Quantcast
Channel: 行ってみたら凄かった。アーカイブ
Viewing all 455 articles
Browse latest View live

REPORT - 212 │ 甘楽郡南牧村立 尾沢中学校

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


群馬県│甘楽郡南牧村立 尾沢中学校(森の学校)


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 甘楽郡南牧村立 尾澤小中学校


最近はスッカリと山ブログ化して廃墟に行ってない、と言っても元々廃墟ブログじゃないし撮影対象として「美しい」と思えば何処へでも足を伸ばしてはいるのだけれど。


で。


実は4月後半に長野県や群馬県の廃墟や廃校を回ろうとGW中の廃墟遠征を企画していた、メイン物件は小串鉱山。赤道儀に準拠したGPS機器を利用して夜景とか色々考えていたのだけれどやっぱり長野さんは格が違った、右を見ても左を見ても


雪、雪、雪。


またもや東亜プランな雪攻めに国道でさえ区間封鎖、これによって大きく予定を崩されて結局行けたのが本日の物件「尾沢中学校」のみって言うね。その後はちょっと前にエントリーした渋峠の雪山アタックに続くのだけど数件予定したいただけに長野さんと群馬さんには近々リベンジする予定でおりまする。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


ほいでは今回の物件「尾沢中学校」のレポートを開始したいと思います。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


群馬県の山奥にひっそり、そりゃーもうホントにひっそりと残る廃校が在る。夜間は電灯もまばらで真っ暗な集落を抜ける道、その県道を登っていくと見えて来たのが今回お邪魔した「尾沢中学校」跡だ。今回も撮影許可を得ての公式訪問なので管理者さんには色々とお聞きする事が出来た、転用されている現在のお話も聞く事が出来たので少しづつ説明していこう。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


尾沢中学校の校舎が残る群馬県甘楽郡南牧村、この区域は高齢化日本一(限界自治体)として有名で村民人口の半分以上が65歳以上で占められています。過疎化が進んだ理由も沢山在りますが全国的な少子化の煽りをモロに受けた事も相まっており、幼少人口割合は4%とダントツで日本1位と言う不名誉な記録を更新し続けています。


南牧村 (群馬県) - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e5%8d%97%e7%89%a7%e6%9d%91_%28%e7%be%a4%e9%a6%ac%e7%9c%8c%29


因みにこの学校の正式名称は以下の通り。


「甘楽郡南牧村立尾澤小中学校」


そう、実は中学校だけじゃなくて小中学校として機能していたのでした。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


周囲は古い建造物が多く、付近には診療所や一般家屋の廃墟も残っている。左側は裏路地の一般家屋で右側は旧体育館だ。現在は行政が管理しており、屋内イベントなどが開催される折に使用されている。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


この学校には小中学校から中学校へ編成移行した際に校舎が2つ残されていた、そこで行政は学校の運営上2つの校舎を「普通教室棟」と「特別教室棟」に分けた。一般的な教育内容は普通教室棟にて、実験や音楽などの実習教育は特別教室棟での実施と成った様だ。


写真は校内奥の木造校舎「普通教室棟」、現在絶賛改築工事中で工事担当者さんも朝からお仕事中だった。まだ1階部分しか改築が済んでいないとの事だったが許可を得て2階も撮影させて頂いた。


実は1988年の廃校以降、特定非営利活動法人森の学校が運営する「森の学校」の1つに指定されており、自然体験、野外教育、環境教育、食育などに関する企画が数々と行われて来た歴史が在る。


森の学校 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%a3%ae%e3%81%ae%e5%ad%a6%e6%a0%a1


1995年よりこの旧尾沢中学校普通教室棟を活動拠点として活動を開始、2009年に栃木県鹿沼市と栃木県那須郡那珂川町の2箇所に拠点を移すまで実に多くの子供達に自然学習の素晴らしさを体験させてきた。


しかし拠点が移ってからは主だった転用はされておらず、暫くは手付かずの状態が続く事に成る。2012年後半から転用の議題が行政でも持ち上がり、本格的な転用計画は2013年から動き出す事に成る。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


1階廊下部分、改築と言うよりは改修作業だった様だ。そして現在、どの様な転用がなされているか。ご存知の方も居るかもしれないが先程の森の学校とは別のNPO団体「特定非営利活動法人 中山間地域フォーラム」が中心と成って自然体験基地「山森自然楽校南牧校」が発足、テレビでも報道された様だ。


特定非営利活動法人 中山間地域フォーラム
http://www.chusankan-f.net/


開校予定は2013年4月、僕らが伺ったのがGW初頭だったのでもう開校しているかと思いきやまだ準備段階だった。まあ、そのお陰で撮影出来たのだけれど。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


4月15日に完成したばかりだと言う手作りのピザ窯にも火が入っていた、3月20日にプレオープンイベントが開催されたのだけど校舎内に設置された体験型農村レストラン潺(せせらぎ)も改修工事が終わらない間々4月27日にオープンを迎えた。先程記載した「窯」はこのレストランで使用される物だ、写真はその窯脇に用意された座席と成る。


全面改修はもう少し掛かるとの事でオープンから暫くは1階のみの運用と成るそうです。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


こちらは2階の中央教室、こざっぱりと片付けされているけれど当時の物も散見出来る。2階も何れは客席や実習場所に成る予定で今後改修工事が進められます。


体験型農村レストラン潺 - フェイスブック
https://ja-jp.facebook.com/NanmokuSeseragi


因みに地元新聞でも取上げられています。


自然体験のメッカに 南牧で廃校活用 - 上毛新聞
http://www.jomo-news.co.jp/ns/1013669882192926/news.html


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


2階廊下、やはりまだ手が着けられていない分「廃度」は高い。近年窓枠がサッシに換えられてしまったのでその分木造校舎の美しさは削がれてしまってはいるけれど。


学校としては1949年から歴史がスタートし、1988年に終焉を迎える39年間。そして以降NPO団体に使用され現在に至るまでの合計64年間の歴史を刻む校舎、出来ればこの風合いを残した間々今後も運営してもらいたいと考えてしまう。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


良く手入れされた階段部分、廃校で必ず撮影する場所の一つだ。廃校に限らず廃墟でも、何故か階段と便所は執拗に撮影し続けている。何かの病気か。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 廃校 尾沢中学校 尾澤小中学校


階段下の下駄箱、こちらも改修工事済みでとても綺麗。と、ここで一通り撮影を終えて普通教室棟を出たのだけれど工事のおっちゃんが何やら話したそうに此方を見ている。


話す
  小足見てから昇龍余裕
  私の目、見る?


取り合えず話す事にしてみた、が。話が長い、とても長い。出来れば石垣の上に建つ「特別教室棟」を撮影したかったのでタイミングを見計らって、


「ええっと、それではコッチの校舎も撮影させて下さ「ああ、鍵がな」


あ、はい。


そうですよね、鍵掛かってるから開けて欲しいのですが。そう口に出る前に、


「親方しか鍵持ってなくてね、(親方が)来るまでは1時間以上掛かるよ」


ああ、そうですか。それじゃあピザでも食べて待つか持ち帰りさせて貰いましょうかねぇ、店内で開店準備を進めている方に早速と「ピザは焼いて頂けますかコラ」と。


若干強い口調に成ってしまった、失敗、失敗~☆


「ああ、生地がまだ届いてなくてですね」







本日は以上です。


アプローチ
上信越自動車道下仁田ICから県道45号線を南下、県道93号線との分岐で93号線を更に南下します目印として南牧簡易郵便局を通り過ぎ、最初の大きなY字分岐が到着地点。県道93号線と県道201号線の分岐地点に廃校へ上る路地が見えます、現在は廃校ではなくNPO団体が管理しているので撮影許可などは別途行政かNPO団体へお問合せ下さい。


地図リンク
http://yahoo.jp/Dj31rG


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

PR: 豪華夏の特別号受付中★今が入会のチャンス!/ベネッセ

REPORT - 213 │ 馬来田 ハンノキ湿原

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-房総 廃墟 湿原 ハンノキ ハンノ木


千葉県│ハンノ木湿原


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 馬来田 ハンノ木湿原(ハンノキ湿原)


房総最終章などと勝手に銘打ち、今迄行かなかった県下の景勝地や再訪レポートが何かと多い本年。考えもしなかった「房総半島に湿原が在る」と言う情報、この眉唾ごっくんちょな情報を元に行って来ましたよ…が、しかし。


こりゃーホントに「湿原」なんでっしゃろか…。


不安テラ盛りで歩くアバンな田園風景を越え、房総の湿原とやらに足を踏み入れた。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-房総 廃墟 湿原 ハンノキ ハンノ木


どうやらココが房総の湿原と呼ばれる「ハンノキ湿原」の様だ、早朝の来訪で空気も澄んで確かに気持ち良い…だがしかし、だがしかーし。


これを湿原と呼んで良いのだろうか…。


車のデポ地から歩く事20分、長閑な田園風景を越えるとこのハンノキ湿原の入口が見えてくる。田園地帯からは若干マディな小道を歩く、両側には行政が容易したであろう自然群生する植物のアナウンスボードも散見。


ツリフネソウ、ユウガギク、ミゾソバ、カラーなどが茂々しく群生している。この場所を湿原っぽく見る上で欠かせない植物がたった今出たばかりの「カラー」だったりする。


この「カラー」と言う植物、実は尾瀬などで有名な「ミズバショウ」にソックリな容姿をしておりまして。ウェブ上でもよくこのカラーをミズバショウとして勘違いで紹介している方がいますが実は別の植物です。


同じサトイモ科ですがミズバショウは「サトイモ科ミズバショウ属」、カラーは「サトイモ科オランダカイウ属」。群生地も異なるので撮影した写真を紹介する時はお気をつけて。


さて、そんなお誂えな植物が出迎えてくれるハンノキ湿原。地元の有志で木道も用意されていて普通に歩く分に不便は無い、非常に良く整備されている。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-房総 廃墟 湿原 ハンノキ ハンノ木


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-房総 廃墟 湿原 ハンノキ ハンノ木


名前の由来の通り、この区画にはハンノキが群生している。通常の樹木と違い、湿地帯に好んで群生し、森林形成する特徴がある。また驚く事に薄い河川脇にはクレソンが自生していたりもする、規模としては小さくて湿原と呼称するのは憚るけれども確かに湿原っぽい一面は多岐に渡り見る事が出来る。


良く聞こえる声はウグイスとキジ、判別出来なかった数種類の小鳥。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-房総 廃墟 湿原 ハンノキ ハンノ木


10代の頃に尾瀬に数ヶ月篭った経験が在る身としてはちょっと物足りない房総の小さな湿原、お手軽ではあるけれどヤハリ霧ヶ峰とかに足を伸ばして八島ヶ原湿原とかを歩きたい気分に成ってしまうなぁ。


ああ、だけれども良い所もシッカリと在りますよ。房総の低地としては比較的水質が綺麗でこの先には湧水地としても知られる「イッセンボク」などの見所も在ります。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-房総 廃墟 湿原 ハンノキ ハンノ木


どちらかと言うと家族向けのライトなアウトドア、そんな場所でした。確かに存在した房総半島の湿原「ハンノキ湿原」、沢屋や山屋には不満が残る規模だけれど観光地化されていない穴場として見れば以外とオススメなのかもしれません。


本日は以上です。


アプローチ
馬来田駅前を通る県道165号線から県道168号線へ、馬来田中学校と馬来田小学校を過ぎて直ぐの小さなT字路を折れると細い農道を進んだ突き当りに成る。車での進入は難しく、また駐車場も無いので県道周囲のコインパーキングに駐車をお勧めします。


地図リンク
http://yahoo.jp/Bt2NiN


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

REPORT - 214 │ 小櫃川水系猪ノ川 黒滝

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


千葉県 │ 小櫃川水系猪ノ川 黒滝


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 小櫃川水系猪ノ川 黒滝


何となくですが今年中に房総の主だった沢関係は全部行き尽そう、そう思ってアチコチ行ってるのだけれど今回は地質学的にも有名な滝をご紹介したいと思います。


場所は東京大学千葉演習林内を流れる小櫃川水系猪ノ川の「黒滝」、林道からも見る事は出来るけど夏場に成ると茂々しい樹木達に遮られてその全容を見る事は難しい。かと行って通常は進入禁止の場所なのでこれまた近くで見る事も出来ない、と言うより一般公開期間でも沢に降りる事は許可されてないから通常は間近で見るのは無理と言える。


まあ許可(広報や調査、報道でない一般利用の許可は取れません)を取っても良いけど合法的なアプローチも在るので今回はその方法でお邪魔しましょうか、と言ってもこの時期(6月)はヒル天国なので覚悟して下さいませ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


危険な場所も在るので詳細は書かないけれども猪ノ川下流から沢沿いを遡行するルートが在ります、房総の沢屋ならご存知かと思いますがこの辺のガレが結構面倒な場所が多くてオススメ致しません。車のデポ地から20~30分で黒滝直下まで来る事が出来ます、ウェブ上にも似た様なルートを歩いている方が散見出来るので興味の在る方はグーグル先生にでも。


さて、僕らは滝の撮影に入るとしますか。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


初っ端からこの美しさである。


緩急複合滝の副滝(3段目)を下流から見ている状態だ、流れは弱くて岩肌が露出している場所は非常にナメていて歩き辛い。右側の山間部は少し手前から巻く事が可能なので滝上部へアクセスする事も可能。


だけれどこの場所、ヒルがアチコチでウニョってるので自作忌避剤が必須でありんす。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


綺麗…な写真、なのだけれどなぁ…。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


滝の右側面の山を巻いてみた、この高さまで登ると急斜面の滝を見下ろせる事が出来た。そしてこの時点でブーツにはヒルニョロりと数匹、って事でいつもの自作忌避剤のレシピを貼っておこう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-君津エース 廃橋 割橋


自家製のヒル忌避剤ですが羽虫、蚊、アブ、蜂(種類により効果に相違有り)などにも効果が在ります。忌避剤なので寄って来ない(刺され難い)為の物ですが刺されたあとの消毒にも効果的です。


用意するのは「ハッカ油」、「エタノール」、まあ他にも色々とレシピは在るのですが基本形はこの2種類の薬品。


総量の10%をハッカ油として調合して下さい、ブーツやタイツ、靴下などに事前にスプレーすれば忌避剤として15分~30分程度の効果が在ります。また登ってきたヒルに一吹きすれば脅威の効果でポロっと落ちます、血を吸われている最中でもポロリするのでホント便利。


因みにエタノールには通常「無水エタノール」、「消毒用エタノール」、「消毒用エタノールIP」と3種類が売り場に並びますが買うのは後者の2種のどちらか。


無水エタノールは純度100%ですが消毒効果などに後者2種と違いはなく、税金の問題で価格も高いです。含有成分の話を始めると実はもっと細かく再分化されるのでこの辺で、あ…粘膜にはスプレーしちゃ駄目ですよ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


緩斜面の滝上部(2段目)へ移動、シャワーラペをやろうかとベースのスリングを巻ける樹木を探したけどロープの張り角度が悪い。フルテンションで大きく振られそうなので今回はパスした、いや元々高低差がそんなに無いのでヤル気も無かったのだけれども。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-沢 登山 小櫃川 猪ノ川 黒滝 君津


撮影を終えて林道まで戻って来た、やはり林道上から滝を一望する事は叶わなかった。東大千葉演習林の中には色々と紹介した沢関係の物件や昔の研究施設が残されている、それらの撮影もしたかったけど今回敷地内への入林許可は申請していないので次の機会としよう。


それでは最後にこの黒滝について少しだけ。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


小櫃川水系猪ノ川 黒滝 - 滝について


軟泥質な岩が多い房総の河川、しかしこの黒滝は珍しく硬岩質の岩肌で流水による侵食速度は他の房総の滝に比べてみると遅い部類だ。傾斜が非常に緩く、大凡3段の滝に分かれていて合計すると約10メートルと低い。が幅が広く、最後の滝に関してはそれなりの落差が在る為に迫力は損なわれていない。上段の滝2段がそれぞれ約1メートル~1メートル半、最後の3段目の滝で残りの落差を流れ落ちる。


全体を通してナメ場が多くて歩くには沢シューズか注意が必要、水質は余り良くないです。


地質調査や地質学では有名な場所で「黒滝不整合」と呼ばれています、黒滝不整合(上総層群黒滝層/安房層群安野層)とは房総半島と三浦半島にかけて広く追跡できる傾斜不整合で同分野では随分と以前より研究や調査対象として知られています。


小櫃川水系猪ノ川 黒滝 - アプローチについて


黒滝は東京大学千葉演習林内に在ります、林道から眺める事は可能ですが直接滝にアクセスする為には演習林内からアプローチする事に成ります。ですが演習林は基本的には関係者以外立入禁止と成っており、一般公開は春季(規定数日間)と秋季(規定数日間)の2回。毎年その公開日は異なるので直接下記事務所までお問合せ下さい。


東京大学大学院農業学生命科学研究科付属演習林 - 千葉演習林
http://www.uf.a.u-tokyo.ac.jp/chiba/index.html


冒頭でも書いたのだけれど大学関係者、行政イベントや報道、広報を除いて一般利用での入林許可は行っていないそうです。一般利用で入林したい場合は年2回の一般公開期間を利用すると良いでしょう、ただその期間でも沢へのアプローチは禁止されているので黒滝に通常より近くまで寄る事が出来る程度とお考え下さい。


イレギュラーなアプローチルートとして猪ノ川を遡行する事も出来ますが山屋や沢屋ではない方へはとてもオススメ出来ない行程なので経験者同行など事前の準備を行った上、自己責任にてお願いします。


アプローチ
亀山湖を横断する国道465号線、折木沢地区の亀山湖オートキャンプ場入口から林道に折れる。その間々直進すると車両通行止め先200メートル先右側に滝が見えます。


地図リンク
http://yahoo.jp/8rfCj6


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

PR: JRAのネット馬券購入なら楽天銀行!

REPORT - 215 │ 馬来田町原競馬場跡

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 馬来田 町原競馬場跡 草競馬場跡


千葉県 │ 馬来田町原競馬場跡


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 馬来田町原競馬場跡(草競馬場跡)


小ネタとして用意していた物件を今回は紹介しよう、房総半島に残る私設競馬場跡「馬来田町原競馬場跡」だ。以前紹介した馬来田のハンノキ湿原からも程近い場所に位置し、未舗装林道の入口にも成っているので林道野郎や酷道さんには中々にして有名な場所だったりもする。


今回はハンノキ湿原での撮影後に徒歩で向ったので山中の旧作業道を歩いて来訪した。実はこのブログでも場所が解らん(忘れた)撮影地として風景写真カテゴリーに過去エントリーしてたり。


○ SCENERY - 076 │ 牛堀の奇岩…前?
http://ameblo.jp/6blogs/entry-10698781829.html


事故でサイドカー以外のバイクを降りて以降は林道や酷道から離れてしまい、スッカリとこの場所について忘れてしまっていた。そそ、ハンノキ湿原については下記リンクから。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 馬来田 町原競馬場跡 草競馬場跡


それでは短いけれどこの競馬場跡に関してのレポートを始めましょうか。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 馬来田 町原競馬場跡 草競馬場跡


ハンノキ湿原から田園区間を抜け、山中を少しだけ歩く。この間ほんの20分程、緩い傾斜の旧作業道を進むと懐かしい風景が見えて来た。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 馬来田 町原競馬場跡 草競馬場跡


ああ、ここだ。ここ。


この場所が馬来田の「町原競馬場跡」だ、地元では「草競馬場跡」とも呼ばれていて定期的に整備されている管理用地なのです。また林道さんにとってはこの最奥部から伸びる未舗装林道を経由して「林道黒田線」へのアクセスにも使われたりもするので結構人が来ます。


また山中には幾つもの作業道や簡易登山道が残っていてその辺を歩くのも以外と楽しい、実は細かな枝道に関しても説明しようと思ったのだけどウェブ上に資料やレポートが無く、また関連書籍も見付ける事が出来なくて。申し訳ないです、はい。


しかし天気が良いととっても素敵な写真が撮れるのだけどなぁ、今回はどよーんとした朝曇り。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 馬来田 町原競馬場跡 草競馬場跡


この場所、正式には「馬来田町原競馬場跡」と言う。この競馬場に関して少々記しておこう。


1941年、国内外でも大戦中と言う世相の時。この一体は君津郡の一部として長閑な風景が多く残され、街中に在ってもこれだけの使用されない原野(整備以前は森林)が広がっていた。


そんな折、地元有力者達が共同出資して「町原競馬場」を開設開場。地元民が参加出来る小さな競馬場の運営を始めた、私設競馬場と言う事もあって草競馬の域を出ないながらも娯楽としての最低限の私設を用意していた為、そこそこの来場者は有った様だ。


第2次世界大戦真っ只中と言う事もあって競馬の運営様式は「西洋競馬」ではなく、「和式馬術」と呼ばれる日本独自の馬術様式を用いての物だった。因みにこの和式馬術にも多様な流派が存在していた様でこの町原競馬場でどの流派が主として使用されていたかは判明しなかった。


同年12月、戦局は太平洋戦争勃発によって大きく変動する事に成るのは皆さんご存知の通り。


その後この競馬場で脚を競った個人所有の馬や農耕馬が戦術軍馬の対象と成り、戦争へ駆り出される事に成ります。写真中央には「従軍馬 追悼の碑」が設置されているのがお解かり頂けるかと、競馬場設置の時代を前後してこの地から送り出された馬達を追悼する為に置かれています。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 馬来田 町原競馬場跡 草競馬場跡


終戦の翌年、1946年。競馬法施行に伴って民間運営や私設競馬場などの競馬場設備が法適合しない物は廃場命令と共に姿を消して行きました、この「町原競馬場」は同年に法適用され「柏競馬場」に統合される形で廃場と成ります。


地方最大を誇った統合先の柏競馬場も競輪人気を押され1950年に最後の開催で終焉を迎えます、2年後の1952年には現在の船橋競馬場に移転統合され現在に至ります。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


以外と歴史深い一面を見せてくれる「馬来田町原競馬場跡」、ウェブ上でも語られる事が少ない穴場物件です。マイナースポットですが当ブログとしてはオススメだったりしますよ、本日は以上です。


アプローチ
徒歩の場合はハンノキ湿原同様に県道168号線から農道経由で、車両(オフ車)の場合は日泉化学千葉工場の裏手の道から入れます。また車でも「従軍馬 追悼の碑」までは行く事が可能です。


地図リンク
http://yahoo.jp/uK_r2i


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

REPORT - 216 │ 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 再訪

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


千葉県│七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 再訪


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 七ッ釜渓谷(梨沢 七ッ釜渓谷/梨沢不動滝/大滝/天神山不動滝)


※ 今回は沢歩きビギナー向けのレクチャーレポートです


房総の大正義、懐が深くて実に本格的な沢歩きを提供させてくれる梨沢七ッ釜渓谷。県下では今の所一番好きな沢で在りまして今年も梅雨前にお邪魔しに行って来ましたよ、昨年より1ヶ月程遅いのに今回は緑の茂りが少々不満でしたがやはりその美しさにはウットリ。


2012年に歩いた七ッ釜渓谷の模様は以下リンクから。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


さてさて、今年は何処まで行くのかと申しますと前回と同じ梨沢不動滝でして。と、言うのも岩場初心者で在る弟子(2*歳♀)のシャワークライム練習場として難易度も低いのでリードを経験させようと思った訳です。


やってる事は前回とほぼ同じですので写真を中心に簡単な沢歩きの要点等を織り交ぜたレポートをお届け致しましょう、今迄アウトドアに大して興味も無かったビギナー向けのアドバイスを説明しながらですが少しでも登山や沢歩きを知って頂ければ幸いです。


詳細は先程の「2012年の七ッ釜渓谷レポート」の模様を記載したレポートリンクをご覧下さい。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


七ッ釜渓谷の入渓地点、今年は昨年に比べて随分と水量が少なく流れも弱い。そう言えば天気予報でも今年(2013年)の5月は随分と降雨量が少ないと伝えていた、こりゃあ梨沢不動滝の流水量も少なそうで不安だなぁ。


沢歩きのポイントとして実は水深や川の流れの強弱は大きな考慮点と成る事をまずは覚えておいて欲しい、何故かと言うと「ナメ」具合に大きく関係してくるからだ。水深が在る程度あり、流れも在れば自ずとナメは形成され辛く成る。反対に薄い水面と流れの無い所では必然的にナメに注意しなくては成らない、まあこれは岩質水源周辺の植物日照時間にも左右されるのだけれど。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


七ッ釜渓谷の前半は水深30センチ~20センチ程の沢の中を歩く、川底は小さな浮砂利で少々歩き辛い。入渓して暫くは同じ様な風景と倒木などが行く手を遮るが問題無く歩ける筈だ、しかし砂利が小さいと言うことは小規模のポットホール(甌穴)にも注意しなくては成らない。


甌穴 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e7%94%8c%e7%a9%b4


弟子(2*歳♀)は2度目の梨沢だが相棒は始めての来訪、自ずとこの美しい風景にテンションも上がるのだろう、何やら後で「オジキの仇ぃいい」とか叫んでいるが気にしない。


オジキとは誰なのか。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


入渓後最初の大岩、川の水深は変わらず低いので左からの巻きでは無くてショートカット出来る右側の小岩を歩いて渡るのが良いだろう。


後では相棒が力こそパワーと繰り返し咆哮しているが気にしない。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


撮影しながらユックリ歩いて20分程、涸れ沢化してるが降水量不足の為だ。普段はもう少し流れが在る、この辺は玉砂利で足を取られ易いので注意して欲しい。


砂利の上を歩く場合はソリッドなガレ砂利とバラバラの大きさと形の浮砂利、足場が不安定な玉砂利など沢山の砂利ロケーションを想定しなくては成らない。一番歩き辛いのは足場が不安定な玉砂利、しかし一番怪我が怖いのはソリッドなガレ砂利だろうか。


砂利場に関しても一概に説明出来ないのが何とも。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


で、ですよねー


!?


相棒が突然口にした言葉だ、どうやら自然と対話しているらしい。


ところで。


冒頭でも書いた「本格的な沢歩き」が出来る梨沢だけれどそれは房総半島での事、全国的に見たら沢としての難易度は最低ランクだ。装備に関しては写真で解る通りの軽装、一応シャワークライム用のハーネス、リードやディッセンダー類は持参した。


それでも不安な場合はスリングや沢シューズ、ビレイヤーの装備を用意して行けば転ばぬ先の杖と成るだろう。滝を登攀する場合はソック系のシューズに履き替える事も安全性向上の要と成る、ソールが厚くて硬いトレッキング系シューズは登攀には向かない事を頭に入れておいて欲しい。


※ ガレ場や砂利場ではトレッキングシューズは抜群の歩き易さなので勘違いしない様に。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


やっとこさで沢らしく成って来た、ヒルも居ないしホントこの場所は素敵だ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


(^ω^)この一瞬を君と生きるっ!パシャ


どうやら撮影の掛け声の様だ、相棒の引き出しが多過ぎて対応に困ってきた。そして写真を確認すると心なしか相棒の周囲だけ光って見えるのだけれど…。


七ッ釜渓谷前半の幾つか在る見所の1つ、七ッ釜渓谷の「岩堰」だ、去年はココで弟子(2*歳♀)を撮影してレポート導入部分の画像として使用した。中々と「」に成る場所なので覚えておいて損は無い筈だ、岩堰の手前は少々水深が在るので足元には気をつけて。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


今年もこの場所、うーん毎回思うけど本当にココが房総かと思う程美しい。弟子(2*歳♀)も自然とポーズを決める、本人曰く「ツクダオリジナルの構え」だそうで。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


鹿やキョンと見られる足跡は確認出来るもののヒルに関しては一向に心配が無い、昨年もそうだったがこの場所に関してはヒルの心配は無さそうだ。


野生動物の遭遇に関しても危険なのはイノシシニャンピョウ位だろう、野生のニャンピョウは「遭遇したら即時に財布を献上せよ」と言われる位恐ろしい生物だ。愛用する剣から繰り出される”地球剣愛国富士山落とし”も破壊力に定評が。


いやね、バ・ソリーバソリーも両方好きなんですよ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


七ッ釜渓谷の岩堰を越えると暫くと沢らしい風景が続く、沢幅も広くて歩き易い。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


梨沢不動滝手前のゴルジュに到着。


このゴルジュの手前は腰まで浸かる程深い段差の溜池部分が在る、のだけど…今年はどうやら冒頭で記載した様に降雨量が少ない為がとても浅い。深い所でも50センチ位だったので予想以上に濡れる事が無くて良かった、この滝の手前には巻きルートも用意されているので登攀に自信が無い方は其方を歩いても良いだろう。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


房総半島では余り見る事の無いゴルジュの廊下、先に見えて来たのが梨沢不動滝だ。うーむ…ココからでも解るぞ、今年は流水量が段違いに少ない


これじゃただの岩場の登攀じゃないかぁ…。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


入渓直後から懸念していた事態に陥った、やはりチョロ水でしたか。


早速岩場の確認をするとステップやフック出来るポイントはナメてない、これなら少しはリードクライムの練習として自由に昇降させる事が出来そうだ。しかし滝周辺は非常にナメていてウッカリすると滑って転ぶので留意して歩いて欲しい。


ナメに対しては沢シューズが最適なので興味の在る方は是非試して下さいまし、と言っても沢事態が実に多くの表情を持っているので一番重点を置くルートやポイントに適合したシューズやブーツを選択するのが何より一番心掛ける事だったりします。


まずは弟子(2*歳♀)にフリーで右側の直登を指示、上手く登れたら”MX-101”描きくけコン”を買ってあげよう。ってか1チップMSX売らなきゃ良かった…、ザナックやりてぇよ、エッガーランドやりてぇよ、SCC音源でグラ2やりてぇよぉ↓。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


滝自体が低い所為かこう…なんて言うか迫力が出ない絵と言うか。聞く所によるとこの梨沢不動滝に慣れている方はスルスルと右側を直登するのだとか、その内やりましょうか。


しかし本日はもう少し緩い左側を練習の場として活用させて頂きます。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


リード設置の為にいつもの相棒が登攀開始、数秒で登り終える。まあそりゃそうか、低いもの。


コピーは三田ぁあっ


難易度が低すぎる為の”不満の叫び”である。そう怒るな相棒よ、今年は東沢渓谷ウメコバ沢でそのストレスを解消させてあげるから。


石舟沢鍾乳洞のエントリーでも書いたのだけれどリード(ロープ、ザイルの意)には沢山の種類が在る、材質や特性を基本に太さや柔らかさを必要に応じて使い分けて頂きたい。今回は石舟沢の時と同じカーンマントルロープ、耐摩耗性に優れロープ強度はガチですが何せ重いのが難点。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


折角ロープを垂らしたのに一向に登ろうとしない弟子(2*歳♀)にねぇええっの掛け声と共にカツ(流木)を入れる、その後も元気なので大事無い様だ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


トップビレイを確保、ロープを緩くしてフリーで登れるか経験させてみると以外と登ってゆく。ステップの見切りフックの初見と実際の掴み、その他体制や重心の基本的なレクチャーをすると理解したらしい。


ララァは賢いな


思えば今までも少しづつだがロープワークに関しては経験させて来た、過去のエントリーでは


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


などで簡単な場所ながら実践を踏んで来ている、今年からはそろそろ本格的なリードクライムを経験させても良いかもしれない。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


ステップポイントの要点やガチカチの種類や掴み方などを教えながら一緒に登る、その後追い越して上部で相棒とビレイを交換してテンションが掛かった状態の昇降を体感してもらった。


ホントは流水量が多い時にシャワークライムの基本としての動き等を教えたかったのだけどなぁ、まあ仕方ない。また別の機会にして今回はリードに関してのレクチャーを進めようか。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


ロープにテンションが掛かると自重が楽に成る分身動きの自由度がどうしても下がる、フリーとの違いや差を実際に身体で覚えてこそ多種多様なクライムに対応出来る様に成るのだ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


さて、この梨沢不動滝からは更に30分程ナメ底の沢を歩くと七ッ釜の所以である七ッ釜渓谷の「七ッ釜」が顔を出す。七ッ釜とは大小分かれた多様なポットホールで前後に房総では珍しい廊下状の低いゴルジュも見る事が出来る、”間滝”程険しくないので難しく考えずに歩ける筈だ。


近年では2011年の大雨で流木が七ッ釜を堰き止めてしまい、溜池の様に状態で釜を土砂などで埋没させてしまっている。勿論見所として有名だったボルダーな「へつり」も姿を隠してしまっている状態だ。言ってみればこれが「滝で引き返す」理由だったりもします、遡行時間節約の問題も在って現状では滝でリターンアプローチした方が他にも物件を回れて有意義かと思いますし。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-梨沢 七ッ釜渓谷 梨沢不動滝 大滝


以上で梨沢七ッ釜渓谷のレクチャーレポートは終了です、沢歩きの季節としても最適な時期なのでこれから始められる方は最小限の装備を用意して是非全国各地に在る沢へ足を伸ばしてみては如何でしょうか。


因みに千葉県近郊の方ではこの沢は本当にオススメです、ヒルも居ないし危険な場所も少ないしでビギナーには安心して歩ける入門用の沢遡行が楽しめる筈です。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


さて、ここからは周辺の情報と言うかそんな話を幾つか。


車のデポ地として良く利用される梨沢公民館の駐車場、この敷地内に残されている特長的な建造物は勿論その名の通り「梨沢公民館」だ。随分と古い建物で一見すると廃墟かもと思われるかもしれない、しかしその実態は富津市に25箇所在る選挙の投票所の1つ。つまりは現役で使われている公的施設、なのだけれど何と言うか…うーん。これ、どうにも学校に見えるんだよなぁ。


アチコチの廃校を見て来てやはり気に成るその風貌、帰宅後に机上調査すると大当たり、その昔「天神山小学校梨沢分教場」として使用されていた建造物でした。歴史を遡れば1873年から続く現役の学校の分校だった事が判明、この分教場自体は1971年に廃校と成っています。本校の校歴がウェブ上に在ったのでリンクをば。


天神山小学校の主な歴史
http://www.futtu.jp/syo-tenjin/enkaku.html


廃墟好きな方も少しは興味を持って頂ければ幸いです…が、中を撮影する事は勿論出来ませんし現役の公的施設なので邂逅出来る様な雰囲気でも無い事を追記しておきましょう。


その他にも付近には林道野郎にも知られた支線が数本在ります、酷道とまではいきませんが路面状態が「あ、これトラ車でくりゃー面白いのになぁ…」って箇所が幾つか。普段から林道を走りなれていれば心配は在りません。この辺で一番有名な林道東奥野線は車種は限定されるけれども車でも走破出来るので興味の在る方は自己責任にて。


確かな満足を得たいスニッカーな廃村好きならば梨沢から3キロ程南に走ると釜ノ台集落跡などの見所も在ります、廃集落ですが一部現役稼動の施設が在りますので留意して下さいまし。


梨沢の七ッ釜渓谷には登山道も幾つか在るので終点地点から更に山道に入るのもアリですよ、沢屋なら気付くかもしれませんが梨沢不動滝までにも3本(ガリーと混同しない様に)、越えてからも数本の枝が散見出来てロープが在れば歩く事も可能です。枝の1つ「滝の迂回路」は大してガレてないので多少のマディを我慢出来れば歩き易いですがその分退屈な時間を費やす事に成る事は承知して下さい、この迂回路はロープ等は必要在りません。


個人的心情から地図リンクは不掲載です。


アプローチ
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。


地図リンク
秘境及び廃墟物件は自然保護と建造物保護の為に不掲載としています、申し訳御座いません。


本日は以上です。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

SCENERY - 193 │ 釧路湿原で熱気球

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-北海道 根釧原野 釧路湿原


初めて北海道へ行ったのは10代の頃、自転車ツーリングだった。今ではローテク扱いされそうなキャノンデールで道東を中心に走った、当時は釧路直通のフェリーが出てて便利だったなぁ。


細岡展望台までの道のりは前面砂利道で酷いモノ、今ではアスファルトだけれど当時は391号線から展望台まで結構大変だった記憶が。んで細岡展望台では気球を飛ばしておりまして、これがまあ素敵なんですわ。釧路湿原を一望出来る高さまで上げてくれるし、そんで安い。


その翌年には中止されてずっとその間々。


原生林保護のNPO団体と吐くほど歩いた根釧原野だけれど釧路湿原はやっぱり良いやねぇ、いつか気球が復活する日を夢みておりまする。上から見下ろすってのがね、うん。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

SCENERY - 194 │ チャリダー殺しの北19号線

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-開陽台 北19号線 坂


自転車、ジープ、オフ車。その他色々と開陽台への道はいつも北19号線。だがしかし、自転車だけは駄目だ。ここ数年は走ってないけれど今でも変わらずこの風景が広がってんだろうなぁ、昼間にセイコマでビール飲んだ後にアタックしたら心臓パンクしそうに成ったなぁ。


でも、まあ。見るだけなら良い風景だ。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

SCENERY - 195 │ 阿武隈鍾乳洞

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-福島 郡山 日原鍾乳洞


今と成っては滅多に観光地化された鍾乳洞には入らない、一般的な観光で関東に住んでいる人にとっては鍾乳洞と言うと日原鍾乳洞か阿武隈鍾乳洞辺りが有名どころかなぁ。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

REPORT - 217 │ 廃墟EXPLORER 栗原 亨さんにインタビュー

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


約10年沈黙を破ってウェブサイトの更新を再開した廃墟ブームの火付け役栗原亨さん。2013年に新しく出版された著書「新・廃墟の歩き方 探訪編」をトリガーに本格的に活動を再開する事に成った、栗原さんと言えばウェブ上に殆ど廃墟を取り扱ったサイトが無かった頃から精力的に物件を紹介し続けていた偉人。こりゃーちょっとお話をお聞きしたいと思いまして、取材の申し出にも快く承諾を頂いたのでインタビューを行って来ました。


モニターの向こう側の人だった廃墟と言うカテゴリーの雄、そんな同好の大先輩を目の前にして短い時間でしたが沢山のエピソードを聞く事が出来ました。長かった沈黙、そして今に成っての活動開始。沢山の人が待ちわびたウェブサイトの更新再開も含め、今後の展望を交えながら「栗原 亨」と言う人物に迫ります。


2013年7月某日、待ち合わせ場所に姿を現したのは本当に普通の、と言っては失礼かもしれないけれどギラギラしたオーラを纏う事もない優しそうな雰囲気の人。そこから少しだけ話しながら夜の街を歩き、取材の為に設けた行きつけのウイスキーバーへ移動。


腰を降ろし、沢山在った聞きたい事をぐっと抑えてインタビューは開始される。それではこの最初の質問を皮切りに完全復活された「栗原 亨」さんに色々とお話を伺うとしよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


nee
始めまして、6FROGS DESIGN WORKSneeと言います。この度こんなウェブ上の廃墟と見紛う腐れサイトの生意気な申し出に快くお応え頂き有難う御座います、出来る事と言えば土下座位しか在りません。土下座しても良いですか、今。むしろさせて下さい、好きなんですよ、土下座


栗原
こちらこそ宜しくお願いします、栗原です。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


写真引用:2010年「廃墟ナイト」での栗原さん│COPYRIGHT (C) TOKYO CULTUER CULTUER


nee
ど、土下座は…いや、はい。宜しくお願いします。さて、先ずは誰もが気に成る最初の質問をさせて下さい。


栗原
はい。


nee
この10年、表立った発表や活動は在りませんでしたね。この間はどうしていたのか、例えば廃墟から離れていたとか別の趣味に没頭していたとか。そして何故現在に成って活動を再開されたのか、やはり最初にお聞きしたいのはこの件ですね。


栗原
何もしてなかったと言う訳ではありません、実はこの沈黙の期間もコンスタントに廃墟には行っていたんです。廃墟に飽きたとか、別のカテゴリーに目覚めたとか、そんな事ではないですね。確かに仕事で忙しい事も在りますがウェブサイトの更新を行っていなかった事意外に大きな変化は在りませんでした。


nee
そう言えば随分と前ですがトークショウに出てましたね、確か2008年頃に。


(2008年09月06日にジュンク堂新宿店で開催された「廃墟という名の産業遺産」刊行記念トークイベント「秘密の廃墟、廃墟の秘密。」の栗原亨×田端宏章トークショウ)


廃墟という名の産業遺産→http://amzn.to/13cF5J9


栗原
ああ、ジュンク堂の。


nee
そうそう、えーと誰でしたか…廃墟の本を出版されていた方で。


栗原
田端さんですね。


nee
そうです、田端宏章さん。確か2000年前後の廃墟ブームの時に出版されて、しかも当時は「廃墟本」と言うカテゴリーのフォーマットが殆ど無かった時代に濃厚な内容を上手く編集されていて。確か「懐古文化綜合誌 萬」だったと思いますが。


懐古文化綜合誌 萬→http://amzn.to/18zkCTg


栗原
その田端さん。新宿のジュンク堂さんからトークショウの話を頂いて、内容は「廃墟という名の産業遺産」刊行記念の販促だったと記憶しています。


nee
2008年と言うと廃墟ブームが一旦落ち着いた頃ですね、最近はまた少し盛り返した感が在りますが。


栗原
1990年代はまだ廃墟って物が一般的に認知されていなくて、どうしても「危険な場所」、「危ない雰囲気」、「不良の溜まり場やホームレスが住んでいる」などの暗くて湿ったイメージだったんですよね。だから昨今の様な「写美的な撮影対象」と言うとは全くかけ離れていて。


nee
そうですね、2000年位からは純粋な「廃墟が面白い」と言う探索的なブーム構築記。最近は「廃墟が美しい」と言うブーム転換期、の様な。


栗原
それでいくと私の1990年代の廃墟へのアプローチは黎明期と言ったところでしょか、誰も知らない場所に単身訪問して日常とは違った体験を欲していたんだと思います。


nee
結果、その後の廃墟ブームに。


栗原
自分が先導したのか、それとも時代的に偶々その様な流れが在ったのか。何れにしても私自身は「廃墟」と言う物に対しての心構えは変わっていませんね。


nee
と、言うと?


栗原
特に最近。ここ2~3年の新たな廃墟ブーム、実に沢山の人が日本全国の廃墟に訪れて写真をネット上に掲載しているでしょう。私が廃墟探索を始めた頃には全く考えられなかった状況です、しかも雰囲気もずっとライトに成ってる。


nee
確かに。


栗原
廃墟って危ないんですよ、そして全然美しくなんか無い。だって「廃墟」ですよ、廃墟。人も住んでないし管理なんかとっくの当に放棄された場所、建造物としても昔の規準で建築されている訳だからアスベストとか色々と問題も在る訳ですよ。


そんな中に「綺麗な撮影対象物が在るから取り敢えず撮りに行くか」って、これって別に「廃墟」じゃ無くても良いし危険な思いをしなくても他に撮影対象は沢山在る訳で。先程も会話の中で少し出ましたけど「廃墟が美しい」って言うのは根本的に何か違うんじゃないかと。


nee
ああ、この辺の話は丁度後ほど詳しく聞く予定だったんですよ。改めて後程お聞かせ下さい。


栗原
はい。


nee
で、トークショウ。丁度この時期って表立った活動は表面上は行っていなかった時ですよね、なのにいきないトークショウ。


栗原
いや、いきないと言うか。出版社さんからはずっと「次の本出さないか」って、ただ私が引き伸ばしてしまっていたのが正直な所ですね。でも廃墟には行っていたんです。


nee
そして2年後、丁度今(2013年)の廃墟ブームの再起点と成る位の2010年。カルカル(東京カルチャーカルチャー)で廃墟イベントとしては最大規模の「廃墟ナイト」へ出演。


栗原
そうですね、私としては初めてのメインでのイベントでした。この時は沢山の人にも来て頂いて、私も廃墟に関する沢山の話をして。ウェブサイトでのレポートとはまた違う雰囲気と言うか、色々と楽しませて頂きました。


まだハッキリと言えませんが今年の8月にもカルカルでやる予定ですよ。


nee
え?


栗原
今年もやるんですよ
廃墟イベントをカルカルで。


nee
ええ?


栗原
新しく発売した書籍の販促も兼ねてですけどね。


nee
そ、それは何気にビッグニュースじゃないですか。まだ何処にも告知されてませんよね?


栗原
はい、詳細が決定すれば直ぐにでも告知したいと思います。丁度カルカルの店長さんとも話を煮詰めている所です。


※ 2013年07月30日 詳細が発表されたのでイベントリンクをメッセージボードに追加しました


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


写真引用:2010年「廃墟ナイト」での栗原さん│COPYRIGHT (C) TOKYO CULTUER CULTUER


東京カルチャーカルチャー

http://tcc.nifty.com/


nee
と、言う事は長い沈黙を破って活動を再開されたのは書籍の販促がメインなんですか。


栗原
そうでは無いです。確かにタイミング的に狙ってはいますが先程話した通り、廃墟の探索自体はずっと行っていましたし。トリガーには成ったかなと言う程度でして。


nee
ウェブサイトの更新は正直驚きましたよ、恐らく随分と沢山の方が「本当に更新されたのか」って思った筈です。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


写真引用:久々の新物件「物件No.235:イルカ島:沖縄県」の一枚│COPYRIGHT (C) RUINS EXPLORER


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


nee
月並みなんですが、1000物件越える廃墟を訪問された栗原さん。恐らく「廃墟」に興味を持ったキッカケと言うのが在った筈なんですよね。ウェブサイトの予告物件だけでも202件も在りますし。


栗原
ああ、在りますよ。


nee
やはり。


栗原
昔は私自身も「廃墟」と言う物に特別な意識というか、そんな物は在りませんでした。元々は心霊スポットをアチコチと廻っていたんです、「心霊」自体は大の否定派なんですけどね。


nee
で、その心霊スポットの中で出会ってしまった、と。


栗原
この話は結構知られていると思うんですが、トークショウなどでも必ず出る内容ですから。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


写真引用:2010年「廃墟ナイト」での栗原さん│COPYRIGHT (C) TOKYO CULTUER CULTUER


nee
そうでしょうね、因みに私は栗原さんのサイト「廃墟エクスプローラー」をキッカケに「廃墟」と言う撮影対象に出合いましたから。「物件No.11:廃村峰:東京都奥多摩」だったと思います、それと「物件No.60:金子邸:栃木県」。兎に角非日常的でわくわくしながらモニターを眺めていました。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


写真引用:廃墟エクスプローラー「物件No.011:廃村峰:東京都奥多摩」の一枚│COPYRIGHT (C) RUINS EXPLORER


物件No.11:廃村峰:東京都奥多摩
http://www2.ttcn.ne.jp/hexplorer/hsmine.htm


物件No.60:金子邸:栃木県
http://www2.ttcn.ne.jp/hexplorer/kaneko.htm


こう言う何か「ああ、何か面白そう」って、この対象で写真撮ったらどんな感じに成るのか解らない感じ。そんな探究心的な物が在りました。


栗原
成る程、私は特に気にもしてなかった心霊スポットなんですよ。ある結核病棟が在りまして、その病棟の廃墟に何とも魅せられたと言うか。


nee
モニター越しとは違った感銘を受けたんですね、実際その場所に居る訳ですから。


栗原
そうですね、美しいと言う言葉より。なんだろう、こう興味を持ったんですよ「廃墟」と言う物に。


nee
それからは言うに及ばず、廃墟ブームへの流れが少しづつ出来上がる訳ですか。当時は恐らく無かった筈ですから、「廃墟」に焦点を当てたウェブサイトは。同じ様なカテゴリーだとどうしても「心霊スポット」に成ってしまう。


栗原
まあ元々はその方面からでしたけど。それでも目新しいモノを始めたのは面白かったですよ。


nee
個人的に聞きたかった事が在るんですよね、「廃墟エクスプローラー」のコンテンツに関して。これ、本当に本人にお聞き出来るのは良かった。


栗原
なんでしょう。


nee

房総のある物件遺体を発見されてますよね。


栗原
ああ、その事。


nee
私も地元が千葉県であの物件は良く知ってました、廃墟エクスプローラーであの物件が紹介されていて読み進めて行く内に引き込まれるモノが在りましたね。あのレポートだけはちょっと異質と言うか。


栗原
山王荘
アレはね。あの物件は妙に戸締りがシッカリしていて、グルっと回っても中に入れる糸口さえ掴めない。そんな物件だったんですよね、それで1箇所だけ。何故か1箇所だけ開いてる所が在ったんです、まあそうと成れば開けますよ。ガラガラっと。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


写真引用:廃墟エクスプローラー「遺体を発見した千葉県の物件「割烹旅館 山王荘」│COPYRIGHT (C) RUINS EXPLORER


nee
ガラガラ
っと。


栗原
そしたら、こう。なんだろう、吊られてて。下にもこう、千切れてしまった”物”が、ね。


nee
そうとう驚いたんじゃないですか。


栗原
驚きはしましたが、何か冷静で。


nee
警察などにも届けた、と。


栗原
そう、丁度建物周辺は携帯の電波が届かないから山を降りて道路まで戻って。それから警察に通報。


nee
その流れはサイトでも紹介されてますね。


物件No.18:割烹旅館 山王荘:千葉県
http://www2.ttcn.ne.jp/hexplorer/sanou.htm


栗原
私的には見つけて欲しかったのかなぁと、そんな風に思うんですよ。だって何処も施錠されていて、入る場所が無くて。それなのにこの戸だけが開くなんて、呼ばれたのかもしれません。


nee
他にも廃墟探索されている方で遺体を発見されている内容のレポートを幾つか散見出来ますね、やはり場所が場所だけに見つけ易いのかもしれません「廃墟」って。


栗原
あー、実は。


nee


栗原
いや、私は廃墟探索家と同時に「樹海探検家」も自称してまして。樹海ではエライ数遺体を発見してましてね、そりゃあ10や20じゃないですよ。


nee
!!!


栗原
青木ヶ原樹海って自殺者多いじゃないですか。


nee
はい、自分も何度も入ってます。数キロ中に入った事も在りますが本当に多いですよ、通報すると1日潰れちゃう。


栗原
そう、それでもやはり通報しないと。樹海の管轄って富士吉田警察署なんですけど余りにも遺体の発見通報が多くて、私の。


nee
10や20じゃないですし。


栗原
だから慣れた感じに成ってしまう、私も警察も。遺体を発見して富士吉田警察署に電話するんですが「ああ、栗原です」って言うと警察の方が「またですか」って。””が”どう”して”通報”したのか省略されるんですよ、栗原です→またですかって。


nee
ははは(乾笑)って笑う事じゃないです。


栗原
それ位見つけてるって事です、だから廃墟で見つけても冷静だったんでしょうね。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


nee
そうして「廃墟ハザード」が出来上がっていくと。


栗原
ああ、あれですか。


廃墟HAZARD(完成バージョン)

http://www2.ttcn.ne.jp/hexplorer/hazard02.html


nee
何か絶対見るんですよ、廃墟サイトの何処にでもリンクが貼られていて。兎に角みんなアレを貼っとけ!的に。一人歩きしてますよね、コンテンツの一部分だけが。


栗原
まあ、そうですね。最初はもっと小さな内容だったんです。その内沢山の同好の士が情報や経験を持ち寄って現在の形に収まった訳です。リンクはフリーを謳っていたし安易に廃墟へ近づけない為の防護策や抑止力にも成ればと。


nee
実際危ないですよ、ガス検知器や酸素量計測器が唸る場所も在りましたし。アスベストや崩落だって怖い。


栗原
そう、それが興味本位の人達には解らない。知ってる人が大丈夫だったから、ウェブサイトで無事レポートされてるから。そうやって危険な部分を蔑ろにして好奇心が先行してしまうんです、それが怪我や事故の最大の要因なのに。


nee
道具と知識は必要だと。


栗原
どんなスポーツや趣味でも同じです。ほら、割橋。あれもそうでしょう、危険と隣合わせ。


nee
だからこそ面白いんですよ、割橋。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟Explorer 栗原亨 廃墟 樹海


6Frogs - 毎日をデザインで考える-割橋プロジェクト


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃虚や廃村、秘境や遺構の調査レポート-contents_report_re_078


栗原
あれ、良いですね。面白い、自分もやってみたい。


nee

いや、あれホントにちょっと危ないんですよ。相棒の岩屋と山屋(本当は沢屋)の私が中心に成って後続の若い人達には事前にボルダーな知識やラペリングをレクチャーしてから行くんです、ザイル1本気合と根性って訳には流石に行きませんね、実際私は落ちかけましたし。房総で。


栗原
そうなんです、危ない事。はじめから解っているんですよね、廃墟は危ないって。なのに殆どの人がテンプレートとして”廃墟ハザード”を利用(リンクコンテンツとして)するけど実際には反映されないって言う。

nee
確かに。と、言うより変わったんですよね。廃墟に対するイメージが。


栗原


nee
ライトに成った、良い意味でも悪い意味でもヌメっとした暗い雰囲気だった廃墟のイメージが「美しい建造物」って言う撮影対象に摩り替わった様な。


栗原
そう、それ。探検や探索じゃなくて写真撮りに行こうってノリですよね、特に最近は。


nee
だからこそ危険な場所に慣れていない人の為にも自衛手段はシッカリと押さえて欲しい、と。


栗原
まあ「ブーム」って言う一過性のモノは往々にして危険な部位はスポイルされますから。


nee
その流れで「削除物件」が存在するんですか?


栗原
削除物件?


nee
公開中の物件ページにたまーに出てくるリンク切れのレポート、在りますよね。「削除済み」って書かれてる。


栗原
ああ、あれは単純に物件の関係者から”削除依頼”が来まして。


nee
成る程。


(ここからちょっと掲載出来ない内容に話が向かう)


栗原
まあそんな感じです。


nee
取り壊しや再利用、近隣住民からのクレームなんかも在りますからね。


栗原
データは残ってますよ、全部。取り壊された物件も含めてね。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


nee
サイトを通じた出会いなどは過去に在りましたか?最近の動向としては本来単身での探索がメインだった物が”合同探索”と言う新たな探索方法を利用する方も増えていますよね。廃墟サイトとして先駆けだった事も在ってサイト開設当時でも似たような”合同探索”が在ったりしたのかなぁと。


栗原
在りましたね、今のとはちょっと違うと思うけど。


nee
と、言うと?


栗原
今の廃墟サイト見てるとどれもこれも写真が”綺麗”なんです、とても美しい写真達。つまりは探索と言うより撮影の為に廃墟に行ってると感じるんです、私がアチコチと脚を伸ばしていた頃は純粋に”探索”がメインでした。だからカメラも今でもコンデジです、資料としてはそれで十分。


nee
私も撮影を念頭に置いてるのでちょっと耳が痛いですね。


栗原
何度も言いますが廃墟に関してのアプローチは「廃墟は美しからず」なんです、美しく撮る事は出来ても実際美しくはない。行けば誰でも解る事でしょうね、汚くて危険な場所だって事が。


nee
見方、でしょうか。


栗原
これは好みの分かれる意見なので私自身の心構えとしてですね、「廃墟は美しからず」と。


nee
確かに。私は地域民俗学や歴史が好きなのでレポートにその調査内容を反映させてはいますが、うーん。それでもやはり現地に赴けば「綺麗な写真を撮影したい」と無駄な色気が出るのは正直な気持ちです。


栗原
人それぞれですから、あくまで”私は”です。


nee
ですね。


栗原
で、昔はやはり同好の士って結構貴重だった訳です。廃墟が書店などでイチジャンルとして認められる様な時代では無かったですし。コソコソっと、互いに情報交換などもしながら。


nee
今は違うと。


栗原
確かに今でも沢山の廃墟を巡ってる人はいますよ、それい危険な場所でも対策もしっかりしてる。それを良い事におんぶだっこな興味本位な、ああ先程も言った”好奇心が先行”してしまう人達。そんなライトな探索者が合同探索とは名ばかりの廃墟見聞を、ね。


nee
飽きるのも早いかもしれませんね、でもそうやって淘汰されて資料性の高いサイトが生き残るのは以外と悪い事じゃ無い筈ですよ。多趣味な時代ですから。


栗原
そうですね、だから人それぞれ、あくまで”私は”です。


nee
では当時ご一緒した方達とは今でも親交が?


栗原
いや、それが殆ど。


nee
ない?


栗原
ない。


当時の方達は皆「廃墟探索」はしてないでしょうね、有名な方ですと黒魔さん、ウシロさんとか。


nee
ああ、お聞きした事があるお名前ですね。連絡も取れない状態ですか、当時の人とは。


栗原
殆ど、ですね。


nee
続け辛い趣味、と言うか。どうなんでしょう、兎に角中々続けるには勢いが必要なモノですよね、廃墟って。


栗原
です、ね。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


nee
そう、今回の活動再開。トリガーが新たな書籍の発売だった訳ですけどこの書籍について、ですね。


栗原
今迄も何冊か書いてます、寄稿やワンダージャパンさんの連載なども在った訳です。冒頭でも話しましたがずっと出版の話は在ったんですよ、何年も前から。


nee
ええ。


栗原
仕事と廃墟探索を両立しながら執筆するには時間が無くて、で久振りと成った訳ですが今回出版に漕ぎ着けたと。まあぶちゃっけてしまえばサイトを長らくと放置、いや更新出来なかった理由もココに在るんですよね。実は。


nee
???


栗原
出版社さんからサイトの更新に”待った”が掛かっていたんです。


nee
え?それは…。


栗原
つまり。出版で紙媒体を読者さんに購入して貰う、それなのにウェブ上に同等のレポートが掲載されている。それじゃあ本を買ってくれた方に失礼じゃないか、と。出版社としても本を売りたい訳ですし期待もしてくれている中でウェブサイトの更新は、まあ私としてもし辛いと言うか。


nee
あ、そういう。


栗原
確かにそうですよ、比較的自由度の高いウェブ上に似たような写真や情報が在れば中には””を必要としない人が必ず存在する訳で。


nee
でもウェブサイトと書籍って全く別ですよね、本は本な訳ですし。


栗原
それはそうなんですが本が好きな方は総じてそう言います、が廃墟の情報を知りたい、ちょっと齧ってみたいって人はウェブサイトで満足してしまう。


nee
そうかもしれませんね、多分そうなんだと思います。


栗原
だから期間が開いた、いや開いた様に見えてしまう。


nee
活動はずっとして居たんですよね。


栗原
そう、ずっと続けていた。イベントや企画、寄稿や連載。これらを含めればそこまで長いスパンの睡眠は取って無いんですよ。ただ出版社さんとの兼ね合いでウェブサイトは更新出来なかった、情報源が「廃墟エクスプローラー」のみの方達には随分と御久し振りに成ってしまったと言う訳です。


nee
納得しました、そうだったんですね。


栗原
これからガンガン行きますよ、サイトも更新して行きますし廃墟もペースを上げて行く予定です。


nee
それは楽しみです、私自身栗原さんのサイトから廃墟に出会ったので嬉しい限りですよ。


栗原
新しい書籍が発売されたのをキッカケとして活動の気力も上がれば、ですね。


新・廃墟の歩き方 探訪編→http://amzn.to/17CYGWl


nee
最後にお聞きします。未だに廃墟と言うカテゴリーで第一人者として扱われる事が多いですよね、ブーム火付け役な訳ですし実際レポートの数も多い。時間は経過して現在(2013年)、実に沢山の廃墟系ウェブサイトが生まれています。そんな中で”第一人者”と呼称される葛藤などが在ればお聞きしたいと思います。


栗原
昔の人なんです。


nee
栗原さんが?


栗原
そう、私は確かに”廃墟ブーム”の火付け役だったかもしれません。だけれども自身のスタンスとしては”廃墟好き”の一人なんです、現在の”写真メイン”のウェブサイトでもないですから。だから昔の人。


nee
探索、ですか。


栗原
そうですね、だから重ね重ね言うんですよ「廃墟は美しからず」と。


nee
栗原さんの中では”廃墟”が好きなので在って”廃墟を写す”事は別問題だと。


栗原
コンデジで十分なんです、何せ”廃墟探索家”ですから。これが私の廃墟に対する接し方だと思うんですよ、廃墟と樹海を探索探検する者「栗原 亨」。それが今迄もこれからも根っこの部分、”廃墟探索の第一人者”や”廃墟ブームの火付け役”って呼称も”廃墟ハザード”同様に一人歩きしてるだけでして。


nee
深いなぁ。


栗原
今後もコツコツと物件を更新して、ああそれと。


nee


栗原
実は今ちょっと新しい事をはじめてまして。


nee
ほう。


栗原
詳しい内容は明言出来ませんがきっと沢山の人が”驚く”様な事を発表したいと思います。まあココだけの話ですがdsふtwrつお:wrつ:おぅ…


nee
それは素敵ですね、是非。是非見てみたい。


栗原
これ、実際面白いですよ。自分自身楽しみながらやってますし。


nee
形に成るのはいつ頃ですか?


栗原
まあ、もうちょっと先の話ですね。期待していて下さい。


nee
本日は有難う御座いました、貴重なお話も沢山聞けました。


栗原
いえいえ、此方こそ有難う御座いました。


nee
って言うか、家近いですよね。お互い。


栗原
ああ、近いですね。車で20分位。


nee
と、言う事で栗原さんの自宅ワタクシの家凄く近かったやったー。


栗原
が?)


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


無事「やったー」が出来て大満足のインタビューでした、やったー。今回の取材の大名目、新しく出版された栗原さんの新書を最後にご紹介しない訳にはいきますまい。


新・廃墟の歩き方 探訪編→http://amzn.to/17CYGWl


今回の新刊は二見書房さんから出版、「新・廃墟の歩き方 探訪編」は今迄の書籍の内容を周到しつつこの10年間で来訪した沢山の廃墟を掲載。詳しくは二見書房さんの取り扱いページへ。


二見書房 - 新・廃墟の歩き方 探訪編
http://www.futami.co.jp/book/?isbn=9784576130484


著者紹介:栗原 亨(くりはら とおる)


1966年東京生まれ。廃墟・樹海探検家。「廃墟Explorer」管理人。


著書に『廃墟の歩き方 探索編』『廃墟の歩き方2 潜入編』『樹海の歩き方』『はじめての廃墟の歩き方』(以上、イースト・プレス)、『廃墟紀行』(マガジンランド)、『ウソかマコトか!? 恐怖の樹海都市伝説』(秋田書店)。監修に『廃墟ノスタルジア』(小社刊)、共著に『ニッポン地下観光ガイド』(アスペクト)、『ニッポンの廃墟』(インディヴィジョン)などがある。


(二見書房紹介ページから抜粋)


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

REPORT - 218 │ 峰崎医院(怪獣病院/龍の砦/龍の籠)

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦 籠


静岡県│峰崎医院


滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 峰崎医院(怪獣病院/龍の砦/龍の籠)


静岡県の伊東市、そこに建築デザインの関係者からはとても有名で最近に成って廃墟好きがチラホラと取り上げ始めた廃病院の物件が残されている。特徴ある概観造形から幾つかの呼称を持ちながらその実体を詳細にまとめたサイトは皆無、そして情報源も殆ど見付ける事が出来ない不思議な廃墟。


新宿の軍艦マンションに代表される渡邊洋治氏が手掛け、「怪獣病院」や「龍の砦」と呼ばれる謎多き今回の物件をご紹介したいと思う、恐らくウェブ上では初めての情報を織り交ぜながらエントリーを開始しよう。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦

廃墟が好きな方には「怪獣病院」と呼ばれているこの物件、廃墟年齢は凡そ20年程。しかし建造物としての歴史は更に数十年遡る事に成る、建築を手掛けたのは日本建築家としても異端と評された渡邊洋治。故に建築関係者や建築デザインなどの学科を有する大学の教授、学生などは稀に訪れる事があるそうだ。


しかし資料書籍やウェブサイトに至っても内部の写真が全く無い、これは何故なんだろうか。


そもそもこの廃墟には疑問点が何かと多い、既述の内部写真についてもそうなのだけれど呼称名が多い事、この廃墟が本当に病院だったのか(外見から病院とは思えない)、そして何故最近(2011年辺りから)に成って廃墟好きに注目され始めたのか、等々。


これはシッカリと調べてみたい、そう思った。


一応売り物件なので不動産経由でのアポイントメントも考えたが購入意思がある訳でも無い、と言う事で管理されている方に直接交渉し撮影とお話を聞かせて貰う事を要請、了承して頂いた。尚、この管理者さんはこの建物とは色々と縁がある方で不動産会社を介さず所有者から直接管理を任されている。それ故に大学関係者やマスメディア意外の一般の撮影などの問い合わせには応える事は出来ないそうだ、またこの人物に関しても詳細をお伝え出来ない事をご了承願いたい。


写真解説:入口手前部分 - photograph:+10


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


まずはこの物件の建築を手掛けた日本建築家、渡邊洋治と言う人物を説明していこう。


渡邊洋治 - ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%e6%b8%a1%e9%82%8a%e6%b4%8b%e6%b2%bb


陸軍船舶兵出身と言う珍しい経歴の持ち主で建築デザインのその影響が散見出来る事で有名と成った、冒頭でも書いた様に軍艦マンション(第3スカイビル)のデザインを主導した事は建築デザインの世界では知らない者が居ない程のインパクト。RC技法がメインの様に語られるけれど実は日本古来の木造工法が得意分野で今回の物件とも深く関連するので頭の隅に留意しておいて欲しい、陸軍船舶兵時代の影響で戦艦などをモチーフしたデザインが多く、またなどをアレンジした造形も好んだ様だ。


写真解説:入口上部部分、円状の吹き抜けと成っていて屋上が垣間見れる


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


それでは管理人さんに開錠して頂くとしよう、恐らく内部の写真は現在ウェブ上には存在しない珍しい物に成る予定だったのだけれど諸事情でスケジュールが押してしまい、来訪時間が日没付近と成ってしまった。またその後の別取材も控えていた為に三脚やバッテラを用意出来ずにハンドライト+手持ちの撮影で少々絵が荒い事をお詫びさせて欲しい、申し訳ない。その内再度時間を作り、シッカリと資料写真を撮影して来たいと思う。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


玄関に入ると建物内は兎に角真っ暗だった、殆どの雨戸は降ろされていて大きなサッシなどは板で目張りされているからだ。また屋上部分の吹き抜けや登攀出来そうな場所には有刺鉄線が張られていた、これは一体どう言う事だろうか。


管理人
ああ、コレね。第一に泥棒対策なの、多いのよこの建物に入ろうとする輩が。態々他県から深夜に来て盗みに来るんだよ、何も残ってないのになぁ。


nee
まあ概観が凄いですから、貴重な品々が残されていると思っても仕方ないですよね。


管理人
一度や二度じゃないしなぁ、警察沙汰なんて本当に何回も。それと近所の悪ガキ共がね、色々と。


nee
それが第二の理由ですか。


管理人
そう、肝試しで夜中に来たり面白半分で侵入しようとして。だから登れそうな場所には有刺鉄線を張ったの、泥棒も悪ガキも中に入りたいから色々と探すんだろうね。目ぼしい場所は全部目張りして、屋上のサッシはコンパネで塞いだよ。


nee
結構大変な物件なんですね、最近は何か在りました?


管理人
最近も何も、年がら年中飽きもせず変なのが来る。本当に面倒、外から眺める位は何も言わないけど土地の中に入ったり登ったりは泥棒じゃなくても警察にすぐ通報する様にしてる。


これは初っ端から重い話を。


どうやら管理で随分と苦労されている様だった、事前連絡をして来訪するのはやはり大学関係者位なもので去年にも早稲田大学建築学科の先生と生徒が訪れたとか。


写真解説:玄関から外側を望む、右側は入口で左側は次階への階段。右後には広い部屋とキッチン、左後ろにはトイレが設置されていた。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


玄関から入って右側、最初の部屋。実は内部、とても狭い。渦を巻く様に斜面に建てられていて半階づつ部屋を設けている、一つのフロアには1部屋+2小部屋位の規模だ。そしてやはり暗い。


nee
それにしても余り病院って感じがしませんね、本当にこの物件は病院だったんですか?


管理人
ああ、建てられた当初は確かに病院だったよ。その後は一般の人が住んでたからその所為で生活観があるのかもねぇ。


nee
ああ、やはり病院だったんですね。


管理人
この家、「怪獣病院」って言われてるでしょ。元々は病院に来る子供達がこの建物を見て怪獣、怪獣って。それでいつの間にか「怪獣病院」って呼ばれる様に。その後に別の病院が入ったんだけれどその時も地元では変わらず「怪獣病院」って呼んでる人が大勢居たなぁ。


※ この辺の歴史は後程詳しく記載します


写真解説:1階メインフロア、兎に角何も残されていない。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


1階フロア奥には病院運営時代薬品庫と使用されていた部屋が在った、その後一般住宅化してからはキッチンとして使用された様だ。これだけ狭いのに迷うのはこの様な小さな部屋が複雑に配置されているから、管理人さんも偶に入ると部屋を間違えるのだとか。


写真解説:綺麗に見えるが至る所で腐食が進んでいる、そしてカビ臭い。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


玄関から斜め右側の部屋を抜けると二手に分かれる、左側は1階から半階上がった部屋へ。右側の階段は吹き抜けの中心を沿う様に巻かれていて各部屋へ繋がっている、建物の中心部なので光が殆どなくて真っ暗だ。


写真解説:床は赤い絨毯、内壁は同一のクロスで統一されていた。最上階だけは和室なのが少々違和感。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


最上階手前まで登って来た、左側には小さな風呂が設置されているのだけれどこれが半分露天って言う。中々贅沢な造りだ、何しろ部分的なデザイン一つとっても凝っていて大工さんは相当苦労したのではないだろうか。


写真解説:実は床の腐食が進んでいて一部抜けそうな場所も、柱などはまだ大丈夫そうだ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


管理人さんの好意でコンパネを外して貰い、屋上へ出る事が出来た。そしてココに来て管理人さんから面白い話を聞く事が出来たので掻い摘んで記載しよう。


管理人
この家が「怪獣病院」って呼ばれてる事の由来はさっき話たでしょ、でも建築関係の人や大学の人なんかは「龍の砦」とか「龍の籠」なんて呼ぶ。


nee
建築家の渡邊さんが龍のデザインを多用するからですよね、実際この渦を巻く姿が龍に見立てられて作られたと聞いています。


管理人
いやね、それ。実はちょっと違うんだ、確かに龍の意匠は含まれているけれどこの家は船なの。解るかな、サッシの上の棒みたいなの。アレはパドルとも見れるし戦艦の砲身にも見える、上に登れるから全体を見るといい。船の形してるから。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


管理人さんに「この家は船」、そう言われてから注意深く細かなデザインを確認していく。陸軍船舶兵出身の「狂気の建築家渡邊洋治。確かに彼は龍と共に、またそれ以上に「船」を意識した建築を多く手掛けていた。二つの要素が重なり、目からの情報で認識しやすい「渦」を龍の意匠として捉えても何らおかしくはない。


しかし成る程、言われて見ればやはりと言うか。この家は「船」なのだ、管理人さんからこの時細かく説明されたのだけれど部分的な、そして本当に細かな所で確かに「」である事を主張している。


調べて見ると建築した本人である渡邊洋治氏がこの家を「龍」と表した事は無い、あくまで作品資料の作品名に便宜上付けられた名称が「龍の籠」だが渡邊氏、最初にこの家の建築を依頼した峰崎氏(後に詳細記述)共にこの家は「」だと近しい者に語っている(聞き取り調査による)。


未確認の話によると軍艦マンション(第3スカイビル)の原案をこの家で試みたとの情報も得た、総合するとこの家は戦艦や軍艦と言った船をモチーフにデザインされたと結論付けても良いだろう。因みにもう一つの呼び名「龍の砦」は作品集にもその他の資料にも表記が無く、恐らく「龍の籠」をどこで誤解した結果と思われる。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


ああ、こりゃ船だ。ここまで来てやっと理解出来た。


写真説明:螺旋状の最上階(屋上含む)には展望台が設置されていた。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


船首上部、ウェブ上で龍の口と噂される部分は実は船の船首だったのか。と、言うより龍のトグロと船を合擁したデザインと言うべきか。


しかし見晴らしが大変良い、遠くを望めば相模灘。山の斜面に建設されている為に付近の町の眺望も素晴らしい、住宅地故にこの異彩を放つ家は一段と目を引くのも納得だ。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


ウェブ上に掲載するにはちょっと危ない話も交えながら管理人さんから色々とお話を聞く事が出来た、日も沈んで暗く成ってきたので今回はこの辺で引き上げるとしよう。


今回は有難う御座いました、今度はお酒持参でお伺いしますね。


6Frogs - 毎日をデザインで考える- 廃虚 廃屋 廃校 鉱山 廃村 秘境 登山 鍾乳洞 ケイビング キャニオニング トレッキング クライミング 破線


この後コンパネを再度設置、施錠を確認して管理人さん宅にて再度お話を聞きました。大変興味深く、また新たな事実も色々と判明したので机上調査と合わせて記載したいと思います。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


この家の正式名称峰崎邸(峰崎医院)と言う、竣工は1958年前後(1957年~1959年で情報が錯綜してます)。ウィキペディアや他のサイトでは1968年に建築されたと在りますがそれは大きな誤り、その誤解を招いた一つの要因についても語っておきましょう。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


これだ、この銘板に刻まれた1968年の文字がその後の記録に誤解を生んでしまった。しかし思考を巡らせて欲しい、この家は当初「峰崎邸/峰崎医院」として建築されている。それなのに名前には「鏑木」と在る、これは一体。


まずは簡単にこの家の歴史を記載したいと思う。


1958年 - (前後)元軍医だった峰崎氏が同じ軍の出身である建築家・渡邊洋治氏に自宅のデザインを依頼


この時軍医を引退して暫く小児科医として活動していた峰崎氏は自宅を邸宅兼病院として運営出来る様に、そして少々変わったデザインをと渡邊氏に依頼した様だ、完成後は「峰崎医院」として病院運営が開始される。


またこの時期に管理人さんの友人が幼少の頃にこの病院でお世話に成っている、その当時から子供達からは怪獣みたいな建物と評判に成り「怪獣病院」と呼称される様に成ったと聞いたと言う。


約10年間の病院運営を続けて居たが峰崎氏が無くなってしまう。


1968年 - 現在でも所有権を擁する鏑木氏がこの土地と家を購入


この時に購入の記念に製作した銘板が写真の物だ。つまり鏑木氏が渡邊氏に建築を依頼した訳ではなく、購入した記念に銘板を設置。それが資料製作時にその間々記載されてしまったと言う訳だ、早稲田大学の建築学科はこの事実を確認していて今後の出版物では訂正していく方針だと聞く。


購入後、同じ医師だった鏑木氏はこの家で前所有者と同様に邸宅兼病院として運営を開始する。中には小児科と勘違いして訪れる患者さんも居たらしいが鏑木氏は通常の内科として診療していたそうだ。


病院運営は1982年に鏑木氏が亡くなるまで続けられた。


1982年 - 平塚市浅間町の女性がこの邸宅を一般住宅として借り受ける


この女性に関しては全くの一般人なので詳細を記載するのを控えよう、ただこの期間も現在に置いても所有者は鏑木氏の血縁である鏑木家が有しており、管理人さんに管理を委託しているのもこの鏑木家だ。


1993年 - 女性が転居


同年から住友不動産販売(熱海営業センター)が委託管理、売り物件として現在に至る。


最後の住人が転居してから今年(2013年)で丁度20年を迎えた、廃墟と言うか無人化して20年間。その間に家屋の内部、外装共に腐食が進んでおり、管理人さん曰くとても人が住める状態ではないと言う。実際内部を見学させて頂いての感想としては同感で現状の間々では即入居と言う訳には行かない程。


建築関係者や早稲田大学の中には渡邊洋治の作品として、建築デザインの貴重な資料として補修して保存しようと言う動きも小さくでは在るけれど在る様だ。しかし行政の協力も得られず、資金源が間々成らない状況で20年の月日が流れてしまった様だ。


不動産関係者に話を聞くと「人が住めるレベルまで補修工事を行うと家が別に一軒建ってしまう」との事、鏑木家も思案して家を解体してスケルトンの土地として販売を考えた事も在るそうだが土地だけでは殆ど価値が無く、解体費用だけがその間々赤字と成るので放置せざるを得ないの様。


写真解説:この物件の建築年代を勘違いさせた記念プレート - photograph:+10


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


気に成った方もいるかもしれないが度々出てくる大学名が在る、そう早稲田大学。なぜこの伊東市の住宅街の建造物に早稲田大学の名前が頻繁に出てくるかと言うと。


それはこの家の建築を手掛けた渡邊洋治氏の経歴を見れば納得して貰えるだろう、今一度冒頭の氏のウィキペディアを参照して欲しい。そこに記載されている様に1954年から早稲田大学の吉阪研究室助手として勤務していた事に起因する、因みに吉阪研究室の吉阪とは渡邊氏の建築家としての師匠にあたる吉阪隆正氏の事だ。その後1973年まで早稲田大学とは深く関係して行く、大学を離れても早稲田大学の建築学科とはパイプを持っていた様で何かと生徒の面倒を見ていたと記録にも記されている。


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


最後にこの峰崎医院跡について最も勘違いされている部分を訂正する内容を書きたいと思う。


先の説明の通りに銘板の記載のおかげで中期のデザインとされる事が多いこの物件、細かく調査して行くと実は1958年前後と言う初期の作品だった事実が浮き彫りに成る。また同じ読み方の嶺崎医院(1956年)とも混同されるがこれは建築関係者だけの物なので一般認知度は低いだろう。


多岐に渡る誤解を生む外見も歴史も不思議なこの物件、その施工方法も実は誤解を生む物だったのだ。


この物件が作品紹介などで説明される時に建築技法が必ず記載される、そしてそこにはこう書かれている。


「RC構造(鉄筋コンクリート構造)」


目の前で見ても疑問に思わずそう思い込んでいた、のだけれど…。管理人さんが最後に一言、「これ木造なんだよね」。


えっ?


管理人
いやさ、大学生なんかにも説明するとビックリされるんだけれど。良く見て、表面は確かにコンクリートで薄く化粧して在るけど。この建物は全て角木(木材)を同じサイズに裁断して並べて在るの、化粧(コンクリート)が剥げた所見ると木目が見えるでしょ。


ええぇぇええ。


本当だ、これ木造。あれ、すっかりと勝手にコンクリート打ちっぱなしだと思い込んでた。いや、でも言われても俄かに信じられない。でも、うん。凄いなコレ、全部木じゃないですか。


改めて敷地内をぐるっとして外壁を注視すると成る程、こりゃ立派な木造でした。屋上のシャッターみたいなサッシも実は木製でコンクリートの色で偽色塗装されていたのだとか、ありゃー気付かんかったー。


最後に一番驚く事実を教えて頂きました、いやビックリ


写真解説:木目が確認出来る外壁施工面 - photograph:+10


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-廃墟 伊豆 怪獣病院 渡邊洋治 龍の砦


管理人さんや周辺住民の方が曰く「泥棒や悪戯、肝試しは勘弁して欲しい」との事、概観を道路から眺めたり写真を撮る位なら誰も何も言わないと。周辺住民もこの物件が何かと注目されているのは周知の様でトラブルが無ければ問題視しない方針だと言う。


それにしても概観のインパクト以上に実に沢山の歴史と独特のエピソードを持った不思議な物件だった、久振りに調査が楽しいと感じたし沢山の協力も得られたしと満足の行くレポートをお届け出来たと思います。


今後この「怪獣病院」がどうなるのか、大きな動きが在りましたら追加エントリーで皆様にお伝えしようと思います。


本日は以上です。


アプローチ
国道135号線から県道108号線を伊東線宇佐美駅方面へ。そこから私道を2本経由して川を越えた住宅地に在ります。


地図リンク
http://goo.gl/maps/Wx1I2


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

CAT │ photograph - 091

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-猫 ネコ 梵天丸 菊千代 三毛


暑い。この時期、猫の身体と仕事の納期がよく延びる。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

CAT │ photograph - 092

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-猫 ネコ 梵天丸 菊千代 三毛


この寝顔を見る為に父ちゃんは働く、だから仕事中は騒がないで寝てて下さい。


ホント、仕事中マウスのコードがじがじしたりファイルサーバーの電源落としたりキーボードの上歩いてエスケープキー押したり…簡便して下さい。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

PR: 想像から始める防災・減災-政府ネットTV

$
0
0
災害に対する事前の備えやその対処法等、来るべき大災害に生き残るための方法をご紹介

CAT │ photograph - 093

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-猫 ネコ 梵天丸 菊千代 三毛


メシ…なの…か…、しかし席を立った父ちゃんがトイレだと解ると再度眠りに落ちます。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

CAT │ photograph - 094

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-猫 ネコ 梵天丸 菊千代 三毛


SCC音源のスナッチャーが聴きたい。(猫関係ない)


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

PR: 想像から始める防災・減災-政府ネットTV

$
0
0
災害に対する事前の備えやその対処法等、来るべき大災害に生き残るための方法をご紹介

CAT │ photograph - 095

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-猫 ネコ 梵天丸 菊千代 三毛


久し振りに猫のNPO団体に顔を出した、狭い檻の中に沢山の子猫から成猫まで結構な数。お手伝いで弱った猫の強制給餌と皮下点滴などを行って来た、何故そんな事をするかと言うと元々猫の医療・飼育補助ボランティアをやっていた事、そしてウチの猫達との出会いのキッカケでもあったから。


ウチの猫達は何れも保健所の殺処分を免れた保護猫達だ、猫保護のNPO団体で準獣医療と保護後の治療を担当していたので実に沢山の猫に出会う事が出来た。


その中で引き取ったのが三毛の梵ちゃんやキジトラの菊ちゃんだったりするのです、回虫や条虫検査→FIV(その他5種+血液検査)→ノミダニ検査→レントゲン+心電図検査→避妊や去勢…ここまで来てやっとこで引き取れる段階に成る。


シッカリとしたNPO団体だと子猫の受け渡しまでに2週間~3週間の検査期間が掛かる上、費用も上記の項目で8万近く掛かる。中には「雑種の猫を引き取ってやるのに金を取るのか」と文句を言う人も結構居る、その度に”雑種も血統も関係ないです”と説明しても「それなら引き取り後に自分達で検査や手術を行うから直ぐよこせ」とか「ペットにそんな金は掛けられない」とか。


猫キチの自分からすると色々と、もう。


沢山の猫を救ってあげたいと思うのは人間の思い上がりだしエゴなのも自覚している訳でして、せめてウチの猫達だけはグータラ生活を満喫させてあげたいと。


そろそろ上の子が猫生最初で最後の歯石除去の時期、麻酔は怖いからどうしようか…。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング

SCENERY - 196 │ 真駒内滝野霊園

$
0
0

6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-北海道 真駒内滝野霊園 モアイ ストーンヘンジ


まだインターネットなんて常用する時代では無かった頃、頻繁に北海道へツーリングへ行っていた時に偶々見付けた霊園が在った。その霊園は実は北海道を訪れるライダーさんには有名でライダーハウスのノートやキャンプ場での情報交換などで暫し話題に成るネタ物件。


偶々見つけて後からその事実を知るのは当時稀だった様で「なんだコレ?」と一人で舞い上がっていたものでした、その場所と言うのが現在では半ば観光地化してしまった広大な霊園、


真駒内滝野霊園だ。


真駒内滝野霊園

http://www.takinoreien.com/index.html


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-北海道 真駒内滝野霊園 モアイ ストーンヘンジ


入り口からして巨大なモアイが並び、対面にはストーンヘンジが。あーコナミ感(意味が違う)、今回はそんな素敵な霊園の数ある設置物からストーンヘンジに焦点を。


と、言っても特別な物でもないし実際霊園な訳で観光地でもない。大挙して押し寄せる様なアトラクションも無いから態々観に行く人は少ないと思うけれど、それでももしフェリー経由で北海道に上陸したライダーさんなら苫小牧からも近いこの場所、真駒内滝野霊園に立ち寄ってみては如何だろう。


地図リンク

http://goo.gl/maps/J9Zi6


6Frogs - 行ってみたら凄かった。 │ 廃墟や廃村、秘境や遺構の調査レポート-北海道 真駒内滝野霊園 モアイ ストーンヘンジ


ロンドンに住んでた頃、大して離れていない本物のストーンヘンジを見に行かなかったのは大後悔しているのだけれど今なら他の史跡や教会なんかも見てみたいなぁと思う。ソールズベリー大聖堂とか涎ものだしなぁ。


photograph - nee


にほんブログ村 写真ブログ 廃墟・廃屋写真へ にほんブログ村 写真ブログへ にほんブログ村 写真ブログ 女性写真(ノンアダルト)へ にほんブログ村 デザインブログへ 人気ブログランキング
Viewing all 455 articles
Browse latest View live