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る 帯状に広がった凹凸煽状の山岳帯に幾つかの建造物がポツンポツンと見てとれると思う、コレが件の「火薬庫」跡の廃虚だ。国有地から行政管轄に移行した後に個人、企業と部分分配されて現在では複雑に土地の利権が分割されている。


この辺は調査して判明したのだけれど一部掲載を見送った、僕自身余り興味が無かったってのも在るけど色々と在りまして。
6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る さて、この広い敷地の中に点在する建造物達(一番大きな○部分は既に企業に買収されていて建造物が建てられています)、簡単にアプローチ出来そうでも現地に行くと一目瞭然。厳重に施錠されているし鉄柵は在るしで皆さん山を登って撮影に向われているそうだ、海岸からのアプローチも在るけれど正直ちょっと危ない。


実はね、普通に行けるんですよ。子供なんかだと特に楽にサクッと…もしくは個人所有の土地から許可を得て入れば柵の裏側に。(山中歩かずに1分程で到着します)
6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る この物件を語る上で良くエリア別にレポートされているブログなどを見掛けます、これ実は先程記載した「地元青年による2006年のレポート」が元に成っていまして。本来はそんなエリア区分が在る訳も無くてですね、当時の資料を引っ張るとこんな感じで説明されています。
6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る これらに加え、当時の建造物が残っていたらこの様に更に見所が在った筈、残念な事に2007年までには黄色印の全てが解体されてしまった。


因みに現在では自然に飲み込まれてしまった作業道が山間部に残っている(ハズ)、アクセスルートはそれぞれの掘削道だけでは無いのだ。


そう、この火薬庫。実は数棟づつに凹凸煽状の地形を掘削道で繋げ、専用軌道が引かれて火薬や荷物を運搬していた。現在残されている素掘り隧道の様なルートはその殆どが専用軌道の為に使用され、人間は別の作業道を歩いていた事に成る、この辺も実は資料が残されているので興味の在る方は国立図書館へどうぞ。
6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る 1973年の航空写真、この当時だと綺麗に工場(この時点で既に火薬工場では在りません)や火薬庫などが残っている。まあそれもその筈、この火薬工場は1976年まで人の手が入っていた。1975年にその殆どの稼動は終了し、翌年の前半期には全ての業務を停止している。


この辺も記述の資料に掲載されているのだけれど今回のレポートでは不掲載とした、理由は聞かんで下さい。色々と、ええ。申し訳ないです。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


前置きが長くなった、それでは「火薬精製棟」が残る俗称Aエリアからご紹介しよう。


ココも数棟自然倒壊と解体が在り、現在は都合2棟が残るばかり。「精製棟」の他には電気供給用の発電が行われた「電機管理棟」等が残る、工場棟として使用された長屋棟は2012年の初頭に半倒壊してしまった。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


電機管理棟は辛うじてその形を残しているけど時間の問題っぽい。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


半倒壊した精製棟は幾つかの主柱でさえ限界が近い、311の大地震でも倒れなかったけれどその影響はやはり色濃くて1年と持たずしての反倒壊だった。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


この他にも小さなコンソールルームなどが残っている、電機管理棟から各施設に電気を供給する為の物で幾つかの発電施設が存在したがこのAエリアには1棟(此方も半倒壊)だけ残されている。


因みに勝浦市役所の1階ロビーにはこの火薬庫とも関わりが深い戦争の歴史を紹介した展示が在ります、また個人閲覧限定(商用不可)で文献と資料が所蔵されています。今回はこの「商用不可」って事で情報を絞ってレポート、地元新聞社さんに写真提供するお約束が在りまして。それが行政経由では無くて個人経由だった為に商用扱いと成り…うう。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


俗称Bエリアへ向う為の軌道用掘削道の中、途中には保管庫が残されていた。ココは精製途中の薬品などを低温保存する為に用意されていた様で。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


左手側には資材庫、右手奥に向うとBエリアへ出ます。上部の掘削口には当時鉄製の階段が据え付けられており、上部に出ると作業道が残されています。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


本当は地図に火薬庫の番号振って一つ一つの特徴とか書いても良い位色々と調べたのですが本当に駄目、この物件色々と制約が多過ぎる。以前ウェブ上ではこの工場で働いていた方のお話が掲載されたページを発見、が随分と前に404に。


アーカイブ取っておけばよかった…。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


更に軌道用掘削道を抜けると所謂Cエリアに、正面の掘削道は出口で閉鎖されている。当時はDエリアと言うより管理棟や機械整備棟へのアクセスに使用された、資材用貨物車の他にも重機運搬用の貨物車が別途走行していた様でココから整備棟へ向ったとか。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


最近のこの物件レポートで良く掲載される「第五火薬庫」と「第一火薬庫」が残るCエリア、恐らく唯一の人専用の掘削道が残る珍しいエリア。勿論閉鎖されているけれど本来はDエリアと言われる解体された工場跡へ向う作業道だった、山間部を歩く作業道も別途ルートで残されている。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


それでは公開出来る範囲でこの「鵜原火薬庫」の歴史を語ろう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


その正式名称を「震洋隊守谷特攻基地所属鵜原火薬庫」と言う、特攻隊と名が付く通り戦時中の基地付きの火薬庫だった事が解る。まずは震洋隊から説明しよう、最初にウィキペディアのリンクを踏んで欲しい。


ウィキペディア - 震洋
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e9%9c%87%e6%b4%8b


この鵜原の火薬庫が所属していたのは震洋の中でも「第55震洋隊(1945年5月25日編成)」で神浦性太少尉が指揮官として従事していた特攻部隊の一つ、特攻部隊と聞くとどうしても空を舞う若い青年兵隊を思い浮かべるけど海にも存在していたのは余り知る人が少ない。人間魚雷に近い構想で装甲爆破艇を敵艦目掛けて体当たりして撃沈させる事を目的とし、その装甲爆破艇に積む火薬をこの鵜原火薬庫で精製(一部)したりもした。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


この様な1人~2人乗りの海洋特攻船だった震洋、その搭載炸裂火薬を鵜原火薬でも生成した。


第55震洋特別攻撃隊

指揮:神浦性太(少尉)
編成:1945年05月25日
甲艇:震洋一型(一人乗用)/震洋五型(2人乗用)
艇数:50隻/5隻
兵員:214名(戦死者なし/海難事故死1名)


戦時中は通称「鵜原特攻基地」と呼ばれ、数多くの余剰兵(機体の数が揃わず海洋戦に回された青年兵)がこの地で従事した。当時の写真を見て貰おう、


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 鵜原火薬庫 日本冶金工業興津工場 山中に眠る


これは結成当時1945年5月に撮影された第55震洋特別攻撃隊の集合写真だ、そして撮影された場所は勝浦国民学校と言う。勘の良い方はこの校名と後の背景でピンと来ただろう、そう…この場所は現在の勝浦市立清海小学校の校庭だ。


清海小学校と言えばこの火薬庫のアプローチ入口のお隣さん、当時はココに今とは別の施設と建造物が在って従事兵が常駐していたのが伺える。


この後の山向こうに鵜原火薬庫は既に存在している、と言うか。元々この鵜原火薬庫は特攻基地の「火薬保管庫」と「火薬精製工場(当時は製鉄工場も併設)」の2つの顔を持っていた、戦時中の紆余曲折で統合稼動する事に成るのだけれど少なくとも戦後も工場は運営され、約40年前までは全ての建造物も残されていた。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


勘違いされる方が多いが元々は別々の施設、戦時中に日本軍が日本冶金工業興津工場を軍需工場として指定したが為に後々1つの施設として認識されたけどDエリアと呼ばれる部分は少なくとも民間企業の工場だったのだ。


ウィキペディア - 日本冶金工業興津工場
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%97%a5%e6%9c%ac%e5%86%b6%e9%87%91%e5%b7%a5%e6%a5%ad


少し火薬庫に話を戻そう、勝浦市教育委員会にお話を伺う事が出来たので最後にこの火薬庫誕生の秘話と言うか歴史と言うか…そんな物を。


第2次世界大戦末期、勝浦には特攻隊の基地が集中していました。と、言うのも戦争末期のアメリカ軍の本土侵攻作戦で「千葉県の外洋側が最初の戦場に成る」と想定されていた為で、鵜原を含めた勝浦上空はB29の通過コースだったと当時の資料に残されています。


八丈島の電波探知機が敵機を捕らえると勝浦に電報が入ったそうで、特攻隊としての役目の他にも海洋戦~上陸作戦~陸戦の戦況を握る重要な地区だった事も守谷基地が設置された大きな理由だったとか。

その後日本の旗色が悪くなり特攻部隊が編成され、海洋特攻隊として第55震洋特別攻撃隊が守谷基地付きで設置されます。その震洋に搭載する火薬を用立てる為に急遽建造された火薬工場と保管庫、コレが「山中に眠る火薬庫」と噂された鵜原火薬庫の正体でしょう。


勝浦市教育委員会の担当さんによると当時の歴史を調査した「市史編纂室」も解散しており、常駐していた歴史関係専門職員が現在は居ない為これ以上の詳細(一部伏せていますが)は市でも解りかねるとの事。いえいえ、大変お世話に成りました。


諸説噂されているこの火薬庫ですが勝浦市教育委員会と地元の新聞社さん、それと国立図書館の資料にて記載されていた文献を元にまとめたので恐らくは歴史と合致しているとは思うのですが…当時を知る人が殆ど生存していない事などから更に古い歴史は辿れませんでした。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


最後にこの場所が現在でも地元では心霊スポットとして知られる理由、これを書いて終わりにしましょう。

終戦後、軍需工場指定から除外された日本冶金工業興津工場。1957年の11月30日に「日本冶金工業興津工場爆発事故」と言うカーリットの填薬工室爆発事故が発生します、死亡14名、重軽傷17名の合計31名が死傷する大きな事故でした。


これは現在でも産業別爆発災害の事例として労働災害のレポートや対策会議に引き合いにだされる事でも有名だそうで。


実際には戦死者が出ていないのだけれど軍需施設だった事と記述の爆発事故が合わせて語られる内に兵隊さんの幽霊が云々とスポット化したと思われる、まあ火薬庫側の区域で事故が起きてない訳だから全く関係ない話の筈なんですけどね。


って事でこの「震洋隊守谷特攻基地所属鵜原火薬庫/日本冶金工業興津工場」のレポート終えたいと思います、写真沢山撮った割にはテキストボリュームのが重いって言うね…ええ。


殆ど答えが出てますが地図リンクは不掲載です、撮影の許可申請に関するお問合せにもお答え出来ませんです。因みにプレス以外の個人での撮影許可に関する問い合わせは教育委員会も地元企業も一切応じる事が出来ないそうですよ、まあそりゃそーか。


本日は以上です。


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

REPORT - 0710│天津坂本2号ループ橋

$
0
0

6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


千葉県│天津ループ橋


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 市原天津小湊線坂本2号橋


房総の道はツーリングや山歩き、沢歩きの場所移動でアチラコチラと走り回るのだけれどずっと工事中の気に成る橋が頭から離れなかった。清澄養老ラインとして実に沢山の方が利用する観光主要道路、県道81号線に建設中のループ橋だ。国道128号線から養老方面へ向う為のメインとして地元の生活道路としては元よりバスや他県の観光で訪れた車が多く通行するこのループ橋を擁する県道81号線、恐らくは誰もが一度は気に成って視線を向けた大規模な工事中の橋が在った筈。


国道128号線から県道81号線に折れて約1キロ半、そこには巨大な工事用の鉄骨仮設橋と建設途中のループ橋が目に飛び込んで来るだろう。一般的な通称としては「天津ループ橋」、工事関係者の中では「天津坂本2号橋」、資料によって色々な呼び名が在るけれど正式名称は以下の通りだ。


「市原天津小湊線坂本2号橋」


まだ日本に帰国したばかりの頃に自転車で走った時は鉄骨の仮設橋さえ完成していなかった、その後サイドカーで通った時もモタードでズリズリの時も一向に完成しないこの橋は一体何の為に作っているのか解らない不思議な橋だなぁと思ってはいたのだけれど。その謎を解く切っ掛け迄はこの橋を知ってから15年以上の時間を要する事に成る。


時は移って山の相棒と「割橋」を初めたのが2年前、ああ…そう言えば房総に丁度御誂え向きの鉄骨橋があるじゃないかと記憶が呼び戻される事しばしば。それから少しづつこの橋に関する情報を集めるものの機会に恵まれなくて片思いする事1年半、待ちに待ったご馳走をやっとこさで頂きにやって来ましたよ「天津ループ橋」さん。本当に待ち焦がれていたんだ、通り過ぎるだけの関係じゃもう我慢できないのよ。


この橋に関する詳細はいつも通り最後尾に記載するので興味の在る方は是非お読んでほしい、それでは魅惑の二重螺旋天津ループ橋のレポートを始めましょうか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋

ああ、もう駄目だ。始める前からこの迫力に殺られてまうわ、どないしよ。山間部に突然と現れる巨大建設物に相棒のボルテージアンリミテッド、防寒服も既にエクスポロージョン寸前だ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


スタート直後の不幸に見舞われた私達だったが悲しんでばかりではいられない、彼の死を無駄にしない為にもこの巨大な鉄骨橋を割ってやんよ。んじゃまずは簡単な経過概要からご説明しよう。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


以前の姿を撮影していないので写真引用を利用しながら解説していこうか。


2008年ではこの状態、まだ工事車両の為に仮設鉄骨橋さえ完成していない。この真っ赤に錆止め塗料が塗られた鉄骨は本来の橋ではなく、工事車両が走行・作業する為の仮設橋。写真手前の建設中のコンクリート基礎部分が今後延びて道路(ループ橋)と成る。


写真引用:マルセ的世界│http://maruse164.blog47.fc2.com


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


2年後の2010年、綺麗な二重螺旋が完成しつつ在りますね。本来の道路と成る部分が迂回出口まで延びてもう少しで連結されそうな迄に工事が進んでいます、本当はこの時期に行きたかったんですよ。この時なら橋の主柱からも降下出来ただろうなぁ。


と行ってもツルツルの主柱じゃラペってより上部鉄骨からのリペに成るのかな。


写真引用:風に向かう刻│http://samurai.blogzine.jp/kaze_toki


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


更に2年後、2012年。迂回用のループ橋はほぼ完成して前後の山間部を切り開く工事が始まります、道路が出来れば現在の九十九折れは廃止されて(共用案も在る様です)ループ橋と新設迂回路が使用されます。勿論このループ橋自体は完成した訳なので仮設鉄骨橋はこれから解体作業に入る訳です、今回の訪問は解体前にギリギリ間に合った状態でした。


写真引用:道にあるちょっと古いもの│http://ameblo.jp/papagenopapagena6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋航空写真だとこんな感じ、道路の完成度から見ると今年の撮影と思われる。これから現在の県道81号線を大きく迂回する形で山間部を切り開き、新県道81号と成る迂回道路が建設されます。


航空写真から地図モードにすると道路の予定路図が表示されます(最後尾の地図リンク参照)、この様な建設過程を辿ってきたループ橋も完成間近で作業用の仮設鉄橋も解体の危機。そんな訳で割橋メンバー2人でジャングルジムを楽しむ事に成った訳です、って事で本題のレポートを。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


突然の死」を迎えた筈の相棒も何時の間にかその辺で写真を撮り始めているので此方も撮影開始、それにしてもボディハーネス着けてカメラと機材もパッキングすると動き辛くていかんな。


これから挑むこの仮設橋は斜面に作られていて上段と下段では仮設橋の高低差が違う、最上部から最下部(斜面下部の地上)迄は恐らく30メートル(鋼台単一では最大25メートルの高さ)以上の差が在るのだけれどパっと見た感じは「君津エースの廃橋」の方が高さを実感出来る。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


まあ兎に角機材を落さん様に、それとハーネスとカラビナの確認を怠らずに行きましょうか。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


きゃん○まモゲそうな素晴らしい光景が飛び込んで来た、これは確実にモゲるな。とか思ってたら相棒の方が先にモゲた。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋



若いだけあって元気が良い、跳躍に勢いを感じる。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


ほうほうの体で確保した相棒のアレだったが易々と返すわけにもいきますまい、世の中金次第だよ、キンだけにな。ほーら、こっちだー。


早くしないとおでんの具にしちゃうぞー。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


激昂した相棒に奈良づくしをお見舞いされ、危うくアレする所だったがどうにか落ち着きを取り戻して撮影再開。


しかしコレは本当に凄い風景だ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


ホーリーシッ


来て本当に良かった、すっかりとこの大きなジャングルジムの虜に成っちまったよ。しかし中々と高さを表現した1枚が撮影出来ない、設置の位置関係が複雑で構図が難しいんだよなぁ…と思ってたら。


相棒が撮ってくれてた。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


生きてて良かった。この上ない喜びであります。


うん、高所興奮症割橋ストにとってこの複雑なトラスと高さは呑み過ぎた翌日の味噌汁より旨い極上のご馳走です。


photograph:+10


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


おや?


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


余りの美しさに何か格好良い事を言いたくなった。


時に無言とは、有象無象なる言葉より雄弁となる(キリッ
「…だったら無言で語ればよくないですか」


くそ、イライラする。

6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津ループ橋 市原天津小湊線坂本2号橋


ドラム缶にねじ込んで硬化ベークライト流し込んでやろうかと思ったが生憎とさっき飲んだモーニングショットの空き缶しかないので止めた。帰路アプローチの最中も撮影は続き、静寂の山中に時折響くシャッター音は文明開化の音がした。


さあ帰ろう、僕らのマイホーム病室へ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


市原天津小湊線坂本2号橋


通称「天津坂本2号ループ橋」、「天津坂本2号橋」や「天津ループ橋」とも呼ばれる建設中の巨大ループ橋。その美しい二重螺旋は本道(ループ橋)と工事車両用の仮設鉄骨橋が併設されているから。


初期構想は1980年代後半、県道81号線上で一番カーブ角が酷く九十九折れの箇所を大きく迂回して安全走行の向上を考慮して発案された大規模道路工事計画だった。計画書では1991年から2010年の約20年で完成する予定だったが途中事業計画の見直しや予算補正案などの問題も山積して中断時期が発生する、2005年から再度計画が練り直され全工程の完成は2020年に延期された。


現在県が公開している工事期間については下記参照。


千葉県 - 主要地方道市原天津小湊線
http://www.pref.chiba.lg.jp/cs-awa/douro/shuyouchihou.html


建設途中の見学会など近年は工事進行に行政も気を使い、今後の観光主要道路としての改善策事案の一つとして重要視している様です。見学会の模様は下記リンクより。


土木の風景 - (仮)坂本2号ループ橋 no.247
http://blog.livedoor.jp/gijutunohiroba/archives/51318573.html


その後の見学会や関係者研修会の模様は下記リンクより。


千葉県地質調査業協会ホームページ - 安房地域整備センター合同研修会
http://chisitsu.livedoor.biz/archives/1422162.html


事業計画の当初の予定通り最初の10年(2000年期)でループ橋を含む迂回路(新県道81号区間)の始点部分980メートル終点部分800メートルの工事は順調に進んでいた。記述の問題も在って数年の工事中断期間を経て2005年に新たに事業計画を発案、2013年前期にループ橋部分も完成し残すは橋を挟んだ迂回路の道路部分だ。


未供用区間はループ橋部分から先の940メートル(ループ橋を含む)、現在の県道81号線から山間部を大きく迂回する形で切り開く為の大規模な工事も今後予定されている。


県としても地方行政としてもこの工事は何としても2020年までには完成させたい理由が在る、特に地方行政の焦りが如実に解るのは近年の海岸沿い観光能力の弱体化。山中側(養老温泉側)には七里川温泉、養老温泉を始めトレッキングコースや単発の観光名所がまだまだ集客を見込める状態だ。しかし鴨川から勝浦に掛けての海岸沿いの温泉宿や鮮魚割烹などの店舗数は年々減少し続け、海水浴客もピーク時に比べると半分以下と言う現状。


そんな中、2021年に日蓮の生誕800年と言う記念期を迎える。誕生寺や清澄寺など関連する宗派施設は記念行事を年を通して予定していてその記念行事にあやかる周囲の観光施設も多い、つまり落ちる金額の大きいイベントの前に観光主要道路を完成させたいのだ。


現在の道路状況だと大型の観光バスはこの県道81号線を通過する事が出来ない、元々は山間部の安全通行が事業計画の基本だったのだけれど時代背景を反映してか2021年の為にどうしても完成させたいのがこの「市原天津小湊線坂本2号橋」の正体と言う訳だ。


最後にこのループ橋に関する学術的な解説をしているサイトをリンクしておこう。


鋼箱桁ラーメン橋(清澄山道ループ橋)の剛結部の施工

http://www.ejcm.or.jp/new_07ronbun/16/16h-070.shtml


山歩きをしている方にはご存知かもしれないけどこの周辺には一般には全く認知されていない旧道なども在りまして、その中にはこの迂回路と交差する部分も在って今後問題化しそうな事案もちらほらと。


ままま、完成したら便利に成るのは確実な道路なので是非完成して頂きたいものですねぇ。と、言う感じで今回のレポートは以上です。


6Frogs - 毎日をデザインで考える-割橋プロジェクト


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


アプローチ
国道128号線から養老渓谷方面へ折れる清澄養老ラインがこの県道81号線です、県道に入ってから1キロ半程で建設中の天津ループ橋と成ります。


地図リンク
http://goo.gl/maps/S26ui


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい


PR: デザイナーの求人情報・転職支援はマスメディアン

REPORT - 0711│天津滑山 大山祇神社 確認再訪

$
0
0

6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


千葉県 │ 天津滑山 大山祇神社


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 神道教派 御嶽滑山大山祇教会


※ 2013年01月の模様です、現在の状態では在りません。


2011年からその回帰模様を拝見させて頂いている房総の山岳信仰神社、「大山祇神社」の様子を今年も確認しに行って来ました。2012年の時点では前年度の震災と大型台風で崩壊が進んで居たのが顕著に見てとれたけど今年(2013年)はどうだろうか。


信者でもないのに毎年正月の時期にこの神社に来てしまうのはこの廃美だけではなくて歴史や現在に至るまでの沢山の調査内容が総じて興味を惹く魅力に溢れているからに違いない。


今迄の詳細な調査内容は以下の過去エントリーからどうぞ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


興味を持ち始めてから伺った最初のエントリー


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


膨大な調査資料と協力頂いた他のサイトの管理人さん、そして鴨川市の教育委員の担当さんに多大な感謝。やっとこさでその全貌を解き明かした。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


それでは今年の様子を見て頂きましょうか。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


おおおっ、掃除されている。しかも極々最近というか数日前に行われたご様子、恐らく新年を迎える数日前の大掃除が行われたのだろう。


1年以上置かれているお茶のペットボトル、献花台などは特に変わりないが御札が少なくなっていた。そして感じるのは明らかに参拝客が減っていると言う事実、しかしながら散見していた奉納額神祭用具が無くなっているのには驚いた。賽銭箱も無い、コレは一体どうした事だ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


これは何だろう、全く解らない。貼り付けられているのは古銭でもないし、しかしその形は明らかに鳥居のそれだ。と、言うか以前は無かった物だから崩壊が進んでまた天井裏から落ちて来たのだろうか。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 天津 神道教派 御嶽滑山 大山祇教会


恐らく。きっと今年の内に最後の柱が折れてしまう、もう終わりなのかもしれない。2年間だけなのだけれども何度も足を運んで見てきた神社の内部、壁は更に剥がれ落ちて柱は訪問の旅に少なくなっていく。屋根も最初に来た時に比べて半分程に成ってしまった、どうする事も出来ないけれど崩壊後にだって再び訪れたいと思わせる何かが確かにこの場所に在る。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


2013年中にまた再訪予定です、夏季を予定していますが別物件で付近を通過する時は寄ってみたいと考えております。


アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。


地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。


※ 自分も教えて頂いた身です、場所がどうしても解らず現地に赴いてみたいと思う方は御連絡下さい、対応致します。


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

REPORT - 0712│磯根崎未成道 山間部区間

$
0
0

6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


千葉県 │ 磯根崎海岸道路


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 磯根崎未成道 山間部区間


本日は内房の廃道さんへ伺った模様をお伝え致します、房総半島には結構な数の廃道さんが残るのだけれどもこの「磯根崎海岸道路」はトレッキングコースにも指定される位ちょろい行程でして。疲れますよ、そりゃ。辛いですよ、それなりに。んだどもこう「地球終了じゃん」的な?そんな一瞬で腋毛が5センチ位伸びる様なアプローチの難易度は在りません、んじゃ何故行くんだと問われると。


ええ、何故でしょうねぇ?


ああ、この廃道。通称名の名付け親でも在る廃道系サイトの大御所「山さ行がねが」の廃道レポートにもリストされておりました。詳細はこの際そちらでお願いします、アレコレやってると必ず先人の素晴らしいレポートを見つけます。皆頑張ってるんだなぁ。


山さ行がねが - 磯根崎海岸道路(仮)
http://yamaiga.com/road/isone/main.html


ついで物件で歩いた「磯根崎海岸道路」の前半に当たる山間部区間、夏季には後半「海岸部区間」を予定しているけれど取り合えず先行してお届け致しましょう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋

もうコレもん、入口からしてコレもんだもの。丁度ループしている廃道の進入口を歩いている、対面通行の2車線分の広さが中々の迫力。行政さん曰くこの道路の再利用は無いとの事、そりゃそーだ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


ループ部分の上部、辛うじてガードレールが残っている。しかしこのループ部分の道幅がどうにもオカシイ、さっきまで余裕で2車線在ったのに登りカーブを過ぎたら急に1車線分の広さに。


コレは工事が1車線部分のみしか進まなかった為で本来は右側(海側)にもう1車線分アスファルトがひかれる筈だった。そうなのですよ、写真からは想像出来ないけど地面は過去にアスファルト工事が行われているのです。今じゃ土が堆積してこの有様だけれども。


股関節の調子が悪い相棒が面倒スメルな顔でヨチヨチと歩いているので


だからやる気出せって
「やるぞー(棒」


はぁ(帰りてぇ)
「…(コッチだって帰りてぇよ」


!(コイツ、直接脳な…)あれ?声に出てるよ、あんた。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


途中大きく円を描く場所が在る、これは進入口手前の「浅間神社の鳥居」の参道入口と成る本当の鳥居。手前の鳥居はこの廃道が新設された事によって新たに設けられた仮設置の様な鳥居なのだ、昔は別の参道が在って現在も実はその道を歩く事が出来る(もう道とは言えない状態だけれど)。最初は里宮と奥宮かなぁとも思ったのだけれど設置された経緯を調べるとやはり道路工事に関係しての新設された鳥居と本来の山宮と言う関係っぽい。


ここから廃道(工事予定区間)とトレッキングコースに分岐する、今回は少しだけトレッキングコース(峰沿いを歩く山道)を通ってみた。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


※ 夏じゃ在りません、1月の真冬の写真です。


この工事予定だった獣道を少し歩くとトレッキングコースの入口が姿を現す、非情に解り辛いので山道に慣れてないとその間々廃道へ誘われてしまうのです。


しかし先程から相棒が限界臭い。


「こ、これは難しいルーファンですね…。」
確かに。しかし落ち着いてフォアに回り込んで眉間を狙えば何とかなるだろう。解ったか麗…


じゃねぇよ、一本道じゃねぇか。思わず釣られちゃったよ、一本釣りだよ。一本道で一本釣りだっつーの。


「2度言いましたね」


大事な事だからな。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


峰沿いを歩きます、房総の山歩き本にも掲載されているコース。一見楽ちんな道幅に見えるけれどそうはイカの金玉なのが房総の怖い所、ちょっと油断すると谷底へコロリンヌ。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


廃道に軌道修正して先へ進みます、そしてちょっと綺麗。


女子力高いな、この廃道。素敵よ!


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


ちがう!考えてたのと違う!


そうじゃないだろうがー。何で真冬なのに背丈より高いブッシュが並んでるの?ホームラン打ってないよ、ハイタッチする意味ねぇよクソ。鬱陶しいよー。


が、その10分後に風景は一変する。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


山間部区間を抜けるとそこは断崖絶壁の素晴らしい風景が広がっていた、随分と突然じゃないですか。


「疲れましたね」
え?うん、まあそれなりに


「風が強いですね」
仰る通りです


相棒がやはりオカシイ、第三股関節が曲がらないとか何とか…第三?


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


斜面が在る、私には2本の脚が在る。不幸にも健脚である、不幸ゆえには眼前の斜面を登らなくていけません。写真じゃ解り辛いのだけれど凄い斜面、でも何故か。そう、何故か登れる気がして登らなくてはいけない義務感みたいな物を。


感じてしまった。


6frogs 廃墟 廃村 廃道 秘境 磯根崎海岸道路 未成道 ループ橋


馬鹿、わいは馬鹿や。折角登ったのに登った事に満足したのか最上部では写真を撮らずに中腹まで降りて来てしまった、そしてやっとこ気が付くのだ。


写真撮りたいから登ったのに、と。


もう一度登る気力は勿論ないので中腹部分で海に黄昏れる相棒を一枚、彼…ここに来てずっと動かない。


死んで、いるのか。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


さて、磯根崎海岸道路の山間部区間は以上です。歴史検証なども含めて特に書く事もなくただ山中の廃道を歩いただけって言うね、ホント何しに行ったのって言うね。


だがしかーし。


後半の海岸部区間は素晴らしいロケーションである事は確済み、草木が生い茂る夏季に再訪を予定しています。そのエントリー時にはもう少しまともなレポートにしようと思っておりますので何卒お忘れ無き様、宜しくお願い致しまする。


アプローチ
この廃道のアプローチには全工程を通してのスタート地点と後半の海岸部区間から歩く途中エントリーのスタート地点が在ります。今回は山間部区間を歩く全工程を通してのスタート地点にてご説明します。


目指すは大貫中央海水浴場や大貫漁港を擁する磯根崎、国道465号線から川端鮮魚店から漁港方面へ折れます。漁港入口の偏差路で磯根崎へ方面へ折れると突当たり(アスファルト舗装道路の)から更に砂利道が続きます、その砂利道を更に直進すると車両通行止めの簡易ゲートが在ります。その地点から廃道スタートと成ります。


地図リンク
http://goo.gl/maps/kPAFV


photograph - nee


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-ブログ村 ランキング 廃墟写真


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-人気ブログ ランキング 近代化遺産


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 探訪目録07

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃村 廃校 廃道 廃橋 遺構 注意点


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


ここから下はブログ内容と一切関係ないブログサービスの広告スペースです、誤ったクリックなどにご注意下さい

Viewing all 455 articles
Browse latest View live