埼玉県 │ 狩倉岳 石舟沢鍾乳洞
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 狩倉岳 石舟沢鍾乳洞
最後の確認として 石舟沢鍾乳洞の埋没ポイントに再訪してきました、あれ程美しかった石舟沢も土砂崩れで荒廃し、 失われた絶景に想いを馳せつつ現地の様子を撮影しました。上記追加エントリ ーバナーをクリックするとご覧頂けます。
2015年10月、規制後に崩落して手付かずの石舟沢上流の現状 を見て来ました。結果、現場は酷く荒れ果てており、美しかった石舟沢やビギナーケイブで評価が 高かった石舟沢鍾乳洞は埋没で消滅していると言う非常に残念な事に成っていました。
やって来ました、やっとこでやって来ましたよ石舟さん。前回土砂没で入洞出来なかった(※1)石舟沢鍾乳洞、その後 に入林許可などを取って石舟沢とケイブの美しさを再確認して来ました、リベンジケイビング 「狩倉岳石舟沢鍾乳洞」のレポートを皆様にお届けしたいと思います。
※1:雨で流れたのか簡単なディギングで入洞路の確保が出来 ました
おおっと、その前に前回も記載した注意点を。
この場所、勿論一般入洞は出来ない、入洞するには入洞届けと県有林内の入林届けを提出して許 可が降りてからとなる。基本的にケイビングの経験が無い者には許可が降りづらく、ケイビング団 体単位での認可と成る。行ってみたい方は既述の通りケイビング団体に所属するか体験ケイビングに申し込んだ上で行って欲しい。
※ 2013年現在一般の入林は難しいようです、団体単位(各地 域山岳会かケイブ団体)で行くしかないでしょう。
と、こんなくだりを前回の訪問レポート冒頭で書いた。
しかし現在はこの鍾乳洞を擁する石舟沢は入林も入洞も 許可されていない。入洞自体はPCC (パイオニアケイビングクラブ)、そして山間部は秩父市(秩父農林 振興センター林業部)が管理していた。
奥秩父の洞穴の入洞規制について - パイオニアケイビングクラブ
https://goo.gl/XVFHpD
しかし2012年の登山事故によって入山環境は一変する。
秩父市埼玉県の県有林内鍾乳洞立入禁止 - 東西トレック
https://goo.gl/yL1Xz2
県営林からのお知らせ - 埼玉県
https://goo.gl/iYoQEG
この事故によって中津川周辺の県有林内の鍾乳洞への入洞を全面的に禁止。 対象洞穴には石舟沢鍾乳洞、仏石山鍾乳洞、藤十郎沢鍾乳洞を含む林道も入林禁止に。ケイビング 初心者や登山と言うスポーツを理解していない登山者によって素敵な自然環境を楽しむ機会が減ってしまったと言う訳だ、本当に残念で成らない。
それではレポート開始です。
石舟沢の登山道入口は現在廃道の途中に御座いまして、なので車のデポ地で準備を整えて出発します。今回の参加人数は全部で4名、実はこの4人は2012年のメインレポートだった房総の秘瀑「間滝」のメンバーでも在りました。
※ 房総の滝では非常に困難なアプローチ(正規ルート)を要 する秘瀑、現在は遡行ルートが開拓された。
後にあの滝を越る仲間達だ 、今回だって美味しく頂こうじゃありませんか。いくぞーっ。
アプローチ開始地点まで廃道と成った旧道を少々歩く、すると出くわすのがこの橋。この橋は旧道上に残る廃橋で長栄橋と言う名称、この橋西側から今回のアプローチルートと成る登山道が延びています。鍾乳洞までは結構な道のりですが起伏に飛んだ中々遊べるルート、そ して結構危険だったりします。
※ 許可制だったこの登山道も現在は一律的に進入禁止に成っています(一部団体を除く)。
石舟沢の登山口、ココから暫く辛い登りが続くのです。
この腐った木道付近で素人登山団体が滑落事故を発生させました、事故内容のレポートを見る限 り安全対策もしておらず登山の格好でもない登山団体が無許可で入山した上で事故…その所為でこ の一帯の県有林は一般の入山を禁止しました。
現在入山出来るのは一部の管理団体(PCC)か林業関係者、そして市の職員のみと成っていま す。勿論私達も入山禁止後は管理団体と同行して入山しています、しかしそれもスケジュールの都合が何とも…早く個人で入れる様に戻って欲しい限りですね…。
前回間違えたトウタロウ沢と石舟沢の分岐、今回はスンナ リ。
中央に薄っすらを踏み後が残るのが解るでしょうか、しかし。
この赤線から右側は実は急斜面な崖っぷちさんです、植物が在るので怖さが在りませんが冬場は 結構オッカナビックリな筈です。
お恥ずかしい事に2度ほど踏み外して滑落しそうに成りました、危ねぇ。
中盤見所の石舟沢の大ガレ場、殆どがガチ場なので遡行に問題は無い。
石舟沢鍾乳洞の洞口に到着、気温は外気温で20℃程だったけれど約1時間の登山で随分と暑く 感じた。一方鍾乳洞の洞口からは10℃前後の冷たい風が、汗を乾かして体感温度の温度 差を少なくす(※2)為に暫く休憩する事に。
※2:身体にストレスと成る外気温の落差を少しでも無くす事 で低体温症や筋肉弛緩を予防します
おい弟子(2*歳♀)、トイレットペーパー持って何処へ行こうと言うのだ 。貴様、まさかこの雄大な自然の中で…いや、そんな事はないか。しかし…。
「えーとですね、どちらに…その、えーと」
「琵琶湖は”川”なんですよ」
「へー、そうなんだ。勉強に成ります。ところで今から、どちr」
「1回30cmとか絶対無理ですよね」
そ、そうだな。いや、何の話だ。
彼女の足は止まらない。
「おい、その白くて薄い紙をロール状にした物を一体何の目的にt」
( ^ν^)「amazonで買った!」
え?
( ^ν^)「amazonで買った!!」
いや、お前さっき高速のSAでパクってきt
無事洞口へ到着し、これと言った”トラブルも無く”、実にスムー ズに入洞を開始した我々だった。何も無かった、何事も無かった(2 回目)、少なくとも記憶にはない(確認)。
そうそう、石舟沢鍾乳洞の洞口はとても狭い。500mm程の洞口で下へ潜 る様に匍匐で前進、その後45度身体を屈伸させて体の幅ギリギリの狭い斜面をトラバースして移 動する。実は最初のアプローチが結構な難関だったりします、何せ荷物や機材をバケツリレーで流す必要が在るので本当に面倒クサイのですわ。
※ この辺はクロサンショウウオが結構な数でモサモサしてる ので気を着けて。
入洞して5分程でホールに出る、石舟沢に幾つかの大きな ホールが在るのだけれどこのホールが一番大きい。ここから右奥へ上ルートと下ルートで分岐、と 言っても着く所は同じなので比較的安全な下ルートを選択。
ケイビングは初体験の間滝メンバーの彼、この美しいケイブホールで悠久の造形美 を想うのだろう。
(´-`).。oO(今週のジャンプって合併号じゃん…)
そんなことはなかった。
更に進む、ココまでは複雑な分岐も無くてケイブ初心者2人をサポートしても問題無かった。予 定ではそろそろ洞内滝「白龍の滝」が姿を現す頃だ、水が流れる音も聞こえるの で付近までは来ている筈。
美しき石舟沢鍾乳洞、実はここからが本番だ。
第2ホールに到着、そして正面に洞内滝「白龍の滝 」を確認。ケイブでシャワークライム、うーん素敵。コレがヤリたくてココまで 来た様なもんだしなー。
周囲を確認するとビレイ用に打込されたアンカーが数箇所見受けられた、シ ャワークライムの難易度から考えてもフリーで十分、寧ろリードが邪魔に成る様な場所。初心者2 人の降りは多少不安だけれどまぁ取り合えずはフリーで登りましょうか。
※ 6~7メートルの複合瀑布ですが季節によって水量が異な ります、非常に危険な場所なのでもし来れたとしても真似はしないで下さい。滑落なので怪我をし た場合、レスキューもこの場所までは来てくれません(2次被害防止の為)。セルフレスキューが 可能な場合のみ直登が可能な場所です、何より個人単位での来訪は禁止されているので絶対に控え て下さい。
トップはいつもの相棒、今回インナータイツを着用していない彼は出来る限り濡れない様に多少無理な体勢だ、その位の余裕 は十分に残せる難易度(ケイブ慣れしていればの話です)で安心し た。
※ 洞内で川や滝が在る場合の装備
これは一概には言えないのだけれど洞内に川や滝が在り、シャワークライムや地底湖ダイブが必 要な場合はドライスーツやドライタイツが必要です。外気温と関係なく鍾乳洞などの洞窟内は通年 10℃程の気温、寒さ対策と水に濡れた時の揮発熱に因る体温低下は自覚出来ない程の危険性を秘 めています。石舟沢鍾乳洞の場合、中級者以上ならば殆ど濡れずに全ての行程を終える事が可能で すが万が一を考慮して是非ドライスーツなどの対策を行って欲しいところです。
水量はそこまで無いのだけれど水圧と言うか、勢いが在って飛散した水で濡れるのが少々嫌だっ たかなぁ。兎に角洞内は寒いので体温は出来る限り下げたく無いのです。
弟子(2*歳♀)が相棒の様子伺う、撮影の邪魔だから入ってくんな。シャワークライムは以前 房総の「田代滝」で経験させているから大丈夫かな…どうだ、弟子。行けそうか ?
「大丈夫だ、問題ない」
妙に男っぽい声で返答、どうやら進研ゼミの予習が効いてる様だ。
実はこの後更に奥まで進み、アレコレと見聞したのだけれど夢中で遊んでしまい撮影レス。間滝メンバーの彼は昇りではでは無くて帰路で降っている最中の模様です。
因みに弟子(2*歳♀)は初めてずくめのケイブで腕の筋肉がパンプしてしまい、誰ぞが打ち込んだビレイ用のアンカーを使用させて頂きました。上下の九の字(プーリーレスで人間がプーリーの代わりに成る)でビレイを取ると言う狭くて変則的なラペサポート で弟子を降下させる事に成功、これも良い経験です。
※ 石舟沢鍾乳洞は上下左右に枝路が多くて迷子に成りやすい ケイブです
因みにこの付近には他にも入洞ルートが在りまして、その場所はチムニーだったりするので自力脱出が出来るロープワークスキルの持ち主のみが色々なルートを楽しめる懐の深さも魅力です。
ほんじゃ帰りますか。
外に脱出出来て一安心、不要な装備をパッキングして付近の探索+撮影開始。予定通り14時に洞内から出る事が出来たのでユックリと帰る事にします。
大自然すなぁ。
石舟沢鍾乳洞を要する中津川水系の石舟沢、藤十郎沢も同様に沢のアップダウン 、涸れ、ナメ、ガレと実に 起伏に富んだ沢歩きを楽しめる。前半は崖横の斜面を緩い地面で横断したり信用 出来ない木道を歩いたり、後半は沢を出たり入ったりガレ越えしたりと本当に面白い。
中津川右俣右沢は八丁峠へ至る行程としても良いし右俣左沢は狩倉岳へのアプローチとしても沢山の絶景ポイントを提供してくれる、入林規制が解けたら是非歩いて欲しいコースだ。
それでは帰路にて撮影した石舟沢のダイジェストイメージを数枚、危険な場 所(冒頭の入林規制の発端と成った事故現場含む)も在りますが何処も大変美しいので在ります。
鍾乳洞も美しいのだけれど登山と沢歩きとしても大変魅力的な石舟沢、再訪者の僕らでさえ新しい発見が在ったし規制解除の一報が入れば是非とも訪れたい場所と成りました。
暫くは埼玉県の行政もリスクカットの為に林道整備などは行わない様ですが出来る限り早期の規 制解除を願わずには居られません、また行くぞー石舟沢ぁー。
とても疲れた方々の図、この後大渋滞 に巻き込まれて帰路の予定が5時間も押すとは微塵も思ってない方々の図でも在ります。
本当の地獄はこれからだ。
石舟沢鍾乳洞
中津川水系の石舟沢右俣に小さく口を開く鍾乳洞、しかしその実態は蟻の巣の様な構成を要する 迷路状の中規模鍾乳洞。埼玉県有林内は「石舟沢鍾乳洞」、「藤十郎沢鍾乳洞」、「仏石山の竪穴 」それぞれを入林許可制(+入洞許可制)にて管理(一部PCC/パイオニアケイビングクラブが 管理)していましたが2012年に発生した石舟沢の登山道滑落事故をうけて中津川水系全ての森 林道(登山道、木道、旧道)を進入禁止に。同時期に周辺一体の鍾乳洞も全て入洞禁止としました。
因みにこの後以前歩いた西沢渓谷横目に山梨県経由で帰宅する事に、と言うのもこの「西沢渓谷」の帰りに食べたほうとうの味が忘れられず、わざわざ遠回りして食べに行った のだ。
まずは軽くジャブとして馬刺しと山芋の刺身、旨い。
アッパーカットのほうとう定食、旨さ爆発。まさに無慈悲、非常に無慈悲な美味であります。
山梨県で食べるほうとうはまあ何処でも美味しいけどココはオススメですよ。
富士見茶屋いろり
http://www.d2.dion.ne.jp/~irori140/
郵便:404-0012
住所:山梨県山梨市牧丘町室伏2361-3
電話:0553-35-2176
入林入洞規制が掛かって久しい中津川水系石舟沢、入渓し ようと思えば別ルート(石舟沢出会い登山口以外で)が幾つかあります。危険なルートなので詳細は控えますが藤十郎沢側からや両神山麓から迂回する様に入渓する事も出来ます、今回はまた別の 旧作業道からですが現状の石舟沢が驚くほど依然と様変わりしていたのでご報告します。
石舟沢の旧作業道は行政によって2013年に大規模な伐採が行われました、しかしこれが良く なかった。翌年の2014年の豪雪(※1)に削り取られた斜面が 耐え切れずの20箇所以上で土砂崩れが発生、以前は設置さ れていた木道諸共谷底へ。
※1:2014年02月に東日本太平洋沿岸を襲った記録的な豪雪
ウィキペディア - 平成26年豪雪
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%b9%b3%e6%88%9026%e5%b9%b4%e8%b1%aa %e9%9b%aa
そしてその後、樹木達を失った石舟沢両壁は雪解けの水分を含む事が出来ずに再び崩落 。この2度目の崩落が致命的な土砂や岩を沢へ流入、しかも周囲の地 形を大きく変えながら…。因みに写真は藤十郎沢からの分岐後の石舟沢右俣で本来は斜面上部を歩 く場所、地形変化の為に斜面を下りて沢へ。そう、この場所は元々沢で川に成っていた場所です。 現在川は土砂と岩の所為で大きく迂回しています、慣れた道が全く違う表情を見せて本当に迷わせ ます。
見る影もない石舟沢鍾乳洞手前の美しかった沢、実は昨年(2014年の豪雪)に加え今年の複合台 風(2015年台風17号+18号)によって更に沢が荒れたのだ。
※ 平成27年台風第18号 → https://goo.gl/AqaWu8
石舟沢鍾乳洞は残念ながら崩落した数十トンの岩と流れ込んだ土砂によって完全に埋没、ディギ ングとか甘い考えが通じない自然の力で周囲の地形を丸ごと変化させられた状況で恐らく今後入洞 するのは不可能なレベルです。
石舟からやや上流に遡行して竪穴を探します…が。もう本当に以前と地形が変化し過ぎ て記憶と合致する場所が殆ど無い風景。勿論チムニーの用意もして来ましたが…うん、在 りませんね。
更に沢を詰めてみましたが状況は変わらず、上流に行けば行くほどガレは酷く なり(浮きガレ)新人を連れての遡行を断念。と言うか…もう余りに酷くて歩く気も成れ ませんでした、
あんなに美しかった石舟沢が…。
奇景と言われた石灰岩のスラブ、石舟周辺も僅かな川底を除かせるだけに。
因みに非常に残念ながら奇岩・石舟自体にも大きなダメージが、名称変更を余儀なくされる位の大きな崩落が確認されています。
先程も書きましたが石舟沢鍾乳洞も埋没したので洞内の白龍の滝や 青龍の泉も二度と見る事は出来ないのだろう、入林入洞規制が解除されたら是非行こうと 思っていただけに悔やみきれない。
全体的に沢としてのレベルがテクニカルな部分で上がってしまった感がある、兎に角ボルダーなムーブを要求される。そして崩れ易くて浮きガレも多いと言う面倒な遡行ルートに激変してしまった。
滑落事故も発生している危険な場所だったが現状は更に悪化、秩父農林振興センターの整備は恐 らく行われる事はないだろう。少なくとも前年の伐採が無ければ豪雪にも台風にも耐えられた筈な のに…関東から美しい沢と鍾乳洞がひとつ消失したご報告でした。
スゴログ最初の製作ムービーですがその映像はこの石舟沢鍾 乳洞(と仏石山鍾乳洞)でした、アプローチ途中や洞内の様子が少しだけ確認出来ますよ。
今後何か続報が在ればまた追加エントリーでアナウンスしたいと思います、本日は以上です。
2015年の追加エントリ ーでこの石舟沢の状況をお伝えした、 だけれどどうしても納得出来なかった。前回はGPSで鍾乳洞の位置を確認する余裕が無いほどの衝撃 を受けた。それは美しかった渓谷の変わり果てた姿故、そして鍾乳洞があった場所が完全に埋没し て大規模な崩落が現在進行形で続いていたが故…だからもう一度確認したかった。
もしかしたら違う場所 だったのではないか
そう一握りの望みを持って挑んだ石舟沢、結果から言えば石舟沢は更に荒れ果ててアプローチで 利用していた作業道は完全に土砂崩れで沢に流れ込み 、石舟沢は右岸左岸共に大規模な崩落が進んで完全に埋没(中流域)してしまっていた事を確認し たと言う事。
そもそも入林規制も計画伐採も秩父農林振興センターが主導した結果だが事故の為の規制とは名 ばかり、埼玉県警山岳救助隊の指導はあくまで注意勧告 だったのだ。
伐採した木材を利用する事も無く現地に放置、雨水の含有猶予を無くした斜面は彼方此方で崩落を繰り返し、石灰岩質の綺麗な沢(真っ白な岩が乱立した立体的で素敵な沢登りが出来ました) は土砂で埋もれてしまった。
何より埼玉県の自然財産と言うべき石舟沢鍾乳洞を埋没させた罪は重い。
落胆に続く落胆ではあったけど下流に至ってはまだその美しい姿を少しばかりだが残してもいた 、その模様も併せてご報告したい。
石舟沢の右岸中腹に通っていた作業道、その殆どは前半の20%程で崩落していた。残る木道も経 年劣化の為に人が通行するには既に時期を逸した残骸と化している、と言う事で安全に入渓出来る 場所を探し出してロープを垂らした。
崩れた木道の手前で沢との高低差が比較的少ない( 20メートル程)場所を見付けた、ホントここしか無いって位降下に適していたので時間もそう掛か らず沢へ着水。
しかし神経麻痺以降、左手(肘から下)に力が入らない為にロープが年々辛くなってきた。
photograph:U田川
上流に上る途中、右岸が崩れてしまっていたが石灰岩はまだ土砂に塗れておらず綺麗な状態で沢 を埋め尽くしていた。まだ安定していないので詰めるのは慎重に、記憶の場所と幾ばくか重なる場 所もあるけれどこりゃ本当に酷いや。
藤十郎沢との分岐手前、右岸は言うに及ばず大規模な土砂 崩れで沢に滑り込んでいた。
場所が石舟沢鍾乳洞の 洞口があった場所だ、V字に切れ込んだ地形が特徴的だった石舟もこの有様に。左側 の上方へ向かう斜面も土砂崩れでもう登る事は難しい。
更に驚く事に現在の地面はかつて壁面5メートル程の上部 だった場所、それだけの土砂が流れ込んだのだ。そして石灰岩峰は表面が剥がれ落ちてしま い土砂で汚れてしまった。
この場所の数メートル 地中に洞口は埋もれてしまったのだ。
人の手で在りし日の姿に戻すのは不可能な程の荒廃、いやね…最後期に入洞出来たと言えば幸運 な事だったのかもしれないけれどねぇ。それでもやっぱり悔しくてね、中津川水系の沢も鍾乳洞も 大好きなので余計にこの鍾乳洞の消失は納得出来ない のです(自然の力ではなくて人為的な原因での現状 )。
まあ、うん…納得は出来ないけど現状を受け止めるだけの確証は得た。あとどれだけの年月こん な遊びが出来るか解らないけれど自然の大切さを学ぶ良い機会だったのだろうか、うーん。
アクションカムでアプローチポイントから帰路までを簡単に撮影した内容です、画面が結構ブレるので酔いに気を付けてご覧下さい。
こちらはGoogleのCardboardに対応した360°VR映像 です、解像度はお察しレベルですがモノは試しって事で。
今後沢歩きや釣りで来訪するかもですが石舟沢鍾乳洞としてのエントリーは今回で最後となりま す、その内お隣の沢の藤十郎沢鍾乳洞を紹介するかもですが。
本日は以上です。
入林規制(入洞禁止)区域なので地図リンクは不掲載です
アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。
※ ケイビングはとても危険ですが楽しいスポーツです、興味 が在る方は御連絡下さい。簡単なレクチャーの上、初心者物件をご紹介致します、また同行されて も結構です。
※ ケイビング団体は国内幾つか存在します、その中でもイチ からレクチャーしてくれる団体も在る様です。探して問い合わせ、ショップや団体単位でケイビン グを勉強するのも良いと思います。
写真撮影:6Frogs Design Works
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